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あがり症の治し方を解説|あがり症のメカニズムやあがり症で精神科を受診する理由も紹介

 更新日:2023/10/02
あがり症の治し方を解説|あがり症のメカニズムやあがり症で精神科を受診する理由も紹介

「プレゼンで緊張して話せない」「人前でご飯が食べれない」「人に見られながら文字が書けない」「人前に立つと顔が真っ赤になる」等でお悩みの方々へ。

緊張しすぎてしまう極度の「あがり症」は心の病です。

ある程度緊張するのは自然な反応ですが、緊張や不安が大きくなりすぎて生活に支障が出ると、治療が必要になるケースもあります。

しかし、どのような治療が必要か分からない方もいるでしょう。

本記事では、あがり症の治し方を詳しく解説します。また、あがり症のメカニズムやあがり症で精神科を受診する理由も紹介します。

あがり症で悩んでいる方は、問題解決のためにお役立てください。

近野 祐介

監修医師
近野 祐介(ペディ汐留こころとからだのクリニック)

プロフィールをもっと見る
信州大学医学部医学科卒業。その後、飯田市立病院、産業医科大学精神医学教室、門司松ヶ江病院などで勤務医として経験を積む。2023年、「ペディ汐留こころとからだのクリニック」副院長に就任。日本精神神経学会精神科専門医、日本救急医学会救急科専門医。精神保健指定医。

あがり症とは

あがり症とは
あがり症とは、結婚式のスピーチやスポーツの大会など人前で何かをするときに、緊張して心身に出る症状のことです。「社交不安障害(SAD)」ともいわれます。
精神的な症状には、不安・緊張・トラウマ・予期不安などがあります。予期不安は、また同じ症状が出るのではないかと予期して不安になることです。身体的な症状としては、動悸・赤面・吐き気・声や手足の震え・息苦しさ・発汗などの症状があります。
こうした症状が起きるのは、自律神経のバランスが崩れるのが原因です。通常、自律神経として交感神経と副交感神経の2種類がバランスよく働いています。
しかしながら、不安や緊張が高まると交感神経の方が強く働くようになるため、先ほど挙げたような症状が起こります。

あがり症の治し方


大勢の人の前で話したり、試験のときに緊張するのは自然な反応です。しかし、心配や不安が強くなりすぎて、日常生活に支障が出る場合は治療が必要になります。
あがり症の治し方には次のような2つの方法があります。

薬物療法

1つ目の治療方法は、薬を処方して動悸や息苦しさなどの症状を緩和する薬物療法です。処方される薬には、SSRI・抗うつ薬・抗不安薬・ベータ遮断薬・睡眠薬などがあります。
SSRIは選択的セロトニン再取り込み阻害薬のことで、パキシルやレクサプロなどが代表的です。あがり症では神経伝達物質のセロトニンの量が少なくて神経の伝達がうまく行われていない状態が見られます。SSRIによってセロトニンの量を増やすことができるため、憂うつな気分や不安感を改善するでしょう。また、ベータ遮断薬は交感神経の興奮を鎮める働きがあり、動悸や震えなどあがり症の症状を抑制する効果があります。
薬物療法のメリットには、保険が適用されるため費用が安いことや、効果が高いことなどが挙げられるでしょう。デメリットとしては、あがり症の原因そのものを根本的に治療するものではないことや、薬によっては眠気や頭痛などの副作用があることなどです。
治療では薬物療法だけでなく、これから説明する精神療法やカウンセリングを組み合わせて行われる場合が多いでしょう。

精神療法(カウンセリング)

あがり症のほかの治療方法には精神療法があります。
精神療法では、認知行動療法と呼ばれる治療方法がよく用いられるでしょう。認知行動療法とは、物事の見方(認知)と行動の仕方を変える方法です。たとえば、これまでは大事な場面でみんなの視線が自分に向いているとネガティブに考えていたかもしれません。
でも、実際には冷静になるとほとんど誰も自分のことを見ていないこと、つまり精神状態による認識の違いに気づいてもらいます。専門のカウンセラーや医師のアドバイスによって不安に対応する方法をカウンセリングより分析します。
カウンセリングでは、心と体をリラックスさせるため、あがり症によるストレスを軽減するのに役立つでしょう。また、苦手なものや場所に少しずつ慣れていくことで、自信を取り戻すことにつながります。
また、考え方だけでなく行動から体が何を学習したかも考え、どのような行動を取れば修正できるかも考えます。その人がこれまで避けていた状況にあえて立ち向かい、よい経験を積むことにより不安や恐怖を克服していく治療方法です。

あがり症のメカニズム

あがり症のメカニズム
ここまで、あがり症の治し方を解説してきましたが、あがり症のメカニズムを理解しておくことも治療するうえでは大切なポイントです。あがり症になる理由には次のような原因が考えられます。

失敗体験などの環境的要因

一つ目の原因には、過去の失敗体験などの環境的要因が挙げられるでしょう。
たとえば、過去にスピーチで緊張しすぎて失敗した経験があると、再びスピーチをすることになったときに以前の失敗を思い出して不安になります。結果として緊張が高まり、動悸・息苦しさ・手足の震えといった身体的な症状が現れます。

不安に感じやすい体質

別の要因としては、遺伝的に不安や恐怖を感じやすい体質の場合も考えられます。これには生まれつき脳内の神経伝達機能に異常がある場合も含まれます。そうした不安や恐怖が極度の緊張につながり、あがり症を発症する場合もあるでしょう。

プレッシャーに弱い人

プレッシャーに弱い人も、あがり症になりやすい人といえるでしょう。プレッシャーは外からかかる圧力ですが、プレッシャーに弱い人は精神的な重圧や圧迫を感じてしまいます。
「うまく話せなければ人からの評価が悪くなる」「仕事ができない人と思われる」といったプレッシャーが緊張や不安を引き起こし、身体的な症状につながる場合があるでしょう。結果として普段通りのパフォーマンスを発揮できなくなってしまいます。

他者への意識が強い人

最後に、あがり症になりやすいのは、他者への意識が強い人の場合もあります。ほかの人からどのように見られるかや、失敗したらどう思われるかが気になり、それが緊張へとつながるケースです。こうした意識が強い人は、失敗を恐れて恥をかきそうな場面を回避する傾向があります。結果的に成功体験をする機会が少なくなるため、よけいにあがり症を発症しやすくなるでしょう。

あがり症で精神科を受診する理由

あがり症で精神科を受診する理由
あがり症に悩んでいるものの、病院にいくほどではないと考えている方もいるでしょう。でも、精神科を受診してみることを検討した方がよい場合もあります。
ここでは、あがり症に悩んでいる方が精神科を受診するのがおすすめの理由をご紹介します。

単に性格の問題ではない可能性があるため

あがり症は性格の問題と考えられがちですが、そうではない可能性もあります。先述したように、失敗体験など過去の環境的影響が原因かもしれません。そうした場合は、認知行動療法のような適切な治療で症状が改善する場合があります。
また、体質的に神経伝達機能に何らかの異常があるケースもあります。そうした場合には薬剤を使用した治療が有効です。
いずれにしても精神科を受診してあがり症の原因を突き止め、ふさわしい治療を行うことにより、問題を解決するきっかけとなるでしょう。

社会生活や仕事に影響を及ぼすことがあるため

あがり症がひどくなると、社会生活や仕事に影響を及ぼす場合もあります。たとえば、人に注目されるのが怖くなって、人の多い場所にいるだけで強い苦痛を感じるようになる方もいるでしょう。怖さのあまり、パニック発作を引き起こす場合もあります。
仕事の場合、会議やミーティングなどで発言ができない・電話を取れない・電話を取っても言葉がでないといった影響が出る可能性もあるでしょう。精神科であがり症の治療を行うことにより、このような問題を改善し、ストレスを軽減しながら社会生活を送る助けになります。

意識しすぎて悪循環に陥る可能性があるため

あがり症であることを意識しすぎると、悪循環に陥る可能性もあります。あがり症の方は、人前で緊張して失敗するかもしれないという意識から、緊張を隠すための行動を取ろうとします。
そうすると本当に緊張が隠せているか気が気でなくなり、そればかり考えてしまう結果、さらに不安が強まるという悪循環に陥りかねません。しかし、精神科で治療を行うことにより、他人がどう思っているか気にしないように考え方や意識を変えられます。そのため、このような悪循環を断ち切る助けになります。

治療をしないと症状が続くケースもあるため

精神科を受診した方がよい別の理由には、治療をしないと症状が続くケースがあることも挙げられます。あがり症の場合、すでにお伝えしてきたとおり、意識の悪循環が生じています。そのため、経験を積めば落ち着くというものではなく、適切な治療を行わないと症状が続く可能性は高いでしょう。
また、さらに症状が悪化するケースもあります。精神科を受診して薬物療法や精神療法などの適切な治療を受けることにより、症状の改善が期待できます。

辛い身体症状が出るケースもあるため

あがり症では辛い身体症状が出るケースも少なくありません。具体的には、次のような症状です。

  • 動悸
  • 息苦しさ
  • 手足・全身・声の震え
  • 筋肉がこわばる
  • 吐き気
  • 口の中が乾く
  • 手や全身に大量の汗をかく

こうした症状が日常生活に影響を与えるレベルで起きる場合もあります。精神科を受診して治療を受ければ、薬物療法で辛い症状を緩和したり、認知行動療法で症状そのものが起きにくいように意識や行動を変化させたりすることができます。

自力で克服するのは難しいため

あがり症を克服するのは自力では難しいのが現実です。
あがり症を克服するには、意識や物事に対する見方を変える必要がありますが、正しい知識や方法で行わないと成功しません。また、ネガティブな意識は長い年月を経て本人の性格の一部のようになっているため、自身で認識したり、変化させるのは簡単ではありません。
一方精神科を受診することで、医師の指導の下に意識や行動の仕方を変えるトレーニングが行えるため、あがり症を克服する近道になります。

あがり症の治し方でお悩みの方はペディ汐留こころとからだのクリニックへ

ペディ汐留こころとからだのクリニック
本記事では、あがり症の治し方について解説しました。あがり症の治し方には、薬物療法・精神療法(カウンセリング)があります。

また、あがり症のメカニズムやあがり症で精神科を受診する理由についても紹介しました。

ペディ汐留こころとからだのクリニックは、あがり症の治療を行っている心療内科・精神科のクリニックです。

会議やプレゼンで頭が真っ白になったり、緊張で手の震え・動悸・発汗などの症状が出ている方の診療を行っています。

平日は夜20時まで診察

ペディ汐留こころとからだのクリニック
ペディ汐留こころとからだのクリニックは東京都港区東新橋にあり、都営大江戸線・ゆりかもめ線の汐留駅直結で徒歩1分の場所なので、天候に左右されずに通いやすいです。

また、平日は夜20時まで診療を行っているため、仕事や学校の帰りが遅くなっても通いやすくなっています。

女性医師が在籍

ペディ汐留こころとからだのクリニックの院内はプライバシーに配慮した仕切りのある待合室や、安心して医師と会話できる診察室があり、緊張しがちな方も落ち着いて診察を受けられるでしょう。

女性医師も在籍しており、あがり症で悩んでいるものの男性には話しにくいといった女性の方も、悩みを相談しやすいクリニックです。

患者に合わせた適切な治療法を提案

あがり症(社会不安障害)の治療は、薬物療法と精神療法(心理療法)の併用による治療を行っています。

薬物療法は、抗うつ薬・抗不安薬・ベータ遮断薬を使用した治療です。

あがり症の治し方でも解説したとおり、これらの薬は緊張する場面で動悸や震えを抑えるのに役立ちます。また、不安や緊張を和らげ、リラックスできるでしょう。

ペディ汐留こころとからだのクリニックでは、薬物療法に加えて、精神療法(心理療法)も併用しています。

精神療法(心理療法)で中心となるのは、認知行動療法です。あがり症には物事の見方や考え方が大きく影響しています。

認知行動療法ではカウンセラーから客観的な意見を聞いて、自分では気づかなかった新しい視点や物事のとらえ方を変えるきっかけを見つけられます。

これまでのネガティブな考え方や物事の受け取り方に注目し、現実に沿った見方に変えていくことで悪循環から脱出できるでしょう。

ペディ汐留こころとからだのクリニックでは、患者一人一人の状況・目標・希望に合わせた適切な治療方法を提案しています。

大切な場面で不安や緊張が強くて困っている方は、ぜひペディ汐留こころとからだのクリニックに気軽に相談してみてください。

アクセス・住所・診療時間

汐留駅直結 徒歩1分

東京都港区東新橋1-9-1 東京汐留ビルディングB2F

診療時間
10:00~14:00
15:00~20:00

★:10:00~15:00
午前・午後の受付時間は、診療終了の30分前までです。

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