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卵子凍結の費用はどのくらい?助成金やメリット・デメリットを解説

 更新日:2024/04/19
卵子凍結の費用はどのくらい?

悪性腫瘍などの疾患がある患者さんに対して、これまで医学的な理由で卵子の凍結保存が行われてきました。

卵子の保存は-196℃の超低温の液体窒素の中で凍結保存されるので、半永久的に保存が可能です。そのため治療に伴う妊娠する力(妊孕性)の低下を気にせず、ゆっくり治療に専念することができます。

妊孕性の低下は悪性腫瘍の治療だけではなく、もちろん加齢によっても起こります。将来妊娠や出産をしたいと考えているけれど、今はまだ仕事に専念したいと思う女性にとって、卵子の衰えも悩みのタネのひとつではないでしょうか。

近年、そのような女性が卵子の凍結保存を望むケースが多くなっています。

今回は、最近耳にするようになってきた卵子凍結についてのメリットやデメリット、また費用について紹介します。

市山 卓彦

監修医師
市山 卓彦(torch clinic)

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2010年、順天堂大学医学部卒業後、不妊治療施設「セントマザー産婦人科医院」にて生殖医療に関わる臨床及び研究に従事。 特に着床不全の研究が評価され、海外の生殖医学会での表彰や、招待講演なども経験する。2019年4月、順天堂大学医学部附属浦安病院リプロダクションセンター副センター長に就任。培った技術を踏襲し、同センターにおいて良好な臨床成績を獲得するとともに、癌生殖、生殖心理の分野でも研鑽を積む。2022年5月、東京都渋谷区にtorch clinicを開院、院長に就任する。

卵子凍結とは?

卵子凍結とは?
加齢による生殖機能の衰えで妊娠確率が下がることへの懸念から、卵子凍結を考える方が増えています。
また、悪性腫瘍などで抗がん剤治療や放射線治療を行う場合、生殖機能が低下する可能性があるため、将来の妊孕性を考え、治療前に卵子凍結を行うケースもあります
以下では、卵子凍結について詳しくみてみましょう。

卵子凍結について

妊孕性温存のために行う凍結方法は「未受精卵凍結」と「受精卵凍結」の2種類に区別されます。卵子凍結とは、未受精卵凍結のことで卵巣から採取した卵子を精子と受精させることなく、単独で凍結保存することです。
一方、受精卵凍結はパートナーの精子と受精をさせ、受精卵にしてから凍結する方法です。主に不妊治療の過程で行うことが多く、現在は保険適用化されています。
また、卵子や精子は単細胞なので一般的に単独では凍結に弱く、多細胞である受精卵として凍結保存をする方が妊娠は高確率で期待できるといわれています。

卵子凍結の主な目的

卵子凍結の主な目的は、「医学的適応」と「社会的適応」が考えられます。
医学的適応とは、悪性腫瘍などに罹患した患者さんが、抗がん剤治療や放射線治療によって卵巣機能が低下する可能性がある場合に凍結保存する場合を指します。
社会的適応は、加齢などで生殖機能が衰えてしまい子どもができにくくなる前に卵子凍結を行うことです。
社会的適応の卵子凍結が注目を集めているその背景には、女性の社会進出や経済的不安などで結婚年齢が遅くなったことで子どもを望む年齢も高齢化していためだといえます。

卵子凍結の対象者

卵子凍結の対象者には次のような方があげられます。
悪性腫瘍などで妊孕性の低下する治療が予定されている、またはすぐの妊娠ができない方健康な未婚女性。

卵子凍結の費用

卵子凍結の費用
卵子凍結の費用は原則自己負担です。また、卵子凍結に掛かる費用には卵子凍結までの費用、および卵子凍結保存のための費用が毎年の更新料がかかります。

なお、東京都にお住まいの方には助成制度があります。
一方、がん疾患のある患者さんには「小児・AYA世代がん患者当妊孕性温存療法研究促進事業」として2022年3月より公的助成が行われています。

助成の対象になる治療はがん等の治療前に卵子や精子の採取・凍結保存・摘出卵巣の再移植までと限定されています。助成費用は以下になります。

  • 卵子採取・凍結の上限が1回あたり200,000円
  • 精子採取・凍結が25,000円

この「小児・AYA世代がん患者当妊孕性温存療法研究促進事業」は、東京都に限らず全国の都道府県で実施されています。助成に関する詳細はお住まいの都道府県のホームページで知ることができます。
一方、東京都にお住まいの方には、社会的適応で卵子凍結を希望される場合にも、助成制度が始まりました。

卵子凍結の助成金について

卵子凍結の助成金について
次に、卵子凍結の助成金についてみてみましょう。
東京都では、2023年9月15日より「卵子凍結に係る費用への助成」および「凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成」を開始しました。なお、「卵子凍結に係る費用への助成」を受けることができる方は以下の条件にすべてあてはまる方です。

  • 東京都に居住している18歳から39歳までの女性
  • 都が開催する「卵子凍結の正しい知識を持つ」の説明会に参加する
  • 説明会への参加申し込み日から助成金を申請する日まで継続して都内に住民登録している
  • 説明会参加後、都指定の登録医療機関において採卵準備の投薬を開始する
  • 未受精卵子の採卵・凍結後に都が実施する調査に協力する
  • 凍結卵子の売買・譲渡・第三者への提供を行わないまた、海外への移送も行わない
  • 卵子凍結後も都が実施する調査に最大5年間継続的に回答すること

なお、卵子凍結に係る費用への助成金は以下になります。

  • 卵子凍結実施年度は上限200,000円
  • 次年度以降に保管更新日調査回答の際、1年毎一律20,000円(最大5年間)を予定

また、「凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成」の助成金は、1回につき上限250,000円です。(ただし、「以前に凍結卵子を融解し作成した凍結胚」の移植では1回につき上限100,000円)
なお、対象者は妻が43歳未満の夫婦で、凍結卵子を使用した生殖補助医療を受ける方になります。

卵子凍結のメリット・デメリット

卵子凍結のメリット・デメリット
卵子凍結は、将来子どもを希望する女性や夫婦にとっての備えとして朗報といえます。一方、卵子凍結にはまだ解明されていない部分もあります。
以下では、卵子凍結のメリットやデメリットをみてみましょう。

メリット:その年齢の卵子を保存できる

卵子はまだ母体内にいる胎児のうちに作られます。卵子はその後作られることはないのです。なお、胎生5ヶ月目頃に卵子の数が最も多く、出生時には3分の1以下にまで減少します。
卵子の数は思春期頃になると300,000個ほどにまで減少しますが、その後も減少は続きやがて閉経を向かえるころには0になります。卵子はすべてが妊娠に向けて使われるわけではなく、一生涯で排卵される卵子の数は僅かに400~500個と言われています。
卵子凍結は、そのような加齢による卵子の減少や卵子の質の低下を止めることができ、できるだけ若い頃に行うのが良いといわれています。

メリット:将来の妊娠・出産の可能性を保てる

女性は加齢に伴い妊娠の確率は下がり、流産率も増加しますが、35歳を過ぎるととその速度はより一層増していきます。これは、加齢によって起こる染色体の異常や胚発育の悪化が原因だといわれています。
ただし、あらかじめ卵子や精子を若いうちに凍結しておけば、妊娠率や流産率は凍結した時の年齢のままです。
このように、卵子凍結によって将来の妊孕性に希望が持てることで、女性の社会進出で結婚年齢や出産年齢が上がっている現代において未来設計を立てやすくなるでしょう。

メリット:パートナー不在で凍結することが可能

卵子凍結のメリットとして、現在はパートナーがいない、もしくはまだ結婚を考えていない場合でも、女性一人で凍結することが可能であるため、余裕をもったパートナー探しができることも挙げられます。
受精卵はパートナーの精子と受精させた後に凍結しますので、使用する場合も同じパートナーとではなければいけません。一方卵子凍結は将来フレキシブルな使用ができることがメリットです。

デメリット:保存の安全性が未解明である

卵子凍結の保存では安全管理が大事になります。凍結する際は、-196℃の超低温の液体窒素の中で保存されます。-196℃ではほとんど化学変化が起こらないので、何十年間も保存した卵子を融解しても元の卵子と同じ状態を保つことができるのです。
しかし、保存された卵子や胚が将来妊娠する可能性と妊娠後の安全性は未だ明らかでないことが多いです。そのため、卵子凍結は十分な情報提供を受け、実施には自己判断が重要になります。

デメリット:自由診療である

卵子凍結は凍結から使用まですべて自由診療になるため、原則費用は実費になり治療費が高額になります。料金は各クリニック毎で決めらているので、診察を希望される場合はホームページで調べるか直接連絡して治療費の詳細を確認することをおすすめします。
なお、上述したように東京都にお住まいの方は東京都の助成金制度があるので、卵子凍結をお考えになっている方は都のホームページで申請条件などを調べてみると良いでしょう。

デメリット:合併症のリスクがある

妊娠や分娩は適切な年齢が存在します。卵子凍結はこの適切な年齢を超えての高齢出産を助長する可能性があると言われており、妊娠時期によっては高齢出産になり、分娩時の出血や妊娠高血圧症候群などの合併症のリスクも上昇します。
母児の合併症やさまざまなリスクを考えると、卵子凍結は推奨できないという意見もあります。卵子凍結をしたからといって必ず妊娠するとも限りません。
そのうえで、卵子凍結を検討する際は合併症や凍結のリスクを十分理解し、実施するかどうかは当事者が選択するようにしましょう。

卵子凍結の相談ならtorch clinic(トーチクリニック)へ

torch clinic(トーチクリニック)
卵子凍結を検討中の方は、恵比寿SSビル8階にあるtorch clinic(トーチクリニック)はいかがでしょうか。

torch clinic(トーチクリニック)は、不妊治療施設セントマザー産婦人科医院や順天堂浦安病院不妊センターで副センター長を務めた院長が2022年5月に開業したクリニックです。

torch clinic(トーチクリニック)では、患者さんに寄り添う医療を、高い技術力で提供されています。

トーチクリニックの卵子凍結の特徴は以下のとおりです。
・多くの卵子獲得を目指す高刺激による卵巣刺激法が選択可能
・静脈麻酔によって鎮静した状態での採卵術が選択可能
・卵子を採取する前の月経周期からピルを用いることで月経を調整し、採卵術の日程を予め計画することが可能
※経過によって変動する可能性があるため日程を確約するものではありません。
・休診日がなく土日祝日も対応可能
・院内での薬剤処方と後日のアプリ決済によって診察後すぐ帰宅可能
・専門のカウンセラーが在籍
※ご希望の方はカウンセラーによるカウンセリングをご案内致します。

卵子凍結は自由診療となりますが、torch clinic(トーチクリニック)は東京都の助成金制度「卵子凍結にかかる費用の助成」の登録医療機関でもあります。そのため、18~39歳の方は条件をクリアすれば最大300,000円の治療費の補助を受けることができます。

費用について、torch clinic(トーチクリニック)では凍結にかかるものは以下のように設定されているので参考にしてみてください。

  • 胚凍結料:10,000円(税込)
  • 胚凍結数加算:20,000円(税込)
  • 胚凍結保存更新料:10,000円(税込)

また、torch clinic(トーチクリニック)では、カウセリング料5,000円(税込)(1回)でカウンセラーによる診療も受けることができます。

確かな技術と経験による医療サービスを提供

torch clinicスタッフ
torch clinic(トーチクリニック)の医療チームは不妊治療施設で研鑽してきた生殖医療の専門の医師が従事しています。

また、ART施設および大学病院において室長や副室長を担ってきた胚培養士達が多数所属しています。

そのため、確かな技術力と経験により培われた良質な医療が提供できるといいます。

また、カウンセラーによるカウセリングも受けられるので、診療に関する不安や知りたい情報を解消し納得したうえで治療に専念することができるでしょう。

人生の選択肢を増やす患者さんに寄り添ったサポート

torch clinic(トーチクリニック)では、インターネットや専用アプリから診療予約が可能です。また、院内処方で薬局に行く時間を削減できます。

さらに事前問診もWeb上でできるため、患者さんは自分のタイミングで診療までスムーズに手続きができます。支払いもキャッシュレス決済や後日会計システムを導入しているので、診察後も時間がかかることなく帰宅できます。

なお、torch clinic(トーチクリニック)は土日も診療しており平日は20時まで診療をしている日もあるため、働いている方も通いやすいでしょう。

このように、torch clinic(トーチクリニック)は、患者さんに寄り添ったサポートが充実しているので、働きながらでも診察ができるクリニックをお探しの方におすすめです。

torch clinic(トーチクリニック)の基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数

JR恵比寿駅 東口徒歩1分
 地下鉄日比谷線 恵比寿駅 出口1 徒歩4分
 恵比寿駅前 徒歩4分

東京都渋谷区恵比寿4丁目3−14 恵比寿SSビル 8階

診療時間
9:00〜13:00
15:00〜18:00

●: 最終受付: 17:00
▲: 15:00~20:00(最終受付: 18:45)
★: 9:00~17:00(最終受付: 16:00)

【費用】
 胚凍結料:10,000円(税込)
 胚凍結数加算:20,000円(税込)
 胚凍結保存更新料:10,000円(税込)
【治療期間】卵子凍結は2週間程度
【治療回数】3~5回

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