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AGAの初期症状とは?ミノキシジルなどの治療薬についても解説

 公開日:2024/01/12
AGAの初期症状とは?

自身がAGAではないかと薄毛症状で悩んでいませんか。

AGAの初期症状は、髪の毛のハリがなくなったり抜け毛が増えたりする症状です。

AGAはそのまま放置すると進行を止められないため、早めに治療することが重要といえるでしょう。

本記事では、AGAの初期症状・AGAの原因を解説し、AGA治療に使用されるミノキシジルの効果・副作用を紹介します。

AGAで悩んでいる方・ミノキシジルの使用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

坂本 好昭

監修医師
坂本 好昭(医師)

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慶應義塾大学医学部 卒業、同形成外科 入局。 フランス ネッカー小児病院留学を経て2016年より慶應義塾大学医学部 形成外科 講師

AGAの初期症状とは?

男性 頭皮
AGAの主な初期症状は、次の3つが挙げられます。

  • 髪の毛のハリがなくなる
  • 抜け毛が増える
  • 髪のセットが難しくなる

AGAとは男性型脱毛症のことで、成人男性に見られる髪が薄くなる状態です。一般的に、遺伝や男性ホルモンの影響などが原因といわれており、現在はAGA治療により、症状の回復が期待できます。
AGAの初期症状として、髪の毛のハリがなくなったり抜け毛が増えたりすることが多いです。また、以前よりも髪に元気がなくなり、髪のセットが難しくなるでしょう。
このような症状が現れたらAGAの可能性があるため、専門の医師に相談してみてください。

髪の毛のハリがなくなる

AGAの初期症状で、髪の毛のハリがなくなることがあります。AGAはヘアサイクルの成長期が短くなり、髪の毛がしっかりと育たないためです。
ハリやコシがなくなった髪の毛は細く柔らかくなります。髪の毛の1本1本が細くなると髪の毛の隙間から頭皮が見えるようになり「薄毛」と判断されるでしょう。
このようにハリやコシがなくなり始めたら、AGAの初期症状の可能性があるため注意が必要です。また、髪の毛のハリやコシは急になくなるものではありません。気づかぬうちにゆっくりと髪の毛の質に変化が現れます。
そのため、1〜3ヶ月に1回は髪の毛のチェックを行い、自身の毛髪・頭皮の状態を確認しましょう。

抜け毛が増える

鏡を見る 男性
AGAの初期症状として「抜け毛が増える」ことがあります。髪の毛は誰でも抜けますが、通常よりも抜けるスピードが早まったり量が増えたりする場合は要注意です。
実際に、人間の頭髪は全体で約10万本生えているといわれています。そのうち、50〜100本前後の髪の毛が1日で抜け落ちることが一般的です。
髪の毛の量は個人差があるものの、AGAの男性の場合は抜け落ちる量が2〜3倍といわれており、抜け毛が増える前から比べると明らかに増加します。
髪の毛には生え変わる周期(ヘアサイクル)があり、一定の間で「生える・育つ・抜ける」を繰り返すことが特徴です。抜け毛が増えると「育つ前に抜ける」ため、髪全体が少なく見えて「薄毛」と判断されるでしょう。

髪のセットが難しくなる

AGAの初期症状として、毎朝の髪のセットが難しくなることがあります。髪の毛が軟毛化すると髪がまとまりにくく、思うような髪型にセットできません。
先述したように、髪の毛はハリやコシがなくなると徐々に軟毛化します。軟毛化とは、髪の毛が弱々しくなることです。髪のセットが難しくなったらAGAのサインといえるので、医師に相談しましょう。

AGAになる主な原因

頭を抱える 男性
AGAの主な原因は、2つ挙げられます。

  • 遺伝
  • 男性ホルモンの影響によるもの

AGAは遺伝が原因のため、血縁関係に症状が出ている方がいれば、自身も発症する可能性があります。遺伝が原因でも治療により改善できる可能性があるため、諦めずに治療するとよいでしょう。
また、AGAは男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の影響によるものと考えられています。遺伝の場合も、ジヒドロテストステロンが先天的に多く分泌されている可能性があるでしょう。
ジヒドロテストステロンはヘアサイクルを早める働きがあるため、その影響を受けて髪の毛が丈夫に育つ前に抜け落ちてしまい薄毛になります。
AGAは遺伝や男性ホルモンが関係しているため、発症したまま放置すると改善する可能性はありません。そのため、症状が現れたら早めに医師に相談することがおすすめです。

AGAに効果的なミノキシジルとは?

ミノキシジル
ミノキシジルとは、AGA治療に効果が期待できる治療薬です。外用薬と内服薬があり、外用薬は1988年にAGA治療薬として承認されています。
一方で内服薬は、現在も承認されていません。ただし、医師が診断して処方する場合に限り利用できるため、AGA専門のクリニックでは実際に処方されています。
ミノキシジルはAGA専門クリニックで処方できますが、外用薬で1ヶ月あたり5,000~13,000円(税込)、内服薬で6,000~12,000円(税込)ほどです。参考にしてみてください。
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として使用されていましたが、発毛と育毛促進の効果が期待できるため多くの国で採用されている治療薬です。
このように発毛・育毛促進の効果が期待できる点がメリットといえるでしょう。
一方で、副作用の発現が報告されている点がデメリットです。初期脱毛・皮膚炎・肝機能障害・心疾患などのリスクがあります。そのため、内服薬の処方を控える医師も少なくありません。

ミノキシジルの効果

ミノキシジル 効果
ミノキシジルの具体的な効果は、次の2つです。

  • 発毛効果
  • 育毛促進効果

AGA治療を大きく分けると予防・育毛・発毛の3つになり、ミノキシジル育毛・発毛の効果が期待できます
すでに薄毛が進行しており「痩せてきた髪の毛を元気にしたい」「生えにくくなった部分に髪の毛を生やしたい」などでお悩みの方に使用されることが多いです。

発毛効果

ミノキシジルは、発毛効果が期待できます。発毛に関係する成長因子の産生を促す働きがあり、成長因子が毛母細胞を刺激することで髪の毛の育成を促すためです。
主な成長因子は、インスリン様成長因子1(IGF-1)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などが挙げられます。また、毛母細胞に必要な栄養や指令を送る「毛乳頭細胞」そのものを増殖させる効果もあるとされています。
このようにミノキシジルは、毛母細胞への刺激と毛乳頭細胞の増殖を促す働きにより、発毛効果が期待できるでしょう。

育毛促進効果

ミノキシジルは、育毛促進効果が期待できます。ミノキシジルヘアサイクルを正常化させる働きがあるためです。
実際にミノキシジルには、アポトーシス(毛母細胞の死滅)を抑制する働きがあります。毛母細胞は新しい髪の毛を生成するため、ヘアサイクルを正常に戻し、元気な新しい髪の毛を生み出すでしょう。

ミノキシジルの副作用とは?

男性
AGA治療において育毛・発毛の効果が期待できるミノキシジルですが、副作用があります。ミノキシジルの副作用は、次の8つです。

  • 初期脱毛
  • 皮膚炎
  • 動悸・息切れ
  • 頭痛やめまい
  • 手足や顔の浮腫
  • 多毛症
  • 肝機能障害
  • 心疾患

ミノキシジルの副作用は、初期脱毛や皮膚炎などの皮膚トラブルが現れるだけではなく、動悸・息切れ・頭痛・肝機能障害・心疾患など体の内側からくる症状も見られます。
特に、ミノキシジルの内服薬は上述した副作用のリスクがあるため、処方を控える医師も少なくありません
厚生労働省によると「ミノキシジル5%含有外用薬の副作用発現率は8.82%」となっています。
ミノキシジルの処方を検討している方は、ここで紹介する副作用のリスクを理解して使用するようにしましょう。

初期脱毛

ミノキシジルを使用すると、初期脱毛の症状が現れる可能性があります。初期脱毛とは、使用開始後2〜8週間ほどで起こる抜け毛のことです。
個人差はあるものの、AGA治療を行う多くの方に見られます。育毛・発毛を目的に使用しているのに、いきなり髪の毛が抜けてしまうことに驚く方も少なくありません。
初期脱毛が起こる理由はヘアサイクルが関係しています。AGAになると健康な髪の毛に比べて早めに「休止期」に入ってしまい、思うように成長しません。
ミノキシジルを使用することで、休止期になっていた毛包が成長期に移行し、古い髪の毛が新しい髪の毛に押し出されます。
この一連の流れにより抜け毛が生じているため、初期脱毛が起こることはミノキシジルの効果が発揮されている証拠です。この時点で治療をやめてしまうと、育毛・発毛の効果を実感できないため、すぐにやめずに継続するようにしましょう。
ただし、初期脱毛の症状を勝手に解釈して治療を継続すると、頭皮に異常が起きている場合に気付けなくなります。
AGA治療専門の医師に経過を確認してもらいながら、治療を継続するようにしましょう。

皮膚炎

皮膚炎
ミノキシジルの外用薬を使用した場合に、皮膚炎になる可能性があります。皮膚炎の症状は次の通りです。

  • 発赤(ほっせき):発心の一種。赤色に変化し、皮膚面からプクッと盛り上がった状態
  • 掻痒感(そうようかん):全身または局所のかゆみ
  • 落屑(らくせつ):皮膚表面の細かいかさぶたがぼろぼろと剥がれる状態
  • 毛包炎:毛包に起こる炎症。細菌感染が原因
  • 接触性皮膚炎:皮膚に接触したものの影響で起こる炎症。日常のあらゆるもので起こる可能性がある

主なものとして、上記の症状が現れる可能性があります。ミノキシジルの副作用として、皮膚炎の発現率はそれほど高くはありません
しかし「もともと皮膚が弱い」「肌に合わない気がする」など不安に感じる方はすぐに専門の医師に相談しましょう。
AGA治療は外用薬以外の治療方法もあるため、無理に使用せず他の治療方法を検討してみてください。

動悸・息切れ

ミノキシジルの内服薬を使用することで、動悸息切れの副作用を起こす可能性があります。ミノキシジルはもともと高血圧患者が使用する降圧剤として開発されました。
そのため、血圧が不安定な方や心臓疾患がある方などは、心機能障害・不整脈といった心臓に関係する症状が悪化する可能性があります。
動悸・息切れの症状が起こることは稀ですが、高血圧の症状があり降圧剤を使用している方や心臓に障害がある方は専門の医師に相談してください。

頭痛やめまい

ミノキシジルを使用した場合、頭痛やめまいの症状が出る可能性があります。
ミノキシジル血管を拡張して血液の循環をよくする働きがあるため、その影響で頭痛が起こる可能性は否めません。
また、毛細血管が拡張して中枢の血流が低下することがあります。そのため、血圧が急激に低下し、めまいが引き起こされる可能性もあるでしょう。
ミノキシジルを使用して頭痛やめまいの症状が現れたら、必ず医師に相談してください。

手足や顔の浮腫

ミノキシジルの使用により、まれに手足や顔の浮腫(ふしゅ)が現れることがあります。浮腫とは「むくみ」の専門用語です。
ミノキシジルは血管を拡張させる作用があるため、使用すると末梢神経が拡張し中枢の血液量が低下するでしょう。中枢の血液量が低下すると、体のセンサーは「血液量が足りない」と判断し、血液を増やす働きを起こします。
その結果、体内の血液量が過剰となり、体にむくみの症状が現れるという仕組みです。
むくみが現れて放置すると、心不全や心筋梗塞など命に関わるような疾患に繋がる可能性があるため、違和感をおぼえたら必ず医師に相談してください。

多毛症

ドライヤー 男性
ミノキシジルの使用により、副作用として多毛症になる可能性があります。多毛症とは、体のあらゆる部分の体毛が増える病気です。
ミノキシジルを使用すると、頭髪だけではなく全身の体毛が増える可能性があります。これはミノキシジルの効果が現れている証拠のため、異常ではありません。
全身の体毛が増えすぎて気になる方は、医師に相談して他の治療方法を検討しましょう。

肝機能障害

ミノキシジルの内服薬を使用することで、肝機能障害を引き起こす可能性があります。ミノキシジルの内服薬は肝臓で代謝されるため、どうしても肝臓に負担がかかるでしょう。
ミノキシジルの内服薬を使用して肝機能障害を引き起こすことは、極めてまれな事例です。
しかし肝臓は、何か異常が起きても自覚症状がありません。そのため「沈黙の臓器」といわれています。
気が付くと、重篤化して肝不全を引き起こしているということにならないためにも、使用に際しては医師の診察を受けるようにしましょう。

心疾患

ミノキシジルの使用により、心疾患になる可能性があります。
何度か述べていますが、ミノキシジル血管を拡張する働きがあるため、血液の流れに影響を及ぼすでしょう。
血液の流れが早くなったり血液量が増えたりすると、高血圧や動脈硬化などの血管の病気を想像できます。
しかし、血液は心臓がポンプとなり排出しているため、心臓への負担は否めません。その結果、狭心症や心筋梗塞など心疾患を患うことになるでしょう。
ただし、狭心症とミノキシジルの因果関係は発表されていますが、心筋梗塞や心不全の因果関係は明確にされていません。しかしながら、極めてまれに副作用として報告されています。

AGAの原因を知って初期段階で進行を抑えよう

診断を受ける
AGAの発症には原因があり、その原因を把握できれば初期段階で進行を抑えられるでしょう。AGAの原因は、遺伝や男性ホルモンの影響によるものです。
例えば、近親者の中に薄毛で悩んでいる方がいる場合は、自身も薄毛になる可能性があります。自身がAGAの発症を理解していれば、早めに手を施すことができるでしょう。
AGA治療には育毛・発毛だけではなく「予防」もあります。薄毛になる前に、健康な髪の毛を維持できる予防治療でAGA対策が可能です。
自身の毛髪・頭皮の状況を早めに理解することで幅広い治療が可能になるため、気になる方はAGA専門クリニックに相談してみましょう。

編集部まとめ

まとめ
AGAの初期症状は「髪の毛のハリがなくなる」「抜け毛が増える」「髪のセットが難しくなる」など、髪の毛が弱々しくなります

またAGAの原因は、遺伝や男性ホルモンの影響によるものです。近親者に薄毛の症状がある方がいれば、自身も発症する可能性があるでしょう。

しかしながら、AGA治療に効果が期待できるミノキシジルを使用することで、育毛・発毛を実感できる可能性があります。

ただし、ミノキシジルには副作用として、初期脱毛・皮膚炎・動悸・頭痛・肝機能障害・心疾患などが起こる可能性があるため注意が必要です。

AGAの原因・初期症状、ミノキシジルの効果・副作用を理解し、専門の医師に相談のうえAGA治療に取り組みましょう。

この記事の監修医師