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「AGAの初期脱毛」とは?初期脱毛が起こる期間や初期症状も解説!

 公開日:2023/06/01
「AGAの初期脱毛」とは?初期脱毛が起こる期間や初期症状も解説!

初期脱毛とは、AGA治療薬を使用し始めた際に一時的に抜け毛が増える現象のことです。

治療薬を使っているのにもかかわらず抜け毛が増えることに、不安を感じる方が多くいらっしゃいます。

しかし、多くは一時的なものなので、治療薬の選択肢を制限する必要はありません。

今回は、AGA治療を始める前に知っておきたい、治療に伴って初期脱毛が起こりやすいとされる治療薬をご紹介します。

AGAの初期症状についても解説しますので、ぜひご自身の状態と照らし合わせながらご覧ください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

AGAの初期脱毛が起こりやすい治療薬

薬と治療にはげむ男性。効果無く落ち込む
AGA治療薬の中には、初期脱毛が特に起こりやすい薬剤があります。しかし、初期脱毛は治療の副作用なのではなく、治療薬が効いている証拠です。そのため、ここでご紹介する治療薬を避けなければならないわけではありません。
AGA治療の効果が高い治療薬である点を最初に押さえておきましょう。それでは、AGAの初期脱毛が起こりやすい治療薬をご紹介します。

ミノキシジル

ミノキシジルは、AGA治療の中でも特に使われることの多い治療薬です。血管を拡張する作用があり、1988年からAGA治療薬として提供されるようになりました。
内服薬・外用薬の2つがありますが、国内で承認・推奨されているのは濃度5%未満の外用薬のみです。内服薬の処方・服用が違法とされているわけではありませんが、安全性や有効性などが十分に検証されていないことから外用薬が主流となっています。
ミノキシジルは血管を拡張するだけでなく、ヘアサイクルを延長させる働きも持っています。これにより、使用後2〜8週間程度で古い髪の毛が押し出される初期脱毛が起こるでしょう。

プロペシア

プロペシアは別名フィナステリドとも呼ばれ、AGAの原因となる酵素(II型5aリダクターゼ)の発生を抑制する効果が望める治療薬です。発毛を促すというよりは、抜け毛を減らす作用を持つ点にミノキシジルとの違いがあります。
プロペシアはあくまでAGAの予防・抑制に効果が期待できる治療薬のため、古い髪の毛が押し出されることで起きる初期脱毛はほとんど起こらないでしょう。

ザガーロ

ザガーロも、プロペシアと同じく抜け毛を減らす作用を持っています。その他にも、抜けにくいしっかりとした髪に育成する効果も期待できるのが特徴です。ザガーロもどちらかというと予防・抑制の治療薬のため、初期脱毛はほとんどないとされています。

AGAの初期脱毛が起こる期間

髪の毛を気にする男性
初期脱毛は、新しい髪の毛が成長することで古い髪の毛を押し出すことで起こります。そのため、初期脱毛が見られるようになるのは、治療薬の効果が出る2〜8週間後のケースが多いです。その後は4週間ほど続きます。
初期脱毛で抜ける毛量は個人差が大きく、治療を受ける前より多く脱毛してしまうケースもあるものです。初期脱毛は、一見するとAGAによる抜け毛と同じ症状のため「治療薬が効いていない」「治療薬の副作用である」と勘違いしてしまうことがあります。
しかし、実際は治療薬が効いたことで新しい髪の毛が成長している証拠です。途中で使用を中止しないようにしましょう。ただ、治療薬を使い続けて2ヶ月以上経過しているのに脱毛が続く場合・頭部全体の毛量が短期的に減った場合には、初期脱毛でない可能性があります。早めに医師に相談するようにしてください。

AGAの初期症状

頭皮を気にする男性
ここからは、AGA治療を受けるか迷っている方に向けてAGAの基礎知識をご紹介します。まずは初期症状を確認していきましょう。AGAの治療は早いほど良いとされているため、該当する項目がないか照らし合わせながらご覧ください。

枕に付く抜け毛が増える

AGAを発症すると、抜け毛の本数の増加を感じるようになります。特に枕元は髪の毛の付着が目立ちやすく、枕に付く抜け毛が増えることでAGAを疑い始めた方も多いでしょう。
1日に50〜100本程度の抜け毛であれば特に問題はないのですが、目に見えて抜け毛が増えている感覚がある場合には注意が必要です。急激に増えた場合には、ゆっくりと進行していくAGAではなく、他の病気の可能性があります。早めに医療機関を受診するようにしましょう。

髪が柔らかくなりボリュームがなくなる

AGAの代表的な症状といえば抜け毛のイメージがありますが、それは髪の毛が十分に成長していないために起こるものです。これは、発毛から脱毛までのヘアサイクルが極端に短縮されてしまうことが原因とされています。
つまり髪の毛のコシがなくなり、ボリュームが減ってきたと感じる場合には、AGAによって髪の毛の成長を阻害されている可能性が考えられるのです。毛根の形が球体でなく、バランスの悪い形になっていることもあるため、抜け毛をよく観察してみても良いでしょう。

生え際が後退したと感じる

AGAの脱毛パターンには、おでこの生え際から進行するタイプがあります。前髪を上げたときに生え際が後退したと感じる場合には、AGAの可能性が指摘できるでしょう。
ただ、生え際のラインが綺麗なのであれば心配いらないこともあります。生え際のラインが乱れており、所々抜け落ちたような跡がある場合には発症している可能性が高いです。おでこの生え際から進行するタイプは、そのままにしていると頭頂部へと進行していきます。生え際の段階でAGA治療を受けられると、治療の効果が期待しやすくなるでしょう。

同年代に比べて薄毛だと感じる

男性ホルモンは髪の毛の成長を促す効果があり、同年代であれば体内での生成量にそれほど差はありません。AGAの主な原因は男性ホルモンにあるとされているため、同年代に比べて薄毛だと感じる場合には、男性ホルモンに何らかの異常がある可能性を指摘できます。10代でAGAを発症する方もいらっしゃるため、年齢の割に薄毛だと感じる場合には早めに受診しましょう。

頭頂部やつむじの頭皮が見える

AGAの脱毛パターンには、おでこの生え際から進行するタイプ以外に、頭頂部やつむじ周辺から進行するタイプがあります。頭頂部やつむじの頭皮が見えるようになってきた場合には、AGAによって脱毛が進んでいる可能性があるでしょう。
特に日本人は、欧米人にはあまり見られない「頭頂部のみ」進行するケースも多くあります。自分で確認するのが難しい場合には、ご家族やパートナーに見てもらうなどするのがおすすめです。

AGAを初期段階で治療するメリット

ドライヤーをする男性
前述のように、AGAは初期段階で治療することが望ましいとされています。この理由にもなるのが以下の4つの事柄です。

  • 症状が進行するので早期治療が望ましい
  • ヘアサイクルの消費回数を抑えられる
  • 処方される薬が少ないため治療費用を抑えられる
  • 早期にコンプレックスを解消できる

それぞれ確認していきましょう。

症状が進行するので早期治療が望ましい

AGAは進行性の脱毛症であり、少しずつ症状が進んでいきます。治療しない限り改善することはなく、生え際から頭頂部から始まった薄毛・脱毛はどんどん広がっていくでしょう。
AGAは、完治することは困難でも改善は可能な病気です。治療を続けていくことで元の毛量にまで戻せる可能性があるため、早い段階で治療を受けることが何よりも望ましいといえます。

ヘアサイクルの消費回数を抑えられる

髪の毛には成長期・退行期・休止期の3つの周期があり、1,000〜2,000日かけて1周します。AGAを発症するとこのヘアサイクルが100日前後にまで短縮されてしまい、薄毛・脱毛へと繋がります。
実は、ヘアサイクルの回数には上限があり、決められた回数しか周期を重ねられません。つまり、10分の1にまでヘアサイクルを短縮してしまうAGAは非常にまずいのです。ヘアサイクルの回数が多く残っている段階で治療できれば、将来の髪の毛の状態にも大きな効果を発揮します。
ヘアサイクルの上限回数に到達してしまえば、現段階では手の施しようがありません。こうした側面からも、なるべく早い段階で治療を受けることが大切であるといえます。

処方される薬が少ないため治療費用を抑えられる

治療薬の効果は、年齢や進行度によって異なります。基本的に個人の状態によって治療薬が処方されますが、進行しているほど治療薬の種類や数は多くなります。初期段階であれば、症状が進行している箇所が少なく、AGAを予防する薬でも効果が望める可能性が高いです。AGAの進行度と治療費は比例していると捉えて良いでしょう。

早期にコンプレックスを解消できる

髪の毛は外見に関わる大切な要素のため、AGAによって薄毛になっている状態にコンプレックスを抱いている方は多くいらっしゃいます。AGAの主な原因は男性ホルモンや遺伝とされていますが、他にも生活習慣やストレスが引き金となることも十分にある病気です。
コンプレックスを抱いていることがストレスに繋がり、症状を進行させてしまうこともありうるでしょう。初期段階で治療を受けられれば、治療の効果を実感しやすくなり、コンプレックスの早期解消を望めるようになります。

薄毛が気になるときは早めに治療を始めよう

おでこの生え際を気にする中年男性
薄毛は、様々な要因によって起こります。こちらの記事で取り上げたAGA以外にも、円形脱毛症・粃糠(ひこう)性脱毛症・抜毛症など様々です。特にAGAは、50代以降になるとおよそ40%の方が悩む病気であり、男性の薄毛問題に大きな影響を与えています。
進行性の病気なので、早期に治療を受けることが何よりも大切です。薄毛が気になるときには、早めに治療を受けるように心がけましょう。

編集部まとめ

カジュアルビジネスの男性
AGAは、ヘアサイクルを通常の10分の1にまで短縮してしまう病気です。髪の毛が十分に成長できないままに退行期を迎えるため、薄毛・脱毛などの症状が引き起こされます。

時間をかけてゆっくりと進行するため、気づかない間に症状が進行してしまっているケースは決して少なくありません。

枕に付着した抜け毛が増えてきたり、生え際が後退したりするなど、薄毛や脱毛が気になるようになったら迷わず医療機関を受診するようにしましょう。

なお、AGA治療薬を使用し始めると初期脱毛が見られるようになります。これは副作用ではなく治療薬が効いている証拠のため、治療は継続するようにしてください。

前述のように、生涯のヘアサイクルの回数は決まっています。AGA治療は時間との勝負です。まずはカウンセリングからでも検討してみることをおすすめします。

この記事の監修医師

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