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うつ病の初期症状は?うつ病の原因や治療方法について解説

 公開日:2024/08/31
うつ病の初期症状は?うつ病の原因や治療方法について解説

誰にでも気分が落ち込むときはありますが、時間が経過すると少しずつ回復することが多いでしょう。

しかし、いつまでも気分が晴れなかったり体調が悪化したりと気分がよくならない場合は、うつ病の初期症状かもしれません。

うつ病の原因や症状には個人差があり自身で判断するのは難しいため、専門のクリニックでの診断が大切です。また、我慢して放置することで症状が重くなる可能性があるため、早期の治療開始が重要となります。

本記事では、うつ病の初期症状や治療方法を解説します。

安藤 智道

監修医師
安藤 智道(秋葉原メンタルクリニック)

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平成8年 東京慈恵会医科大学卒業
平成10年 東京慈恵会医科大学附属病院初期研修修了
平成11年 復光会総武病院勤務
平成17年 東京慈恵会医科大学附属病院勤務
平成20年 5月 秋葉原メンタルクリニック開設

うつ病とは

うつ病とは
うつ病は気分障害の1つで、日常生活に支障が出るほど気分が落ち込んだり、意欲が低下している状態が続きます。過度なストレスなどが引き金となって神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが減少することで発症すると考えられており、日本人の約15人に1人が生涯のうちに1度は経験するといわれている病気です。
神経伝達物質は、精神の安定ややる気を司る物質のため、減少してしまうと無気力になったり憂うつ状態が続いたりします。症状が悪化すると焦燥感が増幅して、心だけではなく身体の不調も出てくるでしょう。
うつ病は甘えや怠けではなく脳の病気のため、治療することで症状の改善が期待できます。早期の発見と早期の治療が重要なため、うつ病の症状がみられる場合は専門の医療機関を早めに受診するようにしましょう。

うつ病の初期症状

うつ病の初期症状
うつ病の初期は、身体の不調や行動の異常が確認されることも少なくありません。ひきこもりやリストカット、暴力的な行動を起こしたりすることもあります。朝に症状が強く現れ、午後から和らぐこともありますが、症状が1日中あって2週間以上継続している場合は、専門の医師に相談しましょう。
具体的にどのような初期症状があるのかみていきます。

意欲がなくなる

うつ病のサインの1つが感情の異常です。一例として、趣味を楽しめなくなるというものがあります。趣味は大抵の人が積極的に打ち込み、楽しむものですが、うつ病を発症するとそういった趣味を楽しめなくなって意欲が減退してしまいます。家に閉じこもるようになって、外部との接触を避けるようになるでしょう。
意欲がなくなる症状を精神運動抑制(制止)といいます。億劫や面倒などの感情が前面に出てしまい、重症化するとベッドに横になることが増えてうつ病性昏迷状態に陥ります。飲食や水分補給ができなくなることもあるため注意が必要です。

気持ちが落ち込む

うつ病になると、一日中気分がひどく落ち込んでいる状態が何日も続きます。うつ病でない場合は、一時的に気分が落ち込んでも悩みや問題が解決すれば気分が晴れることが多いです。しかし、うつ病を発症すると見方や考え方が否定的になるため自分のことを卑下してしまいます。
その結果、小さな悩みや問題も大きくとらえるようになり、解決できないと感じてしまいます。

不安・焦り・イライラ

不安や焦燥感を全く抱かないという人はいないでしょう。ただ、うつ病の場合は原因がはっきりしていないにも関わらず常に不安・焦りを感じ、イライラしてしまいます。イライラしてしまうと、暴力的な行動に走ったり攻撃的な言動になったりして他人を傷つけることもあります。

涙もろくなる

涙は悲しいことやうれしいことで感情が高ぶったときや目に入った異物を洗い流すときに流れるものです。涙を流すことでストレスホルモンを体外に排出するため、涙を流した後にすっきりした感覚になることは珍しくありません。
通常、涙を流すのには理由がありますが、うつ病の症状として流す涙は理由が定かでない場合も少なくありません。急に涙もろくなったり何でもないことですぐに涙が出たりする場合は、うつ病の初期症状のことがあります。

仕事のミスが増える

うつ病によって、思考抑制や微小妄想などの症状が起きると、考えがまとまらなかったり決断力が低下したりします。これにより、頭の働きが鈍り、返事が遅れたり話し方が不自然になったりすることで、仕事のミスが増えることがあります。仕事に限らず、集中力が欠けると学業や家事などの手順がわからなくなってパニックに陥ることもあるでしょう。
さらにうつ病が進行して罪業妄想・貧困妄想・心気妄想などの微小妄想が悪化すると、職場にいることが難しくなることもあります。

食欲不振

うつ病の身体症状の一つに食欲不振があげられます。食欲不振は食欲が出ないだけではなく、以下のような症状が現れます。

  • 過食
  • 味覚の変化
  • 口渇
  • 胃の不快感
  • 体重減少

食欲不振といった身体症状は、感情の異常を認知していない時期から現れることもあります。身体の不調とともに感情の起伏が激しくなった場合にはうつ病の可能性があるため、注意が必要です。

睡眠障害

睡眠障害もうつ病の身体障害の1つです。睡眠障害には以下のものがあります。

  • 不眠
  • 寝つきが悪い
  • 眠りが浅い
  • 寝すぎる
  • 2時間ごとに目が覚める
  • 朝早くに目が覚める

睡眠障害とうつ病は、初期症状と併存症状の相互関係にあるといわれています。不眠症を患っている人が後にうつ病を発症する確率は、睡眠障害のない人の2〜3倍になるといわれているため、不眠症を患っている人は注意が必要です。
うつ病による不眠は、病気が改善することで軽減されることがありますが、場合によっては症状が残ってしまうこともあります。このように症状が残っている場合、うつ病の再発リスクが高まる可能性があります。

うつ病の原因

うつ病の原因
うつ病の発症原因は明確には解明されていませんが、脳内のメカニズムの不調によって感情のコントロールが難しくなり、その結果として症状が現れると考えられています。
うつ病を誘発する可能性がある要因は以下のようなものがあります。

  • 心理的要因(精神的ストレス)
  • 身体的要因(身体的ストレス・病気・服薬など)
  • 遺伝的要因
  • 環境的要因(PTSD
  • 性格的要因(几帳面・責任感が強い・真面目など)
  • 心理・社会的要因(別離・人間関係・失業・倒産など)
  • 脳の神経科学的変化(アミン代謝障害仮説・受容体感受性亢進仮説など)

うつ病を発症する要因はさまざまであり、同じようなストレスを受けても発症しない人もいます。
しかし、うつ病は脳内の神経伝達機能の不調によって引き起こされる病気です。うつ病は心が弱いから発症するものではないことを正しく理解することが重要です。

うつ病の治療方法

うつ病の治療方法
うつ病の基本的な治療は、休養・服薬・周囲のサポートです。うつ病の患者さんに安易に「がんばって」と励ますことは逆効果になることもあるため、十分に注意が必要です。
うつ病の治療においては、ストレス環境を取り除き、心身を落ち着かせることが大切です。自宅での療養が難しい場合は、入院治療も検討するとよいでしょう。
また、うつ病の患者さんは誰も自分を理解してくれないと感じることが少なくないため、周囲の人が患者さんの言葉に耳を傾けることが重要です。

休養

うつ病の治療の第一歩は、休養を取ることです。職場や学校から離れ、精神的なストレスや身体的ストレスを受けることなく心身が休める環境(自宅や入院など)を整えることが重要です。
ストレス環境を排除するだけでも症状が軽減して、治療後の再発のリスクを減らすことができます。また、軽い有酸素運動や散歩などを行うことによってうつ病の症状が軽減することも報告されています。

カウンセリング

専門の医師と対話する治療法を精神療法といいます。精神療法には、以下のものがあります。

うつ病の患者さんのなかには、自身の気持ちを打ち明けることが苦手な人も少なくありません。
カウンセリングでは、時間をかけて患者さんの気持ちに耳を傾け、共感と支持を示します。精神療法の目的は、患者さんが完治した後に、学校や職場に無理なく復帰できるよう支援することです。

薬物療法

薬物療法では、抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)・抗精神病薬・抗うつ薬などが処方されるのが一般的です。抗うつ薬は、役割を終えた神経伝達物質セロトニンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害します。そして、シナプス(神経と神経の間)の神経伝達物質の量を増加させ、情報伝達を改善させることでうつ病を治療します。
阻害薬のSSRIはセロトニンの再取り込みを阻害する薬剤です。SNRIは、セロトニン・ノルアドレナリンの2つに作用する阻害薬です。
ただし、躁うつ傾向にある患者さんにSSRIを投与すると不安・焦燥感・パニック発作などの症状が起こることがあるため注意が必要になります。また、抗うつ薬の服用は、自己判断で中止しないようにしましょう。

認知行動療法

認知行動療法とは、認知に働きかけることで気持ちを楽にする心理療法です。心が健康なときには、何か出来事が起こると自動思考(瞬間に浮かぶイメージや考え)と呼ばれる思考が働き、問題解決のための行動を起こすことができます。
しかし、うつ病にかかると、思考が停滞するため大きなストレスを感じてしまいます。認知行動療法は、辛いときに浮かぶ自動思考を、バランスのとれた柔軟な思考へと変えることでストレスを和らげる手助けをする治療です。

うつ病でお悩みなら秋葉原メンタルクリニックにご相談を

秋葉原メンタルクリニック
気力がなくなってきた・気持ちの落ち込む日が増えたなど、メンタル面で少し辛いと感じている方は、東京都千代田区にある秋葉原メンタルクリニックを受診してみてはいかがでしょうか。

秋葉原メンタルクリニックは、JR秋葉原駅から徒歩1分の場所にあるクリニックで、精神科と心療内科に対応しています。

以下、秋葉原メンタルクリニックの3つの特徴を紹介します。

メンタルの問題を気軽に相談できる親しみやすいクリニック

秋葉原メンタルクリニック
秋葉原メンタルクリニックは、メンタル面のかかりつけ医を目指しています。日々かかるストレスを溜め続けると、うつ病といった精神障害を引き起こす可能性があります。

うつ病かも?と思い当たる症状がみられる場合は早期の治療が重要です。

秋葉原メンタルクリニックの安藤院長は、日本精神神経学会に所属しており、経験豊富な医師です。

診察では緊張してしまいがちですが、秋葉原メンタルクリニックでは治療方針を患者さんと相談しながら決めることを大切にしています。心が辛いと感じるときは、秋葉原メンタルクリニックで相談してみてはいかがでしょうか。

プライバシーに配慮した通いやすいクリニック

うつ病の患者さんは、人との接触が苦手な方も少なくありません。秋葉原メンタルクリニックは、患者さん同士が極力顔を合わせないように、以下の配慮がされています。

  • 番号札での呼び出し
  • 防音が装備された診察室
  • 待合室を診察と会計で分室
  • 完全予約制(当日の空きがあれば予約が可能)

うつ病の治療のためには、患者さんがクリニックに行こうと思えるような環境が重要です。秋葉原メンタルクリニックは、患者さんができるだけ気軽に、リラックスして診察を受けられるような診療環境が整えられています。

早期の社会機能回復を目指した治療

秋葉原メンタルクリニックでは、うつ病の発症初期は判断能力や思考力が低下しているため、休養を取ることから始め、投薬治療・リハビリテーション・予防対策などを徐々に開始するそうです。

初期の段階からリハビリテーションや予防対策を取り入れることで、早期の回復や再発の防止につながります。

早期にリハビリテーションを開始することに不安を感じることもあるかもしれませんが、治療の進行は患者さんの意思を尊重し、担当医と相談のうえで決定されるため不安なく治療に臨めるでしょう。

秋葉原メンタルクリニックは、治療の大きな目標を社会機能の回復として、患者さん一人ひとりが社会での役割を取り戻せるよう支援しているクリニックです。

秋葉原メンタルクリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR各線・東京メトロ日比谷線・つくばエキスプレス 秋葉原駅より徒歩1分

東京都千代田区神田平河町4番地 渡辺ビル6階

診療時間
10:00~13:30
15:30~19:00

※初診も予約制
※当日でも空きがあれば受診可能

この記事の監修医師