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レーシック後にコンタクトを装着してもいい?カラーコンタクトの使用やアイメイクの注意点も解説

 公開日:2025/08/24
レーシック後にコンタクトを装着してもいい?カラーコンタクトの使用やアイメイクの注意点も解説

視力の向上のために行われるレーシックですが、レーシック後に、メイクとしてカラーコンタクトをつけたいなど、何かしらの理由でコンタクトレンズを利用したいというケースもあると思います。この記事においては、レーシックを受けた方がコンタクトレンズを使用する際の注意点などについて解説していきます。

栗原 大智

監修医師
栗原 大智(医師)

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2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。日本眼科学会専門医。

レーシックの基礎知識

レーシックの基礎知識

レーシックとはどのような治療ですか?

レーシックは、レーザーによって角膜の形状を整えることによって、目に入る光の屈折率を調整し、近視や遠視、乱視といった見え方を修正する治療法のことです。
人の目は、外界から眼球内に入ってくる光を角膜や水晶体によって屈折させ、眼球の奥にある網膜部分で焦点を結ぶことによってピント調節を行っています。特に近くを見たり遠くを見たりする際のピント調整に重要な役割を果たしているのが水晶体で、毛様体筋という筋肉で水晶体の厚みなどを変化させることで、さまざまな距離にピントを合わせることが可能です。
しかし、近視や遠視という状態になると、眼の構造が変化してしまい、水晶体で光の屈折を変化させても、近くのものや遠くのものにピントを合わせにくくなります。これが近視や遠視と呼ばれる状態です。

レーシックは、光が水晶体に入るまえの角膜で光の屈折を調整することで、近視や遠視を改善します。
具体的には、角膜をエキシマレーザーというレーザーで削って形を調整し、光の屈折を変化させる方法によって治療を行います。治療の際には表面を薄く切開してフラップと呼ばれる蓋をつくり、フラップをかぶせて削った部位の保護を行うことで、安全性に配慮された治療を可能としています。

レーシックは誰でも受けることができますか?

レーシックは安全性に配慮された治療ですが、下記のような方は治療を受けることができません。

  • 18歳以下の方
  • 角膜がもともと薄い方
  • 角膜の形状に異常がある方
  • 角膜の病気(角膜ジストロフィーなど)がある方
  • 強度の近視や遠視、乱視の場合
  • 白内障や緑内障などの眼科疾患がある場合
  • 極度のドライアイの方
  • 重度の糖尿病や膠原病などの全身疾患がある方
  • 妊娠中または授乳期間中の方
  • 精神疾患などがある方

まず、18歳以下の方の場合は、まだ成長段階にあり視力が安定していないため、レーシックが推奨されていません。
妊娠中の方や全身疾患がある方などの場合は、手術による負担や、手術後のケアのために処方される薬の服用に制限が生じる可能性があるため、手術を希望する場合には主治医とよく相談が必要です。
そして、レーシックは角膜をレーザーで削って行う治療であるため、角膜の厚みが不足している方や、角膜または眼に何かしらの疾患がある方は、治療を行えません。眼科疾患がある場合は先にそちらの治療を行う必要があります。過去にレーシック手術を受けた経験がある方も、角膜が薄くなっているため治療を受けられない可能性があります。

レーシック後に起こりやすいトラブルを教えてください

レーシック後によくあるトラブルとして、夜間に光がまぶしく見えたり、にじんで見えたりするハロー・グレア現象の発生や、ドライアイになってしまうことなどがあります。角膜を削るという治療の性質上、多かれ少なかれ現れやすい症状で、多くの場合は時間経過とともに改善します。
また、手術後に軽い近視の状態に戻ってしまうというのも、レーシック後におこりやすいトラブルの一つです。近視の戻りが生じる理由は、削った角膜の厚みが治療後に厚みを増してしまうことや、眼球内圧によって角膜のカーブが強くなることなどが原因と考えられています。

そのほかにも、不適切な治療や術後の不十分なケアにより、感染症や角膜混濁、フラップにしわが入ったように固定されるなどのフラップトラブル、そして角膜不正乱視などのトラブルが生じる場合もあります。
こうしたトラブルを避けるためには、しっかりとした検査のうえで、適切な治療を行っている眼科の診療を受けることや、医師の指示をしっかりと守ってアフターケアを行うことが大切です。

レーシック後のコンタクト使用

レーシック後のコンタクト使用

レーシック後にコンタクトレンズは装着できますか?

レーシック後であっても、コンタクトレンズを装着することはできます。ただし、レーシックは角膜を変形することでコンタクトレンズを装着しているときと同じような効果を得る治療ですので、コンタクトレンズを装着すればより視力が上がるというわけではありません。レーシックを受ける前のコンタクトは、レーシック後には度が合わなくなっていますので、使用しないようにしましょう。レーシック後に近視戻りなどが生じた場合に、その分を補う目的などで使用したい場合は、眼科で相談してみるとよいでしょう。

レーシック後にカラーコンタクトレンズを使用してもよいですか?

メイク道具の一つなどとして利用されるカラーコンタクトレンズも、通常のコンタクトレンズと同様、レーシック後であっても利用可能です。
ただし、レーシックを受けてから数ヶ月間は、コンタクトレンズを使用するとフラップがずれてしまうなどの可能性がありますので、使用してはいけません。フラップが安定してカラーコンタクトレンズを使用できるようになるまでの期間には、治療内容や年齢などによって個人差があるため、コンタクトレンズの装着を希望する場合は一度眼科で相談してみましょう。

レーシック後に治療前と同じコンタクトレンズは使えますか?

コンタクトレンズは、角膜にレンズをかぶせることで光の屈折を調整し、視力を矯正するためのものです。レーシック後は角膜による光の屈折が変化しているため、治療前と同じコンタクトレンズを使用すると、見えにくさや疲れやすさの原因になります。
もし近視の戻りなどを改善するためにコンタクトレンズを使用するのであれば、眼科でレーシック後の眼に合わせたコンタクトレンズを作成しなおしましょう。

レーシック後にコンタクトを装着する場合はハードとソフトのどちらがよいですか?

ハードタイプのコンタクトレンズは、ソフトタイプのものと比べて角膜に負担をかけやすいという特徴があります。レーシック後は角膜の一部が削られて薄くなっている状態ですので、もしコンタクトレンズを使用するのであれば、ソフトタイプのものを選択した方がよいといえるでしょう。

レーシック後の注意点

レーシック後の注意点

レーシック後のアイメイクはいつから可能ですか?

レーシック後は、眼の中に細菌が侵入したり、眼に負担がかかったりしないようにするため、1週間ほどはアイメイクを控えるように指示されることが多いでしょう。
また、メイクを除去する際にまぶたを押したり擦ったりして刺激が加わるのを防ぐ必要があるため、アイメイクをする場合も、簡単に落とせる程度の内容が推奨されます。
術後の経過などによってはもっと長い期間、アイメイクを控える必要がある場合もありますので、担当の医師とよく相談しましょう。

レーシック後に日常生活で注意するべきことを教えてください

レーシック後はフラップをしっかりと定着させる必要があるため、眼をこするなど、眼球を刺激する行為をなるべくしないように注意しましょう。球技や激しいスポーツ、水泳なども、少なくとも1ヶ月は控えましょう。
また、感染症を予防するため、レーシック後1週間ほどは就寝時に保護用の眼帯を装着するなどのケアを行う場合があります。感染症の予防には内服薬や点眼薬なども処方されますので、医師の指示をしっかりと守って、アフターケアに取り組みましょう。

レーシック後に視力が低下することはありますか?

レーシック後、角膜の厚みが増加するなどによって、視力が低下する場合があり、近視の戻りなどと呼ばれます
ただし、レーシック前の視力まで戻るという意味ではなく、視力が少し低下する程度の変化であり、治療前と比べればしっかりと視力は回復している状態で維持されます。
そのほかにも、加齢によって毛様体筋が衰えて生じる老眼が引き起こされる可能性はありますし、生活習慣などによっては眼球の変形によって近視や遠視が再度進行する場合もあります。
しっかりと視力を維持するためには、定期的に眼科での検診を受けて、適切な眼の使い方やケアを心がけることが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

レーシック後にもコンタクトレンズを使用することはできるため、メイクなどでカラーコンタクトを装着したい方は、問題なく利用できます。
ただし、レーシックから数ヶ月間はフラップが安定していないため、コンタクトレンズを装着したい場合は治療を受けた眼科で相談し、検査などを受けてから利用を開始するようにしましょう。

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