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顔のシミの原因は?シミの種類や予防方法・体の内側からの対策を解説

 公開日:2024/01/22
顔のシミの原因は?シミの種類や予防方法・体の内側からの対策を解説

いつの間にかできているシミに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。シミの原因は紫外線や加齢と共に衰える身体機能が原因といわれています。

この記事ではシミができてしまう原因や、顔にできるシミにはどのような種類があるのか、そしてどのような予防方法があるのかを解説します。

顔に出てしまうシミの対策方法を理解して、綺麗なお肌を取り戻しましょう。

山下 真理子

監修医師
山下 真理子(医師)

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京都府立医科大学医学部医学科卒業。その後、美容皮膚科で延べ10年以上経験を積む。現在は、京都府京都市に位置する「くみこクリニック北山院」に勤務。コロナ以前は、大阪医専にて医療従事者の教育にも関わっていた。

顔にシミができる原因は?

顔を見る人
顔にシミができてしまう原因には紫外線・ターンオーバーの乱れなどさまざまな要因があります。
どのようにしてシミができてしまうのかのメカニズムを紹介するので、チェックをしてみてください。

紫外線

顔にシミができてしまう原因の1つに紫外線があります。
紫外線を浴びると即シミになってしまうわけではありませんが、紫外線を長時間浴びるとシミができてしまう原因になってしまうでしょう。
長時間日焼け止めを塗らなかったり、対策を怠った状態で紫外線を浴びてしまうと、人間の体は紫外線から肌を守るためにメラニン色素を体内で作ります。
メラニン色素が増え過ぎてしまうと、処理しきれずに細胞に溜まってしまうこともあるでしょう。
通常は肌のターンオーバーが進むと色素は肌に蓄積されずに剥がれ落ちますが、肌に蓄積されたメラニン色素が剥がれずに残ってしまうことがあります。
残ってしまったメラニン色素が、皮膚表面に出てしまうことでシミができます。
対策せずに紫外線を浴びることを長期的に繰り返してしまうと、ダメージが蓄積されてしまい皮膚が再生する能力が低下する原因になってしまうので注意が必要です。

ターンオーバーの乱れ

肌のターンオーバーが乱れてしまうと、皮膚細胞に蓄積したダメージが体外に排出しきれずにシミとなって残ってしまいます。
ターンオーバーとは、体内の細胞が新しく生まれ変わるまでの期間を表す言葉です。
20代のターンオーバーは約1ヶ月と早いですが、年齢を重ねるごとに40日・50日と日数が伸びてしまいます。
20代の場合は肌に何らかのダメージを負っても短期間でもとに戻る可能性は高いです。
しかし、50代が同じようなダメージを負うとターンオーバーの期間が長いため、もとに戻る期間も長くなるでしょう。
このように年齢を重ねるとシミが出やすくなってしまうのは、ターンオーバーのサイクルが長くなっていることが原因の一つといわれています。
また、ターンオーバーが乱れてしまうことは年齢だけが原因ではありません。
ストレスから来る免疫力の低下やホルモンバランスによっても乱れてしまうので、日常的に食事や睡眠などに気を遣う必要があるでしょう。

ストレス

頭を抱える女性
顔にシミができてしまう原因の一つにはストレスも含まれています。人はストレスを感じると活性酸素を体内で発生させます。
活性酸素は、発生すると肌に炎症を起こす点が特徴です。そして、炎症から肌を保護するためにメラニン色素を発生させるメカニズムが生まれます。
この一連のサイクルによってシミができてしまうのです。
また、肌への炎症と保護でシミができるだけではなく、ストレスを感じると体内の血流が悪くなってしまい、皮膚表面の温度が下がってしまうことでシミができます。
皮膚の温度が下がってしまうと、外的要因から肌を守るためのバリアの効果が薄くなってしまいます。
このようにストレスはシミができやすい肌の状態にしてしまう原因の一つです。そのため、ストレスを感じたらすぐに発散するように心がけることが、シミをできにくくすることにつながります。

虫刺され

虫刺されもシミの原因になります。虫に刺された箇所がシミになる原因は、メラニン色素が生成されてしまうためです。
人の皮膚は虫に刺されると、その部分が炎症を起こしメラノサイトが刺激してしまいメラニン色素が排出されシミになってしまいます。
メラノサイトとは、メラニン色素を排出する器官です。通常はターンオーバーでメラニン色素は体外に排出されます。
しかし、皮膚の炎症が通常より酷かったりメラニン色素が皮膚の奥まで達してしまったりする場合は、そのままシミとなる場合があるでしょう。
対策は虫刺されの種類によっても変わるため、虫に刺されてしまったときはすぐに各対策をチェックしてみてください。
放置してしまうと、虫刺されによる痕やシミが残る可能性が高いため注意しましょう。

顔にできるシミの種類は?

鏡を見て悩む人
顔にできるシミは、炎症後色素沈着・老人性色素斑・肝斑の3種類です。
それぞれの対策方法を紹介します。顔にできたシミの種類は何かをチェックして実際に治療を行うことがおすすめです。

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは、ニキビや湿疹など皮膚の外傷痕がシミとなって残るものです。
皮膚に炎症が起こった場合、メラノサイトが活性化してメラニン色素が多量に排出されます。
その結果、皮膚の色素沈着が起こりシミになってしまうでしょう。炎症後色素沈着によるシミを治したいときは、炎症の原因を取り除くことが優先です。
例えば、ニキビが炎症の原因になっている場合はニキビケアを早めに行なうことで、炎症後の色素沈着を目立たなくすることが可能です。
また、炎症後色素沈着には、通常レーザーを用いた治療は行なわれません。
しかし、対策をしているのに消えない場合や広範囲に至っている場合は、まれにレーザーで治療をする場合があります。

老人性色素斑

しみ
老人性色素斑とは、紫外線を長時間浴びることで皮膚にダメージを負ってしまうことが原因で起こるシミです。
「老人性」と名前がついているため、年齢を重ねた人に出ると考える人が多いですが、若い人にも表出する可能性があります。
顔だけではなく手や腕に茶色いシミがあるときは老人性色素斑と考えられるでしょう。
このシミは、まれに膨れてイボになることもあります。老人性色素斑を防ぐ対策としては以下のものがあります。

  • レーザー治療
  • 長時間日に当たるときは日焼け止め

イボのようになっている老人性色素斑の場合は炭酸ガスレーザー治療を用いて治療を行なうため、顔にイボ状のシミがあって悩んでいる人は治療を検討してみてください。

肝斑

肝斑は主に30〜50代の人に見られる顔のシミです。顔の左右にぼんやりと薄いシミが出てきた人は肝斑の可能性があります。
肝斑ができてしまう原因として、加齢やストレスによってホルモンバランスが乱れてしまうためといわれています。
他にも顔のマッサージをやり過ぎてしまったり、洗顔の際に顔を強く擦り過ぎてしまったりすることも原因といわれているので注意しましょう。
また、2020年のパンデミックでマスクを付けることが多くなったために肌に摩擦が起きてしまい、肝斑が顔に表出した人も多いのではないでしょうか。
肝斑は30〜50代で表出しますが、女性は閉経すると共に薄くなったり、肝斑がいつの間にか消える傾向が見られます。
肝斑を予防したいときは、しっかりとした紫外線対策や、肌に摩擦の刺激を与えないように心がけることが大切です。

シミを放置するとどうなる?

悩む人
シミを放置すると、ダメージを負った部分に紫外線や外的要因が重なって更なるシミの増加につながる可能性があります。
特に、自然治癒する可能性がないシミには注意が必要です。
例えば、10〜20代の場合はターンオーバーのサイクルが早いため、短期間で目立たなくなることがあります。
しかし、30代・40代だと自然治癒することは難しい傾向があり、シミが残る可能性が高いです。
女性の場合はシミが目立っていることで自信が低下したり、シミの存在がストレスとなり、却ってできやすい皮膚環境になってしまったりするおそれがあります。
シミは見た目の美しさに影響を与えるだけではなく、対策をせずに放置しておくと皮膚病のリスクが高まるといわれています。
そのため、シミは放置することなく、なるべく早めの対策が望ましいでしょう。
対策方法は日常生活でできるものから医療まであるため、自分のシミの状態を見極めて対策を検討してみてください。

顔のシミの予防方法は?

手で顔を覆う
顔のシミの予防方法にはUVケアとスキンケアが有効です。しかし間違ったケアをしてしまうと却ってシミができやすい肌になってしまいます。
正しいUVケア・スキンケアの仕方をチェックして実践してみましょう。

UVケアを徹底する

シミをできにくくしたいときは、UVケアが欠かせません。しかし間違ったUVケアをしてしまうと、むしろ肌にダメージを与えかねないため、正しくUVケアを行いましょう。
紫外線は晴れの日だけではなく、曇りの日でも降り注いでいるので、天候の状態に関係なくUVケアは重要です。
まず、効果がある日焼け止めを選びたいときに見るべきポイントはSPF値とPAです。
日焼け止めには、SPF値とPAがどれくらいあるかを記載しているため、必ず確認してください。
SPF値が高く、PAのプラスマークが多いほど効果が高い日焼け止めといわれています。しかし、どちらも高いものを塗ればよいわけではありません。
散歩に行く場合は「SPF値は10〜20・PAは1〜2つ」が目安です。また、日焼け止めを1回塗ればよいわけではなく、2〜3時間ほど経ったら再び塗ることを心がけてください。
日焼け止めが体になじむまでに15分かかるといわれているため、外出するときは15分前に日焼け止めを塗ることがおすすめです。

正しいスキンケアを行う

スキンケア
シミができにくい肌にするためには、クレンジング剤で肌表面の余分な汗や皮脂・汚れを拭き取ってから正しい洗顔を行いましょう。
洗顔料をしっかり泡立てて洗顔することが重要です。
泡立てずに洗顔してしまうと、手で顔の皮膚を擦ってしまい、それが摩擦の刺激になってシミやそばかすなど肌が荒れる原因となってしまいます。
泡で優しく顔を洗うことがポイントです。また、洗い流すときは、熱いお湯や冷たい水で流さないようにしてください。
熱いお湯は肌の潤いまで流してしまい、逆に冷たい水だと毛穴に汚れが残ったまま毛穴が閉じてしまいます。
37度ほどのぬるま湯で洗い流すと、毛穴の中の汚れを落として肌の必要な潤いは洗い流さずに済むので、お湯の温度にも気を遣いましょう。
洗顔後は肌に必要な潤いを保つため、すぐに化粧水をなじませたあとに乳液やクリームを塗りこんでください。

体の内側からのシミ対策

笑顔の女性
シミをできにくい肌にするためにはビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・亜鉛・タンパク質は必須です。
それぞれどのような役割を担い、どのような食材に含まれているのかを紹介します。

ビタミンA

ビタミンAは美しい肌を作るために必要な栄養素の1つです。
肌の潤いや弾力に必要なコラーゲンを生成するために重要なもので、ビタミンAが不足してしまうとコラーゲンが不足してしまい、シミができやすい肌になってしまいます。
ビタミンAはレバーやニンジン・卵黄など日常生活の食事で摂取できるため、積極的に摂取してシミができにくい肌を作りましょう。

ビタミンC

ビタミンCも美しい肌を保つために積極的に摂りたい栄養素の1つです。
ビタミンCはコラーゲンを体内で生成するときに重要な役割を果たしており、シミの原因となるメラニン色素が肌に沈着するのを防ぐ効果が期待できます。
ビタミンCは体内で生成できないため、食事やサプリなどで摂取する必要があります。ビタミンCが含まれている食材は主に野菜や果物です。
キャベツやブロッコリー・キウイフルーツに含まれているため意識して摂取しましょう。

ビタミンE

ビタミンEは肌のターンオーバーに重要な血流を促して、皮膚の新陳代謝を促進してくれる重要な栄養素の一つです。
ビタミンEは食品から取り入れられるため、日々意識して摂取してみてください。
アーモンドや落花生などの種実類からもビタミンEは摂れますし、豆乳やひきわり納豆からも摂取が可能です。
ただし肌によいからといってアーモンドやナッツ類を食べ過ぎてしまうと栄養バランスが乱れてしまいます。
肌に悪影響を及ぼす可能性もあるため、注意をしてください。

亜鉛

亜鉛は体内の細胞分裂の働きを促してくれる重要な栄養素となっています。
細胞分裂の働きが活発になることは、皮膚のターンオーバーの周期を整えてくれることです。
シミのできにくさはターンオーバーが大きく関係しているため、亜鉛はシミをできにくくするために必須の栄養素になります。
亜鉛は牡蠣やシラス干し・ごぼうに多く含まれているため、日々の食事で亜鉛を積極的に摂れるように意識することが重要です。

タンパク質

タンパク質も日々積極的に摂取したい栄養素です。タンパク質は、適度な量を摂取すると、シミができにくい弾力のある肌を作れる可能性が高くなります。
タンパク質は肌に必要な潤いの成分を生成するため、タンパク質が不足してしまうのは避けましょう。
タンパク質は、肉や魚だけではなく、大豆製品や卵などにも多く含まれています。
タンパク質や他の栄養素を意識して摂取することで、シミができにくい肌にすることが可能です。

顔のシミがなかなか消えない人はどうする?

顔を気にする女性
顔のシミがなかなか消えない場合は、専門の医師に相談することがおすすめです。
「食事に気を遣っている」「日焼け対策をしている」など、自分なりにケアをしているつもりでも、シミが消えないことがあります。
シミは、内服薬や医療レーザーなどによって消すことが可能です。
顔のシミがなかなか消えない場合は、専門の医師に相談するとよいでしょう。

編集部まとめ

顔を確認する女性
シミがなぜできてしまうのか、またシミの種類にはどのようなものがあるのかを解説しました。

シミがあると目立ってしまいますし、色素沈着を起こす前に早めに対策することが重要です。

シミの種類によっては対策方法が異なるため、自己判断をせずに必ず専門の医師に相談してください。

この記事の監修医師