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皮脂が多い人のニキビ治療に効果的!? 「PDT」とは?

公開日:2021/08/16

一部の医療機関で採用されている光学療法の「PDT(フォトダイナミックセラピー)」。同じ光治療でも、例えば「IPL」は、シミの除去を目的として使われています。これらの違いが、素人にはわかりません。そもそも、光がなにをしてくれるのでしょう。これらの謎を、「有楽町皮膚科」の島本先生に投げかけてみました。

島本先生

監修医師
島本 良子(有楽町皮膚科 院長)

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東海大学医学部卒業。日本医科大学付属第一病院皮膚科や昭和大学形成外科ほか、公立病院などにて臨床経験を積む。2003年、東京都千代田区に「有楽町皮膚科」を開院、2020年に東京都中央区へ移転。10万例以上のニキビ治療を手掛けている。日本形成外科学会認定専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本レーザー医学会認定医。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本美容外科学会(JSAPS)、日本頭蓋顎顔面外科学会の各会員。

皮脂腺をピンポイントで狙える仕組み

皮脂腺をピンポイントで狙える仕組み

編集部編集部

ニキビ治療って、肌質改善まで望めるのでしょうか? 再発が気になります。

島本先生島本先生

その方の肌質やスキンケアの仕方によりますね。治療と同時にスキンケアの方法もご指導いたしますが、再発を繰り返す方は一定数いらっしゃいます。ですから、その方に合った治療方法を選ぶことが重要です。

編集部編集部

今回は「皮脂が元々多いタイプ」の治療方法が知りたいです。

島本先生島本先生

あくまで一例ですが、「PDT(フォトダイナミックセラピー)」という光学療法があります。PDTの特徴は「皮脂腺に取りこまれやすい光感受性物質」を術前に服用していただくことです。特定の波長に反応する物質を誘導することで、ニキビの部分のみピンポイントで治療していきます。

編集部編集部

皮脂腺のない部分には、光による余計な刺激を与えないということですか?

島本先生島本先生

そう言っていいと思います。光感受性物質のない箇所は光が反応しませんから、皮脂腺だけを選択して治療できるということです。加えて、他の治療方法によって肌かぶれなどを起こしてしまった方にも、治療適応が望めます。

編集部編集部

狙い撃ちと再発は、どう関係してくるのですか?

島本先生島本先生

光感受性物質を取り込んだ皮脂腺だけが反応し破壊されるので、皮脂腺内のニキビ菌や細菌を一網打尽に駆除されるだけでなく、皮脂腺の一時的な破壊が、「お肌のリセット効果」をもたらすと考えられているからです。一度破壊された皮脂腺は、細胞が修復されるように再構築されていきますが、完全な皮脂腺構造の完成まで期間がかかります。完成された時期に正常化した肌バランスが維持できてないと、再発は避けられません。

編集部編集部

その結果、皮脂過多の正常化が期待できる仕組みですか?

島本先生島本先生

はい。また、皮脂過多のケースに限らず、アトピー性皮膚炎のような「皮脂分泌が少ない」方のリセットにも効果があります。総じて、皮脂や水分量コントロールの正常化が期待できるということですね。

肌のタイプ別で異なる、治療後の経過

肌のタイプ別で異なる、手術後の経過

編集部編集部

PDTの向き・不向きってありますか?

島本先生島本先生

PDT後の赤みや、人によっては1週間ほど続く膿ニキビの出現が困るという方は慎重に検討してください。マスクで隠れる範囲のみPDTをおこなうことも可能ですので、治療の範囲についてご不安な方はぜひご相談ください。

編集部編集部

PDTの治療後は、ニキビが自然に引いていくイメージでしょうか?

島本先生島本先生

おおまかにいうと、いくつかの肌パターンに分かれるでしょうか。お肌トラブルが元々なく、お化粧のノリなどを改善する美容目的であれば、副反応はほとんど起こりません。皮脂過多だけどもニキビに至っていない方の場合、術後の数日間、お肌の赤みなどが残ります。このタイミングで日焼けしてしまうと、色素沈着を起こしかねません。治療後は、発赤が消えるまで紫外線に留意してください。

編集部編集部

ニキビができている場合のケースを教えてください。

島本先生島本先生

ニキビ菌の撲滅効果は抜群です。ニキビ菌の死骸や炎症反応の小さな白っぽい膿が治療2日目に出現する好転反応という副反応が起こることがありますが、1週間ほどで自然に消えていくので、心配いりません。また、一時的に赤ニキビが増えてしまうこともありますが、治療回数を重ねていくうちにそういった反応も薄れていき、ツルッとしたニキビレスの肌に回復していきます。

編集部編集部

服用薬の量を少なくすれば副反応は抑えられますか?

島本先生島本先生

体重あたり必要量のお薬を飲まないと、効果が得られなくなります。PDTには服用するのではなく、塗布する方法もありますが、光がお薬を塗った肌全体に反応して、強い日焼けのような反応を起こしてしまいます。内服する方法は皮膚表面に影響せず、皮膚内の皮脂腺だけをターゲットに反応を起こさせるので、効率良い治療と言えます。

編集部編集部

副反応が出ないようにすることはできないのでしょうか?

島本先生島本先生

治療後に赤みや好転反応の白い膿ニキビがたくさんできる副反応は、オイリー肌の方やニキビ菌が多く潜んでいる肌では、避けられない反応です。光の照射を弱めても副反応がでる方もいますので、治療後1週間はマスクで隠せるスケジュール調整をお願いします。また、あらかじめ皮脂を調節する内服薬を服用してから治療をおこなうことも提案させていただいています。

1つの治療方法にこだわらず、「最適な進め方」を見つける

1つの治療方法にこだわらず、「最適な進め方」を見つける

編集部編集部

最後は、治療の流れについて教えてください。

島本先生島本先生

PDTは自費診療ですので、医療機関によって進め方に差が生じるでしょう。以下、あくまで当院の場合についてです。まず、光治療を予約した日は、事前に服用薬をのんでいただきます。来院される3時間~4時間ほど前が目安ですね。

編集部編集部

のみ忘れたら、治療を受けに来た意味がないですね?

島本先生島本先生

ぜひとも気をつけてください。来院後は、事前にお肌の検査をして、問題ないようでしたら光治療に入ります。施術時間は、症状によって数分から20分といったところです。なお、来院途中で、お薬と太陽光との反応を気にされる方がいらっしゃるものの、心配はご無用ですので、普通にご来院ください。むしろ術後の赤みに対して、紫外線ケアをしていきましょう。

編集部編集部

1回の通院では完治しないのですよね?

島本先生島本先生

はい。重篤度により3~7回といったところでしょうか。医師から指示があるものの、一般には3週間から1カ月くらいの間隔で繰り返し継続治療していきます。皮脂コントロールの状態を目的におこなう場合は、定期的にPDTをおこなうことが推奨されます。また、PDT以外の治療法も随時、検討していきましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

島本先生島本先生

ニキビ、あるいはお肌全体のコントロールを、ぜひ、長い目で考えていただきたいと思います。お肌トラブルは、誰でもいつでも起こりえますので、随時ご相談いただいて、適切に対処してみてはいかがでしょう。PDT以外の治療選択肢も当然にしてあります。保険診療のご希望があれば、もちろん優先いたします。

編集部まとめ

光感受性物質を皮脂腺へ誘導していく進め方には、近未来的な印象があります。説得力も感じますよね。ただし、「唯一絶対の最終兵器」ではないようです。肌コントロールには長期的な視点が必要で、そのときどきによって、使う武器を変えていくべきだと思われます。その人の今の状態に対して“どの進め方が適切”なのか、随時、専門の医師と打ち合わせしてみてください。

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有楽町皮膚科

有楽町皮膚科
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診療科目 皮膚科、形成外科、美容皮膚科