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白内障の初期症状とは?原因・治療方法・予防方法についても解説します

 公開日:2024/01/22
白内障 初期症状

白内障は、眼の水晶体が濁ってしまう疾患のことです。

水晶体は目の中にありますが、通常は透明で白内障を発症すると水晶体が濁ってしまい視力の低下や視界のかすみなどの症状がおきます。

白内障のイメージは、水晶体が白くなりますが、その程度によって症状は違います。

白内障の初期状態は、濁っている部分と透明な部分が混在している状態です。

透明な部分と濁っている部分が混在していると光が乱反射してしまい、その眩しさから視力の低下をまねいてしまいます。

このように白内障は、さまざまな症状がおきますが、ここでは白内障の初期症状や原因・治療方法・予防方法などを詳しく解説していきます。

柳 靖雄

監修医師
柳 靖雄(医師)

プロフィールをもっと見る
東京大学医学部卒業。その後、東京大学大学院修了、東京大学医学部眼科学教室講師、デューク・シンガポール国立大学医学部准教授、旭川医科大学眼科学教室教授を務める。現在は横浜市立大学視覚再生外科学教室客員教授、東京都葛飾区に位置する「お花茶屋眼科」院長、「DeepEyeVision株式会社」取締役。医学博士、日本眼科学会専門医。

白内障とは?

白内障とは?
白内障は、眼の水晶体が濁ってしまうことで、視力の低下や視界のかすみなどを起こす病気です。
原因としては、老化によるものが多く水晶体のたんぱく質が低下することで眼球が白く変色するといわれています。
目の構造とカメラの構造は非常に似ており、角膜と水晶体はカメラでいうレンズを意味します。
水晶体は、透明で光を良く通す器官として重要ですが、加齢などが原因で濁ってくることで視力に影響を与えてしまい最悪のケースでは失明する場合もあるのです。
これは自然な老化現象であり、高齢者によくみられる疾患です。

白内障の初期症状

初期症状
白内障の初期症状は、どのような症状なのでしょうか。
初期症状といわれるポイントを下記に記載します。

  • 光がまぶしい
  • 目がかすむ
  • 視力が落ちる
  • 目が疲れやすい
  • 物が二重に見える

上記のような症状に関して、ここでは詳しく解説していきます。

光がまぶしい

光がまぶしい
白内障の症状で、光をまぶしく感じることは一般的な症状の一つです。
白内障によって水晶体が濁ってしまうと、光が錯乱され乱反射することで眩しさを感じます。
水晶体は、光を透過し適切に屈折させて焦点を合わせますが白内障が進行してしまうと光が正しく屈折されずに錯乱されます。
そのような結果、光の眩しさを感じることがあるのです。
眩しく見える症状としては、車を運転する方などは夜間に対向車のライトがまぶしく感じることが多くなります。

目がかすむ

白内障で目がかすむ原因は、症状が進行していることで水晶体が濁り、視界がかすんで見えることがあります。
白内障で目のかすみを自覚していても、高齢者が発症する場合が多いため、多少見えづらくても慣れてしまい視力の変化を感じにくいのです。
片目だけの進行状況がひどい場合などは、もう片方の目で視力を補ってしまい白内障に気づきずらく見逃してしまうのです。
このように、白内障によって屈折異常がおき、遠くや近くの物を見る際に目がかすむような症状が出た場合は眼科へ行くことをおすすめします。

視力が落ちる

視力が落ちる
白内障が進行すると、視力の低下が症状として現れます。
白内障は、水晶体が濁ってしまうので視界がぼやけたり曇ったりすることで文字や細かい記事などが見づらくなる症状です。
視界のコントラストが低下するので、明るいものや暗いものの区別が難しくなることで、細かい模様や色の違う意を識別することが難しくなります。

目が疲れやすい

白内障によって眼精疲労が起きることで、目が疲れやすくなります
視力の低下や光の眩しさを感じることで、眼精疲労が引き起こされてしまうからです。
白内障による視力の低下や目のかすみの影響で、物を見る時に目を集中させる必要が増えてしまうことも原因の一つです。
適切な休息をとり、数分間遠くの物をみることによって目の疲れを緩和させましょう。

物が二重に見える

白内障が進行すると、物が二重に見える症状が現れることがあります。
これは、水晶体が濁ることで光の屈折が乱れ、眼に入る光が複数の焦点で結ばれるためです。
物が二重に見える症状は、白内障の進行具合によって異なりますが、視界のかすみにより引き起こされる可能性が高いでしょう。
二重に見えてしまう症状を緩和するための日常のケア方法として、十分な睡眠を取ることが重要です。

白内障の原因

白内障の原因
白内障の原因には、さまざまな要因があります。
基本的な原因として認知されている要因を下記に記載します。

  • 主な原因は加齢
  • 生活習慣の乱れ
  • 紫外線や赤外線

上記の要因に関して、ここでは詳しく解説していきます。

主な原因は加齢

白内障の原因として、もっとも認知されているのは加齢に伴い水晶体のタンパク質が変色することです。
この症状がおきるまでには、長い期間がかかりますので発症する方は高齢者が多く占めます。
そのため、白内障は一般的に老人性白内障とも呼ばれることがあります。
白内障は、視力の低下や目のかすみの症状の場合は、疲れからきていると判断しがちです。
60歳を過ぎたら、視力が低下していて目の疲れがひどい場合などは、自分の目に違和感をもったら眼科での受診をおすすめします。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは、白内障の発症や進行に影響を与える可能性があります。
不健康な食生活は、栄養不足をまねき白内障のリスクを増加させるのです。
生活習慣が乱れによって糖尿病などを発症すると、血液の中に糖が固まりやすくなり、網膜の血管が詰まります。
糖尿病などで目の周りの毛細血管で血流が悪くなってしまうと、白内障が悪化しやすくなるとされています。
また、肥満も白内障の発症や進行に関連しているといわれていますので暴飲暴食などで体重増加が著しい人は食生活を見直してください。
生活習慣の乱れが白内障に与える影響を最小限に抑えるためにも、健康的な生活習慣の維持が非常に重要です。

紫外線や赤外線

強い紫外線にさらされる屋外活動や日光浴は、白内障のリスクを増加させる要因です。
紫外線から目を保護するためにも、サングラスの着用や帽子などで目に紫外線が入らないように対策しましょう。
紫外線のイメージはあまりよくありませんが、太陽光に含まれる紫外線を日中適度に浴びることは、骨密度や免疫力の維持などにつながるので必要なものなのです。
赤外線は、目に見えない電磁波で一般的な日常生活での注意が必要です。
紫外線と比べるとエネルギーは弱いですが、遠くまで届くという性質があります。
遠くまで届くことは、肌の奥深くまで浸透するため、長時間浴び続けることによって体の内部にまでダメージを与えるのです。
赤外線を特に避ける必要はありませんが、過度な赤外線曝露や熱エネルギーによる目へのダメージを避けるために、適切な環境で過ごすように心掛けましょう。

白内障が進行するとどうなる?

白内障が進行するとどうなる?
白内障が進行するとどのような状況になるでしょうか。
下記に具体的な状態を記載します。

  • 心身の健康に支障がでる
  • 失明の原因になる
  • 治療が難しくなる

上記のような状態に関して、ここでは詳しく解説していきます。

心身の健康に支障がでる

白内障によって発症する視力低下・目のかすみ・目の疲れなどによって、行動範囲を自分で制限してしまうことがあります。
事故やトラブルをさけるために、外出を控えることもあると思いますが適度な運動は健康を維持するために非常に重要です。
また、外出しなくなると他人との接点もなくなりますので、運動不足の他にもストレスを蓄積することでうつなどの症状に発展する場合もあります。
不快感・目のかすみ・視力低下などによる自覚症状から、精神不安定になる場合もありますので注意して下さい。
特に真面目で思いつめる性格の人は、自分の病気を受け止められずにネガティブな思想になりがちです。
病気を克服するためには、ポジティブな気持ちを持つことが重要になりますので、悔やむのではなく治ることへ気持ちを持っていくことが大事です。

失明の原因になる

失明の原因
白内障は、適切な治療や手術を受けない場合には、失明の原因となる可能性があります。
白内障は、進行すると視力が低下しますが最終的に視力の完全な喪失が発生する場合があるのです。
緑内障や網膜剥離などの合併症が発生する可能性もあり、これらの状態が進行すると視神経や網膜への損傷が生じて、失明のリスクが高まります。
白内障で失明する可能性は、日本国内では数パーセントといわれていますが、世界的にみると発展途上国などでは失明するリスクの高い病気として知られているのです。
日本国内では、可能性は低くても症状に気づきにくく症状が悪化してしまうと大事になることはありますので、注意しましょう。

治療が難しくなる

白内障の治療は、早期に診断し適切な治療を受けることが非常に重要です。
治療が遅れてしまうと、白内障の進行や合併症のリスクが高くなり、治療がより困難になる可能性があります。
白内障の手術は、日帰りで行えることで簡単にできるイメージがありますが、他の病気を併発している場合などは入院が必要になる事があります。
心臓に疾患がある場合や、糖尿病などを幣帛しているなど複数の持病があると単純に白内障の手術を行えないのです。
白内障の手術は、一般的に安全な手術とされていますが、高齢者は他の重大な健康問題を抱えている場合があるため、治療の選択肢が制限されることで治療が難しくなることがあります。

白内障の治療方法

治療方法
白内障の治療方法は、一般的には下記の方法があります。

  • 点眼薬による治療
  • 手術による治療

上記の治療方法に関して、ここでは詳しく解説します。

点眼薬による治療

白内障の進行を止めるための点眼薬はありませんが、白内障によって引き起こされる炎症や目の不快感などの緩和などに使用されます。
一度なってしまった白内障は薬では治せませんが、進行の抑制や予防として使用されます。
白内障の症状、視力の低下や目のかすみなどにたいして点眼薬を使用し眼球に張り付いた汚れを落とし、爽快感や視界のぼやけなどを緩和することは可能です。
点眼薬を使用して、白内障の原因となるキノイド物質の成長を止め、水晶体が濁るのを予防できます。
白内障は、水晶体の中のタンパク質が変色を起こし白く濁った状態になりますが、初期の段階ではピレノキシン製剤が有効とされているからです。

手術による治療

白内障の主な治療法は、白内障手術によって行われます。
濁った水晶体を取り除き、人工眼内レンズを挿入することで視界の回復と改善が期待できます。
人工レンズを眼内に入れるなんて、怖くてできないと思われる方は多いでしょう。
実際、医師が手術内容を詳しく患者に説明すると怖くなってしまい抵抗感を持つ方がいるようです。
白内障手術は、手術前に局所麻酔を行い、患者さんが痛みを感じないように実施しますので安心して大丈夫なのです。
局所麻酔にて実施しますので、痛みを感じることはありません。
基本は日帰り手術として行われますが一部の症例では全身麻酔が適用されることもありますので医師の指示に従ってください。
手術後は眼帯を装着し、特定のケアや投薬指示に従い、手術後の経過観察や定期的な健診が非常に重要です。

白内障の予防方法

予防方法
白内障の一般的な予防方法を下記に記載します。

  • 紫外線から目を守る
  • 食生活を見直す
  • 適度に運動をする

上記のように白内障の予防をして発症へのリスクを軽減するようにしましょう。
ここでは、予防方法を詳しく解説していきます。

紫外線から目を守る

紫外線は白内障の進行に関連しているため、適切な紫外線対策を実践することは非常に重要です。
具体的な対策を下記に記載します。

  • 外出時には、紫外線を遮断する効果のあるサングラスの着用
  • 帽子の着用は、直接的な紫外線が顔にあたることを避けられるので効果的
  • なるべく日陰に滞在するようにして、紫外線の曝露を減らす

紫外線をできるだけ避けることで、白内障の進行を和らげることが可能となりますので外出時は、上記の内容を意識して行動することをおすすめします。

食生活を見直す

白内障を予防するためには、食生活を見直すことが非常に重要になることを覚えておきましょう。
乳製品を摂取すると、体内にガラクトースを吸収し、白内障発症のリスクを高めるとする研究者もいますが、まず心配しなくて良いでしょう。
ガラストークは体内に吸収されると単糖に変化し、規定値を超えると水晶体に蓄積されるからです。
糖分の取りすぎが目の病気を発症する原因となりますので、甘いお菓子やジュースなども取り過ぎに注意する必要があります。
厚生労働省からは、炭水化物の摂取量は1日に250g〜330gと推奨されていますので、その量を上回らないようにしましょう。

適度に運動をする

白内障を予防するためには、適度な運動も必要になります。
過度な運動は必要ありませんが、ウォーキングなどの適度な運動は体の血流の改善効果がありますので、白内障の予防にもつながるといわれています。
血流が改善することで、酵素や栄養素の供給が活性化しますので老廃物の排出にもつながりますので実践してみてはどうでしょうか。
目の老化予防にも血流の改善は、非常に重要となるので適度な運動を日々心がけるようにしましょう。

編集部まとめ

白内障 初期症状 まとめ
ここまで白内障とはどのような症状か原因や予防方法など、詳しく解説してきました。

白内障を発症する方は、高齢者が多いことは述べてきましたが、若いうちからの生活習慣は非常に重要になります。

急に生活のリズムを変えることは厳しいのと同じで、普段から気をつけていれば白内障のリスクも軽減できるのです。

また、白内障は一般的な疾患であり、適切な治療と対策を取ることで、多くの人が充実した生活を送っていることを理解してください。

自身の状況やニーズに合わせて、眼科医と相談しながら適切な方法を見つけることが非常に重要です。

白内障の手術は、目にメスを入れるため恐怖心をもつ方が多いと思いますが、高い成功率と安全性を持つ一般的な手術なのです。

世界保健機関(WHO)による推計によれば、世界で年間約2000万人以上の人々が白内障手術を受けているとされています。

家族や友人のサポートも頼りながら白内障による視力の低下に対して前向きな姿勢を持ちましょう。

現在の日本は、高齢化社会ですが今後日本国内では80歳以上のほぼ100%が白内障を発症するともいわれています。

だれもが発症する可能性がある病気ですので、どのような症状かを理解して適切なケアと治療を受けながら、生活の質を向上させてください。

この記事の監修医師