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循環器内科を受診するべき症状は?循環器内科で扱う疾患や検査方法について解説

 更新日:2023/10/02
循環器科の症状

医療機関の診療科には、内科とは別に「循環器内科」というものがあります。

この循環器内科で扱っているのはどのような病気で、受診するとどのような検査を受けられるのでしょうか。

今回の記事では循環器内科を受診するべき自覚症状などもまとめたので、診療科を選ぶ際の参考にしてください。

桐生 典郎

監修医師
桐生 典郎(かながわ循環器内科)

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平成15年 北里大学医学部 卒業
北里大学病院 内科 研修
平成17年 北里大学医学部 循環器内科学 入局
北里大学病院・関連病院 勤務
平成23年 北里大学大学院 医療系研究科医学専攻 卒業(不整脈研究で博士号を取得)
北里大学医学部 循環器内科学 助教
平成26年4月 桐生医院 勤務
平成26年9月 かながわ循環器内科 開院

循環器内科とは

循環器内科とは
循環器とは、血液の循環に直接関わっている心臓と血管のことで、循環器内科では心臓や血管に関わる病気の診察・治療を行います。
循環器内科で扱っている主な疾患は、不整脈・心房細動・心筋梗塞・心不全などです。

循環器内科を受診するべき症状

循環器内科を受診するべき症状
心臓や血管の不調を専門とする循環器内科ですが、どのようなときに受診するべきなのでしょうか。
ここからは、循環器に異常がある場合に感じやすい自覚症状や検査値の異常をみていきます。

胸痛

胸の痛みは心筋が酸素不足に陥っているサインで、心臓に酸素を供給している血管が狭くなったときにみられる自覚症状です。
一言で「胸の痛み」といっても感じ方には個人差があります。

  • 圧迫感(押しつぶされる感じ)
  • 絞扼感(締め付けられる感じ)
  • 灼熱感(熱いものを押し付けられる感じ)

また、痛みを感じる部位も胸だけでなく、心臓の病気による痛みを肩・首・顎・歯・喉・みぞおちの痛みとして感じる方もいるようです。
痛みは数分~数時間で治まることが多いですが、痛みが治まったからと放置せず、早めに受診することをおすすめします。

息切れ

心臓の病気による息切れには、複数の原因があります。
1つめの原因は、心臓の機能低下により全身に血液を送り出す力が弱くなることです。血液の循環が不十分になると、全身の筋肉などに十分な酸素・栄養が行きわたらず、少し動いただけでも運動したときのような息切れ・疲労を感じることがあります。
息切れの2つめの原因は、心臓の血液を受け入れる・送り出す機能が低下したことで肺に血液や水が溜まることです。肺うっ血・肺水腫と呼ばれるこの状態になると心臓だけでなく肺の機能も低下するため、息切れ・息苦しさを感じる方が多といわれています。
下記のような症状を感じたら「年だから疲れやすいのかな」と思わずに循環器内科に相談してみましょう。

  • 少し動いただけで息が切れる
  • 以前に比べて疲れやすくなった
  • 動悸がする
  • 手足の先が冷えるようになった

血圧の異常

ここまで紹介した自覚症状は痛み・苦しさの感じ方や症状の出方に個人差があります。しかし、血圧は「正常値」と呼ばれる基準が決まっているため、数値的に自分の状態を確認できます。
高血圧は自覚症状がないため、健診などで指摘されても放置されてしまう方もいるかもしれません。しかし、高血圧が進行すると脳卒中や心疾患の引き金となるため、自覚症状がないうちから受診をして生活改善・内服治療などで血圧をコントロールすることが大切です。
ご家庭で血圧を測った場合の基準値は下記の通りです。

  • 正常値:収縮期血圧115mmHg・拡張期血圧が75mmHg以下
  • 高血圧:収縮期血圧135mmHg・または拡張期血圧85mmHg以上

高血圧は心臓の病気のリスクとして注目されることが多いですが、一方の低血圧には日本国内では明確な基準値がなく、一般的に治療の必要性も少ないと考えられています。しかし、WHOでは収縮期血圧100mmHg以下・拡張期血圧60mmHg以下という国際基準が定められており、また血圧の低下は心不全が原因で現れることもある症状です。

  • 最近になって血圧が下がり始めた
  • 息苦しさ・疲労感も感じている

上記のような症状を感じた場合も心臓の病気が隠れている可能性があるため、受診して身体の状態を確認することをおすすめします。

循環器内科で扱う疾患

循環器内科で扱う疾患
上記のような症状で循環器内科を受診した場合、どのような病気が疑われるのでしょうか。
次に、循環器内科で扱う主な心臓の病気について解説します。

不整脈

正常な心臓は、1分間に60~90回ほど一定のスピードで脈を打っています。何らかの原因により、この脈拍が乱れるのが不整脈です。不整脈には、下記の3種類があります。

  • 頻脈(脈が速くなる)
  • 徐脈(脈が遅くなる)
  • 期外収縮(脈が飛ぶ)

いずれのパターンも、拍動を起こすための電気信号が乱れることが不整脈の原因です。心臓に異常がない方でも、睡眠不足・ストレス・喫煙習慣などの影響で不整脈になることがあり、不整脈がある=心臓の病気になっているとは限りません。
しかし、中には重大な心臓の病気が原因となっている不整脈もあります。下記は不整脈が現れる心臓の病気の一例です。

  • 心室細動
  • 心房細動
  • 房室ブロック
  • 洞不全症候群
  • WPW症候群
  • 肥大性心筋症

このような病気の場合は、薬剤療法・カテーテル治療・手術などを検討することがあります。
また、原因自体が緊急性の低いものであっても、不整脈により血液の流れが滞り血栓ができる・心臓に負担がかかり心臓の病気が悪化するなどの可能性があるため不整脈には注意が必要です。

心房細動

先ほど紹介した通り、心房細動は不整脈に分類される病気です。心臓には「心房」と「心室」という2種類の空間があり、このうち心房が小刻みに震えるように拍動する不整脈が心房細動です。
他の不整脈と同様に、健康な方でも下記のような環境・生活習慣により心房細動を起こすことがあります。

  • 睡眠不足
  • ストレス
  • アルコールの多飲
  • カフェインの過剰摂取

心房細動の推定患者数は日本国内で70万人以上と多く、加齢と共に発生率は上がります。心房細動自体が命にかかわることは稀とされていますが、心房細動により心臓内の血流が滞ると血栓ができやすくなり、脳梗塞などのリスクが高まるでしょう。
心房細動の治療法としては薬剤療法・カテーテルアブレーションなどがあります。
カテーテルアブレーションのメリット・デメリット・費用についてはこちら

心筋梗塞

冠動脈が狭くなったり塞がったりすることで心筋の血流が滞る病気を総称して「虚血性心疾患」といいます。虚血性心疾患に分類される代表的な病気は狭心症・心筋梗塞です。いずれも心筋の血流不足が原因ですが、狭心症は冠動脈が狭くなった状態なのに対し、心筋梗塞は冠動脈が閉塞した状態を指します。
自覚症状として多いのは胸部不快感・胸の痛みで、狭心症では数分間、心筋梗塞の場合は数十分~数時間も症状が持続することがあります。心筋への血流が滞ると、痛みを感じるだけでなく心筋が壊死して心機能自体が障害され命にかかわるため、症状を感じたら早急な受診が必要です。
こうした話を聞くと「急に症状が現れて命にかかわるのは怖い」と思うかもしれませんが、虚血性心疾患は生活習慣の改善・生活習慣病の早期治療により予防できる可能性の高い病気です。
下記のような生活習慣・生活習慣病が虚血性心疾患のリスクとなるため、健診や定期検査などで異常を指摘されたら、ぜひ病院に相談してみることをおすすめします。

  • 喫煙
  • 肥満
  • 高血圧
  • 高コレステロール
  • 高血糖

心不全

心不全とは、心機能が低下して全身に十分な血液を供給できなくなった「状態」です。
ただし、その状態が原因となってさまざまな症状を引き起こすため「病名」として扱われる場合もあります。心不全の主な原因は下記の通りです。

  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 不整脈
  • 高血圧
  • 心筋症
  • 心臓弁膜症

また、直接的な原因にはならなくとも脂質異常症・糖尿病などは心不全の発症と大きな関連があるとされています。
心不全の自覚症状は息切れ・疲労感・咳・痰・むくみなどです。咳・痰は風邪や呼吸器疾患など多くの病気でみられる症状なので、適切な治療を受けるためにも、まずは早期に受診をして原因を知ることが大切です。
心不全の治療では、心臓や身体全体の負担を減らすために安静・薬物療法を行うほか、患者さんの状態に応じて食事療法・運動療法温熱療法を行うことがあります。

循環器内科での主な検査方法

循環器内科での主な検査方法
上記のような症状・病気で循環器内科を受診した場合、まずどのような検査を受けるのでしょうか?基本的な検査の種類と内容をまとめました。

心電図

心臓の拍動は右心房にある「洞結節」という場所から出る微量の電気によって作られます。
心電図は、この電流を波形として観察する検査です。体表に電極を貼って行う検査で、痛みは伴いません。心電図検査で分かるのは心拍数と心臓の電気の流れで、この波形の種類などを読み取ることで下記のような病気の発見に役立ちます。

  • 心筋梗塞
  • 心筋症
  • 房室ブロック
  • 不整脈
  • 心肥大
  • 心筋炎
  • 心臓弁膜症
  • ブルガダ症候群
  • 心房中隔欠損

健診では安静にした状態で検査をしますが、心臓の病気が疑われる場合には日常生活の中で24時間連続心電図記録装置を使用した検査などをすることがあります。これは、心電図で心疾患の状態を確認するには、まさに異常が起きているときの波形を見る必要があるためです。

超音波検査

超音波検査(エコー検査)は、超音波が出る機器を検査部位に当てがって行う検査です。超音波検査では、身体の内部にある臓器などから跳ね返ってきた反射波を利用して、ほぼリアルタイムに体内の画像を得られます。超音波検査は心電図検査と同じく痛みはなく、またX線などを使わないため被ばくの心配もありません。
心臓の病気が疑われる場合の超音波検査としては、心臓自体を見る「心エコー」のほか、血管の状態を見るために「頸動脈エコー」などを行うことがあります。心臓に対して超音波検査を行うと、一度の拍動で送り出される血液の量や、心臓弁や心臓壁の異常といった構造的異常などが分かります。
一方、頸動脈エコーは首にある太い動脈を超音波で観察することで、動脈壁の厚み・プラークの有無を確認して動脈硬化の進行度を調べる検査です。

血液検査

心臓の検査として行う血液検査の項目としては、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が挙げられます。BNPは心臓で作られたアミノ酸からできるホルモンで、心肥大など心臓に負荷がかかっているときに値が上昇します。心臓の健康度に関する総合的なマーカーともいえる位置づけで、健診などでも検査することのある項目です。
また、心筋の細胞内に多く含まれるクレアチニンキナーゼ(CK)・トロポニン・ミオグロビンの血中濃度を調べることもあります。この検査は、心筋の破壊が起きている可能性を知るための検査です。

循環器内科に関係する疾患でお悩みならかながわ循環器内科へ

かながわ循環器内科
この記事で解説した病気・症状が気になったら、どのような医療機関にかかればよいのでしょうか。

心臓・血管の病気では、原因となる生活習慣病の治療により命に関わる状態を予防することが健康に過ごすためのポイントになります。

また、実際に症状を感じて受診した場合に、心臓・血管に関する検査をすぐに受けられることも重要です。

そのため、心臓の病気が気になる方には、生活習慣病の治療を行う内科と、心臓に関する診察・治療を行う循環器内科の揃ったかながわ循環器内科をおすすめします。

どのようなクリニックなのか、その特徴をみてみましょう。

内科系専門の医師と外科系専門の医師の二診体制

検査室
かながわ循環器内科は、心臓救急・カテーテル治療などの経験もある内科・循環器内科専門の医師と、形成・整形外科を専門とする医師の二診体制です。

同じクリニックの中で内科系と外科系の診療・リハビリまで行えるため「生活習慣病も関節の痛みも気になっている」という患者さんも通いやすいのではないでしょうか。

他の診療科のクリニックと連携

かながわ循環器内科が入っているのは、「クリニックビレッジ相模原」という医療モールの1階です。

モール内には他に小児科・泌尿器科・皮膚科・歯科・眼科があり、かながわ循環器内科では他院との連携も取っています。

内科・整形外科系の病気でかながわ循環器内科に通い始めたけれど、他の診療科の受診が必要になった場合にも安心して通院いただけます。

患者さんの声に耳を傾ける地域の「かかりつけ医」

かながわ循環器内科では、患者さんが感じている自覚症状や悩みをしっかりと聴くことと、それに対して分かりやすく説明することを心がけているそうです。

このような姿勢のクリニックは、不調を気軽に相談でき、一人ひとりの生活・症状と長く寄り添う「かかりつけ医」にぴったりな医療機関となるでしょう。

かながわ循環器内科の基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR横浜線「相模原駅」から徒歩約6分

神奈川県相模原市中央区相模原3-6-6

診療時間
8:30~12:00
14:00~17:30


休診日:木曜・土曜午後・日曜・祝日 ※臨時休診あり

参考文献

この記事の監修医師