ニキビ・ニキビ跡の正しい治し方|悪化させない治療の進め方と漢方の活用

ニキビは思春期だけでなく成人にも多く見られる肌トラブルです。間違ったセルフケアが症状を悪化させ、ニキビ跡として長く残ってしまうケースも少なくありません。炎症を長引かせないためには、症状に合わせた適切な治療と日常的なケアが大切です。
本記事では、ニキビができるメカニズムから治療の進め方、さらにはニキビ跡予防まで、体質改善に役立つ漢方の活用も含めて解説します。

監修医師:
田中 源一(源一クリニック)
1982年3月 昭和大学医学部医学科卒業
1983年4月 日本赤十字社医療センター皮膚科
1984年9月 米国カンザス州立大麻酔科
1986年3月 昭和大学医学部医学研究科(皮膚科学)卒業
1986年4月 昭和大学医学部皮膚科学教室特別研究生
1986年10月 東京都立荏原病院皮膚科主事
1990年10月 防衛医科大学皮膚科学講座助手
1993年7月 同 指定講師
1994年4月 同 クリニック開院に伴い退職
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ニキビが治りにくい理由は?原因から正しく理解する

ニキビはさまざまな要因が複雑に絡み合って発症するため、一度できると治りにくいという特徴があります。皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まりといった肌表面のトラブルだけでなく、生活習慣やストレス、ホルモンバランスなど身体の内側からの影響も見逃せません。自己流のケアが逆に悪化を招いてしまうケースもあるため、まずはニキビができる仕組みと治りにくくなる背景を正しく理解することが重要です。
ニキビはどうしてできる?皮脂・毛穴・炎症のメカニズム
ニキビは医学的には「尋常性ざ瘡」と呼ばれる皮膚疾患です。ニキビの始まりは、毛穴の出口付近にある角質が厚くなり、毛穴を塞いでしまうことにあります。この状態を「角質肥厚」と呼び、毛穴の中に皮脂が溜まりやすくなります。
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴内部で詰まりが生じて白ニキビや黒ニキビといった初期症状が現れます。さらに、毛穴内に皮脂が蓄積されると、アクネ菌という常在菌が増殖しやすい環境が整います。アクネ菌自体は本来、肌に存在する菌ですが、皮脂を栄養源として増えると炎症を引き起こします。炎症が起こると赤く腫れた赤ニキビとなり、悪化すると膿を持つ黄ニキビへと進行します。この段階で炎症が真皮層にまで達すると、治った後も色素沈着やクレーター状の凹凸といったニキビ跡が残るリスクが高まります。
生活習慣・ホルモンバランス・ストレスが与える影響
ニキビの発症や悪化には、生活習慣やホルモンバランスの乱れが大きく関与しています。睡眠不足や偏った食生活は、肌のターンオーバーを乱し、角質が厚くなる原因となります。特に、脂質や糖質の多い食事は皮脂分泌を増加させるため、ニキビができやすくなるといわれています。
ホルモンバランスの影響も見逃せません。思春期には男性ホルモンの分泌が増加し、皮脂腺が刺激されて皮脂の分泌量が増えます。成人の場合も、月経周期やストレス、睡眠不足などによってホルモンバランスが崩れると、大人ニキビと呼ばれる症状が現れやすくなります。特に、顎や口周りに繰り返しできるニキビは、ホルモンバランスの乱れが関係していることが多いとされています。
ストレスもニキビの悪化要因として知られています。ストレスを受けると自律神経のバランスが崩れ、血流が悪くなったり免疫機能が低下したりします。その結果、肌のバリア機能が弱まり、ニキビができやすく治りにくい状態になります。
自己流ケアが悪化を招くケースとは?
ニキビを早く治したいという気持ちから、自己流のケアを行って症状を悪化させてしまう方も少なくありません。代表的な例が、ニキビを潰してしまう行為です。指や爪で潰すと、雑菌が侵入して炎症がひどくなるだけでなく、真皮層にダメージを与えてニキビ跡が残る原因となります。
また、過度な洗顔も注意が必要です。皮脂を取り除こうと1日に何度も洗顔したり、洗浄力の強い洗顔料を使用したりすると、肌の乾燥を招きます。肌が乾燥すると、身体は皮脂を補おうとして逆に皮脂分泌を増やしてしまい、悪循環に陥ります。
市販のニキビ治療薬を使用する場合も、自己判断で複数の薬剤を併用すると肌への負担が大きくなることがあります。自分の肌タイプや症状に合わない薬を使い続けることで、かえって炎症を長引かせてしまうケースもあるため、医療機関で適切な診断を受けることが大切です。
ニキビ治療の進め方

ニキビ治療を効果的に進めるには、まず炎症を抑えることから始め、その後、患者さん一人ひとりの肌質や症状に応じた治療を組み合わせていくことが重要です。医療機関では、内服薬や外用薬を用いた薬物療法を中心に、ホームケアの指導まで含めた総合的なアプローチを行います。自己流のケアでは改善しにくい症状も、適切な治療を受けることで回復を目指せるでしょう。
まずは炎症を抑える治療
ニキビ治療の第一歩は、既に起こっている炎症を鎮めることです。赤く腫れた赤ニキビや膿を持つ黄ニキビは、放置すると真皮層にまでダメージが及び、ニキビ跡として残りやすくなります。炎症を早期に抑えることで、跡を残さずに治癒できる可能性が高まります。
炎症を抑えるためには、抗菌薬や抗炎症薬が用いられます。内服薬としては、アクネ菌の増殖を抑える抗生物質が処方されることがあります。外用薬では、過酸化ベンゾイルやアダパレンといった成分が含まれた薬剤が使われます。これらは毛穴の詰まりを解消し、アクネ菌の増殖を抑える働きがあるため、炎症の改善とともに新たなニキビの発生を予防する効果も期待できます。
炎症が強い場合や広範囲に及ぶ場合には、医療機関での注射治療やレーザー治療といった方法が選択されることもあります。これらの治療は、炎症を速やかに鎮めるだけでなく、ニキビ跡の予防にも有効とされています。
皮膚タイプ・症状に合わせたオーダーメイド治療の重要性
ニキビ治療において、すべての方に同じ治療法が効果的とは限りません。肌の状態は個人差が大きく、乾燥肌、脂性肌、混合肌といった肌タイプによって、適した治療法や使用する薬剤が異なります。また、ニキビの重症度や発症部位、年齢、生活背景なども治療方針に影響します。たとえば、乾燥肌の方に過度に乾燥を招く治療薬を使用すると、肌荒れが悪化して治療効果が得られにくくなります。一方、脂性肌の方には皮脂分泌を抑える治療を中心に進めることが有効です。
こうした違いを踏まえて、一人ひとりに合わせた治療プランを組み立ててオーダーメイド治療を行うことが大切です。医療機関では、初診時に詳しい問診と視診を行い、肌質やニキビの状態を詳細に把握します。そのうえで、内服薬と外用薬の組み合わせや、レーザー治療、ピーリングといった施術を選択します。治療の経過を見ながら薬の種類や量を調整し、適切な状態に近づけていくことが、ニキビを早期に改善し再発を防ぐ鍵となります。
ホームケアの正しい方法
医療機関での治療と並行して、毎日のホームケアを適切に行うことも、ニキビ改善には欠かせません。正しい洗顔と保湿を基本として、肌の状態を整えることで治療の効果を高めることが期待できます。洗顔は、朝晩の2回を基本とし、洗いすぎないことが大切です。洗顔料はよく泡立て、肌をこすらずに優しく洗います。すすぎ残しがあると毛穴詰まりの原因になるため、ぬるま湯でしっかりと洗い流すようにしましょう。洗顔後は清潔なタオルで押さえるように水分を拭き取ります。洗顔後の保湿も重要です。肌が乾燥すると、身体は皮脂を過剰に分泌させてしまうため、保湿によって肌の水分バランスを保つことが必要です。食事や睡眠といった生活習慣の見直しもホームケアの一環です。バランスの良い食事を心がけ、ビタミンB群やビタミンCといった栄養素を積極的に摂ることで、肌の新陳代謝を促します。十分な睡眠は肌のターンオーバーを正常に保つために欠かせません。また、紫外線は炎症を悪化させニキビ跡を濃くする原因となるため、日焼け止めを使用して紫外線対策を行うことも大切です。
ニキビ跡を残さないために知っておくべきこと

ニキビは治っても、跡が残ってしまうと長期間にわたって悩みの種となります。ニキビ跡には、赤みが残るタイプ、茶色く色素沈着するタイプ、クレーター状に凹凸ができるタイプなどがあり、いずれも炎症が深く長引いた結果として生じます。跡を残さないためには、炎症を早期に抑え、適切な治療とケアを続けることが重要です。
炎症を長引かせないことがポイント
ニキビ跡が残る大きな原因は、炎症が長期化し真皮層にまでダメージが及ぶことです。赤ニキビや黄ニキビといった炎症性のニキビを放置すると、炎症が深部に広がり、コラーゲン線維が破壊されてしまいます。この状態が続くと、治癒後も赤みや色素沈着、凹凸が残りやすくなります。炎症を長引かせないためには、ニキビができた初期の段階で適切な治療を開始することが大切です。白ニキビや黒ニキビの段階で対処できれば、炎症を未然に防ぐこともできるでしょう。すでに炎症が起きている場合でも、早めに医療機関を受診して抗炎症治療を受けることで、ダメージを抑えられます。また、ニキビを触ったり潰したりする行為は、雑菌の侵入や炎症の悪化を招いて跡が残るリスクを高めるため、触らないように意識して清潔な状態を保つことが予防の基本です。
ニキビ跡治療の選択肢
ニキビ跡がすでにできてしまった場合でも、適切な治療を受けることで改善が期待できます。ニキビ跡のタイプによって治療法は異なりますが、代表的な方法をいくつか紹介します。
赤みが残るタイプのニキビ跡には、レーザー治療や光治療が有効とされています。これらの治療は、肌の深部に働きかけて炎症後の血管拡張を抑え、赤みを薄くする効果が期待できます。色素沈着には、美白効果のある外用薬や内服薬、ケミカルピーリングといった治療が選択されます。ピーリングは古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進することで、徐々に色素沈着を薄くしていきます。
クレーター状の凹凸に対しては、レーザー治療などの専門的な施術が用いられます。これらは肌の再生を促し、凹凸を目立ちにくくする効果があります。治療には複数回の施術が必要となることが多いですが、根気よく続けることで改善が見込めます。
日常生活でできるニキビ跡予防
ニキビ跡を予防するためには、日常生活の中でできるケアを積み重ねることが大切です。
まず重要なのは、紫外線対策です。紫外線は炎症を悪化させるだけでなく、色素沈着を濃くする原因にもなります。外出時には日焼け止めを使用し、帽子や日傘を活用して肌を守りましょう。保湿も欠かせません。肌が乾燥すると、バリア機能が低下して炎症が悪化しやすくなります。適切な保湿を行うことで、肌のターンオーバーを正常に保ち、ニキビ跡の回復を助けることができます。
食生活の面では、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化作用のある栄養素を意識的に摂ることが推奨されます。これらの栄養素は、肌の修復を促し、色素沈着を予防する働きがあります。
また、十分な睡眠をとることで、成長ホルモンが分泌され、肌の再生が促進されます。
生活習慣を整えながら、医療機関での治療を並行して行うことで、ニキビ跡のリスクを減らせるでしょう。
ニキビ治療と漢方の相性が良い理由

ニキビは肌表面のトラブルに見えますが、身体の内側のバランスの乱れも影響しています。西洋医学による治療が症状を直接抑えることに重点を置くのに対し、漢方医学は身体全体の調和を整えることで根本からの改善を目指します。両者を組み合わせることで、より効果的にニキビを治療できるケースも少なくありません。
漢方は体質改善に働きかける治療
漢方医学では、ニキビの原因を「気・血・水」のバランスの乱れや、「熱」や「湿」といった身体の状態から捉えます。たとえば、ストレスによって「気」の流れが滞ると、血流が悪くなって老廃物が溜まりやすくなり、ニキビができやすい体質になるとされています。また、脂っこい食事や胃腸機能の低下によって「湿熱」が生じると、皮脂分泌が増えてニキビが悪化すると考えられています。
漢方薬は、こうした体質や身体の状態に合わせて選ばれます。症状を一時的に抑えるだけでなく、身体のバランスを整えることで、ニキビができにくい体質へと導くことを目指します。そのため、西洋医学の治療と併用することで、再発予防や長期的な改善が期待できます。
ニキビタイプ別で使われる代表的な漢方薬
ニキビの症状や体質に応じて、さまざまな漢方薬が使い分けられます。
たとえば、赤みが強く炎症がひどいニキビには、「清上防風湯」がよく用いられます。この漢方薬は熱を冷まし、炎症を鎮める作用があるとされています。思春期のニキビや、体力がある方には「荊芥連翹湯」が選ばれることがあります。この薬は血流を改善し、毒素を排出する働きがあるとされており、膿を持つニキビにも用いられます。生理前に悪化するニキビや、ストレスが関係するニキビには「加味逍遙散」が使われることがあります。気の巡りを整え、ホルモンバランスの乱れを改善する効果が期待できます。また、胃腸の調子が悪く、ニキビができやすい方には「十味敗毒湯」が適していることがあります。
これらの漢方薬は、患者さんの体質や症状、体力などを総合的に判断して選ばれます。そのため、同じニキビであっても、処方される漢方薬が異なることは珍しくありません。
西洋薬との併用で効果を高めるケースも
漢方薬は西洋薬と併用することで、より高い治療効果を得られる場合があります。たとえば、抗生物質や外用薬で炎症を抑えながら、漢方薬で体質改善を図ることで、再発を防ぎつつ根本的な改善を目指すことができます。
西洋薬は即効性が期待できる一方で、長期間使い続けると副作用のリスクが高まることがあります。漢方薬を併用することで、西洋薬の使用量を減らしたり、使用期間を短縮したりできる可能性があるでしょう。また、漢方薬は身体全体のバランスを整える作用があるため、ニキビ以外の不調の改善にもつながることが期待されます。
ただし、漢方薬にも副作用や飲み合わせの注意が必要です。自己判断で服用するのではなく、医師や薬剤師に相談しながら、適切な処方を受けることが大切です。
ニキビ治療は源一クリニックにご相談を

ニキビやニキビ跡にお悩みの方は、専門的な診療を受けることで、症状の改善と再発予防が期待できます。源一クリニックでは、身体の内外からニキビにアプローチする治療を提供しています。漢方治療にも対応しており、一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイドの治療プランを提案し、患者さんの健やかな肌づくりをサポートしされています。
総合的な診療で全身からニキビを診る
ニキビは肌表面の問題だけでなく、ホルモンバランスや胃腸機能、免疫機能など、身体全体の状態が影響しているケースが多くあります。そのため、皮膚症状だけを診るのではなく、全身の健康状態を総合的に評価することが重要です。源一クリニックでは問診と視診を丁寧に行い、患者さん一人ひとりの生活背景や体調を把握したうえで、適切な治療方針を提案しているといいます。血液検査やパッチテストなどを行い、ニキビの根本原因を探るそうです。こうした総合的なアプローチにより、症状の改善だけでなく、再発しにくい体質づくりまでを視野に入れた治療を進められています。
また、ニキビ治療に用いる外用薬や内服薬は患者さんの肌質や症状に合わせて選択し、炎症の強さ、皮脂分泌の程度、肌の乾燥具合などを細かく見極めながら、適切な薬剤を処方することで、効果的で安全性の高い治療を目指されています。
漢方治療にも対応し、体質からニキビ改善をサポート

源一クリニックでは、西洋医学に加えて漢方治療にも対応しています。漢方医学の考え方に基づき、ニキビができる背景にある体質の乱れを整えることで、根本からの改善を目指すそうです。
漢方薬は、患者さんの体質や症状、体力、生活習慣などを総合的に判断して選ばれます。一人ひとりに合わせた処方により、身体のバランスを整えながらニキビの改善を目指します。西洋薬と漢方薬を併用することも可能で、抗生物質や外用薬で炎症を抑えて漢方薬で体質改善を図ることで、治療効果を高めるとともに再発リスクを減らすことを目指すそうです。漢方薬は副作用が少ないとされていますが、体質によっては合わないこともあるため、医師と相談しながら使用することが大切です。
源一クリニックでは、漢方薬の効果や飲み方について丁寧に説明し、患者さんが安心して治療を続けられるようサポートされています。
地域に根差したクリニックとして通いやすい診療体制
ニキビ治療は継続的なケアが重要であり、定期的に通院して経過を確認しながら治療を進めることが効果的です。源一クリニックは、地域の皆さんに信頼される医療機関を目指し、通いやすい診療体制を整えられています。患者さんが気軽に相談できる雰囲気づくりも大切にし、初診の際にはニキビの状態や生活習慣について詳しく確認して不安や疑問にも丁寧に答えているそうです。
また、ニキビ治療だけでなく、日常のスキンケアや生活習慣の改善についてもアドバイスを行い、食事や睡眠、ストレス管理といった生活面のサポートも含めて、患者さん一人ひとりに寄り添った診療を提供されています。
ニキビやニキビ跡にお悩みの方は、専門的な診療と漢方治療を組み合わせた総合的なアプローチで健やかな肌づくりをサポートしてくれる源一クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。
源一クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
JR山手線 田端駅 徒歩10分
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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| 9:09~11:11 | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | - | ⚫︎ | ⚫︎ | - | - |
| 15:33~17:55 | ⚫︎ | ⚫︎ | - | - | ⚫︎ | - | - | - |
※第2、第4土曜日とその前の金曜日は休診
参考文献



