健康診断で肝機能が引っかかったら?放置が危険な理由と受診の目安

健康診断の結果で肝機能異常と指摘されたけれど、自覚症状がないし……と放置してしまっていませんか?
肝臓は、“沈黙の臓器”と呼ばれるように異常があっても症状が現れにくい特徴があり、AST・ALT・γ-GTPといった数値の異常を軽視すると、脂肪肝から肝炎、さらには肝硬変へと進行するリスクがあります。
本記事では、肝機能異常を放置する危険性や受診の目安、そして健康診断で肝機能に異常が出たら何をすべきかについて解説します。

監修医師:
岩渕 利光(岩渕胃腸科内科クリニック)
目次 -INDEX-
肝機能異常は「症状がない」からこそ見逃されやすい

健康診断で肝機能の数値に異常が見つかっても、日常生活に支障がないために受診を先延ばしにする方は少なくありません。しかし、肝臓は症状が現れにくい臓器であるからこそ、早期の対応が重要です。ここでは、肝機能異常が見逃されやすい理由について説明します。
肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれる理由
肝臓は、栄養の代謝や有害物質の解毒、胆汁の生成など500以上もの機能を担っている人体最大の臓器です。優れた再生能力と予備力の高さから、多少のダメージを受けても機能を維持し続けることができるため、肝臓に異常が生じても痛みや不調として現れにくく「沈黙の臓器」と呼ばれています。
この特性は一見すると頼もしく思えますが、裏を返せば自覚症状が出たときには病状が進行しているケースが多いということです。
倦怠感や黄疸、腹部の張りといった症状が現れる頃には肝機能が低下している可能性があるので、健康診断での数値異常を軽視せず、早期に医療機関を受診することが大切です。
健康診断で見つかるAST・ALT・γ-GTの意味
健康診断の血液検査で測定される肝機能の指標には、主にAST(GOT)やALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP)があります。ASTとALTは肝細胞に含まれる酵素で、肝細胞が壊れると血液中に流れ出すため、数値が高いほど肝臓にダメージがあることを示します。特にALTは肝臓に多く存在するため、肝障害のより特異的な指標とされています。
一方、γ-GTは胆汁の流れに関連する酵素で、アルコール摂取や脂肪肝、胆道系の疾患などで上昇します。これらの数値は単独で判断するのではなく、複数の項目を組み合わせて評価することで、肝臓の状態や異常の原因をより正確に把握できます。
基準値は検査機関によって多少異なりますが、一般的にASTとALTは30IU/L前後、γ-GTは男性で50IU/L、女性で30IU/L程度が正常範囲とされています。これらの数値が基準値を超えている場合は何らかの肝機能異常の可能性があるため、精密検査が推奨されます。
「少し高いだけ」と自己判断する危険性
健康診断の結果で肝機能の数値が基準値をわずかに上回っただけであれば、「たいしたことはないだろう」と考えてしまいがちですが、この自己判断が将来的な健康リスクを高める要因となります。
肝機能異常の背景には、アルコール性肝障害や非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、ウイルス性肝炎、薬剤性肝障害など、さまざまな原因が潜んでいます。特に近年増加している脂肪肝は、肥満や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病と密接に関連しており、放置すると肝炎や肝硬変へと進行するリスクがあります。
「少し高いだけ」という油断が数年後に取り返しのつかない状態を招く可能性があるので、健康診断で異常を指摘されたら自己判断せずに医療機関で詳しい検査を受け、原因を明らかにすることが重要です。
肝機能異常を放置すると起こり得るリスク

肝機能の異常を放置することは、将来的に深刻な健康被害につながる可能性があります。ここでは、放置によって生じるリスクについて解説します。
脂肪肝から肝炎・肝硬変へ進行するケース
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。アルコールの過剰摂取や肥満、糖尿病などが原因となり、近年では生活習慣の変化にともなって非アルコール性脂肪肝疾患の患者さんが増加しています。
脂肪肝は、放置すると炎症を伴う肝炎へと進行することが明らかになっています。
肝炎が慢性化すると肝細胞が壊れて線維化が進み、やがて肝硬変という不可逆的な状態に至ります。肝硬変になると肝臓の機能が大幅に低下し、腹水や黄疸、肝性脳症といった重篤な症状が現れるようになります。さらに、肝硬変は肝がんの発生リスクを高める要因でもあります。
このような進行の過程は数年から十数年かけてゆっくりと進むため、初期段階で適切な対応を取れば進行を食い止めることが可能です。しかし、放置すれば取り返しのつかない状態へと向かってしまうため、早期の治療開始が重要です。
肝臓だけでなく、生活習慣病との関係も深い
肝機能異常は、単に肝臓だけの問題ではありません。肝臓は全身の代謝に深く関わっているため、肝機能の低下は糖尿病や脂質異常症、高血圧といった生活習慣病の悪化にもつながります。特に、非アルコール性脂肪肝疾患はメタボリックシンドロームの肝臓における表れともいわれ、心血管疾患のリスクを高めることが知られています。
また、肝機能が低下すると血糖値のコントロールが困難になり、糖尿病の管理にも悪影響を及ぼします。逆に、糖尿病や脂質異常症が悪化すれば、さらに肝臓へのダメージが蓄積するという悪循環に陥ります。このように、肝臓と生活習慣病は互いに影響を与え合う関係にあるのです。
肝機能異常を放置することは、全身の健康状態を脅かすリスクを抱えることになります。健康診断で異常が見つかった際には、肝臓だけでなく全身の健康管理を見直すよい機会と捉え、総合的なアプローチで対策を講じることが求められます。
自覚症状が出たときはすでに進行していることも
肝臓は予備力が高い臓器であるため、機能が半分以下に低下しても日常生活に大きな支障が出ないことがあります。しかし、だるさが続く、食欲が落ちる、体重が減る、皮膚や目が黄色くなる(黄疸)といった症状が現れたときには、既に肝機能が低下している可能性が高いため注意が必要です。
特に肝硬変や肝がんまで進行した場合、治療の選択肢が限られてしまいます。肝硬変は一度進行すると元の健康な状態に回復させることは容易ではなく、さらには肝がんの発生リスクを高める要因にもなります。肝がんについても、早期発見であれば手術や局所療法が可能ですが、進行してからでは根治が難しくなります。
このように、自覚症状が現れてから対応するのではなく、健康診断での数値異常という無症状のサインを見逃さず、早期に医療機関を受診して適切な評価と対応を受けることが将来の健康を守ることにつながります。
健康診断で肝機能に異常が出たら、まず何をすべき?

健康診断で肝機能異常を指摘されたとき、どのように行動すべきか迷う方も多いでしょう。ここでは、肝機能異常が見つかった際にどうすればよいかを解説します。
再検査・精密検査をすすめられたら即受診を
健康診断の結果票に「要再検査」「要精密検査」と記載されていた場合、できるだけ早く医療機関を受診してください。再検査は数値の一時的な変動を確認するために行われ、精密検査はより詳しく原因を調べるために実施されます。いずれの場合も、放置せずに速やかに対応することが大切です。
医療機関では、まず詳しい問診が行われます。飲酒習慣や食生活、服用している薬剤、過去の病歴などを丁寧に確認し、肝機能異常の原因を推測します。そのうえで、追加の血液検査、腹部超音波検査などの画像検査を行い、肝臓の状態を詳しく評価します。
ウイルス性肝炎の可能性がある場合には、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの検査も行われます。これらのウイルスは慢性肝炎や肝硬変、肝がんの原因となるため、早期発見と適切な治療が重要です。
このように、再検査や精密検査を受けることで肝臓の状態を正確に把握し、必要な対策を講じることができるでしょう。
原因はお酒だけではない!多様な背景
肝機能異常というと、アルコールの過剰摂取を連想する方が多いかもしれません。しかし、実際には原因はそれだけではありません。近年増加している非アルコール性脂肪肝疾患は、過食や運動不足による肥満、糖尿病、脂質異常症などを主な原因として、お酒をほとんど飲まない方でも発症します。
また、ウイルス性肝炎や自己免疫性肝炎、薬剤性肝障害、遺伝性の肝疾患など、肝機能異常の背景にはさまざまな病態が存在します。薬剤性肝障害は、処方薬やサプリメント、漢方薬など意外な原因で起こることもあります。このため、正確な診断には専門的な検査と評価が必要で、自己判断で「お酒を飲まないから大丈夫」と考えるのは危険です。
医療機関を受診し、医師と相談しながら原因を突き止め、適切な治療や生活指導を受けることが肝機能異常を改善するための第一歩となります。
生活習慣の見直しと医療の両立が重要
肝機能異常が見つかった場合、多くのケースで生活習慣の見直しが治療の基本となります。
アルコール摂取を控える、バランスの取れた食事を心がける、適度な運動を習慣化する、適正体重を維持するといった取り組みが、肝臓の負担を軽減し、機能の回復を促します。
ただし、生活習慣の改善だけで十分とは限りません。ウイルス性肝炎であれば抗ウイルス薬による治療が必要で、自己免疫性肝炎であれば免疫抑制剤の投与が検討されます。脂肪肝であっても、糖尿病や脂質異常症が背景にある場合には、それらの治療も並行して行う必要があります。
このように、生活習慣の見直しと医療による適切な介入を両立させることが、肝機能異常を改善するためには欠かせません。
肝臓の状態を「見える化」して正しく評価する検査

肝機能異常の原因を正確に把握し、適切な治療につなげるためには詳しい検査が必要です。近年では検査技術の進歩により、肝臓の状態をより詳細に評価できるようになっています。ここでは、肝臓の検査方法を確認しましょう。
脂肪肝の進行度を調べられる検査機器とは
従来、脂肪肝や肝硬変の進行度を正確に評価するには肝臓の組織を採取する肝生検が必要でしたが、肝生検は侵襲的な検査で患者さんの負担が大きいという課題がありました。しかし近年では、超音波を用いた非侵襲的な検査機器で、肝臓の硬さや脂肪の蓄積度を測定できるようになっています。これらの検査では腹部に探触子を当てるだけで肝臓の状態を評価できるため、痛みや合併症のリスクがほとんどありません。脂肪肝の進行度や肝線維化の程度を数値として「見える化」することで、治療の必要性や効果を客観的に判断できます。
定期的にこうした検査を受けることで、肝臓の状態の変化を追跡し、治療が適切に効果を上げているかを確認することが可能です。
血液検査だけではわからないことも
健康診断の血液検査で測定される、ASTやALT、γ-GTといった肝機能の数値は、肝臓の異常を発見するための重要な指標です。しかし、これらの数値だけでは肝臓の構造的な変化や脂肪の蓄積度、線維化の進行度を正確に把握することはできません。
例えば、脂肪肝があっても血液検査の数値が正常範囲内にとどまることがありますし、逆に数値が軽度上昇しているだけでも、実際には肝線維化がかなり進行しているケースもあります。つまり、血液検査だけでは肝臓の真の状態を見落とす可能性があるのです。
血液検査に加えて、腹部超音波検査やCT検査、MRI検査といった画像検査を組み合わせることで、肝臓の形態や内部の変化を詳しく観察できます。
さらに、前述した非侵襲的な検査機器を用いることで、肝臓の硬さや脂肪量を定量的に評価し、より正確な診断が可能になります。
早期評価が将来の病気予防につながる理由
肝臓の病気は、初期段階で発見し適切に対応すれば進行を防ぐことができます。脂肪肝の段階であれば、生活習慣の改善によって肝臓の状態を正常に戻すことも十分に可能です。しかし、肝炎や肝硬変まで進行してしまうと、完全に元に戻すことは困難です。
早期に肝臓の状態を正確に評価することで、将来的な肝硬変や肝がんのリスクを減らせるでしょう。特に、脂肪肝や慢性肝炎の段階で適切な治療や生活指導を受ければ、肝機能の改善が期待できます。
また、定期的に検査を受けて経過を追うことで治療効果を確認し、必要に応じて治療方針を調整することが可能です。
肝臓は回復力のある臓器ですが、その回復力を活かすためには早期発見と継続的な管理が不可欠です。健康診断で異常が見つかったら、放置せずに詳しい検査を受け、肝臓の状態を正確に把握することが、将来の健康を守るための第一歩となります。
肝機能が気になる方は岩渕胃腸科内科クリニックにご相談を

健康診断で肝機能異常を指摘された場合、肝臓の状態を正確に評価し、適切な治療や生活指導を受けることが将来の健康を守ることにつながります。
宮城県大崎市にある岩渕胃腸科内科クリニックは、肝機能異常の精密検査から生活習慣病の総合的な管理まで幅広く対応しているクリニックです。ここからは、岩渕胃腸科内科クリニックの特長を紹介します。
肝臓・消化器疾患を総合的に診られる内科クリニック
消化器内科を専門とする医療機関として、岩渕胃腸科内科クリニックは胃腸疾患や肝臓、胆のう、膵臓などの消化器全般の診療を行っています。院長は日本内科学会 認定内科医や日本消化器病学会 消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医といった資格を持ち、豊富な経験を活かした診療を提供されています。
肝機能異常の背景には、脂肪肝や肝炎、胆のう結石、慢性膵炎など、さまざまな消化器疾患が隠れている可能性があるため、岩渕胃腸科内科クリニックでは疾患の可能性を総合的に評価し、必要に応じて内視鏡検査や画像検査を組み合わせながら正確な診断に努めているといいます。
また、ピロリ菌除菌治療や大腸ポリープの日帰り治療(※)にも対応しており、消化器全体の健康を守るための体制を整えられています。
健康診断の二次検査にも対応し、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の管理など、肝機能異常と関連する全身の健康状態を包括的にサポートされているそうです。
※術前検査・術後の経過観察が必要です
脂肪肝の状態まで評価できる検査体制

従来の血液検査や通常の超音波検査では、肝臓の構造的な変化や脂肪の蓄積度を定量的に把握することが難しい面がありましたが、新しい超音波検査機器では肝臓の硬さや脂肪量を数値として測定でき、より正確な診断と治療方針の立案に役立てることができるそうです。岩渕胃腸科内科クリニックは、このような肝臓の状態を詳しく調べるための検査機器を取り揃えられています。
また、頸部・腹部超音波検査を随時実施しており、肝臓だけでなく胆のう、膵臓、腎臓など周辺臓器の状態も詳しく観察できる設備が整っているそうです。
こうした充実した検査体制により、肝臓の状態を多角的に評価し、患者さん一人ひとりに合った治療や生活指導を提供されています。
健康診断後の「次の一歩」を安心して相談できる
健康診断で肝機能異常を指摘されたとき、「どうすればいいのか」「どこに相談すればいいのか」と不安を感じたことはありませんか?
岩渕胃腸科内科クリニックはそうした不安に寄り添い、丁寧な説明と適切な対応を心がけられています。
患者さんが満足し安心できる医療の提供を診療方針として掲げ、「苦痛の少ない検査」「病気や薬についてのわかりやすい説明」「親切で心のこもった医療サービス」を大切に診療されているそうです。
肝機能異常の原因や検査結果についてもわかりやすい言葉で説明し、生活習慣の改善方法や治療の選択肢について患者さんと一緒に考える姿勢を重視しているといいます。健康を守るための「次の一歩」をサポートするよう心がけられているので、健康診断で肝機能に異常が見つかった方や肝臓の状態が気になる方は、岩渕胃腸科内科クリニックに相談してみてはいかがでしょうか?
岩渕胃腸科内科クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用
三本木PAから車で10分
ミヤコーバス「三本木大衡線」三本木バス停 徒歩4分
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