腎臓病の初期症状は?腎臓内科にかかるべき人・治療法・予防法について解説
皆さんは腎臓病についてどのような知識をお持ちでしょうか。腎臓病は初期症状がほとんど自覚できない病気といわれています。
健康診断の尿検査などで異常が発見され、詳しい検査の結果、腎臓病と診断される方が多くいます。
腎臓病は進行して末期まできてしまうと根治が難しいとされる病気ですが、この腎臓病に特化した専門の診療科が腎臓内科です。
本記事では腎臓病の初期症状や、腎臓内科にかかるべき人・治療法・予防法などについて解説します。
監修医師:
渡邉 智成(渋谷内科・スキンケアクリニック)
2006年 同医院初期研修医
2008年 同医院腎高血圧内科入局
2012年 同大学院卒・医学博士取得
2016年 池上総合病院腎臓内科科長
2020年 昭和育英会 湯島三和クリニック院長
複数の美容医療クリニックで研鑽を積む
2022年 渋谷内科・スキンケアクリニック開院
目次 -INDEX-
腎臓病の初期症状は?
多くの場合、腎臓病には自覚できる初期症状があまりありません。健康診断の尿検査で異常が発見され、腎臓病であると判明するケースがほとんどです。
腎臓病の初期症状として健康診断で発見される症状には、尿にタンパク質が混入している「タンパク尿」や肉眼では見えない潜血が混入している「血尿」などがあります。腎臓病が進行すると腎臓の働きが低下し、「腎不全」と呼ばれる状態になります。「腎不全」まで進行してしまうと老廃物を尿として排出できなくなり、命をつなぐためには透析が必要になりますので、できるだけ早い段階で腎臓病を発見し治療しましょう。
腎臓病を初期段階で発見するためには定期的な健診が重要です。幸いなことに日本は国民皆保険制度のもと、誰もが何らかの健康保険に加入しています。ご自身が加入している健康保険を活用し、年に1度は健康診断を受けておきましょう。
腎臓内科にかかるべき人
腎臓内科という診療科を聞いたことがあるでしょうか。一般のクリニックではあまり聞きませんが、腎臓内科とは内科の中でも腎臓系疾患専門の診療科です。専門の診療科を受診することで、より高度な医療を受けられる可能性があります。以下のような方には腎臓内科を受診するのをおすすめします。
- 糖尿病がある人
- 高血圧の人
- 尿検査で異常を認めた人
それぞれについて、詳しく解説しましょう。
糖尿病がある人
糖尿病は合併症に注意が必要な病気で、合併症に糖尿病腎症という病気があります。糖尿病腎症は初期段階では自覚できる症状がない場合が多く、発見されたときには深刻な状態になっているケースもあります。腎臓内科ではこうした合併症を予防するとともに、万が一発症してしまった場合でも早期発見と治療が可能です。
高血圧の人
高血圧を放置すると高血圧性腎臓病(腎硬化症)という腎臓の病気になる可能性があります。高血圧になると血管が硬くなるため血管の内腔が狭くなります。その結果、腎臓に流れる血液が減少して腎臓機能に障害が起こるのが腎硬化症です。腎層内科では高血圧の治療とともに定期的な腎臓機能の検査ができますので、腎硬化症の予防と早期発見・治療が可能になります。
尿検査で異常を認めた人
尿の検査で異常が出た場合、腎臓の病気が疑われます。一般的な健康診断の尿検査では、以下のような異常を発見できます。
- 潜血が混じる血尿
- タンパク尿
- 糖の検出
- 比重
- pH
- 白血球
- 細菌
- 貧血
- 尿酸値が高い(痛風)
- 腫瘍の有無
こうした異常がある場合は腎臓内科を受診し、早めに原因を突き止め治療を開始しましょう。
腎臓病の主な治療法
腎臓病は病気が進行し腎臓の機能が損なわれてしまうと、そこから機能回復が難しい病気です。したがって、できるだけ早い段階で発見し治療するのが重要といえるでしょう。腎臓病の主な治療方法には以下のものがあります。
- 食事療法
- 薬物療法
- 透析
- 腎移植
それぞれの治療方法について、以降の章に解説します。
食事療法
食事療法は腎臓病の1つである急性腎不全の重要な治療方法です。急性腎不全の治療は「発症期」「乏尿期」「利尿期」から「回復期」と経過し寛解を目指します。食事療法では腎臓の負担を軽減するために主にタンパク質と塩分の制限を行います。目安は1日のカロリー摂取量が1,800キロカロリーです。食事療法での一般的な制限は以下の通りです。
- タンパク質制限:乏尿期(体重1kgにつき0.2g)・利尿期(0.5g)・回復期(1.0g)
- 塩分制限:乏尿期(禁止)・利尿期(3~5g)・回復期(3~7g)
- カリウム:乏尿期(厳しく制限)・利尿期以降(制限あり)
- リン:全期間制限あり
- 水分:乏尿期(前日の尿の量プラス500g)・ 利尿期(医師の指示)・回復期(制限なし)
この数値はあくまで一般的な目安であり、病気の経過や状態によって異なりますので、実際に食事療法を始めるときは医師や栄養管理士の指導のもとで行いましょう。
薬物療法
薬物療法は腎臓病の治療に欠かせません。主に使用される薬剤は、利尿薬・昇圧薬・降圧薬・抗生物質、制酸薬などです。経過時期より使用される薬剤が異なりますので、経過時期と薬剤の一般的な組み合わせをご紹介します。
- 発症期:利尿薬・昇圧薬・降圧薬など
- 乏尿期:利尿薬・抗生物質・制酸薬など
これらの薬剤は病状と体調を見ながら医師が投薬量を判断します。「尿さえ出ればよい」と考え、利尿作用の強い飲料やサプリメントをご自身の判断で服用しないようにしてください。
透析
腎臓病が末期まで進行し腎臓の機能が損なわれてしまった場合の治療方法には、血液透析と腹膜透析があります。血液透析は血液中の老廃物や余分な水分を機械で除去し、血液をきれいにする治療方法で、週に数回程度の通院が必要です。
腹膜透析はお腹の中に透析液を入れ、ご自身の腹膜を利用して血液をきれいにする治療方法です。状態が安定していれば月に1・2回程度の通院で済むため、日常生活への影響は血液透析より少ないでしょう。
腎移植
腎臓病が末期まで進行した場合の根本的な治療方法に腎移植があります。腎移植では他の人の健康な腎臓を手術で移植する治療法で、末期の腎臓病の唯一の根治療法です。腎移植には献腎移植と生体腎移植があり、どちらの場合も腎臓を提供するドナーが必要になります。
献腎移植を待つ方は全国で13,000人以上いて、そのうち半数以上の方が5年以上も待ち続けているのが現状です。生体腎移植の場合、親・子・兄弟・親族・配偶者などから腎臓の1つを提供してもらいます。適合すれば早期に移植が可能ですが、適合しない場合は献腎移植を選択しなければなりません。
腎臓病の予防法
腎臓病は自覚できる初期症状があまりないため早期発見が難しい病気であり、定期的な健診と予防が重要です。以降の章では、腎臓病の予防について解説します。
適切な食事管理
腎臓病の予防として適切な食事管理があります。腎機能の障害が進行している際は、食事管理を行うことにより、腎臓病の進行を抑えるだけでなく合併症のリスクを軽減します。食事管理の仕方は病状によっても異なるため主治医に相談しながら進めることが基本です。間違った食事管理は病状を悪化させることもあるので注意する事が必要です。
こまめな水分摂取
こまめな水分補給も腎臓病の予防に有効です。水分を十分に摂取すると、尿を作る腎臓への負担が軽減されるため腎臓病になりにくくなります。特に夏季は汗により体から水分が失われるため意識して水分を補給しましょう。こまめな水分補給は熱中症予防にもなります。特にご高齢のご家族がいらっしゃる方は、水分補給を促しながらご自身も水分を補給し腎臓病と熱中症を予防してください。
お酒やたばこを控える
飲酒は日常生活に潤いを与える楽しみかもしれませんが、飲みすぎは万病のもとです。お酒を飲むとトイレが近くなり、飲んだ量よりも尿が出て体内から水分が失われます。くれぐれも大量の飲酒は控え、飲むときは同時に水分も取りましょう。
また、たばこも腎臓にはよくないとされています。愛煙家の方は喫煙量を減らし、できれば禁煙してください。
専門的な腎臓病の治療なら渋谷内科・スキンケアクリニックへご相談を
健康診断で尿に異常があった方や、ご自身の腎臓にご不安のある方にご紹介したいのが渋谷内科・スキンケアクリニックです。渋谷内科・スキンケアクリニックは東京都渋谷区で開業しているクリニックで、一般内科から専門的な腎臓病の治療までトータルに診療しています。渋谷内科・スキンケアクリニックについて、具体的にご紹介しましょう。
日本腎臓学会認定の腎臓専門医が在籍
渋谷内科・スキンケアクリニックには、腎臓専門の医師が在籍しています。院長の渡邉先生は順天堂大学医学部出身で、日本腎臓学会に所属する腎臓専門医資格を持つ医師であり、専門的な腎臓病の治療の経験が豊富です。
池上総合病院腎臓内科科長・昭和育英会湯島三和クリニック院長などを経て現在の渋谷内科・スキンケアクリニックを開業しました。院長の渡邊先生が目指すクリニックは、患者さんが気軽に何でも相談でき、分かりやすい説明が得られるクリニックです。
軽症だと思いながらも不安を感じている方は、悩みを相談してみてください。不安が解消されれば最良ですが、何かの病気が疑われるようであれば詳しい検査も可能です。また、検査の結果によって必要な治療もできます。原則としてクリニックは予約制ですので、長く待つことはないでしょう。
検査から内服治療・生活のアドバイスまで完結
渋谷内科・スキンケアクリニックは、腎臓に関する疾患全般の診療をしています。腎臓病に関する主な診療は各種腎炎・各種ネフローゼ症候群・多発性嚢胞腎サムスカ療法の診療などです。その他にも、腎臓病進行予防外来や健診での尿検査・血液検査・痛風鎮痛、熱中症治療なども行っています。
また検査・内服治療から生活へのアドバイスまでトータルにサポートしていますので、検査のために他の病院に行く必要もありません。
院内は明るく清潔で、予約制のため混雑もなく受付から診察までスムーズな受診が可能です。健康診断もできるので、気軽に利用してみてはいかがでしょうか。
将来の透析リスクの予防を目指した薬の提案が可能
渋谷内科・スキンケアクリニックでは、将来の透析リスクの予防を目指した薬の提案が可能です。腎臓病は進行して末期まできてしまうと透析が必要になります。定期的な透析は日常生活に制限を与え、仕事や家庭生活に大きな影響があるでしょう。
尿検査で異常が出た方や腎臓病の疑いがある方は、そうした事態を避けるためにも一度相談し、治療方針を相談してください。
アクセス・住所・診療時間
東京メトロ各線 渋谷駅 徒歩2分
JR各線・東急東横線・東急田園都市線 渋谷駅 徒歩5分
京王井の頭線 渋谷駅 徒歩8分
東京メトロ各線 表参道駅 徒歩10分
診療時間
月
火
水
木
金
土
日
10:30~13:30
-
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15:00~19:30
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※最終受付は診療終了の30分前までとなります。
※美容皮膚科とは診療時間が異なります。
※月曜日が祝日の場合オープンとし、翌火曜日が休診となります。
【所属・資格など】
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本腎臓学会 腎臓専門医
・日本透析医学会 透析専門医
・日本糖尿病協会
・日本メンズヘルス医学会
・日本高血圧学会
・日本アレルギー学会
・日本抗加齢医学会
参考文献
この記事の監修医師
東京メトロ各線 渋谷駅 徒歩2分
JR各線・東急東横線・東急田園都市線 渋谷駅 徒歩5分
京王井の頭線 渋谷駅 徒歩8分
東京メトロ各線 表参道駅 徒歩10分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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10:30~13:30 | - | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
15:00~19:30 | - | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
※最終受付は診療終了の30分前までとなります。
※美容皮膚科とは診療時間が異なります。
※月曜日が祝日の場合オープンとし、翌火曜日が休診となります。
【所属・資格など】
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本腎臓学会 腎臓専門医
・日本透析医学会 透析専門医
・日本糖尿病協会
・日本メンズヘルス医学会
・日本高血圧学会
・日本アレルギー学会
・日本抗加齢医学会
参考文献