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白内障手術とは?白内障の症状・治療方法や医院の選び方まで解説

 更新日:2024/02/02
198 白内障手術とは?

白内障とは、目のレンズである水晶体が濁る病気です。水晶体が白濁するとピントが合わない・光を通しづらくなることにより、物が見えにくくなります。

白内障は「人生100年時代」のいま、加齢によってほとんどの人がいずれは経験するといわれており、誰にとっても身近な病気です。

白内障の治療には手術しかありませんが、現在では医療技術の進歩により、安全性の高い手術と高機能の人工レンズを用いた治療が広く行われています。

白内障手術とは具体的にどういったものなのか、病院はどのように選べばいいのか、基本的なポイントを解説します。

久木元 延行

監修医師
久木元 延行(幕張久木元眼科)

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獨協医科大学 医学部医学科卒業
東京医科歯科大学 眼科学講座 入局
東京都立広尾病院 眼科
東京都立多摩総合医療センター 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
・白内障・屈折矯正外来 主任
・糖尿病網膜症専門外来
・医療安全管理リスクマネージャー
幕張久木元眼科開院

白内障について

白内障について
白内障とは、そもそもどんな病気なのでしょうか。初期症状はどのようなものでしょうか。また、どのタイミングで手術を受ければいいのでしょうか。
ここでは、白内障が起こる仕組みや初期症状をはじめ、白内障が進行した場合の視力の変化などについて解説していきます。

白内障とは

目の水晶体が白、黄色、茶色に濁るのが白内障です。水晶体を構成しているタンパク質が変性することによって起こります。
水晶体は眼球の内部にあり、カメラのレンズのように光を透過させると同時に屈折させてピントを合わせる役割を果たしています。しかし、その水晶体が濁ってくると、外から入ってくる光が水晶体を透過できないためピントが合わなくなり、視界が濁って見える・物が二重に見える・色彩が鈍る(色覚コントラストが低下する)などの症状が出ます。

初期症状

白内障は初期には症状が少ないためわかりづらいと言われていますが、視界がかすむ・夜空の月を見たときに二重に見える・ちょっとした光が眩しいなどが初期症状としてあげられます。日常生活で自覚症状がなく特に困ってない間は問題ないことがほとんどですが、白内障は基本的にゆっくりと進行するため、ご自身の見え方の変化に気が付けないこともありますので、定期的な眼科健診をお勧めします。
有名な例として、印象派の画家であるクロード・モネが白内障を患っていました。彼は日本庭園を描くのが好きで、若年期から晩年まで同じ構図で描かれた「日本の橋」という作品をいくつも発表しています。これらの作品を経時的に見ると、モネの視力の変化を垣間見ることができます。初めの頃の作品は色彩は淡く、豊富な色数で描かれていますが、後年では赤や黒、茶色が多様され、構図の輪郭がかなり不明瞭になって抽象的な描き方になっていっていることがわかります。白内障の進行による見え方の変化を垣間見ることができるでしょう。

原因

白内障の主な原因の1つは加齢によるもので、加齢性白内障と呼ばれます。白内障全体の70%は加齢性白内障で、50代ごろから発症しはじめることが多いです。病気というよりは経年による眼球の自然な現象で、60~70代で多くの人が白内障による視力低下を経験するといわれています。
さらに外傷・紫外線・薬物(ステロイドなど)なども発症の因子となります。内科疾患のためステロイドの内服がかかせない患者さんは白内障が早く起こるため、平時の眼科健診が大切です。また、アトピー性皮膚炎、糖尿病など他の病気の合併症として起こる場合もあります。アトピーや糖尿病から起こった場合は30~40代などで白内障を発症する患者さんもいます。
出生時に起こっている先天性のものもあり、例えば母胎内の風疹感染や遺伝からの影響も考えられています。

白内障を放置すると

白内障をずっと放置していると、最終的に水晶体が真っ白になるほどに強く混濁します。そこまで重症化すると重度の視覚障害もしくは失明に至ります。
日本は技術進歩・機材の進歩により、安全な手術を受けやすい環境です。そのためそこまで重症化することは稀ですが、世界規模でみると失明原因の第1位は白内障となっていますし、日本でも認知症などでご本人からの訴えが少ない患者さんで白内障が高度に進行してしまっている例は少なくありません。

白内障手術とは?

白内障手術とは?
白内障手術とは、濁った水晶体を眼から取り除き、新しい人工のレンズを入れる手術です。
正式名称は「超音波乳化吸引術」+「眼内レンズ挿入術」と言い、点眼麻酔後に角膜を小さく切開し、「超音波」の機械で中の濁った水晶体を「乳化」して「吸引」し、新しい人工の「眼内レンズ」を挿入・固定します。通常の手術は10~20分程度で終了することが多く、麻酔後は意識はあるものの白内障の手術では痛みを感じることはほとんどないといわれています。
また、2-3mm程度の小さな穴を開けて行うため、出血もほぼありません。

白内障の治療方法

白内障の治療方法
白内障の治療方法はどのようなものがあるのでしょうか。手術法はご紹介しましたが、手術を避けたい方は、薬など他の治療法があるのか気になるところでしょう。
端的にいうと白内障の治療では手術によって白内障の濁りを取り除くしかありません。白内障とは水晶体のたんぱく質の変性が原因ですので、言わば「ゆで卵が生卵に戻らない」ように、変性したたんぱく質を元に戻す方法はありません。眼球の手術と聞くと不安があるかもしれませんが、安全性の高い手術法が確立し広く行われています。
手術や実際の流れについてさらに詳しい説明と、白内障治療に大切な眼内レンズについて解説していきます。

手術が一般的

病状が初期の場合には点眼薬によって病気の進行を遅らせる方法が取られることもありますが、これは進行抑制にしかならないため、視力回復のためには手術をするしかありません。
手術の際には水晶体を人工の眼内レンズに置き換えますが、この眼内レンズは現在では多機能性のものが多く開発されています。種類も豊富ですが、大まかに分けると単焦点レンズ・多焦点レンズと呼ばれるものがあり、どこに焦点(ピント)が合うかというのが大きな違いとなります。元々水晶体は厚みを調節することで遠近両方にピントを合わせることができますが、人工のレンズは厚さが一定のためピント調節ができません。
よって手術前に「どこに、どのようにピントを合わせたいか」でレンズを選ぶことが重要になってきます。

単焦点レンズ・多焦点レンズのメリット・デメリット

単焦点レンズのメリットは見え方の質が高く、色彩のコントラストも綺麗に見えることです。1点ピントが合ったところ、例えば手元に合わせたのなら近距離がはっきり・くっきりと見えます(眼鏡をかければ遠方も同様に綺麗に見えます)。さらに保険適用治療のため、70歳未満では3割の自己負担、70歳以上は2割または1割の負担で手術を行うことができます。相場は単焦点レンズは3割負担の場合片目で約50,000円(税込)前後です。単焦点レンズのデメリットは、焦点が1カ所のため日常生活で眼鏡・老眼鏡の使用が必要となります。
多焦点レンズのメリットは2箇所以上にピントが合うため、近距離と遠距離の両方にピントを合わせて見ることができます。そのため日常生活で眼鏡を必要とする場面が少なく、より自由で快適度の高い日常生活を送ることができます。
デメリットは色彩のコントラスト感度など見え方の質が単焦点ほど綺麗には見えないこと、白内障手術以外の費用が保険適用外となるため高額になることなどがあげられます。厚生労働省認可のレンズを用いた選定療養だと手術費用は保険適用で、眼内レンズ代金は自費での負担となり、全体として300,000~400,000円(税込)程度が相場となります。選定療養外の自由診療は、多焦点レンズは450,000~900,000円(税込)前後と医院によってさまざまとなっています。
単焦点レンズも多焦点レンズもそれぞれにメリット・デメリットがありますので、自分の生活スタイルに合ったレンズを選択することが大切です。多焦点レンズは高額ですが、「高価だからそれだけいいレンズ」とは一概に言い切れませんので注意が必要です。医師とよく相談していただくことをおすすめします。

白内障手術の流れ

手術前日まで通常の生活を送ることができます。当日は、付き添いまたはお迎えの方がいることが推奨されます。内服している薬などは医師の指示を仰ぎますが、基本的には当日まで飲んでもよいことが多いです。白内障手術は一般的に日帰りでの手術(※)も行われているため、日帰りの場合は付き添いの方と一緒に帰宅が可能です。
術後には感染症の危険もあるため医師の指示通りに点眼と術後の通院を行います。
※術前の検査、術後の経過観察が必要です。

白内障手術を受ける医院の選び方

白内障手術を受ける医院の選び方
白内障手術を受ける際は、何をポイントに医院を選べばいいのでしょうか。
医院を選ぶ際のポイントを解説していきます。

眼内レンズの選択肢があるかどうか

白内障治療で重要なのは、自分に合った眼内レンズを選択できるかどうかです。
希望の見え方・生活スタイルに合ったレンズを選ぶことができれば、手術後に良好な視界で生活を送ることができます。
単焦点・多焦点レンズはそれぞれ見え方のポイントが違い、費用も違います。さらに、単焦点レンズ・多焦点レンズの中にも様々な種類と特徴があります。豊富な選択肢の中から選べる環境かということが大切です。
また、手術後の視力向上には眼内レンズによる乱視矯正がかかせません。単焦点レンズも多焦点レンズもそれぞれ乱視矯正モデルがありますので、しっかりとした術前検査を行い、乱視矯正の必要があれば乱視矯正モデルを選択することもとても重要です。
※眼の状態により乱視矯正モデルが適応とならないことがあります。

医師が症状に合った適切なレンズを選んでくれるかどうか

前述したように、手術後に患者さん本人が「よく見えるようになった」と感じ、質の良い生活を送るためには、その人に合ったレンズかどうかが重要です。人それぞれ病気の症状はもちろん、眼球の状態や質・生活において何を求めているかは異なります。患者さんは希望・事情を伝え、医師と相談のうえでどのレンズにするのかを決めていくことになります。例えばインドア派なのかアウトドア派なのか、自動車の運転をするのか、仕事でパソコンやスマホを日常的に使用するか、写真家やデザイナーの仕事で色彩に高い要求があるのかなどです。
そのため眼内レンズの選択、ひいては白内障手術全体を通して、医師としっかりとコミュニケーションが取れているかが重要です。意思疎通が上手くいかないと症状・個人的な生活傾向・要望を医師に把握してもらうことが難しく、その後のレンズ選びも上手くいかないことがあります。適切なレンズを選ぶためには医師とのコミュニケーションが重要です。

医師の経歴や執刀数

十人十色の多種多様な生活スタイルをもつ患者さんそれぞれに一番合ったレンズを選択していくためには、医師の知識とこれまでの経験が大切です。ただ白内障手術の執刀数が多ければ良いのではなく、白内障手術を専門としている医師なのか、実際に手術を受けた患者さんがどのくらい見やすくなっているのか、口コミはどうなのかを見てみることをおすすめします。
これまで白内障を診た経験が多いほど、患者さんに寄り添った対応ができる可能性が高くなります。白内障手術では、安全に成功するかはもちろんですが、術後の生活の質も大きなポイントとなります。視力を取り戻して自分の送りたい生活ができるかどうか、患者さん一人ひとりに寄り添った治療や対応が病院や医師に求められているといえるでしょう。
どのレンズを選んでもメリット・デメリットがあり、自分に合うかどうかは人によって異なります。豊富な経験から、患者さんの症状・仕事・生活傾向に合うレンズを選定できる医師がいることは大切です。気になる病院や診てもらいたい医師がいる場合は、これまでの経歴や白内障の臨床・経験などを病院のホームページなどで調べてみると良いでしょう。

白内障手術の相談なら幕張久木元眼科へ

幕張久木元眼科入口

白内障手術を受ける際は、手術後にどのような生活を送りたいかを考え、自分に合った眼科を見つけることが大切です。千葉県の幕張久木元眼科では、患者さんのニーズに合わせた眼内レンズ選びにこだわった治療を行っています。これまで大学病院の白内障専門外来主任で培った知識・経験で、眼鏡をかけていないときの「裸眼視力」にとことんこだわります。

単焦点レンズ・多焦点レンズ・乱視矯正レンズともに豊富な取り扱い数があり、自分に合うレンズを徹底的にこだわって医師と一緒に選ぶことができます。保険適用の乱視矯正レンズも取り扱っています。

患者さんのニーズに合わせた眼内レンズ選びにこだわった治療

幕張久木元眼科診察室
できる限り眼鏡をかけなくても生活ができるようになれば、生活の質は大きく向上するでしょう。しかし、それは自分にぴったりと合ったレンズを選ぶことができるかどうかで決まってきます。さらに、レンズを選ぶ際に何を重要視するかということでも変わってくるでしょう。
せっかく手術をするからには眼鏡をかけたくない・眼鏡から解放されたいという方は、そうした自分の要望と合った指針の医院を選ぶことが大切です。
幕張久木元眼科は、患者さんが手術後になるべく眼鏡をかけなくてもよく見える、快適な生活を送れることを目指しています。

眼内レンズの選択にとことんこだわる

生活スタイルによってぴったりと合うレンズは異なるため、人それぞれ選択は変わってきます。焦点距離と費用がポイントになりますが、生活スタイルも含めて複合的に考えなければなりません。
例えば、手元での細かい作業を行う職業の場合は、単焦点レンズを選ぶ方が多いでしょう。
多焦点レンズは近いところから遠いところまで同時に見ることができる点がメリットですが、繊細な作業に必要な色彩やピントの鮮明さなどでどうしても劣る点がデメリットです。さらに夜間の道路などで光がぼやけるハロー・グレア現象なども、多焦点レンズを選ぶ際によく考えなければならないポイントです。多焦点レンズでも焦点数は3点から5点のものまで幅広く開発されており、幕張久木元眼科では各種取り扱いがあります。それぞれ焦点距離の細かな違い、ハロー・グレア現象が抑えられている設計など、特徴が異なります。医師の説明をよく聞き、予算とあわせてじっくりと相談してみることがおすすめです。

豊富な乱視矯正レンズの取り扱い経験をもとに行う乱視矯正

乱視矯正レンズは、白内障による水晶体の濁りと一緒に乱視も矯正できます。乱視が残っていると、せっかく手術でレンズを入れても、結局眼鏡をかけて生活しなければならない場面も多くなります。

乱視の方は、可能であれば乱視矯正レンズを入れることを検討すべきでしょう。そうなると費用が問題となりますが、幕張久木元眼科では保険適用の乱視矯正単焦点レンズを扱っており、単焦点レンズと同額での施術が可能です。

白内障手術は、レンズによって乱視を矯正するチャンスでもあります。乱視矯正レンズ取り扱いの経験が豊富な医師と相談のうえ、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

幕張久木元眼科の基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR京葉線 幕張豊砂駅 徒歩8分

JR京葉線 海浜幕張駅 車で7分
JR総武線 幕張本郷駅 車で10分

千葉県千葉市美浜区豊砂1-1 イオンモール幕張新都心グランドモール1階

診療時間
10:00~13:00
15:00~18:30

▲:15:00~17:30
※受付は診療時間終了30分前までとなります。
※コンタクトレンズを初めてご希望の方は診療時間終了60分前までにお越しください。
※火曜日が祝日の場合は休診となります。
※イオンモール幕張新都心の営業スケジュールによって休診となることがあります。

【費用〔片目につき)】
1割負担 約15,000円(税込)
3割負担 約45,000円(税込)
多焦点レンズ 約300,000円~450,000円(税込)

【治療期間】3日~半年
【治療回数】3~15回

この記事の監修医師