歯並び、口ゴボの悩みにインハウスアライナー(マウスピース)が選ばれる理由【愛媛県伊予郡松前町 医療法人中矢歯科医院】
「歯並びが悪くて思い切り笑えない」「口ゴボで横顔に自信がない……」
こんな悩みを抱えていても、なかなか矯正治療に踏み切れない人は多いのではないだろうか。しかし、近年普及してきたマウスピース型矯正は透明で見た目が気にならず、治療開始のハードルを下げている。なかでも院内でマウスピースを製作するインハウスアライナー矯正は、従来の矯正治療と比べて治療期間を短縮でき、価格も抑えられるため、新たな選択肢として注目されている。愛媛県伊予郡で「中矢歯科医院」を開院し、矯正治療に力を入れている院長の中矢賢史先生にお話を伺った。
中矢 賢史(なかや たかし)
医療法人中矢歯科医院 院長兼理事長
2004年日本歯科大学新潟歯学部卒業後、医療法人渡部会一箕歯科医院勤務を経て、2007年医療法人渡部会ほっと歯科医院院長、2010年医療法人渡部会一箕歯科医院副院長。2012年4月に中矢歯科医院を開院し、2016年1月医療法人中矢歯科医院を開設。
日本口腔インプラント学会所属、大阪口腔インプラント研究会所属、日本臨床歯周病学会所属ならびに臨床研修医指導員、日本口腔インプラント学会専修医。
患者さん一人ひとりに合わせ、費用を抑えたインハウスアライナー
矯正治療の相談に来られる患者さんは、どんな悩みが多いですか?
やはり、出っ歯やガタガタの歯並びを気にしている方が多いですね。横から見ると口元が前に出ている「口ゴボ」や、Eラインに悩んでいるというお話もよく聞きます。
患者さんの悩みに対して、どのように対応されていますか?
患者さんの希望を叶えていくのが歯科医師の努めでもありますので、しっかりお話を伺いコミュニケーションを取るようにしています。まず皆さんが気にされているのは、矯正治療をしたらどんなふうに変わるのか、見た目のことです。
当院では口腔内や顔全体をスキャンし、歯並びだけでなく、フェイスラインもわかる画像を提示しています。視覚的な資料をもとにビフォー・アフターを見ていただき、具体的なイメージを持っていただくようにしています。その上で具体的なプランを立て、どのように治療を進めていくのかご説明します。
歯科矯正には従来のワイヤーによるものや、近年注目されているマウスピース型矯正などさまざまな手法がありますが、それぞれのメリット・デメリットについて教えてください
マウスピース型矯正は、透明な装置を使用するため目立ちにくく、周りの人に気づかれにくいという特徴があります。自由に取り外して食事や歯磨きができるというメリットもありますが、その反面、一日20時間以上の装着が必要なため、成果を得られるかどうかは患者さん次第になります。忙しくて着け忘れてしまうと、治療が進まなくなってしまいます。
ワイヤー矯正は24時間装着されている状態なので、確実に歯を動かせるというのがメリットです。歯並びによってはマウスピースでは難しいケースにも対応でき、それぞれの欠点を補う治療法といえるでしょう。
また、全体の歯列を整える矯正だけでなく、気になるところだけを治す部分矯正もあります。当院では患者さんのご希望や歯並びの状況、生活スタイルなどによってより適した手法を選び、治療を進めていきます。
貴院では矯正治療にインハウスアライナーを用いているとのこと。それはどのようなものでしょうか?
インハウスアライナーとは、歯科医院内で製作されるマウスピースのことです。従来は、歯科医院で口腔内の型取りをした後、外注でマウスピースを製作していました。現在もこの方法が一般的ですが、当院では先駆けて設備を導入し、院内で患者さんの矯正装置をつくれるようにしています。
インハウスアライナーで治療するためには設備だけでなく、歯科医師や歯科技工士の知識や技術も必要となります。
インハウスアライナーのメリット、デメリットを教えてください
歯科医師が設計したシミュレーションをもとに、すぐに矯正治療をスタートできることが最大のメリットです。外注の場合、患者さんの資料を外注先に送ってマウスピースが届くまで1~2カ月かかりますが、インハウスアライナーであればお待たせすることがありません。
もしマウスピースが破損したり、装着時間が短くてやり直しが必要になったりした場合も、再プランを立てて院内で装置をつくり直すことができます。外注の製作コストが抑えられるため、費用を抑えられることも大きな魅力だと思います。
デメリットとしては、歯科医院に設備投資が必要なこと。また、歯科医師をはじめ技術を持つスタッフが必要なため、導入しているところがまだ少ないということでしょうか。
初回カウンセリングでビフォー・アフターが一目瞭然
治療にはどのくらいの期間が必要ですか? また通院の頻度はどの程度でしょうか?
貴院では2種類のインハウスアライナーがあると聞きました
はい。それぞれに特徴がある、2種類のアライナー(マウスピース)を導入していることも当院の強みだと思います。
ひとつは、新しいシェイプメモリーアライナー(SMA)という、熱を加えると柔らかくできる形状記憶の素材を使用したアライナーで、院内の3Dプリンターで製作しています。もうひとつは従来型の熱成形のアライナーで、ペットボトルなどと同じプラスチック素材になります。患者さんに合うほうを選んでいただいています。
治療中に痛みなどはあるのでしょうか?
形状記憶のアライナーは熱で柔らかくなるので、装着時にお湯につけてから入れると、痛みを感じることなく装着することができます。
従来型のアライナーは、歯科医師の設計によって歯を移動する距離を調整すれば痛みを和らげることができます。実際にインハウスアライナー矯正で、痛みに悩む方はほとんどいないですね。
貴院にはどんな設備がありますか?
インハウスアライナーで治療ができる環境は院内に十分にそろえています。新しい口腔内スキャナ(TRIOS5)が2台、フェイススキャナ、CTは頭部全体が写るタイプを用意しています。
アライナーを製作する3Dプリンターは3台あり、1日100枚ほど製作しています。また、矯正専用のカウンセリングルームも2つあります。
治療のゴールまで寄り添い、柔軟に対応して支え続ける
矯正治療に関して、先生はどんなことを大切にしていますか?
やはり、患者さんの治療に対するモチベーションを上げることですね。せっかく矯正治療をするのであれば、患者さんが望んでいるゴールまで到達してほしいという思いがありますので、何でも気兼ねなくご相談いただけるように心がけています。
スタッフも担当制にして患者さんをサポートし、メールやアプリも活用して関わりながら、みんなで一緒に頑張っています。
矯正治療をする患者さんに注意してほしいことがあれば教えてください
患者さんによってはアライナーを20時間以上着けられないこともあり、すると治療結果にどうしても個人差が出てきます。だからといって、それがダメというわけではありません。長時間着けられなかったときは正直にお話ししていただけると、その原因を見つけて早めに対処することができます。
当院は院内でアライナーを製作しているので、それを変更するリカバリーも可能です。いろいろな方法でサポートできますので、何でもご相談していただきたいと思います。
矯正後に歯が元の位置に戻ってしまうようなことはありませんか?
マウスピース型矯正の場合は、歯の位置が後戻りしないようにするリテーナーも同じマウスピースを利用します。皆さん、着け慣れていらっしゃいますので、後戻りするほど外しているという方は、今のところいらっしゃいませんね。
貴院のインハウスアライナー治療の費用について教えてください
検査費も含めて一律66万円(税込)です。途中で挫折したり、マウスピースが合わなくなったりしても、3年間は料金内で最初からやり直すことができます。スクリューの埋入が必要な場合はプラス5万円、光加速装置を使う場合はプラス10万円です。
部分的に治したい方は、12回コースで35万2千円(税込)となっています。
編集部まとめ
今回の取材を通して、矯正治療は大きく進歩していることを実感しました。長年、歯並びの悪さを気にしつつ、費用や矯正期間の関係で治療をあきらめていた方も、インハウスアライナーであれば一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。
中矢歯科医院の充実した設備と、良心的な価格には正直驚きました。中矢先生はとても気さくで親しみやすく、何でも相談できる雰囲気があります。患者さんの悩みに寄り添い、歯科医師としてできる限りのことを提供しようという一貫した姿勢を感じました。