噛み合わせから考える根本治療とは? 歯を長く守る予防歯科治療の考え方【大阪府豊中市 ヘルスケア松本歯科クリニック】


むし歯や歯周病の治療を受けても、同じ歯が再び悪くなってしまう。詰め物や被せ物が外れる、違和感が続くという経験を持つ人も多いことだろう。原因がわからないまま治療を繰り返し、「仕方がない」と受け止めてしまうケースも少なくないようだ。その背景には、噛み合わせのズレなど根本的な問題が関係していることがある。先に述べたような同じ歯が繰り返し悪化し完治しないことを防ぐには、どんな視点が必要なのか。大阪府豊中市の「ヘルスケア松本歯科クリニック」では、“適切な噛み合わせ”を土台とした根本治療や予防治療を重視している。同クリニックの松本祥忠先生に話を伺った。
松本 祥忠(まつもと ひろただ)
ヘルスケア松本歯科クリニック 院長
1997年、広島大学歯学部を卒業後、臨床研修を修了。1997年~2005年、小室歯科の医長として勤務。むし歯や歯周病の根本的改善を重視した診療に従事し、精密治療および予防治療を軸とした臨床経験を積む。2005年、大阪府豊中市にヘルスケア松本歯科クリニックを開院し、噛み合わせを土台とした長期的な口腔管理を実践。「治療の繰り返しを防ぎ、予防を中心に患者と長く関わること」を理想に掲げ、原因の説明と納得を重視した診療に取り組んでいる。
噛み合わせから考える「根本治療」の重要性
貴院では「適切な噛み合わせ」に基づいた根本治療を行っているとのことですが、ここでいう根本治療とはどのような考え方でしょうか?
症状が出ている部分だけを診るのではなく、原因を探りながら治療を進めることが重要だと考えています。歯科医療では、痛みや違和感といった目に見える問題に対応することが主になりがちですが、それでは同じトラブルを繰り返してしまう可能性があるからです。
たとえば歯がしみる、欠ける、詰め物が外れるといった症状が出た場合、その部分を修復することは必要です。しかし、なぜそのような状態になったのかを考えなければ、時間が経つと同じ問題が起きる可能性があります。その背景にある原因のひとつが、噛み合わせのバランスです。

その噛み合わせが重要とされる理由について、もう少し詳しく教えてください
顎の関節が安定した位置に収まっておらず、噛み合わせのバランスが崩れていると、特定の歯ばかりに過剰な負担がかかってしまいます。そうして不自然な力がかかり続けた場合、大きく分けて2つのリスクが生じます。一つ目は、歯そのものがダメージを受けるケースです。過度な力によって歯が欠けたり割れたりする危険性が高まり、生じた亀裂から細菌が侵入してむし歯が進行してしまうことがあります。 二つ目は、歯を支える土台に影響が及ぶケースです。特定の歯に負担が集中することで歯が動揺し(揺れ動き)、それが引き金となって歯周病の進行を大きく加速させてしまうのです。このように、根本的な力のバランスが整っていなければ、いくらむし歯を治したり歯を補ったりしても、再び同じような問題が生じる可能性が高くなります。だからこそ、噛み合わせを含めた全体的なアプローチが重要になります。
見た目だけではわからない部分も多いのですね。噛み合わせのよし悪しは、どのように判断されるのでしょうか?
単純に歯並びが整っているかどうかだけではなく、顎関節の動きや、噛んだときの接触の仕方、筋肉の働きなどを総合的に確認します。安定した顎の位置に誘導できるかどうかが重要な指標となります。

噛み合わせが悪くなってしまう原因には、どのようなことがありますか?
生活習慣やさまざまな身体の癖、後天的な要因が関係することがあります。
また、むし歯や歯周病を放置したことで歯が移動し、顎の位置がずれることがあります。さらに、親知らずの影響や不適合な補綴物などが原因となることもあります。
このような変化は徐々に起こるので、気づかないこともあるでしょう。違和感を覚えたときには、すでに噛み合わせがずれていることもあります。
その場しのぎでは終わらない。長く歯を守るための精密治療

噛み合わせを整えることで、具体的にはどのようなメリットが期待できますか?
治療でよくなった状態が長く保てることが大きなメリットといえるでしょうね。歯を修復するだけではなく、力のバランスを整えることが再発リスクの軽減につながります。長期的な視点で見れば、歯を失うリスクを抑えることにもつながると考えています。
噛み合わせを整えることで、体全体への影響はどうなるでしょうか?
噛み合わせが原因となっている場合に限りますが、顎関節の違和感や筋肉の緊張が軽減することがあります。その結果、肩こりや頭痛がやわらぐケースもあります。
ただし、すべての不調が噛み合わせに由来するわけではありません。原因を見極めることが重要であり、過度な期待を持たせないよう、患者さん一人ひとりの状態に応じて説明することを心がけています。
貴クリニックでは、院内の設備面でどのような取り組みをされていますか?
マイクロスコープや歯科用CTを活用し、肉眼では確認できない部分まで把握することを大切にしています。これにより、細菌感染や歯の状態をより正確に把握し、健康な歯質を可能な限り残す治療につながります。
また、再治療を防ぐには、精度の高い処置が不可欠です。小さなズレが長期的には大きな問題につながることもあるため、細部まで確認しながら治療を進めています。
一方で、精密な検査や治療には時間も費用もかかると思います。それに対して不安を感じる方にはどのように説明されていますか?
時間や費用がかかると思われることは確かにあります。ただし、長期的に見れば、再治療の回数を減らせる可能性が高まるというメリットもあります。結果的に患者さんの負担が軽減されることに結びついていくので、その点を丁寧に説明することを大切にしています。
精密治療では、安心して受診できる環境づくりも重要だと思います。院内の衛生管理についても教えてください
当クリニックで使用している器具はウォッシャーディスインフェクターで洗浄・消毒を行い、その後に滅菌を行っています。感染予防は歯科医療の基本であり、安心して治療を受けていただくためにも重要ですので、そこはしっかり管理しています。

「治す」から「守る」へ。予防治療が変える未来

予防治療について、先生はどのような点を重視されていますか
患者さんには、お口の健康な状態を維持するために通院するという、積極的な意識を持っていただくことが重要です。歯科医院は痛くなってから行く場所というイメージがありますが、本来は健康を維持するための場所でもあります。
定期的に検査を行うことで、問題が大きくなる前に対応できる可能性が高まります。また、生活習慣の変化や癖の影響なども早期に発見することができます。
健康維持のためには継続した通院が大切ということですね。どのくらいの頻度で検診を受けるのが理想でしょうか?
個々人の状況によって異なりますが、まずは3カ月に1回程度を目安としています。セルフケアの状況や生活環境によってもリスクは変化するため、継続的な管理が必要です。
患者さんとのコミュニケーションで、先生が特に大切にされているようなことはありますか?
すべての患者さんに対して、症状の根本原因を説明することです。すぐに理解していただけなくても、情報を提供し続けることが重要だと考えています。時間が経ってから納得されることもあり、そのときに適切な治療を選択していただければいいかなと思っています。

治療後のよい状態を維持するために、患者さんが日常生活で注意すべきことがあれば教えてください
日常生活の中で、過度な食いしばりや歯ぎしりなどの癖に気づかれた場合は、違和感をそのままにせず、ぜひ早めにお知らせください。また、良い状態を長く保つためには、ご自宅でのケアと歯科医院でのケアの「役割分担」が重要になります。歯の表面に付着した汚れは、毎日の丁寧なホームケアで落としていただき、すでに硬くこびりついてしまった汚れや、ご自身では届かない歯肉の中の清掃は、専用の器具を用いたプロフェッショナルケアの役割となりますので、定期検診の際にしっかりと取り除きます。噛み合わせは日々の癖や生活環境によって変化することもあるため、ホームケアと定期的なチェックを継続し、お口の状態を確認していくことが大切です。
ありがとうございました。それでは最後に、Medical DOCのサイトを訪れる読者の方にメッセージをお願いします
歯のトラブルは、症状が出てから対処するだけでは根本的な解決につながらないことがあります。原因を理解し、納得したうえで治療を受けることが大切です。
私自身も、短期的な改善だけでなく、長期的な視点で口腔の健康を守ることを重視しています。将来を見据えた治療によって、患者さんの生活の質の向上につながればいいなと考えています。疑問や不安がある場合は、そのままにせず、まずはご相談いただければと思います。
編集部まとめ
歯科治療というと、痛みが出てから受診するというイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、今回の取材を通じて、原因を突き止める根本治療と予防が長期的な口腔の健康につながるのだと理解できました。
噛み合わせを整えれば、再発防止や歯の寿命を延ばす可能性が高まります。また、定期的なメンテナンスを受けることで、大きなトラブルを防ぐことも期待できるでしょう。豊中市やその周辺にお住まいで、歯の治療を繰り返している方、またお口に何らかの違和感を抱えている方は、一度「ヘルスケア松本歯科クリニック」に相談してみてはいかがでしょうか。

医院名
ヘルスケア松本歯科クリニック
診療内容
噛み合わせ治療 予防治療 口腔外科 など
所在地
大阪府豊中市少路1-2-7
リッツサントノーレ2F
アクセス
大阪モノレール「少路」駅出口2より徒歩5分




