目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. ドクターインタビュー
  3. いびきの悩みに寄り添う、歯科医ではじめる新しいレーザー治療 【奈良県香芝市 でい歯科医院】

いびきの悩みに寄り添う、歯科医ではじめる新しいレーザー治療 【奈良県香芝市 でい歯科医院】

 公開日:2026/02/16

いびきの悩みに寄り添う、歯科医ではじめる新しいレーザー治療
いびきの悩みに寄り添う、歯科医ではじめる新しいレーザー治療

いびきは単なる「うるさい音」ではなく、睡眠中に呼吸の通り道の一部が狭くなることで粘膜が振動し、音として現れるもの。家族やパートナーの睡眠を妨げるだけでなく、日中の眠気や集中力の低下など、生活の質に影響することもある。こうした症状の治療は一般的に医院で行われるものだが、歯科医院でも可能なことはご存じだろうか? 奈良県香芝市の「でい歯科医院」では、いびきに悩む患者さんの状態を丁寧に確認し、レーザー照射によって呼吸を通りやすく整える治療に対応。症状の緩和とQOL(生活の質)の向上を目指している。今回は、そうした治療の考え方と患者さんへの想いについて、同院の出井庸喜院長に話を伺った。

Doctor’s Profile
出井 庸喜(でい のぶよし)
医療法人でい歯科医院 理事長

1997年に大阪大学歯学部を卒業後、同大学歯学部附属病院・顎関節咬合科に勤務。2003年にでい歯科医院を開院。以来、「噛む機能」と「見た目の美しさ」の両立を軸に、根拠に基づいた診療を重ねている。日本補綴歯科学会、日本歯科審美学会、IADR(国際歯科研究学会)などで研究発表を行い、研鑽を続けてきた。さらにSJCDレギュラーコース、顎顔面矯正コース、補綴治療の専門研修などを修了し、新しい知見の臨床応用にも継続的に取り組んでいる。

目次 -INDEX-

家族やパートナーの眠りを妨げるいびきに呼吸の通り道からアプローチ

まず、「いびき」をかくとはどういう状態なのか教えてください。また、この症状が起きるきっかけには何があるのでしょうか?

いびきは、寝ているときに出る「騒音」のように聞こえますが、実際には睡眠中に呼吸の通り道の一部が狭くなり、空気の流れが乱れることで喉の奥のやわらかい組織が振動して生じる音です。原因は鼻にあると思われがちですが、当院では睡眠中にゆるみやすい軟口蓋や口蓋垂(のどちんこ)など、上気道の入口付近の状態に着目しています。
ただし、いびきの原因をひとつに決めつけることはできません。喉の形や状態、舌の位置、体型、寝る姿勢など、いくつかの要因が重なって起こることがあります。

家族やパートナーの眠りを妨げるいびきに呼吸の通り道からアプローチ

いびきはどんな特徴の患者さんに多いですか?体形や年齢層、性別などについてはどうでしょうか?

男女差は大きくなく、当院には男性・女性ともに同程度の割合で来院されています。
年齢層は、「いびきを何とかしたい」「一度相談したい」と意識される50代以降が中心です。
体型については、いわゆる「ぽっちゃり体型」で喉の周囲に脂肪がつき、気道が狭くなることでいびきが出やすくなるケースもあれば、全く太っておられない方もいらっしゃいます。
また、舌小帯(舌の裏のすじ)が短く、舌が喉のほうへ落ち込みやすい場合も、いびきの一因になります。

いびきを治療せずにそのままにしておくと、どんなリスクがありますか?

正直なところ、いびきそのものが直ちに「生命に関わる」とは限りませんが、隣で眠る家族やパートナーの睡眠を妨げ、睡眠不足につながりやすい点は見過ごせません。さらに、朝起きても疲れが取れない、日中に強い眠気を感じるなど、ご本人の体調面にサインが現れることもあります。また、いびきが鳴っている時以外に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群を併発している方も多くおられます。

家族やパートナーの眠りを妨げるいびきに呼吸の通り道からアプローチ

体への負担や、それによって引き起こされる病気(合併症)なども教えてください

一般論として、睡眠時の無呼吸が続くと酸素が足りない状態になり、体に負担がかかることがあります。そうした点も踏まえ、当院が歯科の立場からいびき治療に取り組むのは、呼吸の通り道を整えることに意味があると考えているからです。それは睡眠中の状態だけでなく日中の過ごしやすさにもつながり、結果としてQOL(生活の質)の向上を後押しできると捉えています。
子どもは成長の力を生かして呼吸環境を整えやすい一方で、大人は骨格そのものを大きく変えることが難しい場合があります。だからこそ当院では、喉まわりの通り道に着目し、呼吸が通りやすい状態を目指すアプローチが、大人のいびきの悩みに対する現実的な選択肢のひとつになり得ると考えています。

いびきをアプリで見える化し、変化を数値で確かめながら進める治療

いびきをアプリで見える化し、変化を数値で確かめながら進める治療

いびきは一人暮らしだと自分で気づくのが難しそうです。いびきをかく人は、起きているときに何か特徴はありますか?

一人暮らしでも、自分でいびきに気づく方法はあります。当院では、いびきを記録できるアプリ「いびきラボ」を活用し、睡眠中の音をスマホのマイクで録音・分析しています。
これによっていびきの時間や大きさ(デシベル)、パターンがグラフや数値で「見える化」されるため、その結果をもとに、ご自身のいびきを客観的に把握していただけます。
また、無呼吸傾向がある場合は、朝起きたときにスッキリしない、日中の眠気が強いといった体調のサインから気づかれる方もいます。

歯科医院でいびきの治療ができるとは思いもしませんでした。耳鼻咽喉科では「CPAP治療」を行うそうですが、歯科医院での治療はどのようなものでしょうか?

当院では、レーザー照射によるいびき治療に取り組んでいます。いびき治療は以前、選択肢が限られていましたが、近年は医科や美容の分野でもレーザーを用いた治療が行われるようになってきました。
歯科の強みは、口腔内はもちろん、軟口蓋や舌など上気道の入口付近を日常的に診ている点にあります。粘膜の状態を見極め、適切な角度で照射するなど、口腔内の繊細な扱いは、日々の診療で磨いてきた技術です。だからこそ当院では、いびき治療は歯科が力を発揮できる領域だと考えています。

歯科医院での「レーザー治療」の優れた点を教えてください。

当院のレーザー治療は切開を伴わず、痛みが少ないため、体への負担も比較的軽いのが特長です。治療後のダウンタイムは少なく、食事や会話、軽い運動なども基本的に可能です。
ただし治療直後は、冷たい飲み物を大量に摂ると照射部位が冷え、十分に温度が保てずに治療の効果が出にくくなることがあるので注意が必要です。費用面でも、医科領域では高額になりやすい治療ですが、当院ではできるだけ受けやすい価格に設定しています。

「レーザー治療」の効果はどのくらい続くのでしょうか? どのくらいの周期で治療を受けるとよいですか?

3週間おきに治療を行うのが基本で、回数は3~5回が目安です。1回の治療は約15分ほどです。
最初は完治を目指すというより、いびきを小さくすることを目標に、一定回数を続けます。その後は状態を見ながら、半年に1回程度の照射を歯科の定期検診のように定期的に受けていただき、よい状態を保っていきます。

いびきをアプリで見える化し、変化を数値で確かめながら進める治療

レーザー治療を特別な人だけの治療にしないため受けやすい価格に

レーザー治療を特別な人だけの治療にしないため受けやすい価格に

貴院における「いびき」の治療の流れを教えてください

まずは問診を行います。そのうえでいきなり治療に入るのではなく、アプリ「いびきラボ」で、1週間程度、毎晩計測して治療前の状態を記録していただきます。その後、データを確認したうえでレーザー照射を行い、次の来院までの間も改めて1週間程度計測していただきます。こうして「感覚」だけに頼らず、数値の変化も確認しながら進めていきます。

貴院での設備について教えてください

当院では、ヨーロッパ製の歯科用レーザー「ライトウォーカー」を導入しています。機器の価格はかなり高額ですが、いびきや呼吸に関する悩みに向き合うことは患者さんのQOL(生活の質)に深く関わると考え、導入を決めました。
当院が大切にしているのは、歯の治療にとどまらず、舌や筋肉、粘膜も含めて「口の機能」を総合的に整えること。その積み重ねが、将来的なフレイル予防や健康寿命を延ばすことにもつながると捉えています。

貴院での「いびき」の治療費用について教えてください

費用は税込みで1回 19,800円です。この手の治療費が高額になるケースがあるなかで、当院がこの価格に抑えているのは、「特別な人だけの治療」にせず、できるだけ多くの方が現実的に選べるようにしたいという想いからです。

レーザー治療を特別な人だけの治療にしないため受けやすい価格に

先生は、「いびき」をかく人が一番気をつけなければならないことは何だと思われますか? 生活の仕方や精神的なことなどで何かありますか?

生活面では、舌のトレーニングや姿勢も大切です。舌の位置や動きは喉まわりの状態にも影響するため、当院ではレーザー治療と並行して、口まわりをしっかり動かすためのトレーニングや姿勢のポイントを、具体的な方法と併せてお伝えしています。
また、精神面では家族やパートナーを睡眠不足にさせてしまうのではという気遣いが、ストレスになってくることもあります。家族やパートナーへの申し訳ない気持ちや、いびきが気になって旅行をためらっていた方も気持ちが楽になるかもしれません。

最後に、歯科医院で「いびき」の治療を受けようと考えている方、Medical DOCの読者にメッセージをお願いします

当院では、いびき治療を人生の質(QOL)を高めるための大切な選択肢のひとつと捉えています。切開を伴わず、治療後の負担も少ないため、仕事の合間などにも受けていただきやすいのがレーザー照射のメリットです。まだ実施している医療機関が限られる治療でもあるからこそ、いびきや呼吸が気になる方にまず知っていただきたいですね。ご自身の状態に合わせて、また口の機能も含めて、無理なく整えていければと考えています。

編集部まとめ

取材で印象に残ったのは、いびきを単なる「音の悩み」として片づけず、QOL(生活の質)まで見据えている点に医療としての視野の広さを感じたことです。治療の前後はアプリで記録し、変化をデータで確かめながら進める姿勢にも丁寧さが表れていました。さらにレーザー治療に加え、舌のトレーニングや姿勢の助言まで行い、口の機能を総合的に整えていく。その進め方からは、無理なく続けられる形で悩みに寄り添おうとする、出井先生の誠実さが伝わってきました。

でい歯科医院

医院名

でい歯科医院

診療内容

いびき治療 睡眠時無呼吸症候群治療 予防治療 など

所在地

奈良県香芝市真美ケ丘5-3-25
三和ビル1階

アクセス

近鉄大阪線「五位堂」駅より徒歩20分
バス「香芝高校前」バス停留所より徒歩1分

この記事の監修歯科医師