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歯科での栄養療法&マイナス2歳からの予防歯科【鳥取市 医療法人ハートフル会 ますだ歯科医院】

 公開日:2026/02/18

歯科での栄養療法&マイナス2歳からの予防歯科
歯科での栄養療法&マイナス2歳からの予防歯科

予防歯科治療とは、一般的には歯科医院で定期的に口腔内のメンテナンスを行うことと思われるが今回注目したのは、そこに栄養状態の改善といった要素を加えたもの。鳥取市の「医療法人ハートフル会 ますだ歯科医院」では予防歯科治療の新たなアプローチとして取り組んでいる。増田朋和院長は、「特に妊娠の可能性のある女性にこそ全身や口腔内の健康に関係する栄養に興味を持ってほしい」と語る。そこで実際どのようなものか伺った。

Doctor’s Profile
増田 朋和(ますだ ともかず)
医療法人ハートフル会理事長
医療法人ハートフル会 ますだ歯科医院 院長

九州大学歯学部卒業。2000年(平成12年)に医療法人ハートフル会 ますだ歯科医院を開業。「お口は健康の入り口」と考え、患者さんの健康をトータルでサポート。点滴療法研究会、オーソモレキュラー・ニュートリション・プロフェッショナル、プラズマレーザー研究会、POIC研究会、口腔がん撲滅委員会、日本成人矯正歯科学会、日本抗加齢医学会、日本再生医療学会、日本先進インプラント医療学会所属。

貴院では歯科に栄養療法を取り入れていると伺いました。どのようなものか教えてください。

一般的に「予防歯科治療」と聞くと、定期的に歯科医院で歯垢や歯石を取ってもらったり、ブラッシング指導をしてもらったりと「お口の中のメンテナンス」をイメージされる方が多いと思います。当院ではお口も体の一部と考え、お口の状態を栄養状態の改善で整えることで「体そのもの」も整うことを目指しています。生活習慣の改善は結構ハードルが高く患者さん自身が「すべては自分次第」という強い気持ちを持って取り組まないと良い結果が得られません。あくまでも私たち歯科医院のスタッフはお手伝いしかできないので本人に治す気持ちも興味もなければ残念ながら結果はついてきません。逆に目覚めた方の回復は素晴らしいものがあります。人生は一度きり。健康で自分がやりたいことが何でも出来るほうがいいと思いませんか。

歯科医院を「健康で幸せになるためのパートナー」に

歯科に「栄養」の観点を取り入れたきっかけを伺えますか?

定期的に通われてブラッシングもしっかりできているにもかかわらず新たにむし歯になったり、歯肉が腫れたりを繰り返す患者さんが結構おられます。どうしたものかと悩んでいた時に栄養療法というものに巡り合いました。お口も体の一部なので全身の健康状態、栄養状態が口腔状態にも大いに影響しているはずということでした。実際臨床で遭遇する症例に対して生化学的にほぼ理由付けできたので腑に落ちたのです。

具体的に、栄養不良はお口にどのような影響を与えるのでしょうか?

歯も歯肉もコラーゲンが大切です。そのコラーゲンを合成するときに必要なのが鉄・タンパク質・ビタミンCです。一つでも不足するといくら一生懸命歯磨きをしたとしても歯肉が弱くなり、出血もしやすく、徐々に歯周病が悪化していくことになります。また歯もコラーゲン不足になると弱くなりむし歯になりやすくなると考えられます。
また「唾液緩衝能」というものがありますがこれに関係しているのが特に鉄と亜鉛です。これらの栄養素が不足すると本来の唾液の能力が残念ながら発揮されなくなりむし歯になりやすくなってしまいます。
歯がしみる、くいしばりがある、口内炎・口角炎がよくできる、舌が痛いなどの症状も出やすくなります。

歯科医院を「健康で幸せになるためのパートナー」に

お口の健康のため栄養状態を意識すると、心やメンタルにも影響する可能性があるようですが

「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニン、「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンを作る時に必要な栄養素と、お口の中や体を健康にしてくれる栄養素とが重なっている部分が大きいため、お口も心も体も健康になるようです。

患者さんに寄り添い無理なく口腔と全身の健康改善を図る

患者さんに寄り添い無理なく口腔と全身の健康改善を図る

実際にどのようなことをするのでしょうか?

まず血液検査を行います。その検査結果で医師が診断した栄養解析レポートが出来上がります。管理栄養士が生活習慣、食習慣の聞き取りを行い、患者さんに寄り添いながら生活習慣を一緒に見直し無理なく主体的に改善できそうなところからアプローチしていくという方法です。

費用を教えてください

48,400円(税込)です。自分の今の状態を把握して対策を練るのには必須ですし面白いと思います。そうしないと自分で自分の健康に興味がもてないし守れません。
サプリメントをご希望される場合は別途サプリメント代がプラスされます。
血液検査
治療期間/回数:1日/説明と検査の計2回

食生活の改善の提案について

歯科では糖類の摂取回数や量に着目する「シュガーコントロール」が重視されがちですが歯や歯肉を健康に保つためには必要な栄養素が十分に取れているかという視点も欠かせません。食事療法は重要だと分かっていても、習慣を変えることは容易ではないことは皆さん想像できると思います。食事だけで短期間に栄養状態を大きく改善する必要がある場合は、栄養解析レポートをもとにどの栄養素のサプリメントが必要なのか検討していきます。

ピロリ菌が最近歯科の分野でも注目されているようですが

ピロリ菌に感染していることで胃粘膜の萎縮や胃酸分泌低下となり大切な栄養素が吸収されにくくなります。一生懸命栄養のことを考えて生活改善しているのに思ったほど効果がない場合はピロリ菌感染を疑い胃腸内科へ紹介して詳しく調べて頂くことをお勧めします。

患者さんに寄り添い無理なく口腔と全身の健康改善を図る

マイナス2歳からの予防歯科

マイナス2歳からの予防歯科

冒頭で「特に妊娠の可能性のある女性にこそ全身や口腔内の健康に関係する栄養に興味を持ってほしい」とおっしゃっていましたが

今後妊娠出産を考えている方には予防歯科治療と栄養療法がとても重要だと考えています。なぜなら妊娠に気が付いてから改善しようとしてもすでにタイミングとして遅いという栄養素があるからです。この時期を逃して後で栄養を大量に入れたとしても間に合いません。ここに「マイナス2歳からの予防歯科」の重要性があるわけです。つまり妊娠を考えている1年前からしっかりと栄養状態を整えておくことで胎児の体はもちろん口腔で言えば歯胚や口唇、口蓋形成などの発育がスムーズに行えるようになるのです。
またお口の中に歯周病などの炎症や、ピロリ菌が原因で胃の粘膜に異常があれば大切な栄養素が効率よく吸収できません。ピロリ菌対策は歯科ではできないので胃腸内科との連携が今後重要になってくると思います。

マイナス2歳からの予防歯科

この記事を読んでいる方へのメッセージをお願いします

「歯科はなるべくなら行きたくないところ」「痛くなってから行くところ」と思われていますが健康を考えるととても重要な場所なのです。ぜひ「健康で幸せになるためのパートナー」としてうまく利用して頂きたいと思います。むし歯や歯周病になっている時点で一見元気そうで何も問題ないように見えても体の反応は正直で「今の生活スタイル、食習慣は間違っていますよ」のサインなのです。実際は体が悲鳴を上げている状態なのです。歯科医療と栄養療法と全身の健康は密接に関係しています。つまり口腔の健全な発達のために必要な栄養素はそのまま全身に必要な栄養素でもあるということです。健康のありがたみは病気になってからでないと分からないものです。ぜひ「自分は健康」、「自分は大丈夫」と思われている方こそ歯科受診をお勧めします。
お口も心も体も健康が1番ですね。健康ならば何でもできる。

編集部まとめ

このたびは診療後でお疲れのところいろいろ教えて頂き有難うございました。歯科医療と栄養療法が密接に関係していることが良く分かりました。「マイナス2歳からの予防歯科」の考えはとても大事なことだけど知らない方がほとんどなので歯科医院でしっかり広めて頂きたいと思います。知らないって怖いことだけど知ってしまえば予防ができるので「すべては自分次第」「自分の健康は自分で守る」の考えで自分なりに調べたりして今後は自分自身を大切にしていきたいと思いました。皆さまもこの機会に改めてご自身の健康に向き合ってみてはいかがでしょうか。先生の益々のご活躍を期待しております。

医療法人ハートフル会 ますだ歯科医院

医院名

医療法人ハートフル会 ますだ歯科医院

診療内容

予防歯科治療 むし歯治療 歯周病治療 など

所在地

鳥取県鳥取市古海654-2

アクセス

JR各線「鳥取」駅より車で5分

この記事の監修歯科医師