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「いつもの痛み」と諦めてしまう前に。整形外科で“痛み”の正体を突き止める重要性【高松市香西本町 かつが整形外科クリニック】

 公開日:2026/03/02

「いつもの痛み」と諦めてしまう前に。整形外科で“痛み”の正体を突き止める重要性
「いつもの痛み」と諦めてしまう前に。整形外科で“痛み”の正体を突き止める重要性

腰痛や肩こりなど慢性的な痛みに対する悩み。寝起きに首が回らなくなったなど急な体の痛みや不調……。こうした辛い症状を何とかしたいと思っていても、「どこに行けばいいかわからない」という人は意外に多いようだ。また、整形外科か接骨院(整骨院)のどちらを受診すべきか迷っているうちに、さらに悪化させてしまう人も少なくない。しかし、その痛みや辛い症状を放置していてはいけない。大切なのは、痛みや不調の正体をきちんと突き止めること。その重要性と、整形外科を受診する際の心がけなどについて、高松市で診療を行っている「かつが整形外科クリニック」の西山徹院長に話を伺った。

Doctor’s Profile
西山 徹(にしやま とおる)
かつが整形外科クリニック 院長

徳島大学医学部卒業後、大学院へ。痛みをコントロールする中枢となる視床下部の研究に従事。その後、高知医科大学(現高知大学)整形外科教室に所属し、高知赤十字病院・整形外科副部長、近森病院・整形外科科長などを経て、地元である高松に「かつが整形外科クリニック」を開業。MRIなど新しい検査・治療機器を揃えると同時に、リハビリテーションにも力を入れ、適切な診断と治療のもと地域医療を支えている。

痛みを放置しない。原因を突き止め、適切なアプローチを

腰痛や肩こりなど、体に感じる痛みに種類はありますか?

痛みは大きく、炎症や刺激による痛み、神経の痛み、心理的な要因による痛みに分けられます。私は医学部を卒業後、大学院で神経伝達物質である脳内ペプチドに関する基礎研究を行っていました。特に、痛みをコントロールする中枢となる視床下部について研究を進めており、痛みの増幅や抑制には神経伝達物質の働きが関係するといったメカニズムの知識のもと、生理学的な痛みの治癒に役立てています。

痛みを放置しない。原因を突き止め、適切なアプローチを

痛みを放置しているとどうなりますか?

痛みは体が発信している不調のサインです。命に関わるような症状ではなくても、放置することで、ほかの部位に影響が及ぶ可能性があります。また、原因がわからないことがストレスとなり、不眠やうつ病といった病気を引き起こすことにもなりかねません。

よく整形外科に行くべきか、接骨院(整骨院)に行くべきか迷う人が多いと聞きます

まず、整形外科と接骨院(整骨院)の違いについて理解しておきましょう。一番の違いは、医療機関であるかどうかです。整形外科は医師による診察や検査、投薬などの医療行為が認められています。一方で接骨院(整骨院)は、国家資格である柔道整復師が開業しているものの、医学的な診断はできず、施術はできても治療はできません。

ほかにも違いはありますか?

整形外科ではX線写真検査やMRIを使用し、痛みがどこから来ているのか、その原因を精密に特定することができます。しかし接骨院(整骨院)では、たとえば骨盤のズレや背骨の湾曲を指摘されることがありますが、実際にX線写真を撮ってみると、まったくズレていないというケースもあり、医学的根拠に欠けるという点が挙げられます。

診断が異なると、症状へのアプローチにも違いが出ますね

そうですね。医療の本質は、症状の原因を特定・解明し、取り除くための治療法を導くことにあります。その点で腰痛や肩こりといった慢性的な症状に対して接骨院(整骨院)は、直接的な手技や電気施術を中心に受動的なケアを提供していますが、本来、外傷の急性期に対する施術しか認められていない接骨院(整骨院)では、こうした慢性症状に健康保険を使うことはできません。

痛みを放置しない。原因を突き止め、適切なアプローチを

受診するべき症状やタイミングについて教えてください

打ち身や捻挫などの外傷では、2~3日様子を見ても改善せず、1週間経っても痛みが続く場合は受診が必要です。関節や骨に異常があると将来的に変形が残る可能性もあります。ピリピリとした手足のしびれは椎間板ヘルニアなどの影響も考えられるため、注意しましょう。
また、日常生活に支障が出るほど運動器に違和感を覚える方は、関節症やリウマチなど専門的な治療が有効な場合もあるので、受診をおすすめします。

整形外科の本来の役割は、科学的・生理学的な治療

整形外科の本来の役割は、科学的・生理学的な治療

痛みに対処するために大切なことは何でしょうか?

最も重要なのは、“痛みの原因を突き止める”ことにあります。手がしびれるという症状ひとつをとっても、その原因は肘や首、あるいは脳にあるのかなど多岐に渡ります。また、痛みがある部位をかばう防御反応によって筋肉が緊張し、別の痛みが生じることもあるので、原因の特定が遠回りにならないためにも早めに痛みの原因を明らかにすることが大切です。

痛む場所が原因とは限らないわけですね?

そのとおりです。痛む場所は原因を探るうえで重要な手がかりですが、原因の特定とは必ずしも直結しません。先ほども申し上げたように、痛みは体が発信している不調のサインであり、背景には思わぬ疾患が隠れている可能性もあります。どこから痛みが発生しているかを特定することによって、対応する治療法が変わることはもちろん、経過にも影響が出てきます。ですから、「痛みを自己判断しない」というのは大切ですね。

改めて整形外科の役割をお聞かせください

整形外科は歩く、走る、持つなど、運動に関する機能(骨、関節、筋肉、神経など)の疾患を扱う専門家です。丁寧な問診と、X線写真検査やMRIなどさまざまな検査機器を活用し、痛みの正体を科学的に診断します。患者さん一人ひとりに合わせた治療計画を立てることが役割といえます。

問診のポイントはどんなところにありますか?

いつからどこが痛むのか、急に痛み出したのか、徐々に痛みが増しているのか、そして痛む場所は移動することもあるので、さまざまな情報を患者さんから聞き出します。そのうえで、どのように痛むのか、動かすと痛いのか、特定の動作で痛むのかなど状況も併せてヒアリングします。
すべてを聞き出すことはなかなか難しいのですが、そのテクニックがあるのは整形外科のメリットではないでしょうか。

日常生活が関係していることもありますか?

そうですね。腰痛や肩こりは生活習慣や姿勢が関係していることが多くあります。たとえば、痛風だと生活リズムや食事、水分摂取量などのコントロールで内科的に治していくものですが、急性期の痛みや関節機能の維持・回復となると、整形外科で適切な対応を受けることができます。
座る姿勢や歩く姿勢など、機能に対するアドバイスやサポートをリハビリで取り入れながら生活習慣を改善していくことも大事です。

リハビリはとても重要なツールだと感じました

よく、腰痛が悪化したら、「じっと安静にしていたほうがいい」と言われる方がいますが、本来は、痛みをコントロールしながら適切に体を動かすほうが正解です。
ただ、動き始めはやはり痛むので、そこはプロのアドバイスが必要です。痛みを繰り返さないための習慣づくりに、医師や理学療法士、作業療法士による指導を役立てていただきたいと思います。

整形外科の本来の役割は、科学的・生理学的な治療

医師はガイド、主役はあなた。共同作業で強い体づくりを

医師はガイド、主役はあなた。共同作業で強い体づくりを

機器を使った検査についてお聞かせください

当院では、画像診断の基本となるX線撮影、骨の強さを示す指標である骨密度を量るDEXA検査、あらゆる方向からの断面画像を得られるMRIを設置しています。
ほかにも検体(血液・尿)検査をはじめ、神経の障害部位の決定や他疾患との鑑別診断に使われる神経生理検査、しびれや痛みを数値として他覚的に表す皮膚知覚検査など、生理機能検査も実施しています。

痛みに直接効く治療法はありますか?

痛みそのものの治療としては、神経ブロック療法があります。神経や神経の周辺に局所麻酔薬を注射して痛みを取る方法です。椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、変形性膝関節症などによる神経痛は、痛みさえ取れればよいという症状の場合もあります。
また、腰痛などで立ち上がることもできないほどの痛みの場合は、まずは注射で痛みを取り除き、日常生活を取り戻すことも大事です。

神経ブロック療法を行う際の注意点はありますか?

多くの患者さんは、初回のみの注射で終わり、習慣的に行う必要はありません。まずは痛みを取ることで、装具や手術の検討など次の治療ステップへ進むための判断材料となるものでもあるからです。
ただ、痛みに対する感受性は人それぞれなので、注射が効かない場合には、それもきちんと医師に伝えることが大事です。

原因を特定するために、患者側で気をつけておきたいことなどはありますか?

ご自身の状態や疑問点を正直に医師に伝えてください。痛みの要点(考えられる原因など)を整理しておくことも大切です。
よく見られるのは、ご自身で痛みを探す動作です。「ここを押すと痛い」など、わざわざ動作を特定して痛みを探し続けてしまい、治ったかどうかの判断にしてしまうと、症状を長引かせる原因となってしまうこともあります。

医師はガイド、主役はあなた。共同作業で強い体づくりを

それは、慢性的な痛みを抱えている人に多いような気がします

一度の診療で100%の正解が出ることはなかなかありません。診察・治療・結果の確認を繰り返し軌道修正することが整形外科の分野では大切で、そのためにも医師と患者さんとの共同作業であることを理解してもらいたいと考えています。

最後に、読者の方にメッセージをお願いします

ただ痛みを取ることが治療ではなく、原因を知り、痛みを繰り返さないためのアプローチを導き出すことが大切であり、それを科学的根拠をもって見つけ出せるのが整形外科です。
また、医師に治してもらうのではなく、医師の役割は治し方を教えることであり、正しい方向に向くためのサポーターだということも知っておいてください。
さらに、年齢だからとあきらめたり、これぐらいで病院に行くのは大げさだと思うことはなく、体が求めているサインを察知し、放置することのリスクを考えて、自分の体を大切にしてほしいと思います。

編集部まとめ

整形外科に行けば痛みを治してくれるというイメージがありましたが、医師のサポートのもと、自分自身が状態を理解し、主体的に治していく意識を持つことから治療はスタートするということに気づきました。
さまざまな疾患につなげないためにも、医療機関によるしっかりした検査は欠かせません。原因がわからないけれど続く痛みを不安に思っている方、痛み止めや湿布の対症療法に疑問を感じている方、まずは一度、きちんと整形外科を受診して痛みの正体を解明することをおすすめします。そして、それには新しい機器を揃えているクリニックを選ぶことも大切です。「かつが整形外科クリニック」なら、精密な診断はもちろん、その後のリハビリまで丁寧に寄り添ってくれます。気になる方はぜひ問い合わせてみてください。

かつが整形外科クリニック

医院名

かつが整形外科クリニック

診療内容

整形外科 リハビリテーション科 リウマチ科 など

所在地

香川県高松市香西本町114-10

アクセス

JR各線「高松」駅より車で10分

この記事の監修医師