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自分に合う安心・安全な治療を受けるために。インプラント治療の理解を深めよう【愛媛県松山市 おひさま歯科クリニック】

 公開日:2025/11/14

自分に合う安心・安全な治療を受けるために。インプラント治療の理解を深めよう
自分に合う安心・安全な治療を受けるために。インプラント治療の理解を深めよう

歯を失った際の歯科治療として、自分の歯のようにしっかり噛める機能性や見た目の美しさなどからインプラント治療の有意性が認識されるようになってきた。しかし、そうしたメリットを感じながらも、費用の高さや安全性に不安を感じて治療に踏み切れない人も多いのではないだろうか。インプラント治療には精密な検査ができる機器が必要であり、歯科医師の経験や技量によっても左右される。現状、インプラント治療の安全性や成功率などはどうなのだろうか? 今回は外科治療を専門的に学び、数多くのインプラント治療に携わっている「おひさま歯科クリニック」の院長・藤田陽平にお話を伺った。

Doctor’s Profile
藤田 陽平(ふじた ようへい)
医療法人誠陽会 おひさま歯科クリニック 院長

2001年私立愛光高校卒業。2008年広島大学歯学部歯学科を卒業後、愛媛大学大学院口腔顎顔面外科学を修了。大学病院などの勤務を経て、故郷の愛媛県松山市にて2021年「おひさま歯科クリニック」を開業。医学博士、日本口腔外科学会 認定医、日本顎咬合学会 認定医。
日本口腔インプラント学会、国際口腔インプラント学会、日本歯科麻酔学会などさまざまな学会やスタディグループに所属し、培った技術や経験を生かして地域に根差した歯科医療を提供している。

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周囲の歯に負担をかけず、天然歯に近い機能を取り戻す

インプラント治療はずいぶん身近になってきましたが、興味はありつつ躊躇している人もいると思います。貴院に来られる患者さんは、インプラントに対してどんな不安を抱えていますか?

やはり費用に関するご心配が多いですね。日本の保険制度では適用外になるため、高額な費用がかかってしまうイメージがあります。
失った歯を補う治療ではいくつか選択肢がありますが、インプラント治療には費用以上の価値が十分にあると思います。もともとの歯にはそれ以上の価値がありますので、天然歯とほぼ同じように噛めて、機能を回復できるとしたら、決して高いものではないという説明をさせていただいています。

周囲の歯に負担をかけず、天然歯に近い機能を取り戻す

治療期間はどのくらいかかるのでしょうか?

一般的には半年くらいです。歯を抜いてすぐにインプラントを埋め込む「抜歯即時埋入」という技術を使った場合は、3カ月ほどになります。治療回数は5~10回ほどです。

インプラント治療は手術を伴いますので、その際の痛みについて不安があります。それについてはいかがでしょうか?

手術時は麻酔をするため、痛みを感じることはほとんどありません。痛みに関して不安のある方は、静脈内鎮静法を用います。点滴でお薬を入れて寝ているような状態をつくり出し、手術を行っています。
また、当院ではサージカルガイドというものを使用し、低侵襲なインプラント治療を行っています。サージカルガイドとは、事前のシミュレーションに基づいて患者さんのお口に合わせて作製したマウスピース型の器具で、インプラントを正確な位置・角度・深さに埋入するサポートをします。手術時間を短縮し、切開も最小限に抑えられます。

それでは改めて、インプラント治療のメリットについて教えてください。入れ歯やブリッジと比較して、どんな違いがあるのでしょうか?

インプラントのメリットは、隣の歯に負担をかけず、天然歯に近い感覚でしっかり噛めることです。どうしてもブリッジや入れ歯は、支えになる隣の歯に負荷がかかり、その歯の寿命を短くしてしまう可能性があります。
健康な歯を守るためにも、歯を1本失ったときにはインプラントを選択するのがベストな選択かと私は思います。

インプラント治療をした後、日常生活においてデメリットが生じることはありますか?

インプラントは異物なので、細菌が入り込んで炎症が起きてしまうとコントロールが難しくなります。歯周病と似たような症状で、インプラント周囲炎と呼ばれます。重症化するとインプラントを失うリスクがありますが、日々のセルフケアと定期的なメンテナンスによって防ぐことができます。

インプラント治療をする上で、身体的な条件はありますか? 年齢制限はあるのでしょうか?

安全にインプラント治療をするためには、骨の量や質が重要になります。骨がしっかりあることが第一条件ですね。骨を造成する治療もありますが、期間が長くかかり、患者さんの負担も大きくなってしまいます。全身的な疾患では、糖尿病や骨粗しょう症の方は難しい場合があります。
年齢の上限は特にありません。健康で骨がしっかりしている方であれば、たとえ80歳以上でも治療は可能です。

周囲の歯に負担をかけず、天然歯に近い機能を取り戻す

インプラントが困難な人に対して、先生はどのような治療法をおすすしますか?

当院では、過去にインプラントが難しいと診断された患者さんの相談を受け、難しい症例にも対応しております。インプラントを埋入する顎の骨量の足りない患者さんには、骨を増やす骨造成治療を提案しています。また、多数の歯をインプラントにしたいという患者さんには、前歯から奥歯まですべての歯が一体化された「オールオン4」という治療を行うこともあります。
あくまでも患者さんのご希望に基づくもので、場合によってはインプラント以外の補綴治療を行うこともあります。

精密な事前診断とサージカルガイドで安全な治療を

精密な事前診断とサージカルガイドで安全な治療を

貴院のインプラント治療の流れを教えてください

最初にヒアリングをして、インプラントのメリット・デメリットをご説明します。治療をご希望されれば、お口の模型を取ったり、CTを撮ったりして準備を進め、シミュレーションに基づいてサージカルガイドを作製します。
治療計画を立てて同意をいただいたら、インプラント手術の開始です。一次手術ではサージカルガイドを使ってインプラントを埋め込みます。事前に仮歯を用意しておき、一次手術のときに仮歯を入れて歯のない期間をできるだけ少なくしています。
3~4カ月くらいの治癒期間を経て、インプラント体と人工歯を連結する部品を装着をする 型取りをします。人工歯を作製してインプラントに取り付けるという流れです。その後はメンテナンスを継続していきます。

CTについて詳しく教えていただけますか?

外科的な手術が必要とされるインプラント治療を安全に行うためには、CTを活用した精密な事前診断が欠かせません。
歯科用CTは、顎の骨の量や幅、骨質まで立体的な画像で把握することができる医療機器です。レントゲンでは平面的にしか撮影できないため、骨の厚みや、血管や神経の位置などを正確に把握することは困難です。
しかし、手術前の検査でCT撮影をすることによって、患者さんの詳細なデータを取得でき、入念なシミュレーションを行うことができます。

先生は外科的な経験が豊富だとお聞きしています。これまでの実績や技術についてお伺いできますか?

大学病院に勤務していたときは、全身麻酔を必要とするような口腔内の外科治療を手掛けてきました。親知らずの抜歯やインプラントをはじめ、嚢胞(のうほう/膿が溜まった袋状の病変)の手術なども数多く担当しました。
もちろん一般的な歯科治療もしており、矯正治療も行っています。お口の状態を総合的に診断し、専門性の高い治療をできることが当院の強みになっていると思います。

インプラント手術後に、治療の痛みが残るようなことはありませんか?

手術中の痛みは麻酔で抑えることができますが、術後に痛みが出る可能性はゼロではありません。特に骨造成など大きな手術をした後は、腫れてしまうことがよくあります。その場合は点滴で痛み止めを入れたり、飲み薬を処方したり、冷やして腫れを抑えたりする処置をしています。

インプラント治療後のメンテナンスについて教えてください

クリーニングでお口全体の環境を整えるメンテナンスをするほか、噛み合わせなどもチェックしています。インプラントは骨にしっかり結合しているので動きませんが、ほかの歯は時間が経つと少しずつ動いていく性質があり、噛み合わせが崩れたり、インプラントと天然歯の間に隙間ができたりすることがあります。
メンテナンスでは噛み合わせを確認して、しっかり噛めているかを必ず確認するようにしています。

治療後、患者さんが注意すべきこと、やってはいけないことがあれば教えてください

手術の直後はできるだけ安静にして、傷口を触ったり、歯ブラシで刺激したりしないようにしてください。
タバコに関しては、インプラントだけでなく歯周病にも悪影響が出ますので、口内の環境を整えるために、できるだけ控えていただきたいですね。

精密な事前診断とサージカルガイドで安全な治療を

インプラントを長持ちさせるために必要なこと

インプラントを長持ちさせるために必要なこと

先生がインプラント治療で最も重要だと思っていることは何でしょうか?

やはり、インプラント治療を行う歯科医師の知識と技術が重要だと考えています。
同じような症例でも、インプラントを入れる位置が少し違うだけで、噛み合わせにかかる負担やバランスが変わってきて、インプラントの寿命にも影響を及ぼします。
安全で長持ちする治療計画を立て、それを実行できるかどうかは、歯科医師の知識や技術にかかっていると思います。

インプラントの耐久性はどの程度でしょうか? 貴院ではどこのメーカーのインプラントを使用されていますか?

ドイツで高いシェアを持つアルタデント社のカムログインプラントを使用しています。長期的な臨床研究に基づいた信頼性の高いインプラントです。耐久性は、5年生存率で98%、10年生存率で95%ぐらいという文献が出ています。
メンテナンスや噛み合わせの状態によって個人差はありますが、「10年はしっかり持たせるように頑張りましょう」と患者さんにお伝えしています。

インプラントを長持ちさせるためには、どのようなお手入れや生活をすればよいでしょうか?

歯科医院で定期的にメンテナンスをすることが大事です。特に問題がなければ3カ月に1回、糖尿病などの感染リスクが高い方は1カ月に1回を推奨しています。
日々の生活では、丁寧なブラッシングを継続していただくことですね。歯間ブラシやフロスのような補助清掃器具を使って、歯と歯の間を清潔に保つことが大切です。

貴院でインプラント治療を受ける場合の料金体系を教えてください

患者さんによって多少の違いはありますが、インプラント1本で380,000円くらいです。内容としては、歯科用CT(診断料)10,000円、1次手術(インプラント埋入手術)220,000円、2次手術(プロビ作製)55,000円、上部構造装着110,000円となっています。
ほかにも、抜歯即時埋入即時負荷55,000円、GBR骨造成)77,000円、静脈内鎮静法55,000円など、患者さんに応じた処置をする場合があります。料金はいずれも税込みです。

インプラントを長持ちさせるために必要なこと

患者さんにとって、インプラント治療の医院選びは重要ですし、悩むところだと思います。どんなポイントを見て探せばよいと先生はお考えですか?

ひとつの目安となるのが症例数です。やはり経験の多い歯科医師のほうが、安心して治療を受けられると思います。
また、サージカルガイドのような安全性を高める方法を取り入れているかどうかもポイントになるでしょうね。今では、リアルタイムでモニターを見ながらインプラントを埋入する、ダイナミックナビゲーションシステムを導入している歯科医院もあります。こうした設備にも着目して医院選びをしてはいかがでしょうか。

最後に、Medical DOCのサイトを訪れた読者の方にメッセージをお願いします

インプラント治療を受ける際は、しっかり情報収集することが大切です。高額な費用もかかりますので、ご自身が納得した上で受けてください。歯科医師の説明をよく聞き、疑問点があれば質問をして、妥協せずに決めていただくのがよいと思います。

編集部まとめ

インプラントは、歯を失ったときに機能と自然な見た目を回復する治療法として知られています。今回のインタビューで、そのメリットもデメリットもしっかり理解することができました。費用の面で迷う方も多いと思いますが、長期的な視点で快適な機能を得られると考えてはいかがでしょうか。インプラント治療は、日々のケアと歯科医院でのメンテナンスを続けることが前提となりますので、お口の健康意識が高まる相乗効果もあります。

医療法人誠陽会 おひさま歯科クリニック

医院名

医療法人誠陽会 おひさま歯科クリニック

診療内容

インプラント治療 予防治療 審美治療 など

所在地

愛媛県松山市余戸中4丁目16-18

アクセス

伊予鉄道郡中線「余戸」駅より徒歩12分
伊予鉄バス「井手の上」バス停留所より徒歩9分

この記事の監修歯科医師