地域のかかりつけ医が実践する、トータルケアとしてのインプラント治療【兵庫県宝塚市 とがわ歯科クリニック】


インプラントは入れ歯やブリッジよりも機能性が高く、治療後の仕上がりも自然。欠損歯治療でもっとも優れたアプローチとされているが、一方で費用が高額、外科手術を必要とするなど、治療をためらわせてしまう要素もある。治療に至るまでのハードルの高さは未だにインプラントのネックになっているが、宝塚市の「とがわ歯科クリニック」は、地域のかかりつけ医というスタンスからインプラント治療にも積極的に取り組んでいる。「常に患者さんの生活に密着した歯科医療を実践したい」と語る同院の十川弘海院長に話をうかがった。
十川 弘海(とがわ ひろみ)
とがわ歯科クリニック 院長
大阪大学歯学部卒。同大学歯学部附属病院での臨床研修に進み、天王寺の小室歯科ステーションにて8年間勤務。副院長まで務めた後、「とがわ歯科クリニック」を開業。現在は、日本補綴歯科学会などに参加し、インプラントなどの専門医療とともに、歯科医療全般に幅広く取り組んでいる。
「小さい頃は獣医になりたかった」という十川医師は、普段は3人の子どもと触れ合うのが大好きなマイホームパパ。そのため、小児歯科に対する想いも強い。
目次 -INDEX-
- 歯を失った場合の有効な治療法ともいえるインプラント治療
- インプラント治療を行う歯医者さんが増えていますが、治療の質といった点で、歯科医院によるバラツキなどはありませんか?
- 地域のかかりつけ医という立場で、必要に応じてインプラント治療に取り組んでいるということですね?
- 改めて、欠損歯の治療としてインプラントが優れている点をおうかがいしたいと思います
- なるほど。ただインプラントが抜けてしまうトラブルがあると聞きました
- インプラント周囲炎というトラブルが起きることもあるそうですが、それはどういうものですか?
- 自費診療で高額な治療は、未だにインプラント治療のネックになってはいませんか?
- 手術に対して不安を感じる方もいらっしゃるようですが?
- インプラントを受け止める顎の骨が「薄い、細い、弱い」といったとき、先生はどのように対応されるのでしょうか?
- インプラント治療の前に、お口のトラブル改善を優先
- かかりつけ医が実践する、トータルケアとしてのインプラント治療
歯を失った場合の有効な治療法ともいえるインプラント治療
インプラント治療を行う歯医者さんが増えていますが、治療の質といった点で、歯科医院によるバラツキなどはありませんか?

地域のかかりつけ医という立場で、必要に応じてインプラント治療に取り組んでいるということですね?
おっしゃる通りです。私自身、一般歯科から小児歯科、歯周病などあらゆる口腔トラブルに向き合っていますし、本来の歯科医療は、問題のあるところだけを解決すればよいというわけではありません。根本的な原因に寄り添い、総合的にお口や全身の健康に関わるべきだと考えています。インプラントに関しても、「手術して、はい終わり」ではなく、術後をどう管理していくかという点を重視しています。
改めて、欠損歯の治療としてインプラントが優れている点をおうかがいしたいと思います
なるほど。ただインプラントが抜けてしまうトラブルがあると聞きました
インプラント周囲炎というトラブルが起きることもあるそうですが、それはどういうものですか?
自費診療で高額な治療は、未だにインプラント治療のネックになってはいませんか?
手術に対して不安を感じる方もいらっしゃるようですが?
患者さんにとって、確かに外科手術は心理的な負担が小さくないと認識しています。しかし、近年インプラントを埋め込む際のデジタルシミュレーション技術が飛躍的に進化しているため、治療そのものは極めて精度の高い手術が可能になっています。術中の痛みもほとんどないので、さほど心配されなくても大丈夫だと思います。

インプラント治療の前に、お口のトラブル改善を優先

それでは、貴院でのインプラント治療の流れを教えてください
最初にカウンセリングを行うとともに、インプラント治療ができるかどうかの審査をします。その時点で歯周病などが見つかれば、それをケアすることが先決となります。問題がない場合、早ければ2回目の来院でCT画像を撮って、最短だと3回目で手術という流れになります。
しかし、実際にインプラントを検討される患者さんが、お口の中に何も問題がないというのはまれで、ほとんどの場合、むし歯や歯周病などのトラブルを抱えているものです。ですから、まずはそれらを改善させるのが大切で、ときにはインプラント手術まで半年かかるというケースもあります。これは治療のリスクを最小化するプロセスなので、患者さんにはご理解をお願いしています。
貴院での手術の際の麻酔について教えてください
麻酔そのものは通常のものを使用しますが、術中に痛みを感じるということはまずありません。どちらかといえば、親知らずの抜歯のほうが大変なくらいです。
また、麻酔注射は電動麻酔器を使って薬剤が一定のスピードで注入されるようにしているので、注射時の痛みも抑えられています。
上顎と下顎ではどちらが大変ですか?
下顎のほうが血管神経に関わるリスクが多少ありますが、どちらが難しいということではないと思います。ただし、上下同時の手術は患者さんの負担がかなり大きくなるので、基本的には別々に治療しています。
1回の手術でインプラントは何本まで治療可能なのでしょうか?
当院では1回の手術でインプラントを4本入れるという症例がありました。実際にやろうと思えば、もっと多くの歯を一度にということもできるのですが、患者さんへの侵襲度もありますし、決して無理しないようにしています。
治療直後に患者さんが気をつけなくてはいけないことは何かありますか?
当日は強いうがいは避けていただき、お風呂はシャワーで、運動も控えていただきます。また、抜歯までは歯ブラシを当てないようにしていただきます。食事については通常と同じように食べられますが、堅いものを噛むことは避けてください。お仕事や学校を休む必要はありません。
治療完了までの過程とメンテナンスについてはいかがでしょうか?
喫煙者は治療を受けられるのですか?
当院では、喫煙される方については一定のリスクがあるので推奨はしていません。ご希望される患者さんについては、手術の前後は禁煙していただくことを条件としています。
インプラント治療は何歳から可能ですか?
基本的には永久歯にしっかりと生え変わっていれば実施できるのですが、当院では20歳後半をひとつの目安にしています。上限は、健康状態さえよければ高齢の方でも十分可能です。ただし、当院ではやや慎重に判断させていただいています。

かかりつけ医が実践する、トータルケアとしてのインプラント治療

貴院でのインプラント治療の料金について教えてください
診断料が22,000円、1次手術費用が275,000円、2次手術は無料です。上部構造いわゆる被せ物は11,0000~165,000円となります。そのほか追加でかかる可能性としては、骨造成が110,000~220,000円、歯ぐきをきれいに整える処置が必要な場合は33,000~55,000円、審美性を高める処置に33,000円となっています。いずれも税込みです。
インプラントの耐久性はどの程度でしょうか?

先生がインプラント治療を行う上で、一番気をつけていることはなんでしょうか?
当院では、インプラント治療を限られた専門分野としては捉えてはいません。幅広い歯科医療のひとつの選択肢であると考えています。患者さんは、失った歯をどうやって補うかに気持ちが集中しがちですが、「本当はその状態がなぜ起こったか?」という原因究明及び改善こそが大切なのです。
患者さんには考えられるリスクをすべてお話しし、少しでも懸案なことがあれば決して無理しないようにしています。慎重の上にも慎重を期した治療スタンスが当院の取り組みともいえるでしょうね。
編集部まとめ
幅広い歯科医療を実践し、地域のかかりつけ医という立ち位置を大切にしている十川院長。その言葉の端々に「目の前の問題を解決するだけではなく、その状態をもたらした根本的な過程を究明することで、本当の意味での健康を目指す」といった考え方が伝わってきました。インプラント治療を検討しているが、どんな歯医者さんを選べばいいかわからないという人は、十川院長の考え方がひとつのヒントになるかもしれません。

医院名
とがわ歯科クリニック
診療内容
所在地
兵庫県宝塚市売布東の町21-22
ダイエー宝塚中山店2F
アクセス
阪急宝塚本線「中山観音」駅より徒歩5分
JR福知山線「中山寺」駅より徒歩10分




