未来の安心のために。不安な心に寄り添い、がんの早期発見で希望をつなぐ内視鏡検査【京都市伏見区 なかた内科・胃腸内科クリニック】

大腸がんは40歳から、胃がんは50歳からリスクが高まるといわれる。とはいえ、「痛い」「怖い」「恥ずかしい」といった理由で内視鏡検査を避けてしまう人は多いようだ。しかし、現代の内視鏡検査は大きく進化し、苦痛をほとんど感じることなく受けることができる。今回は、京都市伏見区の「なかた内科・胃腸内科クリニック」院長の中田智之先生に、胃カメラ・大腸カメラのメリットや検査の流れ、患者への思いを伺った。
症状がなくても受けてほしい。胃カメラで守る未来の健康
まず、胃内視鏡(胃カメラ)検査について伺います。この検査を受けることの最大のメリットは何でしょうか?
一番のメリットは、胃の中を直接観察できることです。たとえば胃がんのような病気は、バリウム検査よりも2~3倍発見率が高いといわれています。しかも、必要に応じてその場で組織を採取して病理検査に回し、場合によっては粘膜を切る程度の治療まで行うことも可能です。つまり、早期発見と早期治療の両方に直結する検査なんです。

胃カメラでは、具体的にどんな病気が見つかりますか?
代表的なのは胃がんですが、もちろんそれだけではありません。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、ポリープ、粘膜下腫瘍、逆流性食道炎、ピロリ菌による慢性胃炎など、幅広く病気を発見できます。 また、咽頭や食道の早期がんも見つかることがあります。これらは放置すれば進行してしまう可能性があるため、早い段階で見つけることが非常に重要です。
胃カメラの検査は特にどんな方に受けてもらいたいですか?
胃がんは50歳を超えるとリスクが一気に上がりますので、40代後半以上で、これまで一度も胃カメラを受けたことがない方にはぜひおすすめします。 また、前回の検査から5年以上経っている場合も、再度検査を受けていただきたいところですね。 その他塩分摂取が多い方、肥満がある方、喫煙者、ピロリ菌感染の指摘があった方、 ご家族に胃がんの既往がある場合、胃がんのリスクは高まりますので、早めに受けていただくことを推奨します。
実際に胃に症状がある場合、どんな違和感に注意すべきでしょうか?
代表的なものは、「胃やみぞおちの痛み」「胃もたれ」「食欲不振や体重減少」「黒いタール便(黒色便)や吐血」などです。 ただし、早期の胃がんは症状が出にくいことが多いので症状のみで早い段階で胃がんを見つけるということは難しいのです。だからこそ、自覚症状の有無で判断せず、定期的に胃カメラを受けていただきたいと思います。 その他胸やけ、吐き気・嘔吐、喉の違和感などにも注意が必要です。

何となく胃カメラは「オエッ」となりそうなイメージが強いのですけれど、実際のところはどうなんでしょうか?
たしかに昔は太いカメラを使っていたので、つらい印象を持つ方が多かったと思います。しかし、今は機材が大幅に改良されていて、当院でも現時点(2025年9月)で最も細いカメラを使っています。 さらに鎮静剤を使って、患者さんが眠っている間に検査を行いますので、検査中の苦痛を限りなく抑えることで、胃カメラのネガティブなイメージが払しょくされると思います。経口・経鼻のどちらの方法も選べますので、患者さんの負担が少なくなるよう配慮しています。
準備から終了までの検査の流れ~安心して受けられる仕組みとは~

実際に検査を受ける場合、どんな準備が必要ですか?
前日の21時以降は絶食が必要です。飲み物は検査の2時間前までなら水やお茶を飲んでいただけます。お薬については、心臓や血圧のお薬など必要なものは基本的に服用していただいて大丈夫ですが、注意が必要な場合もありますので、事前診察の際に確認します。お薬手帳も必ず持参していただきたいですね。
検査当日の流れについても教えてください
まず血圧や脈拍を確認し、鎮静剤を注射して眠った状態で検査を行います。検査は5~10分程度で終わり、その後はリカバリールームで15~30分程度休んでいただきます。 当日は車・バイク・自転車の運転はできませんので、公共交通機関やご家族の送迎でのご来院をお願いしています。
忙しい人にとって、検査を受けるのはなかなか難しいと思うのですが?
そうなんです。そこで当院では「イブニング胃カメラ」というシステムを採用しています。夕方17時以降に受けられる枠を設けておりますので、仕事帰りに受けていただくことが可能です。これなら仕事を休む必要がありませんので、気軽に検査を受けていただけると思いますよ。
検査を受けた後に注意することはありますか?
鎮静剤を使うと、その日は車やバイク、自転車の運転ができないんです。検査が終わった後は、のどの麻酔が効いていますので、誤嚥を防ぐために1時間くらいは飲んだり食べたりを控えていただいています。もし細胞を採る生検をした場合は、もう少し長めに2時間ほど空けてもらいますね。 強いお腹の痛みや、万が一吐血や下血があれば、すぐにご連絡いただくようお願いしています。病変が見つかったときは、その場で処置できることもありますし、必要であれば大学病院などとも連携しています。検査して終わり、ではなく、その後のフォローまで責任を持って対応する体制を整えています。

大腸カメラで未然に防ぐ。ポリープ切除から幅広い疾患の発見まで

どんな症状がある場合に受けるべきでしょうか?
「便に血が混じる」「便秘や下痢が長引く」「採血で貧血がある」「便が細くなる」「体重が減る」「慢性的な腹部症状がある」といったような症状があれば要注意です。 ただし、大腸がんも早期には症状が出にくい。だからこそ「症状がなくても年齢で受ける」という考え方が大切です。健康診断の便潜血検査で陽性になった場合も、必ず大腸カメラを受けていただきたいですね。

大腸カメラではどんな病気を見つけることができますか?
大腸ポリープや大腸がんはもちろんですが、それ以外にも大腸憩室症や虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患、感染性腸炎なども診断できます。単に「がんを探す」だけではなく、大腸全体の健康状態を幅広くチェックできるのが大腸カメラの強みといえますね。
先生のクリニックの強みはどこにありますか?
当院ではAI内視鏡を導入しており、肉眼では見つけにくい微細な病変も見逃さないようにしています。AI内視鏡は、検査中にAI(人工知能)が画像解析を行い、病変の疑いがある箇所をリアルタイムで医師に知らせる診断支援システムです。 さらに鎮静剤を用いて、苦痛の少ない検査を提供している点も大きな特徴です。「怖い」「苦しそう」という気持ちをできるだけ軽くして、安全に、そして安心して受けていただけるように、スタッフ全員でサポートしています。

検査の料金についても教えてください
内視鏡検査は基本的に保険診療で行っていますので、自己負担割合によって金額は変わります。たとえば胃カメラで観察のみの場合、3割負担の方で5,000円前後、1割負担の方なら1,500~2,000円ほどです。組織を採取した場合は、3割負担で7,000~10,000円、1割負担で2,500~3,500円くらいになります。大腸カメラも同様で、ポリープ切除を伴う場合は少し高くなりますが、それでも3割負担で15,000~25,000円、1割負担で5,000~8,000円程度です。 症状が全くない方でも内視鏡ドックにての内視鏡検査が可能です。費用は観察のみの場合で胃内視鏡ドックが15,000円、大腸内視鏡ドックが25,000円、胃+大腸内視鏡ドックが37,000円になります。 お腹の症状がある方は自由診療のように高額になるわけではなく、保険診療でしっかりカバーされていますので、費用面でも安心して受けていただける検査だと思います。
最後に、患者さんに伝えたいメッセージなどをお願いします
がんは「早く見つければ治せる病気」です。検査を先延ばしにすることで、取り返しのつかない状況になってしまうことがあるとすれば本当に残念です。定期的に検査を受けて、何もなければ「よかった」、見つかっても「早期だったからすぐ治療できた」というようにしてもらいたいと思います。 病気が進行すれば長期入院、手術など時間的にも経済的にも、精神的にも家族の負担も大きい。まして働き盛の40~50代ならなおさらです。 見つかる時期によりその後の経過は大きく変わり、同じ病名であっても1週間程度の入院で終わるケースから命に関わってしまうケースまであるわけです。 内視鏡検査は決して怖いものではありません。少しの勇気で未来の安心を得ることができる検査なので、どうぞ安心して受けに来てほしいと思います。
編集部まとめ
取材を通して感じたのは、先生がとにかく「患者さんの不安をどう減らすか」に心を砕いていらっしゃることでした。新しい機器やAIの導入はもちろんですが、鎮静剤の工夫やイブニング検査の実施など、細やかな配慮が随所に見られます。さらに、内視鏡検査は単なる病気の発見だけでなく、がんの予防や早期治療につながること、そして検査後のフォロー体制まで丁寧に説明されており、安心して検査を任せられるクリニックだという印象を受けました。 「痛い、怖い、恥ずかしい」という理由で内視鏡を避けてきた方にこそ、ぜひ一度、なかた内科・胃腸内科クリニックを訪れてみていただきたいと思いました。





