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インプラントの不安やリスクは、歯科医院の取り組み・工夫で最小限に【広島市南区京橋 河村歯科・矯正歯科クリニック】

 更新日:2025/10/14

インプラントの不安やリスクは、歯科医院の取り組み・工夫で最小限に
インプラントの不安やリスクは、歯科医院の取り組み・工夫で最小限に

欠損した歯を代替する治療として、機能的に最も優れているとされるのがインプラント入れ歯やブリッジとは異なり、噛む力を顎の骨で直接支えるため、天然歯に近いレベルでしっかり噛むことができる。また、見た目も自然で美しい。ただし、治療には手術を伴うことや、自費診療による高額な費用負担などから、治療を躊躇してしまう人も少なくない。広島県広島市の「河村歯科・矯正歯科クリニック」は、インプラントにおいて多くの臨床例を持ち、クオリティの高い治療に日々取り組んでいる。同院の河村院長に、インプラント治療のメリットや実際の診療について、いろいろ話を伺った。

Doctor’s Profile
河村 修司(かわむら・しゅうじ)
医療法人 河村歯科・矯正歯科クリニック 院長

1971年9月9日生まれ。建築関係の仕事に就いた後、一念発起して歯科医師を志し、朝日大学歯学部入学。卒業後は大学病院で歯科医として勤務を経て、平成24年4月に先代の河村雅司から医院を引継ぎ、河村歯科医院から河村歯科・矯正歯科クリニックに名称を変更した。以来、「すべての歯科治療を患者さんに高いレベルで提供する!」 を治療理念に掲げ、わかりやすい説明と患者それぞれにフィットした最善の歯科医療を実現すべく、日々の治療活動に取り組んでいる。趣味は、モータースポーツ、釣り、旅行などのアウトドア全般。

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インプラントのメリットは知っているけれど、なかなか踏み出せない人へ

現在、インプラントに積極的に取り組んでいる歯科医院はどのくらいあるのでしょうか?

まず、インプラントを希望される患者さんが増加傾向にあるかというと、案外そうではありません。インプラントに興味を持たれる方は、一定数のまま推移しているというイメージです。
実は、歯医者さん全体でインプラントに取り組んでいるところは約20%といわれていて、その中でも日常的に治療を行なっているドクターは少ないというのが実情です。

インプラントのメリットは知っているけれど、なかなか踏み出せない人へ

インプラント治療のパフォーマンスについて、先生はどのようにお考えですか?

入れ歯やブリッジは、言ってみれば対症療法のようなものです。隣の歯に負担をかけることになってしまいますし、審美性もよくありません。何より、隣の歯に長い間負担をかけることで、結局健康であったはずの歯にまで悪い影響を及ぼす可能性があるのです。総入れ歯になってしまう人の一部はこれが原因です。
その点、インプラントであれば、周囲の健康な歯はそのまま温存でき、その結果、お口の中全体の健康を長きにわたって維持できるという、大きなメリットがあります。

並んだ複数の歯が欠損している場合や、1本おきに歯を失っているような場合でもインプラント治療は可能ですか?

問題ありません。インプラントは1本だけでもできますし、複数の歯に対しても、1本おきに歯を失っているようなケースでも適用する治療法です。手術もほとんどの場合は1回で行なえます。
また、欠損部の両隣の歯が神経を取ってしまっている又は歯周病に罹患しているなどの場合は、入れ歯やブリッジだと、その歯に負担をかけてしまうリスクがあります。そうした点も含め、インプラントが適切な治療だといえます。

治療中の痛みを心配される患者さんも多いと思うのですが……?

手術自体は麻酔をしっかりするので、痛みはないといってよいでしょう。術後の痛みに関しては親知らずの抜歯のほうが痛いくらいですよ(笑)。
麻酔注射を怖がる患者さんもいますが、注射の痛みは針を刺すことが原因ではなく、薬剤を注入する際の痛みです。当院では、電動麻酔器を使って一定の速度で薬剤を入れていくため、心配されるような痛みはほとんどありません。

現在のインプラントは、以前と比べてどんな進化が見られるのでしょう?

インプラント手術そのものの進化というのは特に見られませんが、「ガイド」つまりインプラントを埋め込む位置を決めるためのデジタルシミュレーション技術は、飛躍的に進化しましたね。CTや3Dスキャンを活用した現在のガイド技術はとても高精度で、ピンポイントでインプラントの位置を割り出すことが可能になっています。

インプラント手術後のトラブルについて教えてください

インプラントそのものが抜けたり、被せ物が壊れてしまったりといったケースです。インプラントは顎の骨に埋め込むネジと、上のアバットメント、この2つをつなぐ中間のネジの3パートで構成されていますが、この中間のネジが壊れるケースもあります。
原因は歯軋りが代表的です。ただし、インプラント治療後に何らかのトラブルが発生する確率は極めて稀です。

顎の骨が弱い、薄いなどの場合でもインプラントは可能ですか?

極端に顎の骨が細い、薄いなど脆弱な場合は、骨をつくって補う方法もないわけではありません。このあたりは患者さんとの相談によりますが、一般的な範囲で顎の骨が薄いというケースにはほぼ対応できると考えてよいでしょう。
ただし、既存骨が弱ければ、それだけインプラントが抜けやすかったりする可能性はあります。

既往症などの問題でインプラントができないケースはありますか?

注意しなければならない既往症の代表に糖尿病があります。このような患者さんに対しては「ヘモグロビンA1c」という数値のコントロールをしていただき、これが改善されなければ、当院ではインプラント治療は行えません。

河村歯科クリニックphoto

実際のインプラント手術の後、飲食などは普通にできるのでしょうか?

当院では「2回法」といって、2段階の手術を行なっています。これだと基本的には問題ありません。
ただし、インプラント手術は術後4週間で顎の骨とインプラントが融合するため、この間はあまり思い切り噛んだりはしないほうがよいでしょう。一般的な生活の範囲であれば、特に大きな制約はありません。

3Dやデジタルシミュレーションを駆使した安心のインプラント治療

3Dやデジタルシミュレーションを駆使した安心のインプラント治療

貴クリニックで行なっている「One Guide施術」について教えてください

「One Guide」とは、ビスを顎の骨に埋入する際の深さを正確に制限する、ストッパー付きのドリルで構成されているインプラント用機材です。非常に精度が高く、最小化したドリリング加熱により正確かつ安全な手術が実現できるものです。
まず、CT撮影した3Dデータで、骨や歯肉、神経を総合的に考慮し、精密な診断を行ないます。その上でデジタルシミュレーションによって適切なインプラント手術位置を設定し、そのまま手術ができるよう、それぞれの患者さんに合った「One Guide」を製作します。完成した「One Guide」を手術前の口腔内に装着し、計画どおりの位置で安全かつ正確に手術します。

それでは、貴クリニックのインプラント治療の流れを教えてください

まずレントゲンを撮り、目で見て確認をし大まかなところを判断します。患者さんにはインプラントのメリットやデメリットを説明し、治療を希望されればCT撮影を行なって本格的な事前診査をします。問題がなければ費用を見積り、契約となります。ほとんどの場合、ここまでが最初の来院時に行うことです。
その後は、口腔内スキャンを行なってデータをとり、2週間程度でガイドが出来上がります。あとは予約をしていただいて実際の手術となりますが、最短で2回目の来院で1回目の手術を行います。2回目の手術は、上の歯は3カ月後、下の歯は2カ月後です。

貴クリニックではインプラント治療について、どのような設備を備えていますか?

パノラマ撮影ができるレントゲン、CT、電動麻酔器などですね。それらを駆使して、正確かつ安全で患者さんのご負担が少ない治療を心がけています。

貴クリニックで採用しているインプラントはどのメーカーですか?

スウェーデン製のアストラテックと、アジア中心に展開するオステム、ハイオッセンがあります。アストラテックは、化学的に処理されたチタン表面性状が高い生体親和性を実現し、長期安定した開発力で世界的な信頼とシェアを誇るメーカーです。オステムはアジア人の骨格に合わせて開発されているインプラントメーカーで、どちらも安全性や品質は国際的に評価されています。

貴クリニックでのインプラント治療の料金について教えてください

オステム、ハイオッセンを使う「スタンダードプラン」は385,000円(税込)。アストラテックを使う「プレミアムプラン」は440,000円(税込)。どちらも5年間の院内保証が付いています。

3Dやデジタルシミュレーションを駆使した安心のインプラント治療

しっかりとした技術を持つドクターであればインプラントは難しくない

しっかりとした技術を持つドクターであればインプラントは難しくない

アフターケアや保険などはあるのでしょうか?

はい。通常の5年間の院内保証のほかに、インプラント1本につき22,000円で、最大10年間全国で保証を受けられる保険も用意しています。

インプラントを長持ちさせるためのポイントなどがあれば教えてください

現在のインプラント技術は非常に優れているため、適切に施術が行われていればそうそうトラブルの心配はありません。ただ、歯軋りなどでインプラントが壊れてしまう可能性もないわけではないので、定期的なメンテナンスと点検さえしていれば安心でしょう。
あとは、毎日の歯磨きといった口腔ケアですね。自己流の歯磨きではなく、しっかりと歯科医の指導を受けて正しい歯磨きをしてほしいですね。

インプラント治療を検討している患者さんが、知っておいたほうがよい「クリニック選びのポイント」などはありますか?

インプラント手術のデジタルシミュレーションはとても精度が高く、技術的にほぼ完成されたものですが、実際に取り組むドクターによっては、その治療クオリティに差が出てしまうのもある程度事実です。
クリニック選びにおいては、まず、そのドクターがどのくらいの臨床例を有しているか、自身の治療活動をしっかりと発信しているかなどをチェックすることをおすすめします。近年はSNSもありますので、患者さんが事前にクリニックを見つけるヒントは多いと思います。
また、やたらに治療費が安い、反対に高いといったクリニックについても、きちんと調べるべきでしょう。さらにインプラントだけでなく、広くお口の健康を見ることができるクリニックを選ぶことがとても大切だと思います。

しっかりとした技術を持つドクターであればインプラントは難しくない

近年はインプラント専門のクリニックも増えつつあるようですね

本来の歯科医療は、欠損歯に対する治療だけではありません。むし歯や歯周病、親知らずなど、お口のトラブルはさまざまです。もちろんインプラント専門を標榜する中にもよいクリニックはたくさんあります。
しかし、口腔トラブル全般に総合的な視野でアプローチできるドクターでないと、クオリティの高いインプラント治療は難しいのではないかというのが私の持論です。

最後に、本記事の読者へメッセージをお願いします

不幸にして歯を失ってしまった場合の対策として、インプラントは現在のところ適切な治療法です。それは、機能面や審美性に限ったことではなく、インプラントを行なうことによって、周囲の正常な歯をしっかりと温存でき、結果としてお口の中全体の健康を長きにわたって維持できることにつながるからです。
そして、私たちドクターからすれば、インプラントは数多い歯科治療のひとつにすぎず、本来はそれをことさら誇張する必要もありません。しっかりとした知識と技術で患者さんの目線に立った治療を心がけているクリニックと出会い、よりよいインプラント治療を受けていただければと思います。

編集部まとめ

インプラント治療の安全性や優れた機能性、さらにはクリニック選びの考え方などについてよくわかりました。また「インプラントは歯科治療のひとつにすぎない」という河村院長の言葉からは、歯の健康を広い視野で捉えている姿勢が伺えます。自費診療であること、手術を伴う治療であることなどを考えれば、受診に一定の決断を要するインプラントではありますが、河村院長のような志を持ったドクターならば安心ですね。

河村歯科・矯正歯科クリニック

医院名

河村歯科・矯正歯科クリニック

診療内容

インプラント治療 入れ歯治療 審美治療 など

所在地

広島県広島市南区京橋町1-3
赤心ビル1F

アクセス

JR各線「広島」駅より徒歩6分

この記事の監修歯科医師