お産を“自信体験”に。妊娠から産後まで、手厚く寄り添うクリニック【大阪市平野区 医療法人れんげ会 小川産婦人科】

分娩には①自然分娩、②吸引分娩、③無痛分娩、④帝王切開などがあります。 自然分娩は陣痛により、産道を通って赤ちゃんを産む方法です。 陣痛が弱いなどの理由でなかなかお産が進まない時などに、陣痛促進剤を使ってお産を促すときもあります。吸引分娩は、お産が進みにくい時や、赤ちゃんがしんどい時に器具を使って赤ちゃんが生まれるのをサポートする方法です。帝王切開は、何らかの理由で経膣分娩が難しい場合に、お母さんのお腹を切って赤ちゃんを出産する手術です。 吸引や帝王切開は医療的に必要なときにだけ行うもので、当院では自由な姿勢でお産できる、「フリースタイル分娩」を含めた自然分娩で出産される方がほとんどです。

一般的に自然分娩は内診台で足を開いた体勢で行うことが多いですが、フリースタイル分娩は、出産直前までゴロゴロしたり歩き回ったりして、最終的にお母さんの一番楽な姿勢で分娩に臨むというものです。 横向き、四つん這いなど自由な体位で産んでもらえるのですが、中には立ったまま産んだ方もいらっしゃいました（笑）。そのため分娩室はとても広く、ソファやベッドなども配置しています。

陣痛が来ている最中に、分娩室の中にあるお手洗いに行かれる方もいます。蹲踞（そんきょ/しゃがむ姿勢）を取ったり、座ったりすることによって骨盤が開き、お産が進むこともあります。他院であれば途中で帝王切開や吸引に切り替わるようなケースでも、そのまま産めることが多いです。 もちろん、一般的なスタイルで産んでもらっても構いません。お母さんが一番いいと思う方法で産んでもらうことを大切にしています。その分、私たち介助者にはさまざまな体位での出産に対応できるだけの技術力が求められます。

帝王切開は保険が使えますし、生命保険の対象にもなるので、費用は比較的抑えられます。当院では帝王切開を行った場合でも、術後5日前後に退院できるようにしています。他院と比べて短めの入院ですが、しっかり寄り添うケアを行うので、みなさん満足して帰られます。 退院後、少しでも気になることがあればいつでも相談に来てくださいとお伝えしていることも「安心して帰れる」につながっているのではないかと思います。

フリースタイルを含めた自然分娩です。必要に応じて吸引や緊急帝王切開（月に数件程度）を行うこともありますが、どんな形でも、お母さんと赤ちゃんにとってベストな方法を選んでいます。

当院には、母乳育児の専門家である「桶谷式乳房管理法」を実践している助産師が3名在籍しています。(2025年6月時点)この乳房管理法を習得するには、助産師としての臨床経験が3年以上あることが前提で、東京の研修センターに1年間通い、修了試験と認定試験に合格しなければなりません。研修中は仕事ができず、学費に加えて東京での生活費や交通費も自己負担です。私から見ても「命をかけてやっている」と感じるほどの覚悟の深さに、いつも頭が下がります。 こうした助産師たちは、自分の余暇を使うほどお母さんと赤ちゃんのケアに尽力しています。

母乳育児のメリットはたくさんありますが、私たちは母乳育児を“必ずしもしなければならない”とは考えていません。「母乳で育てたい」という思いを持つお母さんに対して、最大限のサポートを行うというスタンスです。最終的には、どのような方法であれ、お母さん自身が「納得できる私の育児」ができることが何より大切だと考えています。 母乳ケアは時間がかかることがあります。その上、命に直結するものではありません。しかし、当院には「お産と同じように、母乳の悩みにも時間を選ばず対応したい」と、たとえ非番であっても「本気で伴走する」スタッフがいるのが誇らしいです。

過去には、京都にいる“ゴッドハンド”と呼ばれる助産師さんのもとへ、非番の日にお母さんと赤ちゃんを連れて行ったケースもありました。 「行ってみようかな」とお母さんが思ってくれたのも、それまでに築かれた信頼関係があったからこそだと思います。 断乳にはさまざまなドラマがあります。お母さんの身体のケアはもちろんですが、お子さんにとって「大好きな母乳がもう飲めない」というのは、とても寂しいことです。それを聞き分けられるくらい母子の信頼関係があり、お子さんが成長されていることだと思います。 実のところ私は、その話を助産師さんたちから聞いて「すごいなあ」と感心しているだけなんですけどね（笑）。

健康的な生活をしてほしい。適度な運動や食事はもちろん、姿勢も大切です。姿勢一つで筋力や骨盤の開き方にも影響します。 お食事は産後の体力や母乳にも大きく影響します。脂っこいものを食べすぎると乳腺が詰まり、母乳の味が変化して赤ちゃんが飲んでくれないなどのトラブルにもつながることがあります。美味しい母乳のためにもお食事や生活環境は大切です。たとえば、具沢山の味噌汁を取り入れるだけでも大きく変わってきますよ。 そして、本音で話せる相手をつくることです。ご家族でもご友人でも、私たち医療者でも構いません。信頼できる仲間を持つことが妊娠生活や出産、また育児にとっても大きな支えになります。

そのとおりです。育児休暇を取る男性も増えていますが、どんなサポートがほしいか、育児の方針などもしっかり話し合ってください。 当院では産後のサポートの取り組みとして、「サロンこころ」というコミュニティスペースを運営しています。マタニティヨガ、ベビーマッサージ教室、ニューボーンフォトなどのイベント開催や、当院で出産されたお母さんに自らの妊娠、出産、育児体験をお話ししてもらったり、美容師のお母さんによるキッズカットなど得意分野を生かした講座を開催してもらったりなど、お母さんによるお母さんのための自助ピアサポートの場となっています。お母さんたちの新しいステップの場にしてもらえたらうれしいです。 お母さん講師は、初めての方などには私の妻が講師育成サポートを行っています。

小さなステップですが、お母さんにとって何かしらで社会に役立っているという感覚も大切なんじゃないかと思うんです。また、こういったイベントや講座を通して仲間や相談相手ができ、安心して育児ができるという実感につながっているんじゃないかと思います。それをいかに多くの人に得てもらえるか、私たちにとってもチャレンジです。

お母さんに「自分と赤ちゃんでお産を乗り越えた」という実感を持ってもらうことです。何時間かかっても、ゆっくりでも、その結果赤ちゃんが元気に生まれてきたならそれが一番。自分と赤ちゃんの力で産んだのだという経験は、「私ならできる」という自己効力感につながります。 それはお子さんの自己効力感を育てる育児にもつながっていくと思うんです。お母さんが自信を持てるような出産を、私たちは全力で支えたいと思っています。

当院は「どこよりも手厚いサポート」を目指しています。妊娠中のちょっとした不安でも、気軽に相談していただけるような雰囲気づくりを心がけ、出産にもしっかり寄り添いながらサポートします。 産後も「1カ月健診で終わり」ではありません。お母さんにとって、無理のない“ちょうどいい育児”を一緒に見つけていけたらと思っています。 どんなことでも、いつでもご相談ください。一緒に悩み、考えながら、赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。