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怪我や体に痛みがあるとき、整形外科と整骨院のどちらを受診すべき? 医師が監修!【兵庫県尼崎市 かいと整形外科リハビリクリニック】

 公開日:2024/01/04

怪我や体に痛みがあるとき、整形外科と整骨院のどちらを受診すべき? 医師が監修!
怪我や体に痛みがあるとき、整形外科と整骨院のどちらを受診すべき? 医師が監修!

交通事故に遭って痛みがあるとき、また足首を捻挫してしまったときなどで、「整形外科と整骨院のどちらに行ったらいいのだろう」と思ったことはないだろうか? 近所に整骨院や接骨院があるならば、「まずはそこに行ってみよう」と考える人は多いかもしれない。でも、正解は整形外科を受診すること。その理由を、整形外科専門医であり、リハビリ認定医でもある「かいと整形外科リハビリクリニック」の河合光徳院長が詳しく解説してくれた。

Doctor’s Profile
河合 光徳(かわい・みつのり)
かいと整形外科リハビリクリニック 院長

2007年に帝京大学医学部を卒業後、同大学ちば総合医療センターの研修医、兵庫医科大学病院後期研修医を経て、川崎病院に医員として勤務。兵庫医科大学病院救命救急センター助手、医誠会病院医員を経験し、岡山大学病院に国内留学。その後川崎病院医長や堺平成病院部長を歴任し、2022年5月に「かいと整形外科リハビリクリニック」を開業。豊富な臨床経験をもとに、体の痛みからの解放と、機能の再獲得をめざしたリハビリテーションを行う。

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整形外科は検査と治療・リハビリを行い、整骨院は施術のみを行う

「ぎっくり腰」や「交通事故によるむちうち症」、あるいは「捻挫」「打撲」「肉離れ」などの痛みが起きたとき、正直、整形外科と整骨院のどちらに行けばよいのかわからないことがあります。整形外科と整骨院の違いを教えてください

整形外科は医療機関ですので、治療を行う前にまず医師が診察をします。そしてエコー検査やレントゲン検査などを行い、その結果をもとに、どのような治療をするかを患者さんと一緒に話し合います。時には早期に適切な治療をしないと後遺症が残ってしまうケースもありますので、正しい診断はとても大切です。そして、患者さんの症状に合わせて、処置や注射、手術、投薬などを行い、長期的な改善を目指してリハビリも行います。交通事故などの際に必要な診断書を出せるのも、整形外科です。
それに対して整骨院は、柔道整復師の国家資格を持つ人が施術を行います。整骨院には医師がいないので、検査や診断はできませんし、注射や投薬も行いません。ただし、クリニックと同じように健康保険や労災、自賠責保険などは利用できます。
整骨院の施術の仕方は、経営者の方針によっていろいろです。電気治療と手技だけを行う整骨院もありますが、鍼灸を合わせて行っているところや、酸素カプセルを置いている整骨院もあります。

整形外科は検査と治療・リハビリを行い、整骨院は施術のみを行う

「交通事故のむちうち症」や「腰の痛み」などに関しては、整骨院で治療を受ける患者さんが多い印象です。整骨院は気軽なイメージがありますが、院長はどのように思われますか?

たしかに、整骨院は整形外科に比べて、気軽に利用しやすいイメージがあるかもしません。ただし、先ほど述べたように、医療機関ではないので検査ができません。レントゲンなどを使わないと見つからないような障害が隠れていた場合、それに気付かないまま施術を進めてしまうと、後に問題が生じてくる可能性もあるでしょう。その点をよく理解した上で、整骨院を利用したほうがいいと思います。

整形外科は検査と治療・リハビリを行い、整骨院は施術のみを行う

整形外科は診断の際に外側からの可視でなく、レントゲンやエコー、MRIなどの機器で体の内部を見てもらえるので、原因が突き止めやすいですね。ただ、外科的な処置をしていただいた後、リハビリなどのアフターケアまで対応してもらえないイメージもあります。そのことについては、整骨院のほうが親切な気もします

治療が中心でリハビリに力を入れていない整形外科と整骨院を比べると、たしかに「整骨院のほうが親切」と感じるケースはあるかもしれません。病院はどうしても投薬や注射などがメインの治療法になるので、「それでは治るような気がしない」と考える人もいらっしゃると思います。
しかし、リハビリに力を入れる整形外科クリニックも増えてきました。当院のように、リハビリ専用のスペースを設けているところもあります。このような整形外科ならば、患者さんの診察をした医師がアフターケアまでしっかりと対応できるので、安心してリハビリを続けることができるのではないでしょうか。
当院には理学療法士が多数在籍していますので、患者さん一人ひとりに丁寧に対応することができ、モチベーションを高く持ってリハビリを続けられます。

痛みを改善するには、筋力や柔軟性を鍛えることが大切

痛みを改善するには、筋力や柔軟性を鍛えることが大切

先生はリハビリテーションに注力されていますが、外科的な治療だけではやはり限界があるとお考えですか?

はい。骨や靭帯は外科的な治療で治せますが、筋肉は治せません。ケガをすると筋肉は硬くなり、関節の動きが悪くなってしまいます。患者さん自らが体の筋力や柔軟性を鍛えることで、痛みを改善できるケースが数多くあります。そのため、当院では理学療法士による運動療法に注力しています。
運動療法はどの筋肉が固く、どの関節の動きが悪くなっているのかを評価し、適切なストレッチや筋力トレーニングを行います。また、自主トレや日常生活での注意点を指導させて頂き、痛みの根本を解決します。
また、筋肉は温熱療法により硬さを和らげることが出来ます。「超音波治療器」や「低周波治療器」のような機器により患部を集中的に温めることで筋肉の硬さを取る治療も併せて行う必要があります。
整形外科の治療を行いつつ、時間をかけてじっくりとリハビリを続けることで、少しずつ体の痛みを改善することができます。

患者さんは一人ひとり体も心の状態も違います。やはり心理的な要素は肉体(治療効果や回復のスピードなど)に影響を及ぼすものでしょうか? 先生のご経験からどのようにお感じになりますか?

心と体はつながっていますので、ストレスが溜まれば、治療効果や回復のスピードにも影響してきます。そのため、当院では患者さんが明るく楽しい気持ちでリハビリを受けられるよう、スタッフが常にフレンドリーに接するようにしています。

先生が治療で最も大切にしていること、心がけていらっしゃることは何でしょうか?

患者さんのことをよく知ることですね。そのための手間を惜しまないように、いつも心がけています。たとえば患者さんの仕事や趣味は何か、どんな生活をしていて、体の使い方にクセはないかなど、患者さんとのコミュニケーションからさまざまな情報を知ることができます。
普段の診察や、スタッフとのやり取りから得たこのような情報が、実は患者さんの痛みの原因を知るヒントになるのです。そのため、スタッフとは常に患者さんの情報を共有するようにしています。

それでは貴院の治療の流れについて教えてください

まずは患者さんの問診と触診を行い、必要に応じてエコー検査やレントゲン検査などを行います。検査結果が出たら、患者さんと一緒にレントゲン画像などを見ながら、治療方針をご説明します。治療方針に納得していただけたら、それに沿って患者さんの治療とリハビリを行います。
リハビリに関しては、専任の理学療法士が丁寧に患者さんの機能評価を行い、オーダーメイドのメニューをつくって機能回復・維持にあたります。産後のリハビリにも対応しています。

痛みを改善するには、筋力や柔軟性を鍛えることが大切

リハビリを続けるには、スタッフの温かい励ましが欠かせない

貴院の設備についてもご説明をお願いします

当院は4階建てで、1階が整形外科リハビリクリニックになっています。診察室のほかにリハビリルームがあり、キッズスペースの付いた個室のリハビリルームもあります。4階には通所リハビリテーション(デイケア)の施設も併設しています。
院内の設備としては、骨密度測定器や超音波エコー検査機器、X線検査機器、超音波治療器、低周波治療器をはじめとした各種リハビリ機器があります。

リハビリを続けるには、スタッフの温かい励ましが欠かせない

怪我や障害を負ったとき、整形外科の病院選びのポイントがあれば教えてください

交通事故などによって怪我や障害を負ったときには、まず交通事故の取り扱い実績が豊富な整形外科を選ぶことが大切です。通院の際の移動も大変なので、あまり遠方ではなく、家の近くにあって通いやすいクリニックを選びましょう。
また、医師や理学療法士などのスタッフが、コミュニケーションを取りやすい雰囲気であることも重要です。怪我や障害のリハビリには時間がかかるので、モチベーションを落とさずに続けるには、やはりスタッフの温かい励ましが欠かせません。

最後に、貴院で治療を受けようと考えている方、Medical DOCのサイトを訪れている読者に対してメッセージなどをいただけますか?

腰が痛い、怪我の後遺症が残っているなど、体の痛みを我慢しながら生活をするのは、とても辛いことだと思います。「もうこれ以上はよくならないかもしれない」とあきらめている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、整形外科でしっかりとした診察を受け、病態に合った処置やリハビリを行うことで、症状が改善されるケースは数多くあります。まずは当院で医学的な側面から検査・診断を行い、痛みの原因を患者さんとご一緒に考えながら、改善のためのベストの方法を見つけていきましょう。

編集部まとめ

整形外科と整骨院の違いについて、おわかりいただけたでしょうか。「整骨院は気軽に行けるけれど、整形外科はちょっと敷居が高い」と思っていた人も、河合院長のお話で、きちんとした検査や治療を行いながらリハビリに取り組める整形外科のメリットに気付かれたかもしれません。体の痛みを日々感じながら生活をするのはとても辛いこと。少しでも改善していくために、整形外科で積極的に治療やリハビリに取り組まれることをおすすめします。

かいと整形外科リハビリクリニック

医院名

かいと整形外科リハビリクリニック

診療内容

整形外科 リハビリテーション 交通事故 など

所在地

兵庫県尼崎市長洲西通1丁目4-15

アクセス

JR各線「尼崎」駅より徒歩3分

この記事の監修医師