精密な検査によるデータを基に、治療のゴールを明瞭にしたマウスピース型矯正【神奈川県海老名市 マリポサ歯科クリニック】
小田急小田原線、相模鉄道、JR相模線が交差する海老名駅。大型ショッピングモールが進出し、いまや海老名市は神奈川県の「住みたい街」ランキングでトップクラス。「マリポサ歯科クリニック」はその海老名市に開院し、インプラントやマウスピース型矯正に数々の実績を持つ院長と、明るい雰囲気づくりに余念のないスタッフが笑顔で迎えてくれる。今回は、このクリニックで行うマウスピース型矯正について詳細をうかがった。
副嶋 謙吾(そえじま・けんご)
マリポサ歯科クリニック・院長
2010年神奈川歯科大学卒。歯周病専門クリニックにて歯周病治療に従事した後、神奈川県と都内のインプラント専門医院にて院長を勤める。インプラント関連では「5-D Japan Perio-Implant Course」、「ポルトガルDr. Malo All on 4 Course Certificate」、「Dr. Alessandro Pozzi Guided Surgery and Prosthetics Immediate function & Aesthetics Course Certificate」等の研修会への参加。その他、アライナー矯正治療6回コース、アライナー矯正治療デジタルプランニングコース、アライナー矯正治療1dayセミナーin Fukuoka、アライナー矯正クリニカルコース、アライナー矯正デジタルプランニングコースなどアライナー矯正治療に関する数々の研修を通じてスキルアップを続け、現在は日本アライナー矯正歯科研究会に所属している。そして2019年4月にマリポサ歯科クリニックを開院し、院長を務める。
事前検査と診断ソフトを有効活用し、幅広い症例に対応
今回のテーマの「マウスピース型矯正」はかなり定着してきたと感じます。まずこの治療法の利点についてお聞かせください
逆に、マウスピース型矯正にデメリットはあるのでしょうか?
着脱可能なのは大きなメリットですが、一方で1日20~22時間以上という規定の装着時間を守らないと効果が出にくくなる恐れがあります。
ただ、メリットとデメリットは表裏一体のものなので、その点は十分考慮して説明しますし、患者さんにも理解していただくよう、モチベーションのコントロールやマウスピースを装着してもストレスを感じにくくなる方法を考えています。
実際の症例についてお聞かせください
マウスピース型矯正はワイヤー矯正と比べて、治療期間は長くなるのでしょうか?
以前は、マウスピース型矯正は「早い」「安い」「簡単な症例に向く」といった手軽な治療のイメージがありましたが、その点はどうでしょうか?
マウスピース型矯正の治療において、重要な要素はどんなことでしょうか?
マウスピース型矯正治療には、大事な点が二つあると考えます。一つは「事前の検査」です。現在、当院では新鋭機器として「Digital Smile Design」(デジタルスマイルデザイン)という診断ソフトを導入しています。
これは精密検査の段階で患者さんの①お顔の写真②お口の中のスキャンデータ③顎の骨や歯根のレントゲンのデータを全てマッチングさせて診査診断を行うシミュレーションソフトです。
従来の矯正治療にはない、より精密な検査を可能にします。
では、大事な点の二つ目は何でしょうか?
患者さん自身のモチベーションです。治療開始当初はモチベーションを高く保てていても、治療期間が長くなるにつれモチベーションが下がっていくことがあります。
私たちスタッフも患者さんのモチベーションをキープ出来るように、歯の移動の経過を実際に写真で確認して頂き、確実にゴールに向かっている事をわかってもらえるように努力しています。
子どものマウスピース型矯正は、舌や頬などお口周りの筋力を鍛えて
矯正治療というと、小児矯正を思い浮かべる方は多いと思います。子どもでもマウスピース型矯正が可能でしょうか? 可能な場合、何歳くらいから大丈夫ですか?
15歳未満、小学生くらいの子どもにはマウスピース型矯正が向かないということでしょうか?
乳歯から永久歯に生え替わったばかりくらいの年齢から10才くらいまでのお子さんには、歯列矯正というより、「お口の筋肉のトレーニング」的な矯正をおすすめします。
歯というのは数は多いのですが、それ単体でお口に存在しているのではなく、歯ぐきや舌、唇、頬など、周りの筋肉との関係の中で存在しています。近年のお子さんは、舌・唇・頬といったお口周りの筋肉が弱く、「お口ぽかん」になったり、口呼吸になってるお子さんを多く見ます。
歯並びは舌や唇、頬などの筋肉の影響を受けるので歯の矯正の前にお口全体の筋肉のバランスを整えることも大切です。
筋肉のバランスが整い、永久歯も生えそろった頃に歯列矯正へ移行していくことで、見た目はもちろん機能的にも整った口腔内にしていくことが出来るでしょう。
なるほど、子どものときのお口周りの筋肉のトレーニングも重要なんですね
それにはいくつか理由がありますが、そのうちの一つが、目の前のことではなく、将来への配慮です。子どものころ、細かい歯並びの矯正もさることながら、しっかりとしたお口とお口周りの筋肉の訓練ができていないと、ものを咬む力、また嚥下(飲み込む)の力が弱くなってしまいます。
それでは、貴院でのマウスピース型矯正の流れを教えてください
まずは相談です。カウンセリングにおいて、治療の内容などを詳しく説明します。また、どこがどう困っているのかなど患者さんにうかがいます。そのとき、気になること、疑問点など、お気軽におたずねください。
次に精密検査。患者さんのお口の中の状況をレントゲン、顔の写真のほか、マウスピース型矯正専用のスキャナーで詳しくチェックしていきます。そのほか、写真撮影など、必要な検査を行います。
それからコンサルテーション。検査で得たデータを「DSD」(Digital Smile Design)により、最終形の歯列をシミュレーションの画像として確認します。そして精密検査の結果も踏まえ、それぞれの患者さんに合った治療計画を立案、ご提案します。その際、期間、費用など患者さんの気になる点については細かくご説明していきます。
以上の内容で納得されたら、マウスピース型矯正治療へ進みます。規定の期間ごとにマウスピースを取り替えながら、徐々に歯並びを矯正していきます。治療後には保定装置を使い、せっかく治療した歯が元に戻らないよう定着をしていきます。
歯科医、そしてアドバイザーとして治療に前向きになれるよう指導も
先生は、マウスピース型矯正で大切なことは何だとお考えですか?
最初の検査が重要なことはもちろんですが、検査の結果を考慮して治療のゴールを設定する際に重要視するのは、「バランス」です。
患者さんの要望や機能面、どのくらい長持ちするのかご相談した上で、歯並びをきれいにすることはもちろん、お顔に対して口元がどのように見えるかなど全体像を見る事を重要視しています。
最後に、先生からの読者にメッセージをお願いします
編集部まとめ
「モチベーションの高い、明るい患者さんに来院してほしい」と語る副嶋先生。確かにマウスピース型矯正には、患者さん自身の治療が終わるまでのモチベーション維持が大切だということが先生のお話でよく理解できました。そしてインタビュー中に感じたのは、先生自身も仕事へのモチベーションが高く、明るいキャラクターだということ。清潔感あふれるクリニックで、そんな先生のキャラに接していると、元気をもらって治療に臨めるのではないでしょうか。
医院名
マリポサ歯科クリニック
診療内容
所在地
神奈川県海老名市扇町12-28
エースフォレストビル1F
アクセス
JR相模線「海老名」駅より徒歩3分
小田急小田原線「海老名」駅より徒歩5分
矯正費用
・矯正相談:3,300円(税込)
・検査費用:27,500円(税込)
・ワイヤー矯正:770,000円(税込)
・マウスピース型矯正:990,000円(税込)