見た目ばかりではない。 咬み合わせを正常に、本来の機能を取り戻す【神戸市西区 Belle歯科・矯正歯科 三宮LuLu矯正歯科】
誰もが憧れるきれいな歯並び。矯正治療はそれを実現するが、本来の目的は咬み合わせを整えることにある。歯の位置を正し、しっかり咬めるようにすることでQOLの向上、それに付随して歯並びの見た目もよくなるということだ。費用が高額、治療に時間がかかるなどハードルの高さもあるが、矯正治療はそれ以上のメリットを数々もたらしてくれる。しかも現在は従来のワイヤー矯正に加え、マウスピース型矯正など治療のバリエーションも増えている。日本矯正歯科学会 認定医である「Belle歯科・矯正歯科」「三宮LuLu矯正歯科」の竹内院長に、矯正治療の意義について話を伺った。
竹内優斗(たけうち ゆうと)
Belle歯科・矯正歯科 三宮LuLu矯正歯科 院長
2012年、大阪大学歯学部を卒業後、同附属病院矯正科で勤務。2019年から医療法人UDCうえだ歯科クリニックで副院長を務める。2020年、Belle歯科・矯正歯科、2024年には三宮LuLu矯正歯科を開院。
歯科医療とは「みなさまの人生に寄り添い支えていく」ものという考えのもと、患者の生活スタイルや年齢に合わせたオーダーメイド式の治療プランに基づいた医療を提供している。座右の銘は「誰かの為に生きてこそ、人生には価値がある」。
資格・所属学会は、日本矯正歯科学会認定医、兵庫県歯科医師会、神戸市歯科医師会
機能的、効率的に咬める状態に歯並びを治す
まず、基本的なことから伺います。矯正歯科治療とはそもそもどのような治療でしょうか?
目標として、前歯のガタガタした歯並びだけではなく、奥歯が咬み合っていない状態を理想的な咬み合わせにしていくことです。より機能的、かつ効率的にものが食べられる咬み合わせにしていくことに付随して、歯並びがきれいになるということです。
矯正治療に対して、患者さんはどのようなイメージを抱いて来院されるのでしょうか?
はじめは、やはり上の前歯が出ているとか、前歯がガタガタしているなど、正面から見てわかるような部分を主訴とされる方が多いです。患者さんご自身が実際に「機能的に咬めているのか」は、あまりわかっていない状態で来院されます。
当院では、デジタルデータをその場でお見せして「ご自身の咬み合わせはこういう状態ですよ」とお伝えしています。
矯正治療をしたほうがいいのは、どういった歯並びでしょうか?
一般的には、上顎前突といわれる上の前歯が出ている、いわゆる出っ歯の状態です。それから受け口、開咬ですね。
そして叢生(そうせい)、つまりガタガタの歯並び。これが気になってくるのは、中等度以上の方でしょう。もっとも、その状態でずっと生活されているので、患者さんは慣れてしまってあまりわからないと思います。学校での検診や、歯医者へ行ったタイミングで「歯並びを治したほうがいいですよ」と言われて、初めて気が付く方が多いのではないでしょうか。もしくは笑った時の印象から、歯並びを変えたいと思う方もいらっしゃいます。
マウスピース型矯正成功の鍵は、自身で意志を強く持つこと
矯正治療には従来のワイヤー矯正に加え、近年はマウスピース型矯正という選択肢が出てきましたね?
当院ではどちらもやっています。
歯の動かし方によって、ワイヤーで矯正したほうがいい、マウスピースで矯正したほうがいい場合に分かれます。
たとえば、ワイヤー矯正ならば、私が調整するので患者さんは装置のつけ外しをしてもらう必要がありません。しかし、装置が着いたままになりますから、見た目が目立ったり、歯磨きがしづらかったりするデメリットがあります。
一方で、マウスピース型矯正は患者さんご自身で外せるので、歯磨きはしやすいです。しかし、自分でしっかりと装置のつけ外しの管理をしないと、歯がきれいに並んできません。ですので、日常生活の中で装置の使用を頑張らないと、いつまでも治療が終わらない状態になるので注意が必要です。
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正にかかる期間は、それぞれどれくらいでしょうか?
期間はどちらもあまり変わりません。1カ月で歯を動かせる量の基準が決まっています。その限度を越えて歯を動かそうとすると、歯自体に悪影響をおよぼす可能性もあります。ですから、患者さんのお口の中の状態によって矯正治療の期間が決まります。
ただ、軽度の歯並びを治したいということでしたら、最短で3~6カ月くらいですね。長い場合は、2~3年ほどかかる方もいらっしゃいます。
治療が済んで、ワイヤーやマウスピースを外した後のケアについてご説明ください
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正、それぞれのメリットとデメリットについてはどうでしょうか?
ワイヤー矯正のメリットは、装置のつけ外しの管理がいらず患者さんは何もしなくても歯並びが改善することです。デメリットは、前述のように、ワイヤーがついたままなので口の中の管理がしづらく、むし歯のリスクが上がることです。それと、口を開けたときにワイヤーが目立つことですね。
マウスピース型矯正は、マウスピース自体が透明なため、見た目では矯正していることが分かりにくいです。また、ワイヤー矯正と比べて装置を装着している時の口の中の違和感は少ないでしょう。デメリットは、患者さん自身で装置のつけ外しをするため、装着時間が短いと歯が理想どおりに動きません。つまり、患者さんが固い決意をもって治療にのぞまないと、治りが遅くなってしまうということです。
矯正治療を行う際に歯を抜く必要があると聞きました
歯を必ず抜くというわけではありません。歯並びを整えるにあたって、全ての歯を綺麗に並べられるスペースをお口の中で実際に確保できるのかどうかによって決まります。
そもそも歯を並べられる空間は決まっています。全ての歯を綺麗に並べられる余裕がない場合は、残念ながらどこかの歯にいなくなってもらわないといけません。そのような場合は歯を抜く必要があります。
どの歯を抜くかの判断は患者さんのお口の中の状態によって決まります。一般的には前から数えて4番目か5番目を抜くことが多いです。抜いた後の隙間が埋まるまで2年ほどの治療期間がかかります。
矯正治療はより審美的な口元を目指す治療である
貴院での矯正治療の流れを教えてください
先生が所持している日本矯正歯科学会 認定医とはどのような資格でしょうか?
日本矯正歯科学会に5年以上属している状態で最低2年間、日本矯正歯科学会指定の医院に勤務し、さらに大学病院もしくは専門医のもとで3年間、合わせて5年間の基礎的なトレーニングを積んで症例を経験しているという条件が求められます。それをクリアし試験に合格すると取得できます。試験は、自分がいちばん機能的に改善できたと思う10症例を提出して、口頭試問を受けます。
矯正治療にあたって先生が大切にしていらっしゃることは何ですか?
費用が高額になりますので、治療のメリット・デメリットだけでなく最初にわかる治療の方針も含めてすべて正直にご説明いたします。
治療が終わったあとは、患者さんの表情がまったく変わるんです。きれいになって、喜んでいただけます。私としてはそれが一番うれしくて、目標にしているところです。
それでは最後に、Medical DOCの読者へ向けてメッセージをお願いいたします
今はWEB検索で何でも調べられるようになりました。しかしお口の中で気になってることを解決するには、やはり歯科医師の力が必要です。歯並びはむし歯や歯周病のようにすぐに治療をしなければならないというわけではありません。気になることやお悩みがあれば、まずは歯科医師に話を聞いてもらうことから気軽に始めてみてはいかがでしょうか。