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痛みとの賢い向き合い方は? 痛みを専門的に治療するペインクリニックの特徴【大阪府高槻市 芥川きどクリニック】

 更新日:2023/06/27

痛みとの賢い向き合い方は? 痛みを専門的に治療するペインクリニックの特徴
痛みとの賢い向き合い方は? 痛みを専門的に治療するペインクリニックの特徴

体に痛みがあって病院に行くとき、人はどのような診療科を選ぶだろうか。膝や腰が痛ければ整形外科か形成外科、頭痛なら脳神経外科、お腹が痛いときは内科医を訪れるかもしれない。しかし、体の部位ごとに科を分けるのではなく、「痛み」そのものを専門的に取り扱う医療機関がある。それが「ペインクリニック」だ。世間でまだあまり知られていない「ペインクリニック」の特徴について、「芥川きどクリニック」院長の城戸晴規先生に話を伺った。

Doctor’s Profile
城戸晴規(きど はるき)
芥川きどクリニック 院長

2007年大阪医科大学卒業。大阪医科大学附属病院での研修医を経て、同病院麻酔科に勤務。2010年から松下記念病院の麻酔科へ。さらに2011年からは、大阪医科大学附属病院の麻酔科・ペインクリニックで研鑽を積む。2021年に芥川きどクリニックを開院。医学博士、日本ペインクリニック学会専門医・学会評議員、関西ペインクリニック学会評議員、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、日本整形外科学会所属、日本緩和医療学会所属。

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原因がわからない痛みも、診察と検査で理由を特定

「ペインクリニック」についてご存知ない方は多いと思います。どのような医療機関なのでしょうか?

「ペインクリニック」を直訳すると「痛みの診療所」になります。頭の先から足の先まで、全身の疾患に関わる痛みそのものが対象です。これまで実際に診てきた症例を挙げますと、顔の「三叉神経の痛み」や「頚椎症」「神経根症」「首のヘルニア」「五十肩」「肋間神経痛」「脊椎管狭窄症」「腰痛」「膝関節症」「五十肩」など、本当にさまざまです。「帯状疱疹の痛み」で来院される方も多いですね。
整形外科や形成外科に対して、ペインクリニックは“整形内科”というような立ち位置だと言えば、少しわかりやすいかもしれません。

原因がわからない痛みも、診察と検査で理由を特定

帯状疱疹もペインクリニックでの診療になるんですね

帯状疱疹では、皮膚に出る症状は皮膚科で診られますが、その後に帯状疱疹後神経痛といって、神経痛だけが残って慢性化しまうことがあるんです。その痛みが何年も続くことがあり、これはペインクリニックでしか治療できない症状だと思います。
ただ、帯状疱疹の痛みについては診療外とするペインクリニックもあるので、事前に確認する必要があります。当院では多くの症例を診てきているので、お困りの方はぜひご相談いただきたいと思います。

痛みがあっても、原因がわからない状態でこちらに伺ってもいいのでしょうか?

ペインクリニックの医師は基本的に麻酔科医です。私もそうですが、麻酔科医は手術中の麻酔や、集中治療室で全身管理を行った経験を持っている人がほとんどですので、内科、循環器科をはじめ、幅広い診療科の知識があります。ですから、痛みで悩んでいる方は、まずは来院していただければと思いますね。
診察と、レントゲンや画像診断など、さまざまな機器による検査でしっかり原因を探ります。もちろん必要があれば、専門医の方にもご紹介しています。

貴院での治療の流れを教えてください

まずは問診で、痛みの程度や性質について、丁寧にご質問して状況を確認していきます。その後に身体診察を行い、症状によっては画像診断やレントゲン、超音波検査なども行います。そうして総合的に痛みの原因を判断し、適した治療方法をご提案、ご承認いただいてから、はじめて治療をスタートする形です。
治療方法については、患者さんのご希望や年齢、持病の有無なども考慮して、注射、点滴、薬、物理療法をオーダーメイドで組み合わせています。

原因がわからない痛みも、診察と検査で理由を特定

痛みは人によって感じ方が異なるものだと思いますが、どのように確認されるのでしょうか?

たとえば、神経痛であれば「ビリビリ痛いですか?」とか、「焼けつくような痛みでしょうか?」など、こちらからお声がけして、患者さんの表現をうまくひき出して診断につなげていくという感じです。「10段階であればどれくらい痛いですか?」といった聞き方をすることもありますね。

ブロック注射で神経の興奮を休ませ、痛みを緩める

ブロック注射で神経の興奮を休ませ、痛みを緩める

ペインクリニックでの代表的な治療であるブロック注射について教えてください

神経痛とは、神経が興奮して痛みを感じている状態です。その興奮している状態を、局所麻酔や抗炎症作用のステロイド剤を注射して1回休ませ、痛みを緩和させる方法です。
痛みを抱えている人は、神経の興奮でどんどん痛みが増大していく悪循環に陥りがちです。痛みが続くと末梢神経だけの問題だけでなく、脊髄、脳など、もっと中枢的な問題になってきてしまうんです。その連鎖を一度断ち切るイメージですね。

ブロック注射で痛みの根本治療は可能なのでしょうか?

いわゆる神経痛、神経が関与する痛みには効果が出やすいと思います。特に椎間板ヘルニアなどは神経が圧迫されて痛みが出ているので効きやすく、1回で痛みがなくなった方もいます。
ただ、骨が変形する疾患で、手術をしないと完治しない場合もあります。その患者さんがすべて手術を希望されるわけでもありませんし、ご高齢になったら、やっぱり手術しないでそのままがいいという方もいらっしゃいます。そういう方は、ご希望があれば定期的に来院いただいて、人生に伴走するような形で注射をしている方もいらっしゃいます。

ブロック注射のメリットと注意すべき点について教えてください。

一番のメリットは、局所麻酔を使うため即効性があることです。安全面でリスクがゼロというわけではありませんが、合併症などが起こらないよう、事前にしっかり検査をさせていただきます。
また、当院では超音波エコーを見ながら、神経や組織を傷つけないよう注意して行っています。注意点としては、針を刺すので、「出血しやすい」「感染しやすい」などの体質、飲んでいる薬などの情報を事前にいただきたいのと、内科でとった検査データなどがあれば、それもいただきたいということです。あとは治療法に関わらず、慢性痛の場合は、痛みがなくなったら身体を動かして体力を戻していただくことです。そうすると、痛みも軽減しやすくなります。

ブロック注射はどれぐらい続けるものですか? また、身体のどこにでも打てるのでしょうか?

先ほどお伝えしたとおり、ご高齢の方や骨が変形する疾患で手術を希望されず、長く継続されておられる方以外は、数カ月くらいですね。一般的な流れとしては、週に1回打って神経を休ませる治療を数カ月間続け、だんだんと回数を減らして痛みを軽減していくという形です。
また、ブロック注射を打つ場所に関しては、基本的にはどこでも大丈夫です。ただやはり、痛みの原因になっている神経をきちんと突き止めてから打たなければ、効果は得られません。

こんなことを言うと元も子もありませんが、注射が苦手という方の場合はどうされるのでしょうか?

確かにそういう方もいらっしゃいますね。当院では細い針を使って、なるべく痛みが少なくなる方法をとっています。

ブロック注射で神経の興奮を休ませ、痛みを緩める

薬の内服や電気によるリハビリ、牽引などの治療も実施

薬の内服や電気によるリハビリ、牽引などの治療も実施

ブロック注射以外には、どのような治療法がありますか?

薬を内服する治療法と、電気を当てたり牽引したり、器具を使ったリハビリで痛みを緩和させる物理療法があります。運動療法は理学療法士が必要になりますが、物理療法にはそういう方は必要ありませんので、当院で治療が可能です。
それから点滴もありますね。ペインクリニックに来たからといって、ブロック注射を必ず希望するわけではありません。そういった方ともコミュニケーションをしっかりとって、さまざまな治療法をご提案しています。

貴院ならではの特徴については、先生はどうお考えですか?

芥川きどクリニックは、元々前の医院長が30年間続けてこられたペインクリニックを2021年の6月に私が引き継いだものです。ですから、長く通われている患者さんについては引き続き受け持っており、そういった方については、内科的な疾患もトータルに診させていただいています。地域のかかりつけ医のような役割も果たしていると思います。

薬の内服や電気によるリハビリ、牽引などの治療も実施

治療費の目安を教えてください

ペインクリニックというと高額なイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、ブロック注射が1本240円~4,500円程度、物理治療では110~330円程度と金額には幅があり、指導料なども含めると上乗せで費用がかかる場合もあります。その点も含めて丁寧にご説明・ご提案させていただきますので、どうぞご安心いただければと思います。

最後に、この記事を見ている読者のみなさんにメッセージをお願いします

私自身、実は長年片頭痛持ちで、以前は痛みで寝込んでしまうこともありました。現在もペインコントロールをしながら生活しています。ですから痛みのある方の辛さがよくわかり、痛みを抱える患者さんの気持ちに寄り添って、症状やご希望に合わせた適切な治療法をご提案させていただいています。どんな痛みであっても、身体の痛みに困ったら、まずはお気軽に当院にご相談いただけたらうれしいです。

編集部まとめ

あまり身近な存在ではないペインクリニックですが、「どんな痛みもまずは相談を」という城戸先生の温かなお人柄と、しっかりとした診察内容を聞いて、痛みを感じた際に訪れるクリニックの候補に加えたいと感じました。2023年1月に改装されたばかりのこちらの院内は明るく広々として、心安らぐ空間です。椎間板ヘルニアなど急性の痛みがある方、また慢性的な痛みでお悩みのある方は、ぜひ一度「芥川きどクリニック」にご相談されてみてはいかがでしょうか。

芥川きどクリニック

医院名

芥川きどクリニック

診療内容

ペインクリニック 一般内科 予防接種・各種検診

所在地

大阪府高槻市真上町1-3-28

アクセス

JR京都線「高槻」駅北口より徒歩8分

この記事の監修医師