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インプラントの寿命はどのくらい?インプラントがダメになる原因や寿命を伸ばす方法をご紹介します

 更新日:2023/05/09
インプラントの寿命はどのくらい?インプラントがダメになる原因や寿命を伸ばす方法をご紹介します

はやさか歯科クリニック
はやさか歯科クリニック

インプラント治療を検討する上で、インプラントの「寿命」が気になる人は多いのではないでしょうか。
実際のところ、インプラントは適切に装着・メンテナンスを行うことで10年程は使い続けられることが一般的です。
しかし、埋入後の適切なメンテナンスが行なわれなかった場合には、寿命が短くなってしまうこともあります。
今回は、インプラントの平均的な寿命やインプラントがダメになる原因・寿命を延ばす方法をご紹介します。

早坂 優

監修歯科医師
早坂 優(はやさか歯科クリニック)

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「経歴」
大阪大学歯学部 卒業
歯学部賞・弓倉賞
大阪大学歯学部附属病院 口腔総合診療部 研修終了
小室歯科天王寺ステーションビル診療所 勤務
医長・副院長を歴任
はやさか歯科クリニック 開院

インプラントの寿命はどのくらい?

受付と待合室
インプラントを検討する際に気になることの1つとして寿命が挙げられるのではないでしょうか。
インプラントは、主に虫歯や歯周病などで歯を失ってしまった場合や、事故やケガで歯を強くぶつけて失ってしまった場合などに用いられる方法の1つです。
その他にも、ブリッジや入れ歯という方法で失った歯を補うこともできますが、より天然の歯に近い感覚を得られるインプラントを選択する人も多いです。
インプラントの寿命はおおよそ10〜15年程度です。
正確な寿命には個人差があるものの、埋入から10年後の使用率は9割を超えるともいわれています。
しかし、長期的に使用できる人工歯とはいっても、ケアが不十分であれば歯周病になる可能性はあります。
また、喫煙などの生活習慣により寿命が短くなってしまうこともあるため注意しましょう。
まずは、詳しい検査や詳しいヒアリングが重要です。歯科医によっても対応が異なりますので、インプラントを受ける前には必ず歯科医に相談してください。
また、埋入後の正しいケア方法を身につけることも大切です。毎日のケアと定期的な歯科受診を行ない、インプラントを維持していきましょう。

インプラントと入れ歯・ブリッジの寿命の違い

ユニット
インプラント同様に失った歯を補う方法として、部分入れ歯やブリッジという方法があることは、先にお話ししました。
ここでは、インプラント部分入れ歯・ブリッジについての寿命の違いについて解説します。まず、金属の歯根を埋め込むインプラントの寿命は約10~15年程度です。
正確な寿命には個人差がありますが、適切なケアを行うことで長期間維持できる方法といえるでしょう。
一方、失った歯の両側の歯を利用して取り付ける入れ歯やブリッジの寿命についてですが、部分入れ歯の寿命は約4~5年程度です。
そして、ブリッジでは7~8年が寿命といわれています。
この2つの方法と比べて、インプラントの寿命が長いことはお分かりいただけるのではないでしょうか。
しかし、どちらにしても人工歯の寿命を長くするためには適切なケアが大切です。
最適な方法はお口の中の状態やライフスタイルによっても異なりますので、インプラント入れ歯・ブリッジを受ける前には必ず歯科医に相談するようにしましょう。

インプラントがダメになる原因とは?

インプラント
インプラントは多くの場合、10年以上装着が可能です。しかし、管理方法によっては寿命が縮まってしまうこともあります。
インプラントダメになる原因はいくつかありますが、主なものは以下のとおりです。

インプラントの質が悪い

術前検査・治療計画・技術に問題があるような質の悪い治療を受けた場合にも、インプラントがダメになってしまうことがあります。
例えば、事前に行う骨の検査です。インプラントは、歯茎の下にある顎の骨に金属の歯根を埋め込む方法です。
通常、金属の歯根を埋め込むと歯根の周りに骨ができてインプラントがしっかり固定されるようになります。
しかし、場合によっては、インプラントの周りの骨が再生されないこともあります。また、加齢・病気によって顎の骨が足りない場合にも、インプラントが維持できなくなることがあるでしょう。
しかし、骨が足りない場合には、骨の造成手術を行うことでインプラントを維持することが可能です。
そのため、まずインプラントを埋入できる状態かどうか、精密な検査を受けることが大切です。
術前検査が不十分な場合、噛み合わせが悪くなったり神経を傷つけたりする原因となることもあります。
多くの歯科医院では、術前に丁寧説明と検査を行っています。インプラントに関して不安なことや疑問があれば、事前に解決するようにしましょう。
近年ではインプラント治療に特化した歯科医院もあります。術後のフォローアップまで丁寧に行なっている医院を選ぶと安心です。

インプラント周囲炎を発症する

インプラントの寿命を縮める原因として多いのが、口腔内の細菌感染です。つまり、お口のケアが不十分になることで、菌が繁殖してしまいます。
インプラントは人工歯ですので、虫歯になることはありません。しかし、歯周病菌が繁殖すれば「歯周病」になることはあります。
これが、インプラント周囲炎です。
主に、痛みや腫れなどの症状が出ることもありますが、自覚症状がないまま進行してしまうこともあります。
健康なお口の状態を維持するためにも、インプラント埋入後の定期的な歯科検診や毎日のメンテナンスは大切です。
また、インプラント埋入前には、虫歯や歯周病の治療をしっかりと行なっておくことも心がけましょう。

治療が不十分

もともとの虫歯や歯周病の治療が不十分でインプラント治療が行なわれた場合、お口の中の環境が悪く、インプラントを維持できなくなる可能性があります。
虫歯や歯周病により、歯茎の状態が悪ければ、インプラントを埋入した後の骨の造成が順調に進まなくなる可能性も考えられるでしょう。
また、感染しやすい状況になり、インプラント周囲が腫れたり膿んだりすることも考えられます。通常の場合、術前検査や治療は抜かりなく行われるはずです。
しかし、術前の検査や治療で見落としがあったり適切な治療が行なわれずに埋入が行われたりすることも稀にあります。
そのような場合には、寿命を縮める原因となってしまうこともあるでしょう。
術前のカウンセリング・検査・治療を丁寧に行っているクリニックを選ぶことが重要です。

メンテナンスを怠った

インプラントを長期的に維持していくためには、メンテナンスが非常に重要です。
日々の歯磨きなどは、必ず行いましょう。インプラントの人工歯根に被せた人工歯は、虫歯になることはありません。
しかし、インプラント周囲に歯周病菌が繁殖してしまえば歯周病が進み、最悪の場合、骨が溶けてしまうこともあります。
例えば、体調不良などで数日間メンテナンスが行えなかったとしても、すぐに不具合が起きるわけではありません。
しかし、長期間メンテナンスを怠って骨が溶けてしまうと人工歯根を支えられなくなり、インプラントは抜け落ちてしまう可能性があります。
インプラントを長期間維持するためにも、正しいケア方法を身につけましょう。

喫煙している

喫煙は、インプラントをダメにしてしまう原因の1つといわれています。まず、煙草に含まれるニコチンは血流が悪くなる原因となります。
血流が悪くなれば、骨や歯茎の健康状態を維持できなくなる可能性があります。
特に、骨の健康状態が悪くなれば、インプラントを維持するための骨の再生が阻害されてしまうこともあるのです。
また、歯茎の健康状態が悪くなると、細菌感染を引き起こしやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
そのため、喫煙者でインプラントを検討している場合には、禁煙することをおすすめします。

歯ぎしり・食いしばりが酷い

歯ぎしりや噛みしめなどの癖がある人の場合、インプラントに過度な負担がかかり、人工歯の寿命が縮まってしまうことがあります。
歯ぎしりや食いしばりによりインプラントに強い力がかかると、インプラントの破損を招く恐れがあるのです。
場合によっては、マウスピースを装着する事も検討しましょう。マウスピースについては、かかりつけの歯科で相談してください。
また、歯ぎしりや食いしばりが酷い場合には、顎関節症のリスクが高まります。
顎関節症の主な症状は、顎の痛み・顎が痛くて口が開けられない・口を開けると顎からカクンと音がするなどです。
顎に痛みが出るような場合には、口腔理学療法を受けることも必要です。顎に負担がかからないような動作方法を身につけたり、マッサージを受けることが症状の改善に役立ちます。
噛み合わせがおかしいなと感じた時は、早めに歯科医に相談するようにしてください。

インプラントの寿命を伸ばす方法

治療風景
では、インプラントの寿命を延ばすにはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、インプラントの寿命を伸ばす方法について解説します。

定期メンテナンスを怠らない

インプラントは、天然歯のように定期メンテナンスを行うことが大切です。インプラント装着後に正しいケアとメンテナンスを行うことで、インプラントの寿命を延ばせるでしょう。
定期的な歯科検診や毎日のメンテナンスを行うことは、お口の変化に気付くためにも役立ちます。
毎日のケアでは、正しい歯磨きやデンタルフロス・歯間ブラシ・マウスウォッシュの使用で口腔内の細菌を増やさないように心がけましょう。
また、定期的な歯科検診インプラント周りの歯や歯周組織を定期的にチェックすることも必要です。
定期的に検診を受けておけば、早期発見・早期治療が可能です。
さらに、健康的な食生活や適度な運動を行うこともインプラントを維持するための健康管理といえるでしょう。
免疫力が下がるとお口の中の細菌が増殖しやすくなりますので、健康的な生活を心がけることが大切です。

禁煙する

禁煙をすることでお口の健康状態を維持できれば、その分インプラントの寿命を延ばすことに繋がります。
先にも述べましたが、喫煙はお口の環境に悪い影響を与えることが明らかになっています。
そのため、日常的に喫煙をしている方は、禁煙することがインプラント周囲炎の予防に役立つでしょう。
本数に関わらず、1本でも煙草を吸っていれば、インプラント脱離のリスクが高まります。
禁煙をすることが難しいと感じる場合には、まず禁煙外来を受診してみてはいかがでしょうか。
なお、喫煙している方の場合、歯科医院によってはインプラント治療を断られるケースもあります。
インプラントを適切に維持するためにも、医師の指示に従うようにしてください。
禁煙を行うことにより、インプラントの治療の成功率を高め、維持期間を延ばせるでしょう。

噛み合わせを改善する

歯が正しく噛み合っていない場合は、インプラントであっても天然の歯と同様に負担がかかってしまいます。
そのため、インプラントの噛み合わせを改善することでインプラントにかかる負担を軽減できるでしょう。
噛み合わせについては、インプラント埋入を行う前に治療を推奨されることが一般的です。
インプラントの寿命をできるだけ延ばすためにも、噛み合わせ改善の治療を行っておくことをおすすめします。

セルフケアを徹底する

インプラントの寿命を延ばすためには、毎日のケアが欠かせません。日頃から自宅でセルフケアを行うことでインプラント周囲炎を予防できるでしょう。
人工歯は虫歯にならないことは先に述べましたが、だからといってケアをしなくても良いわけではありません。自分の歯と同様に毎日歯磨きをすることが大切です。
歯と歯の間には汚れが溜まりやすいので、デンタルフロスや歯間ブラシを用いて丁寧に汚れを落としましょう。また、マウスウォッシュを使用することで細菌の増殖を抑制できます。
さらに、歯科医院で指導を受け、正しいセルフケア方法を身につけることも大切です。インプラントの寿命を延ばすためにも、毎日のセルフケアを徹底することを心がけましょう。

信頼できる歯科医院を選ぶ

インプラントを長期間使い続けるためには、治療前から治療後まで長期的なケアを行っている歯科医院を選ぶ必要があります。
インプラントは、埋入後も骨の造成・インプラント周囲の状態・人工歯根の緩みなど、定期的にチェックしていく必要があります。
もしこのようなメンテナンスが適切に行なわれなければ、インプラントを長期間維持できなくなってしまう可能性もあるでしょう。
そのため、インプラント治療開始前のカウンセリングや検査はもちろん、埋入後の定期健診やメンテナンスまで、しっかり行なっている医院を選ぶのがおすすめです。
歯科医院によっては、詳しい治療方法や治療実績をホームページで公開していることもあります。
事前に情報収集を行い、信頼できる歯科医院を選ぶようにしましょう。

インプラントにも保証がある?

モニター付きユニット
インプラントには、10年程度の保証期間が設けられているのが一般的です。
しかし、その保証を利用するためには、定期健診を毎回受けていることが条件となっていることがほとんどです。
定期的なメンテナンスが行なわれていない場合には保証の対象外となることもあるので注意しましょう。
また、人工歯(人工歯根の上に被せた歯の部分)と人工歯根で、それぞれ期間が異なることもあります。
歯科医院によっても保証制度の有無・期間・条件は異なりますので、治療する医院を決定する前に確認しておくと安心です。

インプラント治療は病院選びが重要

モニター付きユニット
インプラント治療は、術前の検査・治療計画・埋入技術に左右されます。
そのため、医院選びの際には信頼のおける歯科医院を選ぶことが特に重要です。もし仮に、何かトラブルが起きても迅速に対応できるような管理体制が整った医院を選ぶと安心でしょう。
また、すでに埋入したインプラントに違和感がある場合にも、我慢せずに歯科医院へ相談することをおすすめします。
他の医院で埋入したインプラント不具合にも対応できる歯科医院はあります。
現在通っている医院で適切なメンテナンスがされていないと感じる場合には、他の医院にも相談してみてください。

インプラントの寿命が長い歯科医院の特徴とは

歯科医師説明風景
インプラントの寿命を延ばすためには、経験豊富な歯科医師による適切な治療が必要不可欠です。
また、手術前のカウンセリングや検査・手術後のフォローアップまで力を入れていることも重要でしょう。
ここでは、インプラントの寿命が長い医院の特徴をご紹介します。ぜひ歯科医院選びの参考にしてみてください。

保証期間が設けられている

インプラントに保証期限を設けているクリニックは、定期健診を保証の条件としていることが多いです。
そのため、定期的なチェックでお口の状態を良好に維持していけるでしょう。
このような歯科医院であれば、仮にインプラント周囲炎が見つかっても早期に治療を受けられます。
また、不具合が発生した場合は、保証期間内であれば通常修理や交換を無料で行ってもらえるため、長期間インプラントを維持できるでしょう。
ただし、保証期間が切れた後の不具合や保証対象外のケースについては別途費用がかかることがありますので、治療開始前に確認しておくことが大切です。

担当医の実績・経験が豊富である

インプラント治療を受ける際には、経験豊富で実績のある歯科医師を選ぶと安心です。
インプラント手術は、歯科医師のスキル・経験や患者さんのお口の状態によって結果が左右されます。
そのため、実績や経験が豊富で柔軟に対応できる担当医であれば、より患者さんに合った治療やメンテナンスを受けられるでしょう。
実績や経験については、患者さんの口コミやホームページに記載されている症例なども参考にしてみてください。

信頼度の高い機器を使用している

インプラントの埋入には、正確な位置・向き・深さが重要となります。それを行うために必要なのがCTスキャナーやガイデットサージェリーと呼ばれる3Dテクノロジーです。
まず、CTスキャナーは患者の骨の構造を正確に把握するために使用され、正確な手術計画を立てることに役立ちます。
ガイデッドサージェリーとは、3D画像を用いてインプラントを正確に埋入するためのテクノロジーです。これを採用することで、インプラントを正確な位置・向き・深さに埋入することが可能です。
そのため、CTや3Dテクノロジーを採用している医院は安心してインプラント治療を受けられるでしょう。
埋入方法は医院によって異なりますので、どのような方法を採用しているか事前に確認することが大切です。

ヒアリングを丁寧に行う

ヒアリングを丁寧に行う歯科医院では、患者さんのお口の状態に合ったインプラント治療を受けることができます。
事前にお口の悩みや生活習慣などについてヒアリングすることで、事前にトラブルを予測し、適切な治療が受けられるのです。
また、インプラント治療では、長期的な定期受診が必要となるため、医師や歯科衛生士との信頼関係も大切です。
治療前からじっくりとヒアリングの場を設けている歯科医院であれば、納得して治療を受けられるでしょう。

インプラントの寿命がきた時の対処法

歯科用CT
インプラントは、一般的には長い寿命を持ちます。しかし、寿命がきた場合には、それに応じた対処法が必要です。
例えば、インプラントが正常に機能しなくなった場合、歯科医師によって点検を受けることで原因を特定します。その後、修理交換を行うことで、インプラントを再度使用できることもあります。
もし、骨の状態が悪化している場合やインプラントが完全に取り外し不可能な場合は、新しいインプラントを埋入することを検討する必要があるでしょう。
インプラントの寿命がきた時の対処法は個々の状況によって異なりますので、歯科医師に相談し、正しい判断をすることが重要です。

インプラントは普段のセルフケアや生活習慣も意識するのが大切

歯科医師
インプラントは医院選びだけでなく、埋入後のセルフケアも大切です。日常的な歯磨きやフロスの使用・定期的な歯科受診などを行なっていきましょう。
また、喫煙過度な飲酒などを控えることが大切です。バランスのよい食事や適度な睡眠など、健康的な生活を心がけることもインプラントの維持に役立ちます。
インプラントの寿命を維持するためにも、インプラント周囲炎を防ぐためのセルフケアや生活習慣を意識しましょう。

まとめ

スタッフ集合写真
インプラントは、人工歯根を埋入することで長期的に人工歯を維持できる治療方法です。
他の歯に負担をかけることなく装着できるため、周囲へのダメージが少なく済むのもメリットでしょう。
しかし、インプラントも定期的なメンテナンスを怠れば、寿命が短くなってしまうことがあります。
長期的に健康なインプラントを維持するためには、歯磨きや定期健診が非常に重要です。
また、インプラントを長期的に維持するためには心から信頼できる歯科医院を選ぶことも大切です。

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この記事の監修歯科医師