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健康な歯を守る方法としても機能するインプラント治療【大阪府枚方市 いずたにデンタルクリニック】

 更新日:2023/04/27

健康な歯を守る方法としても機能するインプラント治療
健康な歯を守る方法としても機能するインプラント治療

日本国内で30代以上の約8割がかかっているといわれる歯周病。日本人が歯を失う原因の第一位となっている。インプラントは、こうした歯周病や不慮の事故などによって歯を失った人にとって有益な治療方法の一つ。しかし、一方で「費用が高額」「手術が怖い」「ネットの情報を見ると不安」などの理由から、治療がためらわれるケースも多い。そのような不安に寄り添い、専門性の高いインプラント治療を提供しているのが大阪府枚方市の「いずたにデンタルクリニック」だ。同院の泉谷剛行院長にお話しをうかがった。

Doctor’s Profile
泉谷 剛行(いずたに たかゆき)
いずたにデンタルクリニック 院長

2009年、大阪歯科大学を卒業。2015年、医療法人センヤ会理事長に就任し、2017年には大阪歯科大学大学院歯学研究科博士号を取得する。2019年、インプラント治療に特化した「いずたにデンタルクリニック」を開設。インプラント治療を、「天然の歯を1本でも多く残すより良い施策」「噛む喜びを取り戻していただく方法」と位置づけ、専門性の高いインプラント治療を行っている。日本歯周病学会、日本インプラント学会、日本臨床歯周病学会所属。

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歯の健康を総合的にとらえるインプラント治療

インプラント治療の対象となる永久歯の欠損。歯を失う原因のほとんどが歯周病だといわれています。実際に、歯周病に悩んでいる患者さんは多いのでしょうか?

歯周病などが原因で、すでに歯を失った状態の患者さんは多くいらっしゃいます。膿や歯のぐらつきが見られるレベルまで歯周病を悪化させてしまった方も、やはり同じくらい多いですね。

歯の健康を総合的にとらえるインプラント治療

基本的な質問になりますが、インプラント治療について教えてください

失った歯の部分にある顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め、その上部に義歯を取り付ける治療方法をインプラント治療と呼びます。
ただ、インプラントを埋めるとき、手術で顎の骨を覆う粘膜を少し切ることから、「怖い」というイメージを持たれている方もいらっしゃいます。

インプラント治療について、患者側で知っておいたほうがよい情報はありますか?

インプラント治療は、総合医療だということです。たとえば、下の奥歯を失った方がインプラント治療を希望されたとします。治療は、「奥歯があった箇所にインプラントを入れたらよい」という単純な話ではありません。邪魔者(失われた下の奥歯)がいなくなったことで上の奥歯は自由になり、挺出したり、おかしな方向を向き始めます。
こうした歯の変化を考慮せずにインプラントを入れると、嚙み合わせが狂ってしまいかねません。上の奥歯の位置を整えた上で、下の奥歯があったところにインプラントを入れてあげるのが治療の必要条件です。
噛み合わせ、歯の病気の状態、そして歯並びと、さまざまな歯科知識を総動員しなければこうした判断はできません。インプラント治療が総合医療だという理由はここにあります。

歯の健康を総合的にとらえるインプラント治療

なるほど、よくわかりました。先生がインプラント治療に注力していらっしゃるのには、何か理由があるのでしょうか?

失った歯を補う方法としては、インプラント治療以外にも入れ歯やブリッジがあります。ただ、入れ歯は治療期間が短く安価だというメリットの一方、歯や歯ぐきが傷みやすいというデメリットもあります。
ブリッジにも同様のメリットがありますが、入れたい箇所の両側にある歯を削らなければなりません。つまり、入れ歯とブリッジは、1本の病気の歯を治療するために、健康な歯を傷めているともいえます。
インプラント治療では手術を行いますが、周囲の健康な歯に負担をかけることはありません。健康でいられたはずの歯を、治療のために損なうようなことをするのは医療ではありませんね。天然の歯を1本でも多く残して差し上げたい。当院のインプラント治療の背景には、こうした思いがあります。

患者ファーストを心がけ、丁寧にコミュニケーションを図る

患者ファーストを心がけ、丁寧にコミュニケーションを図る

3DCTやマイクロスコープを備えた完全個室でインプラント治療を行っているとうかがいました。設備を充実させている背景には、どのような思いがあるのでしょうか?

「患者さんに安心していただきたい」「手術の負担を最小限に抑えたい」という思いから、よい設備を導入するようにしています。
3DCTは、顎の骨の状態を立体的にとらえて、傷つけてはいけない神経などを特定するためのものです。こうしたデータからインプラントを入れる適切な位置と角度を割り出し、そのプランを正確に実行すべく、肉眼の20倍まで拡大できるマイクロスコープを活用しています。

ちなみに、貴院ではTC(トリートメントコーディネーター)のシステムを取り入れているそうですね。そもそもTCとはどんなことを行うのでしょうか?また、TCによる患者さんにとってのメリットはどのようなことがありますか?

トリートメントコーディネーター(以下、TC)をご存知ですか? TCとは、歯科医師と患者さんの間に立ち、双方にとって満足のいく治療を進めるための橋渡しを行う専門スタッフのことです。米国では歯科領域において、職種として確立された名称です。
当院のTCは、患者さんへのカウンセリングはもちろんのこと、治療計画・見通しのご説明、治療相談を担当します。専門的な内容をわかりやすくご説明し、患者さんの要望に沿った最適な治療が受けられるようサポートすることもTCの役目です。
他にも、
・患者さんからのご要望を歯科医師や衛生士に伝える
・歯科医師に代わって、術前・術後のご説明をする
・歯科医師に言いにくいご相談を受ける
これらも担当します。
治療のためではなく、カウンセリングのためにお時間をとらせていただきますので、
「このくらいの金額で治療を受けたい…」
「いつまでに治療を終わらせたい…」
などの患者さんの思いを、しっかりと治療に反映させることができます。
患者さんと伴走し、期間・費用・審美面など、「その患者さんにとっての」ベストな治療方法を見つけていきます。疑問に思うことがあれば、お気軽にご相談ください。

セデーション(静脈内鎮静法)を取り入れているのも、患者さんの負担を減らしたいという思いからでしょうか?

セデーションとは静脈から鎮静剤を投与し(点滴)、睡眠時に近い状態にする方法です。セデーションを行っていただくと、体に対する負担の度合いが変わります。眠ったような状態で、かつ手術中の記憶も残りづらくなるため、患者さんの心理的ストレスをやわらげることができます。
点滴のルートを一つ取れば、抗生物質や血圧を安定させる薬もそこから一緒に入れられるので、物理的なストレス軽減にもつなげられます。

貴院では、主にスイス・ストローマン社製のインプラントを使用しているとうかがいました。どのような理由でストローマン社を選んでいるのでしょうか?

競合企業が乱立し、数年で淘汰されるメーカーさんもあるなかで、ストローマン社は1954年から事業を行っている世界でも有数のシェアを誇る企業です。インプラントの質はもちろん、保持している事例も多いので、安心して使わせてもらっています。
ストローマン社製のインプラント信頼・安心できます。

貴院でのインプラント治療の流れについて教えてください

はじめに、カウンセリングを受けていただきます。
次に口内をスキャンして、患者さんの口腔内がどのような状態になっているかをご説明します。このとき、インプラントを行う場合の見積りもお出ししています。
患者さんがインプラント治療を受けたいと希望されたら、口腔内を再度、全体的にチェックします。患者さんの歯の模型をつくり、インプラントを入れる適切な位置と角度を検討していきます。このような検討結果を踏まえて患者さんに治療計画を説明し、ご納得いただけたらインプラントの埋め込み手術を行います。

患者ファーストを心がけ、丁寧にコミュニケーションを図る

少しでも早くものを噛めるように、治療はスピード重視!

少しでも早くものを噛めるように、治療はスピード重視!

インプラント治療を行う上で、先生が大切にしてることは何でしょうか?

患者さんにベストな治療をご提案し、ご納得頂いた上でスピード感を持ち、治療を進めていくこと。これらが私のモットーです。
インプラント治療を希望して来院されたとはいえ、患者さんは多くの不安を抱えておられます。その不安を解消し、「患者さんが何を求めておられるのか、歯科医師に何をしてほしいと思っておられるのか」といったご要望を読み取るカウンセリングには時間を惜しみません。ご納得いくまで情報を集めていただいて、そこからインプラント治療を受ける・受けないを決めていただきたいと思っています。
インプラント治療を受けると決断された後は、スピード重視です。顎の骨の状態が許せば、即時荷重といって、治療当日に仮歯を入れています。少しでも早く、しっかりものを噛める状態に戻して差し上げたいですからね。事前準備に時間がかかるケースでも、平均して半年で噛める状態になっていただきます。

インプラント治療後、患者さん側で気を付けていただきたいような点はありますか?

食いしばりや歯ぎしりは歯科医療の大敵です。これらのクセがある方は、早いタイミングで教えていただきたいと思います。それ以外には、特に制限などもありません。好きなものをたくさん食べてもらえたらと思っています。そうでなければ、何のためにインプラントを入れたのかわかりませんからね。
あとは、インプラントをはじめ、ご自身の歯を大切にする気持ちを持っていただくことでしょうか。「大事にしたい」という気持ちがあればケアにご来院になり、お口の衛生状態が保たれ、インプラントと歯の健康が続いていく。医師側の片思いではダメなんです。医師と患者さんの両方が、歯を大切にしようと心を合わせることで、はじめてよい結果につながると思っています。

少しでも早くものを噛めるように、治療はスピード重視!

貴院でインプラント治療にかかる費用について、教えていただけますか?

インプラント1本であれば、55万円(税込)が目安です。上の歯がすべて失われ、フルマウスタイプのインプラント治療を希望される場合は、人口歯冠の素材と埋め込むインプラントの本数にもよりますが、おおむね165万円(税込)から330万円(税込)の間で施術しています。

最後に、インプラント治療を検討している方、Medical DOCのサイトを訪問している読者の方に、メッセージをお願いいたします

どれほど素晴らしい代替物ができたとしても、天然の歯に勝るものはありません。だからこそ、1本でも多く天然の歯を残したいと考え、その方法としてインプラント治療を提供しています。
インプラントは保険が適用できる施術と比べて高額で、なおかつ手術が必要だというデメリットが注目されがちです。しかし、適切な施術を行えば、天然の歯と同程度の噛む力を取り戻し、食べる喜びを感じていただくことができます。よい状態を保つほど長期利用が可能で、20年使った場合の月間コストは入れ歯とそう変わりません。つくり直しの手間を考えれば、むしろ入れ歯よりもコストパフォーマンスがよいといえるでしょう。
私がこうした見解をお話しできるのは、これまでの経験があるからにほかなりません。不安がなくなるまで歯科医師に質問し、納得してから治療に入ってください。それが天然歯と同じくらい噛むことができ、長持ちするインプラント治療の第一歩です。

編集部まとめ

天然の歯に勝るものはない。健康なまわりの歯に影響を及ぼすような治療は、医療とはいえないのではないか。歯科医療を通じて患者さんの幸福を追求していくのだという、泉谷先生の強い意志を感じられたインタビューでした。まわりの歯に影響を与えず、もともとの歯と同じような見た目と噛む力を取り戻せるのがインプラント治療です。どの情報を信じてよいかわからずに立ち止まっているのなら、症例をベースにした医師の見解を聞いてみるのが一番の近道ではないでしょうか。

いずたにデンタルクリニック

医院名

いずたにデンタルクリニック

診療内容

インプラント 歯科一般 歯周病治療 予防治療 など

所在地

大阪府枚方市大垣内町2-8-10
宮村三甲ビル8階

アクセス

京阪電車「枚方市」駅より徒歩5分

この記事の監修歯科医師