入れ歯とインプラントの違いとは?それぞれの治療法や長所短所を解説【大網白里市 みずほ台歯科医院】
これらの治療法にはそれぞれ、メリットとデメリットがあります。その点をきちんと理解してから治療を開始すると「こんなはずじゃなかった!」というトラブルを回避できることでしょう。
そこで今回は【みずほ台歯科医院 綾部英樹先生】に、入れ歯とインプラントの違いについて教えていただきました。
インプラント治療を受ける際の歯科医院選びのアドバイスもしてくださったので、ぜひ参考にしてください。
みずほ台歯科医院 院長
幼少期より歯科医を志し、九州歯科大学卒業。
島原デンタルクリニック分院院長、沖縄県役所前歯科医院院長を歴任し、平成8年にみずほ台歯科医院を開院。開院以来、「思いやりと感謝の気持ちで日々治療をさせていただく」を理念に、お一人おひとりに最適な医療を提供できるよう心がけている。
入れ歯 | インプラント治療 | |
特徴 | 日常的に取り外しが可能な入れ歯を装着する。 | 歯の骨に土台を埋め込み、その上に人工の歯を装着。自分の歯に極めて近い機能を持つ。日常的な取り外しは不可。 |
治療の流れ | ||
期間 | 1~2カ月 | 3カ月~1年 |
費用 | 保険診療:5千~2万円程度
(2019年12月時点 日本歯科大学校友会|社会保険診療報酬点数早見表 調べ)
※失った歯の本数によって費用は異なる |
1本あたり26~33万円程度 |
※上記表の数値は、あくまでも目安です。詳しくは、かかりつけ医にご確認ください。
このように、入れ歯とインプラント治療では、治療の期間が大きく異なります。
インプラント治療では、抜歯や歯の骨に土台を埋め込む治療が行われますが、これらの治療のあとには患部が回復するのを待つケースがほとんどです。そのため、このようなケースでは仮歯はあるものの歯がない状態で過ごす期間が生じます。
では次に、入れ歯とインプラント治療にかかる期間について、綾部先生にも見解を伺ってみましょう。
一方、入れ歯の場合は、入れ歯の種類にもよりますが手術の必要がないため1カ月程度で装着可能です。
先程、インプラントの治療の流れで骨とインプラントがしっかりと結合するのを待つとご紹介しましたが、この期間は少なくとも2~6カ月程かかるようです。
つまり、インプラント治療を開始してから、少なくともこの期間は歯がない状態で過ごす必要があります。
一方、入れ歯では手術の必要がない分、ダウンタイム(患者の体の回復を待つ時間)の必要がなく、比較的すぐに歯を入れることが可能です。
また、入れ歯治療では保険が適用になるケースがあるのに対し、インプラントで治療ではほとんどのケースで自由診療となるため、治療費が高額になる傾向にあります。
治療の違いについて、綾部先生は次のようにおっしゃっています。
一方入れ歯は、保険診療と自由診療のものがあります。保険診療の場合は1割負担の方で7,000円、3割負担の方で2万円程度という印象です。
自由診療の入れ歯は種類が多いため一概には言えませんが、5万円程度のものから数10万円かかるものもあります。
このように、保険診療での入れ歯治療であれば、インプラント治療に比べてかなり費用負担は抑えられると教えてくださいました。
入れ歯とインプラント治療は、全く違うアプローチで失った歯を補います。
そのため、治療期間は大きく異なるうえに、保険適用の関係で費用にも差があるとのことです。
【みずほ台歯科医院】
インプラント費用1本あたり28.6~36万円(税込)
自由診療の入れ歯費用 1本あたり5,500~22,000円(税込)
そこでここからは、それぞれのメリット、デメリットについてみていきましょう。
入れ歯 | インプラント治療 | |
メリット | ・費用負担を抑えることができる。 ・治療期間を短くし、通院回数を減らすことができる。 ・取り外しができるため、手入れがしやすい。 ・総入れ歯であれば、虫歯の心配がない。 |
・自分の歯に近い感覚で噛める。 ・ほかの歯に影響を与えないため、残された歯の健康を保つことができる。 ・取り外しの面倒がない。 ・見た目がよい。 |
デメリット | ・取り外しが面倒に感じる場合がある。 ・部分入れ歯の場合は、支えになる歯にダメージを与え、その歯を悪くしてしまう可能性がある。 ・プラスチックで口の中を覆うため、味を感じにくくなる。 ・年齢とともに歯茎が痩せ、入れ歯が合わなくなってくる。 |
・すべての人にできる訳ではない。
・自由診療になるため、治療費が高額になる。 |
また、綾部先生は次のような点も、それぞれのメリット、デメリットだとおっしゃっています。
しかし入れ歯では口の中の一部がプラスチックに覆われるため、味や熱さ、冷たさを感じにくくなるというデメリットがあります。また、部分入れ歯では支えになるバネが審美的に悪く、このバネの影響で周りの歯を失うことになるかもしれません。
一方、インプラントは自分の歯のように噛むことができるため、硬いものや細かいものも気にせず食べられることがメリットです。
しかし、インプラント治療は人によっては治療を受けられないケースがあります。さらに外科手術が必要なために身体的、精神的負担があるという点もデメリットと考えられます。
このように、入れ歯とインプラント治療には、それぞれのメリットとデメリットがあります。
だからこそ、そのようなメリット、デメリットをご自身できちんと理解し、納得して治療を開始することが大切なのではないでしょうか。
インプラント治療は、歯科医院選びがポイント
インプラント治療は、高い技術が必要な治療の一つです。そのため、頼りがいのある歯科医院を選ぶことがとても大切になります。
その判断基準として、多くの方がWEBで歯科医院の情報を調べるなどして、事前に情報収集するかと思います。しかしその際、どのようなポイントで歯科医院を選ぶべきなのでしょうか。
歯科医院選びのポイントについて、綾部先生は次のように教えてくださいました。
- カウンセリングをしっかり行ってもらえるか
- 歯科用CTなどより安全に治療をするための設備が整っているかどうか
カウンセリングが不十分な歯科医院では、患者の要望に合った治療を行えない可能性があります。そのため、しっかりとカウンセリングをしている歯科医院を選ぶことが大切だそうです。
また、インプラント治療は外科的手術が行われる分、患者の口の状態を正確に把握することが大切です。歯科用CTでは神経や血管の位置を精密にとらえた画像を得ることができるため、このような設備のある歯科医院を選ぶといいでしょう。
ただし、インプラント治療は、歯が入ったら完了ではありません。インプラントの周囲は感染しやすい状態になっているため、定期的な検診が必要です。そのため、アフターケアが充実した歯科医院を選ぶこともお忘れなく!
このように、治療後のケアにも重点を置いた歯科医院で治療を受けると、より不安が少なく治療を受けられるでしょう。
入れ歯とインプラントは治療のアプローチが異なるため、治療法、期間、費用が大きく異なります。そのうえ、メリットデメリットもあるため、それぞれの特徴をよく理解し、自分に合う治療を選択していくことが大切だといえるでしょう。
また、インプラント治療は高度な技術が必要な治療です。だからこそ、治療そのものはもちろん、アフターケアも重視した歯科医院を選ぶことをおすすめします。