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口腔健康を維持するための歯科定期検診の大切さ。歯周病とむし歯の予防と早期発見のために【東京都台東区 医療法人社団医康会 ジェイエムビル歯科医院】

 更新日:2023/08/08
医療法人社団医康会 ジェイエムビル歯科医院
医療法人社団医康会 ジェイエムビル歯科医院

年を重ねるとだんだん気になるのが歯周病。とはいえ、症状を感じていなければ特に歯医者に行こうと思わない人が多い。それはむし歯であっても同じことだろう。しかし、定期的に歯科医院でメンテナンスをしてもらうことで、歯周病を悪化させずに健康的な口内を保つことができる。しかも、トータルとしての治療費も節約できる。ジェイエムビル歯科医院の野崎院長に、予防治療の大切さについてお話を伺った。

Doctor’s Profile野崎 康弘 理事長(院長)
医療法人社団医康会 ジェイエムビル歯科医院

1990年日本歯科大学卒業。医療法人社団医恵会勤務を経て、1996年ジェイエムビル歯科医院開院。2019年医療法人医康会設立。患者とのコミュニケーションを大切にし、患者が理解、納得のいく治療ができるよう心掛けている。

セルフケアでは防ぎ切れない歯周病を悪化させないために

自覚症状がなくても歯周病にかかっている人は多いといわれています。

歯周病のさまざまな症状をすべて含めると、やはり成人の8割ぐらいは、何らかの問題を抱えていると思われます。専門的には、歯周ポケット(歯と歯茎の境目の溝の深さ)が4ミリ以上を歯周病の診断基準としますが、「歯磨きをすると時々歯茎から血が出る」などの軽微な症状を含めると8割ぐらいの人に歯周病の兆候は見られると思われます。
セルフケアでは防ぎ切れない歯周病を悪化させないために

歯周病の原因としてはどういったことがありますか。

磨き残し、つまり汚れとお考えになる方は多いと思いますが、歯周病の原因はそれだけではなく、噛むときの力や歯ぎしりなども挙げられます。
その他、口腔内以外では全身的な要素も考えられ、免疫力が低下するなど全身的な病気によって歯周病が発症することもあります。長年、定期健診で問題が見られなかった患者さんが、突然、歯茎の状態が悪くなる場合は、内科的疾患を疑い、他科での検査をおすすめすることもあります。
いろいろな原因があるんですね。患者としてはまずは歯磨きを丁寧にしようと考えるわけですが、それでは防ぎ切れないんでしょうか。

ご自身で行うセルフケアだけでは、歯周病を防ぎきることは難しいと思います。歯医者で行うプロケアでは、セルフケアで不十分な部分をカバーします。セルフケアと、歯医者で行うプロケアの両輪で初めて良いお口の中の環境が維持できます。どちらが欠けても片輪走行でいつか転倒してしまいます。
定期的に歯医者さんで診ていただくことが大切なんですね。

そうですね。特に歯周病は、自覚症状に乏しいのでそう思います。「むし歯がないのにわからないまま歯周病が進行している」ケースがあります。むし歯ができにくい場合、ご本人も歯に自信がありますので、痛くなければ歯医者に行く機会がなく、知らず知らずのうちに歯周病が進行していることがあります。
となるとやはり、予防治療が重要になってきますが、まだまだ一般的ではないかと思います。院長からご覧になって、患者さんの予防治療への意識はどんな風にお考えになりますか。

日本はまだ、痛くなってから歯医者に行くという人が多いですね。日本は保険治療があって、治療費が比較的安価であることが一因かもしれません。多くの予防先進国では、保険治療がなく、治療費が高額になるため、「治療よりも予防」の考えが根付いたようです。

セルフケアでは防ぎ切れない歯周病を悪化させないために
日本でも、予防治療で痛くなる前に診ていただいたほうが、治療費は安くなるわけですよね。

もちろんトータル的にはそう思いますが、患者さん側では、なかなかそうは考えられないようです。それでも、私が大学を出たばかりの約30年前に比べれば、意識はかなり変わってきてはいます。当院にも、メンテナンスのために多くの患者さんがお見えになります。

定期検診だけでなく、詰め物の素材選びや矯正も予防につながる

予防治療では、どんな診察が行われるんですか。

歯周病の予防は汚れをとることがメインです。定期的に歯周ポケット測定をして、その検査値を記録し、検査結果に応じたクリーニングをします。歯茎の中の方まできれいにしなければならない状態であれば、麻酔をかけてクリーニングする必要も出てきます。
ただ、当院では緊急性がある場合を除き、治療に入るかどうかを患者さんが選択できるよう、病状をお話ししています。
定期検診だけでなく、詰め物の素材選びや矯正も予防につながる

歯周病以外には、もちろんむし歯のチェックもあるわけですよね。

はい。ただむし歯についても、経過を見てよいむし歯と、早急に治療しなければいけないむし歯があります。
むし歯になったら絶対進行すると考えられていた時代があり、その頃は着色程度の状態でも、削って詰める治療が当たり前でした。今日では、初期むし歯は、お口の中の衛生環境を良くすることやフッ素塗布で元に戻る可能性があることがわかっていますので、初期のむし歯は経過観察という選択肢もあります。もちろん口の中の衛生環境を整えなければ初期むし歯は進む可能性が高くなりますので、定期的に歯医者で診てもらう必要はあるでしょう。
どれぐらいの頻度で通うのがいいんでしょうか。

当院では、患者さんの症状や状況を見て決めており、3か月~6か月としています。
その患者さんにより歯周病やむし歯のリスクは異なりますので検査結果などでふるい分けをし、患者さんと相談のうえ決めています。
むし歯予防の観点から、歯の詰め物をセラミック素材にするほうがいいと聞いたことがあるのですが。

素材的に汚れがつきにくいので、金属よりセラミックのほうがむし歯の再発を防ぐという点では良いといえますが、セラミック治療は、強度を確保するため歯を削る量が多くなります。例えると「薄いお皿は割れやすいが厚いものは割れにくい」というとわかりやすいかも知れません。金属は、そのものに強度がありますから、セラミックほど厚くする必要はありません。個人的な意見ですが、既に大きく削られている歯であれば、セラミックをおすすめすることもありますが、わずかしか削られていない歯をセラミックにすることには抵抗があります。ただし、審美治療では、セラミックに勝るものはありませんので、各材料の特性を説明させていただき、患者さんに使う材料を選択していただきます。

定期検診だけでなく、詰め物の素材選びや矯正も予防につながる
歯を磨きやすくするために、矯正をするのも予防には有効なんですか。

有効性は、高いと思います。矯正をした人としていない人を比べると、むし歯や歯周病の罹患率は明らかに違います。もちろん矯正をした人の方が罹患率は低くなります。
審美的問題で矯正に踏み切る方が多いのですが、矯正をした人は、「すごく歯が磨きやすくなった、噛みやすくなった」と言います。

自分に合う歯科医院に定期的に通いたい

院長が治療にあたって心がけていらっしゃることはどんなことですか。

患者さんご自身が、内容を理解し納得した治療を受けるべきであると考えます。当院には、他院に通院中でセカンドオピニオンとして相談に来られる方も多くいます。
お見えになった患者さんには、「私の診断は○○ですが、他の先生がどのように診断するか分かりませんので、もし私の説明で疑問に思うことがあれば、更に他の医院での相談をおすすめします」とお話しさせていただきます。
自分に合う歯科医院に定期的に通いたい

患者さんに対して非常に誠実でいらっしゃるんですね。

治療にあたって、患者さんが困ってしまうことや迷ってしまうことが無いようにと考えています。治療をするのは当院でなくても構いませんし、他の医院さんでより良い結果が出るなら、それは患者さんにとって一番よいことと思います。
たとえば、先ほどお話した初期のむし歯にしても、診る先生によって診断は違います。「治療しなければいけない」と言う先生、「治療しないで予防がベスト」と言う先生などがそれの一例です。
先生によっていろいろ異なるのであれば、やはり自分に合うところに通いたいですね。

子どもの予防治療についても、医院によって始める年齢が異なると思われます。当院では、歯が上下乳歯の前歯が4本生え揃ったぐらいからフッ素塗布を始めていますが、その年齢だとむし歯はできないので、「フッ素塗布は必要ない」という見解の先生もいらっしゃいます。
私は、予防を始めるのは早いほど良いと考えます。お父さんやお母さんにお子さんを歯医者に連れてくる習慣をつけ、お子さんにも歯医者に通うことに慣れてほしいと考えています。

自分に合う歯科医院に定期的に通いたい
定期的に歯医者に来るということが本当に大切だということがよくわかりました。

歯科医院に行くのは痛くなってから意を決していく方が多いと思います。痛くなければできれば行きたくない所であると思います。でも、少し視点を変えてみてはいかがでしょう。皆さん、定期的に美容院には行かれると思うので、はじめはそのような感覚でも良いのかなと…。歯をきれいにしようと思うことが予防のきっかけになればよいと思います。

編集部まとめ

口腔内を健康に保つためには、定期的に歯医者に診ていただくことが必要だということがよくわかりました。特に自覚症状がないまま進行してしまう歯周病については、プロの目で見ていただくことで、知らないうちに悪化してしまう事態にならずに済みます。歯科医院はたくさんあるだけに、予防に対する取り組み方を比較するのも、通いやすい歯科医院を見つけるポイントではないでしょうか。

医院情報

医療法人社団医康会 ジェイエムビル歯科医院
所在地 〒111-0051
東京都台東区蔵前2-6-3
ジェイエムビル5階
アクセス 都営地下鉄浅草線 蔵前駅 A2番出口 徒歩30秒
都営地下鉄大江戸線 蔵前駅 A6・A7出口 徒歩3分
診療内容 歯科一般 小児歯科 インプラント ホワイトニング

この記事の監修歯科医師