「アルコールを飲み過ぎると現れる症状」はご存知ですか?【医師解説】

※この記事はメディカルドックにて『「アルコールを飲み過ぎると現れる症状」はご存知ですか?対処法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
佐藤 浩樹(医師)
目次 -INDEX-
アルコールを飲み過ぎると現れる症状
アルコールを飲むと気分が良くなったり、顔が赤くなったりする症状が出ます。しかし、アルコールを飲む量が増えるにしたがって、さまざまな症状が出てきます。後の章ではアルコールを飲み過ぎて現れる症状について解説します。吐き気や嘔吐
アルコールは肝臓で分解されると、アセトアルデヒドという物質になります。このアセトアルデヒドはさまざまな症状を引き起こすことが知られており、吐き気や嘔吐はこのアセトアルデヒドの量が体内で増えることで起こります。意識レベルが低下している状態で、嘔吐すると誤えん性肺炎をきたすことがあります。症状が軽い場合は安静にして過ごすと自然と治まります。しかし、吐き気や嘔吐が治まらなければ、市販薬を試したり、内科を受診したりするようにしましょう。頭痛
アルコールを飲みすぎると、アセトアルデヒドが血管内に増えてしまいます。このアセトアルデヒドは、血管を拡張させ、神経を圧迫して炎症を引き起こします。また、アルコールの利尿作用により、脱水症状が強くなると頭痛が悪化することがあります。頭痛の症状は自然と治まることが多いですが、水分補給を行うことで症状が軽くなる場合があります。呼吸が苦しい
血中アルコール濃度が高まることによって呼吸・心臓の中枢が抑制されることがあります。特に、呼吸の中枢が抑制されると、通常の呼吸ができなくなり、息苦しさが出たり、呼吸自体ができなくなったりすることがあります。これは非常に危険な状態であり、死に至る恐れがあるため、緊急で救急外来を受診する必要があります。意識を失う
アルコールを飲めば、「酩酊」と呼ばれる酔った状態になります。通常、血液中アルコール濃度が0.02%から0.1%程度で、ほろ酔いと呼ばれるリラックスした状態になります。しかし、血液中アルコール濃度が0.3%を超えると泥酔期と呼ばれるもうろう状態、0.4%を超えると昏睡期という生命に危険を生じうる状態になります。この状態は呼吸ができない状態と同じく、緊急での対応が必要になります。意識がはっきりとしない場合は、緊急で救急外来を受診することが重要です。すぐに病院へ行くべき「アルコールを飲み過ぎると現れる症状」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。意識がない場合は、救急外来へ
アルコールの飲み過ぎで、意識をなくすことがあります。これは急性アルコール中毒の症状の恐れがあり、嘔吐による誤えん性肺炎や呼吸困難などの症状が出ることがあります。そのような症状がある人を見かけた場合は、速やかに救急外来を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。「アルコールを飲み過ぎると現れる症状」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「アルコールを飲み過ぎると現れる症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
アルコールを飲み過ぎると体のどこが悪くなりますか?
佐藤 浩樹医師
アルコールはさまざまな臓器に影響を与えます。肝臓や膵臓、脳に影響を与え、肝硬変や膵炎、アルコール依存症などさまざまな病気を引き起こすことがあります。
アルコールを飲み過ぎる量はどのくらいでしょうか?
佐藤 浩樹医師
アルコールは適切な飲酒量が決まっていて、1日当たりの純アルコール摂取量が、成人男性で40g以上、成人女性で20g以上の飲酒を続けていると、さまざまな健康問題のリスクが高まると言われています。たとえば、ビール中瓶1本(500ml)に含まれる純アルコールは約20gです。その他、清酒1合(180ml)に約22g、ワイン1杯(120ml)に約12gの純アルコールが含まれています。ご自身がよく飲むアルコール飲料の純アルコール量を把握しておきましょう。




