ゼロカロリーの落とし穴?人工甘味料とトランス脂肪酸が及ぼす得る「健康リスク」とは

カロリーゼロをうたう人工甘味料や、加工食品に潜むトランス脂肪酸は、現代の食生活で見落とされやすい成分です。ダイエット目的で選ばれる食品に多く含まれるこれらの成分が、身体にどのような影響を与える可能性があるのか、また日常の食習慣のなかでどのように摂取を意識すればよいかについて、現時点の知見をもとに詳しく解説します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
人工甘味料とトランス脂肪酸のリスク
カロリーゼロやダイエット食品として広く使用される人工甘味料と、加工食品に含まれるトランス脂肪酸は、現代の食生活で見落とされやすい成分です。なお、人工甘味料は食品添加物ですが、トランス脂肪酸は添加物そのものではありません。
人工甘味料が体に与える影響
アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなどの人工甘味料は、砂糖の数百倍の甘さを持ちながらカロリーがほぼゼロという特徴があります。一見、ダイエットや血糖値管理に有効に思えますが、近年は腸内細菌叢や代謝への影響が研究されています。ただし、研究はまだ初期段階で、結果は一貫していません。
人工甘味料を日常的に摂取すると、甘味に対する感覚が鈍化し、より強い甘さを求めるようになることも報告されています。また、脳が「甘さ」を感知しても実際のエネルギーが入ってこないため、食欲調節機能が混乱し、結果的に過食につながるケースもあるといわれています。ダイエット飲料やノンシュガー菓子を選ぶ際は、“ゼロだから自由に摂ってよい”とは考えず、摂取頻度を意識することが大切です。
トランス脂肪酸の健康リスク
トランス脂肪酸は主にマーガリンやショートニング、それらを使用した焼き菓子、揚げ物などに含まれています。液体の植物油を固形化する過程で生成され、心血管疾患のリスクを高めることが多くの研究で明らかになっています。
日本では消費者庁が情報開示の指針を示していますが、欧米のような一律の表示義務制度とは異なり、消費者にとって把握しにくい面があります。
欧米では使用規制が進んでおり、デンマークでは実質的な使用禁止、アメリカでも段階的な使用禁止が進められています。家庭での調理にはバターやオリーブオイルなど天然の油脂を使用し、市販の焼き菓子やスナック菓子の摂取は控えめにすることが、トランス脂肪酸の摂取を減らす有効な方法です。
まとめ
食品添加物と賢くつき合うためには、その実態を知り、表示を読み解き、日常的に添加物の少ない食品を選ぶ習慣が大切です。特に人工甘味料や一部乳化剤と腸内細菌叢との関係は研究が進んでいますが、現時点ではヒトでの影響はなお検討途上です。完璧を目指す必要はありませんが、できることから少しずつ実践していくことで、確実に健康状態は改善していきます。原材料表示を確認する、生鮮食品を中心に献立を考える、発酵食品や食物繊維を積極的に摂るといった小さな行動の積み重ねが、長期的には大きな違いを生み出します。もし食生活の改善に不安がある場合や、既に消化器症状などでお困りの場合は、消化器内科や栄養相談の専門家に相談されることをおすすめします。