サボりと思われないために。「起立性調節障害」を周囲に理解してもらうコツとは?

起立性調節障害は、立ちくらみだけでなく頭痛や倦怠感など多様な症状を伴います。さらに、症状が長引くことで心理的な負担も大きくなりやすい点が特徴です。本章では、身体症状とあわせて学校生活への影響や心の変化にも触れ、見逃してはいけないサインを解説します。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
その他の身体症状と心理的影響
起立性調節障害では、立ちくらみや朝の不調以外にも、さまざまな身体症状が現れることがあります。また、症状が長引くことで心理的な影響も生じやすくなります。
頭痛・腹痛・動悸・倦怠感
起立性調節障害に伴う身体症状として、頭痛、腹痛、動悸、全身の倦怠感などが挙げられます。頭痛は、脳への血流不足によって引き起こされることがあり、締め付けられるような痛みや重い感じとして自覚されます。腹痛や吐き気は、自律神経の乱れが消化器系に影響することで生じます。動悸は、立ち上がったときに心拍数が急激に上昇することで感じられ、不安感を伴うこともあります。また、慢性的な倦怠感により、日中の活動意欲が低下し、集中力の低下や学業成績の悪化につながることもあります。これらの症状は、検査では異常が見つかりにくいため、周囲から理解されにくいという問題があります。
学校生活への影響と心理的負担
起立性調節障害の症状が続くと、遅刻や欠席が増え、学校生活に大きな支障が出ます。午前中の授業に参加できない、体育や部活動に参加しにくい、友人との関係が希薄になるなど、社会的な影響も無視できません。また、周囲から「怠けている」「やる気がない」と誤解されることで、本人は自己肯定感が低下し、不安や抑うつ状態に陥ることもあります。こうした心理的負担がさらに症状を悪化させる悪循環に陥る可能性もあるため、早期に適切な対応を行うことが重要です。家族や学校関係者が疾患について正しく理解し、サポート体制を整えることが求められます。
まとめ
起立性調節障害は、朝起きられない、立ちくらみ、午前中の不調といった症状が特徴的な疾患であり、思春期の子どもに多く見られます。自律神経の調節機能の問題が背景にあり、適切な診断と治療、生活習慣の改善、周囲の理解が症状の軽減につながります。症状が続く場合は、早めに専門の医療機関を受診し、個々の状態に合わせた対処法を見つけることが大切です。家族や学校と連携し、焦らず長期的な視点でサポートを続けることで、多くの方が日常生活を取り戻すことができます。


