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NASHの食事療法で「カロリー制限」はどのくらい必要? 肝臓を守るメニューの選び方とは【医師解説】

 公開日:2026/03/24

NASH治療の基本となるのが食事療法です。薬物療法と組み合わせて実施されることも多く、適切な食事管理により肝機能の改善や病状の進行抑制が期待できます。しかし、具体的にどのような食事を摂ればよいのか、どの程度のカロリー制限が必要なのか、疑問に感じる方も少なくありません。ここでは、日常生活で実践できる食事療法の具体的な方法について、カロリー管理やメニューの組み立て方を中心に詳しくご紹介します。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

NASHにおける食事療法の実践方法

食事療法はNASHの治療において最も基本的かつ重要な介入方法です。薬物療法と並行して、または単独で実施されることが多く、適切な食事管理により肝機能の改善や病状の進行抑制が期待できます。具体的な実践方法について解説します。

カロリー制限と体重管理の重要性

NASHの改善において、最も効果的とされるのが適切なカロリー制限による体重減少です。研究によれば、体重の7〜10%程度の減少で肝臓の脂肪蓄積や炎症マーカーが有意に改善することが示されています。ただし、急激な体重減少は逆に肝臓に負担をかける可能性があるため、月に1〜2kg程度のゆるやかなペースが推奨されます。
カロリー制限の具体的な方法としては、まず自分の基礎代謝量と活動量に応じた適正エネルギー量を把握することが重要です。一般的に、標準体重1kgあたり25〜30kcal程度を目安とし、肥満の程度や活動量に応じて調整します。食事記録をつけることで、自分の食習慣を客観的に把握し、改善点を見つけやすくなります。

具体的な食事メニューの組み立て方

NASH患者さんの食事メニューは、バランスと継続性を重視して組み立てることが大切です。主食には、白米よりも玄米や雑穀米、全粒粉パンなど食物繊維が豊富な穀物を選ぶことで、血糖値の急上昇を抑えられます。量は茶碗に軽く1杯程度を目安とし、おかずとのバランスを考えて調整します。
主菜には、脂身の少ない肉類(鶏むね肉、ささみ、赤身肉など)や魚類、大豆製品を中心に選びます。特に青魚は週に3〜4回程度取り入れることが理想的です。調理法は、揚げ物や炒め物よりも、蒸す、焼く、煮るなど油を控えめにした方法が適しています。
副菜には、緑黄色野菜を中心に、きのこ類や海藻類を組み合わせます。生野菜だけでなく、温野菜や煮物にすることで、量を多く摂りやすくなります。1日に350g以上の野菜摂取が推奨されており、毎食に必ず野菜を取り入れる習慣をつけることが重要です。

まとめ

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)は、生活習慣と密接に関連した疾患であり、食事や運動などの日常的な取り組みが改善の鍵となります。食べ物の選び方では、糖質や飽和脂肪酸を控え、食物繊維や良質な脂質、抗酸化物質を含む食品を積極的に摂取することが重要です。コーヒーの適度な摂取は肝保護効果が期待できますが、砂糖の添加は避けましょう。脂肪肝とNASHの違いを理解し、早期発見と適切な対応を心がけることで、重篤な肝疾患への進行を防ぐことができます。気になる症状や検査結果がある場合は、消化器内科や肝臓内科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。

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