めまいを伴う難聴は別の病気?突発性難聴とメニエール病の違いと受診のポイント

内耳の構造と障害のメカニズムを理解することで、突発性難聴がなぜ起こるのかが見えてきます。内耳にある蝸牛という器官の有毛細胞が、血流障害やウイルス感染によって急激にダメージを受けると考えられています。また、加齢性難聴やメニエール病など、他の難聴との違いを知ることで、早期発見につながります。ここでは発症の仕方や経過の特徴から、それぞれの疾患を見分けるポイントを解説します。

監修医師:
吉田 沙絵子(医師)
突発性難聴の基礎知識と他疾患との違い
突然の聞こえにくさには注意が必要です。ここでは、突発性難聴の原因や他疾患との違いを解説します。
内耳の仕組みと障害のメカニズム
内耳には蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる器官があり、音を電気信号に変換して脳に伝える役割を担っています。蝸牛の中には有毛細胞という感覚細胞が並んでおり、この細胞が音の振動を受け取って神経信号に変えています。
突発性難聴では、この有毛細胞やその周辺組織が何らかの理由で急激に障害を受けると考えられています。血流障害説では、内耳への血液供給が突然途絶えることで細胞が酸素不足に陥り、機能を失うとされています。一方、ウイルス感染説では、ウイルスが内耳に侵入して炎症を引き起こし、細胞を直接傷つけると推測されています。
突発性難聴と他の難聴の違い
突発性難聴は、発症の仕方や経過が他の難聴とは明確に異なります。加齢性難聴は両耳で徐々に進行するのに対し、突発性難聴は片耳に突然起こります。また、騒音性難聴は長期間の騒音曝露によって徐々に悪化しますが、突発性難聴には明らかな誘因がありません。
メニエール病も内耳の病気ですが、回転性のめまいを繰り返し、難聴も変動するという特徴があります。突発性難聴では、めまいを伴うことはありますが、メニエール病のように繰り返すことはなく、難聴も基本的には持続します。
急性中耳炎や滲出性中耳炎などの中耳の病気による難聴は、鼓膜や耳小骨の振動が妨げられることで起こる伝音難聴(音を伝える役割をもつ外耳や中耳に問題が生じ、音が内耳までうまく届かなくなるタイプの難聴)であり、突発性難聴の感音難聴とは障害部位が異なります。聴力検査を行えば、これらの違いは明確に判別できます。
まとめ
突発性難聴は、誰にでも起こり得る内耳の病気であり、その初期症状を見逃さないことが重要です。片耳の突然の難聴、耳鳴り、耳閉感といった症状に気づいたら、48時間以内の受診を目指しましょう。早期に治療を開始するほど、聴力が回復する可能性は高まります。受診が遅れても諦めず、2週間以内であれば治療効果が期待できることを覚えておいてください。症状に気づいたらすぐに行動し、専門医の診察を受けることが、大切な聴力を守る第一歩となります。