目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 病気の事典
  3. 突発性難聴の症状や原因、治療方法とは?

突発性難聴の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

突発性難聴(読み方:とっぱつせいなんちょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
森口誠 医師(森口耳鼻咽喉科院長)

突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)とは

突然の難聴

引用:くさの耳鼻咽喉科
http://www.kusano-jibika.com/illness/64

森口誠 医師(森口耳鼻咽喉科院長)監修ドクターのコメント

難聴という言葉に「全く聞こえない」というイメージを抱く人が多いのですが、実際は聞こえの程度は様々で、聴力障害を起こす周波数も人によって違います。このため、突発性難聴でも「何となく耳がおかしいかも」程度の症状しか自覚しない場合もあります。通常は片耳のみに症状が出て、電話の声が突然聞こえなくなって発症に気づく患者さんが少なくありません。また、低音だけ落ちた場合は、突発性難聴とは別の「急性低音障害型感音難聴」という病気と診断されます。

突発性難聴の症状

1.突然の難聴
2.耳鳴り(突発性難聴の約90%の患者様)
3.耳が詰まった感じ(突発性難聴の約60%の患者様)
4.めまい(突発性難聴の約30%の患者様)

引用:くさの耳鼻咽喉科
http://www.kusano-jibika.com/illness/64

森口誠 医師(森口耳鼻咽喉科院長)監修ドクターのコメント

突発性難聴になりやすいのは、ストレス、過労、睡眠不足を抱えていて、忙しくて無理を続けてきた人が多いです。症状が出やすいタイミングは、ストレスや疲れが溜まったときのほか、季節では春に多いと考えられています。これは、新年度を迎えて、進学、就職、職場の部署異動といった環境の変化から生じるストレスが関係しているとみられます。聞こえが悪くなる前兆として、耳鳴りを感じる人が多くなっています。注意したいのは同時にめまいも生じるケースです。めまいの症状に気を取られて、聞こえが悪くなっていることに気づかない場合があるのです。救急病院で耳鼻科がなく、治療が手遅れになるケースも少なくありません。

突発性難聴の原因

現時点では、原因解明ができていない病気であり、確実に治る治療法もまだ解っていません。

引用:くさの耳鼻咽喉科
http://www.kusano-jibika.com/illness/64

突発性難聴の検査法

聴力検査

引用:ながくら耳鼻咽喉科
https://nagakura-ac.com/%E7%AA%81%E7%99%BA%E6%80%A7%E9%9B%A3%E8%81%B4

森口誠 医師(森口耳鼻咽喉科院長)監修ドクターのコメント

この病気の診断基準としては、原因がはっきりしない難聴について突発性難聴という診断を下すことが定められています。聴力検査は、125Hz〜8000Hzの7つの周波数でそれぞれの聴力閾値を調べる「標準純音聴力検査」を実施します。めまいを伴う場合は、赤外線フレンツェル眼鏡を使った平衡機能検査も行います。また、難聴を伴う「聴神経腫瘍」との鑑別が必要な場合は、突発性難聴の治療の効果をみながらMRI検査を実施する場合もあります。

突発性難聴の治療方法

感音難聴の治療は、のみ薬が中心で、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)、利尿薬、ビタミン薬、血流改善薬などが使われます。副腎皮質ホルモン薬は、副作用が心配などといって、服用を控えようとする人もいるようです。

しかし、耳鼻咽喉科での副腎皮質ホルモン薬の継続服用は1~2週間程度なので、副作用が出ることはまずありません。勝手に服用を中止するとかえって悪化する危険もあるので、医師の指示に従って服用しましょう。

引用:日本橋大河原クリニック
http://www.ohkawara-clinic.com/column/nancho2.html

森口誠 医師(森口耳鼻咽喉科院長)監修ドクターのコメント

突発性難聴の治療は外来通院による点滴治療が中心です。入院を要するのは、めまいが起こっていたり、糖尿病でインスリンを使用していたり、透析をしていたりと、聴力以外の症状や病気がある場合です。私の診療経験では、軽度〜中等度の患者さんは治療によって元の聴力を回復しやすいと感じています。逆に治りが悪くなるのは、発症から治療開始まで時間が経過しているケースです。突発性難聴は早期治療が重要ですから、聞こえに異状を感じたら最低でも発症から3日以内に耳鼻科を受診してください。

この記事の監修ドクター

この記事の監修医師