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『高血圧』の治療には「何」のアプローチが必要? 生活習慣の改善と薬物療法を解説【医師監修】

 公開日:2026/03/17
高血圧の治療アプローチ

高血圧の治療は生活習慣の改善を基本として、必要に応じて薬物療法を組み合わせて行います。それぞれの方の血圧の程度や合併症の有無、年齢などに応じて最適な治療方針が立てられます。薬を使わずに血圧をコントロールできる場合もあれば、複数の薬を組み合わせる必要がある場合もあります。ここでは非薬物療法と薬物療法の両面から、高血圧治療の具体的なアプローチについて説明します。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

高血圧の治療アプローチ

高血圧の治療は生活習慣の改善を基本とし、必要に応じて薬物療法を併用します。個々の状態に応じた適切な治療により、血圧をコントロールし、将来の合併症を予防することが治療の目的です。

非薬物療法による血圧管理

生活習慣の修正は高血圧治療の基本であり、すべての高血圧の方に推奨されます。食塩制限は最も重要な対策で、1日6g未満を目標としますが、達成が難しい場合でも現在の摂取量から3g程度減らすだけでも効果が期待できます。加工食品や調味料に含まれる食塩に注意し、出汁や香辛料を活用して味付けを工夫します。
体重管理も重要で、BMI(体格指数)25未満を目標とします。個人差はあるものの肥満がある方では、体重を1kg減らすと収縮期血圧が約1〜2mmHg低下するといわれています。適切なカロリー制限と定期的な運動により、無理のない減量を目指します。
その他の生活習慣として、節酒(アルコール換算で男性は1日20〜30ml以下、女性は10〜20ml以下)、禁煙、十分な睡眠とストレス管理が推奨されます。これらの対策を組み合わせることで、薬を使わずに血圧が正常範囲に下がる方もいます。また、薬物療法が必要な場合でも、生活習慣の改善により使用する薬の量を減らせることがあります。

薬物療法の種類と選択基準

生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合や、高血圧が重症の場合、臓器障害がある場合などには薬物療法が開始されます。降圧薬には複数の種類があり、それぞれ作用機序が異なります。主な薬剤として、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、利尿薬などがあります。合併症によってはβ遮断薬などが選ばれることもあります。
薬の選択は、年齢や合併症の有無、他の病気の有無などを考慮して行われます。たとえば、糖尿病や腎臓病を合併している場合には、これらの臓器を保護する効果があるACE阻害薬やARBが優先的に選択されることがあります。高齢者では転倒リスクを考慮した薬の選択が必要です。
単剤で十分な降圧が得られない場合は、作用機序の異なる薬を組み合わせて使用します。複数の薬を少量ずつ併用することで、副作用を抑えながら効果的に血圧を下げることができます。薬物療法を始めた後も、定期的な血圧測定と医師の診察により、薬の効果と副作用を確認しながら調整していきます。最近は、服薬数を減らすために2種類の薬を1錠にまとめた合剤が使われることもあります。

まとめ

高血圧は適切な管理により、健康な生活を維持することができる病気です。自覚症状が乏しくても、定期的な血圧測定と生活習慣の見直しを続けることが重要です。血圧が高めと指摘された方は早めに医療機関を受診し、専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。すでに治療中の方は、自己判断で薬を中断せず、医師の指示に従って継続的に管理していくことが、将来の合併症予防につながります。

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