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あの“恐ろしい病気”が防げる時代に! 「エボラワクチン」の効果と今の状況

 公開日:2026/02/26
あの“恐ろしい病気”が防げる時代に! 「エボラワクチン」の効果と今の状況

ワクチンの登場は、エボラ出血熱の流行抑制に大きく貢献しています。誰が、どのような形で接種対象となるのかを知ることは重要です。ワクチンの効果や接種戦略を理解することで、予防の現状が明確になります。

吉野 友祐

監修医師
吉野 友祐(医師)

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広島大学医学部卒業。現在は帝京大学医学部附属病院感染症内科所属。専門は内科・感染症。日本感染症学会感染症専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医。帝京大学医学部微生物学講座教授。

エボラウイルスワクチンの開発と実用化

予防は治療に勝るという原則は、エボラ出血熱においても当てはまります。ワクチンの開発と実用化は、流行の抑制に重要な役割を果たしています。

承認されたワクチンの種類と効果

エボラウイルスに対するワクチンは、長年の研究を経て実用化されました。2019年、世界保健機関(WHO)とヨーロッパ医薬品庁、アメリカFDAなどが相次いでエボラワクチンを承認しました。主要なワクチンの一つは、弱毒化したウイルスベクターにエボラウイルスの遺伝子を組み込んだタイプです。このワクチンは1回接種で、接種後10日程度で免疫が獲得されます。

臨床試験では、ワクチン接種者の感染予防効果は高いことが示されました。もう一つのワクチンは2回接種が必要なタイプで、長期的な免疫を提供する可能性があります。これらのワクチンは、流行地域での医療従事者や接触者への接種、いわゆる「リング接種戦略」に使用され、流行の拡大を抑制する効果を発揮しています。

ワクチン接種の対象と実施状況

エボラワクチンは、すべての方に対して定期接種されるものではなく、リスクの高い特定の集団に対して接種されます。主な対象は、流行地域で患者さんのケアに当たる医療従事者や、患者さんと接触した可能性のある方々です。リング接種という戦略では、患者さんの周辺にいた接触者とその接触者(二次接触者)を特定し、その方々にワクチンを接種することで、感染の輪が広がるのを防ぎます。

この方法は、2014年から2016年の西アフリカ流行時に試験的に実施され、高い効果が確認されました。その後の流行でもこの戦略が採用されています。流行地域以外では、エボラウイルスを扱う研究者や、流行地域への医療支援に参加する予定の医療従事者などが接種対象となる場合があります。ワクチンも治療薬と同様に冷蔵保管が必要であり、流行地域への迅速な供給と適切な保管体制の確保が課題となっています。

まとめ

日本に住む私たちにとって、エボラ出血熱は直接的な脅威ではありませんが、グローバル化が進む現代において無関係ではありません。流行地域への渡航を予定されている方は、現地の情報を確認し、適切な予防行動を取ることが大切です。帰国後に発熱などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関に連絡し、渡航歴を伝えましょう。正確な情報に基づいた冷静な対応が、自分自身と周囲の方々の健康を守ることにつながります。

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