もしお風呂で倒れていたら?家族で「ヒートショック」を防ぐ緊急時の備え【医師解説】

高齢者や基礎疾患のある方がいるご家庭では、家族による見守りと適切なサポートが予防と早期発見の鍵となります。入浴時の声かけや安全確認の方法、万が一の際の初期対応について知っておくことで、大切な家族の健康と安全を守ることができます。

監修医師:
滝村 英幸(医師)
2006年4月 聖マリアンナ医科大学病院 初期臨床研修医
2008年4月 済生会横浜市東部病院 循環器内科
2016年12月 総合東京病院(東京都中野区) 循環器内科
2017年 総合東京病院(東京都中野区) 心臓血管センター
2022年4月 総合東京病院(東京都中野区) 心臓血管センター 循環器内科 心臓血管インターベンション科 科長
【専門・資格・所属】
内科・循環器内科一般
冠動脈カテーテルインターベンション治療
末梢血管カテーテル治療
フットケア
心血管超音波検査
日本内科学会認定内科医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定心血管カテーテル治療専門医
日本心エコー図学会SHD心エコー図認定医
家族ができるヒートショックの見守りと対応
高齢者や基礎疾患を持つ方がいる家庭では、家族による見守りと適切な対応がヒートショックの予防や早期発見に役立ちます。家族ができる具体的なサポート方法を知っておくことが大切です。
入浴時の声かけと安全確認
入浴前には、体調を確認する声かけを行いましょう。食後すぐや飲酒後、体調不良時の入浴は避けるべきです。また、入浴中は5〜10分ごとに「大丈夫?」「具合はどう?」と声をかけ、返事を確認します。返事がない、または変わった様子が感じられた場合は、すぐに浴室を確認する必要があります。
浴室のドアは内側から施錠しないよう家族で取り決めておくことも大切です。緊急時にすぐに対応できるよう、簡単に開けられる状態にしておくことが推奨されます。
また、浴室内に手すりを設置する、滑り止めマットを敷くなど、転倒を防ぐための環境整備も効果的です。万が一意識を失ったり、めまいで倒れたりした場合に、二次的な怪我を防ぐことができます。
携帯電話や緊急ブザーを脱衣所に置いておく、浴室内に防水タイプの呼び出しブザーを設置するといった対策も検討する価値があります。異変を感じたときにすぐに助けを呼べる手段があることは、大きな安心につながります。
緊急時の初期対応と救急連絡
意識がある場合は、まず安全な場所に移動させ、横向きに寝かせて安静にします。嘔吐する可能性があるため、仰向けではなく横向きの姿勢が推奨されます。衣服を緩め、呼吸がしやすいようにします。無理に水を飲ませたり、身体を動かしたりすることは避けましょう。
意識がない、または呼びかけに反応しない場合は、ただちに119番通報を行います。通報時には、「意識がない」「呼吸の状態」「入浴中の事故」などの情報を明確に伝えます。
胸の痛みや麻痺などの症状が現れた場合も、すぐに救急車を呼ぶべきです。心筋梗塞や脳卒中が疑われる場合、一刻も早い専門的な治療が必要になります。「様子を見よう」と判断を遅らせることなく、迷わず救急要請を行うことが重要です。
まとめ
ヒートショックは、正しい知識と日常的な対策によって予防できる健康リスクです。めまいや立ちくらみ、動悸などの初期症状を見逃さず、急激な温度変化による血圧変動の仕組みを理解することが重要となります。特に高齢者や基礎疾患のある方はリスクが高いため、室温管理や入浴方法の工夫、トイレや廊下、早朝・夜間など注意が必要な場面を把握しておくことが欠かせません。あわせて、家族による見守りや緊急時の対応を共有しておくことで、万が一の事態にも備えやすくなります。
住環境の改善や生活習慣の見直しを含め、できる対策から無理なく実践していきましょう。少しでも不安や症状がある場合は、早めに医療機関へ相談することが、冬を安全に過ごすための大切な一歩となります。
参考文献




