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カフェイン中毒、病院ではどんな治療をするのか?処置の流れや入院の必要性とは【医師解説】

 公開日:2026/02/05

重度のカフェイン中毒や慢性的な依存状態では、医療機関での専門的な治療が必要になる場合があります。カフェインに対する特異的な解毒剤は存在しないため、治療は症状を緩和しながら身体からの排泄を待つ支持療法が中心となります。症状の程度に応じて入院治療や薬物療法、心理的サポートが提供されます。ここでは、医療機関で行われる具体的な治療内容と、治療の流れについて詳しくご紹介します。

小坂 真琴

監修医師
小坂 真琴(医師)

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2022年、東京大学医学部卒業
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当

医療機関での治療内容

重度のカフェイン中毒や慢性的な依存状態では、医療機関での専門的な治療が必要になることがあります。治療内容は症状の程度や患者さんの状態に応じて個別に決定されますが、基本的には支持療法と呼ばれる対症療法が中心となります。カフェインに対する特異的な解毒剤は存在しないため、症状を緩和しながら身体からカフェインが排泄されるのを待つことが主な治療方針です。

医療機関では、詳細な問診と身体診察、必要に応じて血液検査や心電図検査などを行い、症状の重症度や合併症の有無を評価します。これに基づいて、入院治療が必要か外来治療で対応可能かを判断します。

急性期の医療処置

急性カフェイン中毒で救急搬送された場合、まず生命維持に必要な処置が行われます。バイタルサインの確認と安定化、酸素投与、静脈路確保といった基本的な処置に加え、症状に応じた対症療法が実施されます。動悸や不整脈に対しては心電図モニタリングを行い、必要に応じてベータ遮断薬などの薬が使用されます。

高血圧や頻脈が著しい場合は、ベータ遮断薬が投与されることがあります。痙攣が起きている場合は、抗痙攣薬が用いられます。吐き気や嘔吐に対しては制吐薬が処方され、脱水症状があれば輸液療法が行われます。摂取直後であれば、胃洗浄や活性炭投与によってカフェインの吸収を抑える処置が検討されることもあります。

慢性依存への治療アプローチ

慢性的なカフェイン依存に対しては、段階的な減量プログラムと心理的サポートが治療の中心となります。医師や管理栄養士の指導のもと、個別の減量計画が作成されます。離脱症状が強い場合は、鎮痛薬や抗不安薬が一時的に処方されることもあります。

カフェイン依存の背景には、睡眠障害、ストレス、不安障害といった問題が潜んでいることも少なくありません。これらの根本的な問題に対処するため、睡眠衛生指導、ストレス管理法、必要に応じて精神科的治療が併用されることがあります。定期的な外来受診により、摂取量の推移や症状の改善を確認し、治療計画を調整していきます。

まとめ

カフェイン中毒は、カフェインの過剰摂取によって引き起こされる健康被害であり、適切な知識と対処法を身につけることで予防可能です。急性中毒では動悸、震え、吐き気といった症状が現れ、重症例では生命に関わることもあります。慢性的な依存状態では、離脱症状により日常生活に支障をきたすことがあります。

安全な摂取量は健康な成人で1日400mg以下が目安ですが、個人差が大きいため、自身の体質を理解することが重要です。症状が現れた際は、カフェイン摂取を中止し、水分補給と安静を心がけ、重度の場合は速やかに医療機関を受診してください。日常生活では摂取量を記録し、代替飲料を活用するなど、カフェインとの健全な付き合い方を実践することが大切です。

気になる症状がある方や依存状態が疑われる方は、医療機関に相談し、適切な支援を受けることをおすすめします。カフェインは適量であれば日常生活を豊かにする有益な物質ですが、過剰摂取には十分な注意が必要です。正しい知識を持ち、自身の身体と向き合いながら、安全にカフェインを活用していきましょう。

この記事の監修医師