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「カフェイン中毒」になると現れる症状はご存知ですか?医師が監修!

 公開日:2023/06/12
「カフェイン中毒」になると現れる症状はご存知ですか?医師が監修!

カフェインはある程度の量を守って摂取していれば特に害はありませんが、基準を超えてしまうと中毒になる可能性も考えられます。

日頃からコーヒーなどを飲んでいる方であれば体調不良の原因が飲み物であることに気づきにくく、対策をせずに飲み続けてしまう方もいるでしょう。

では、万が一中毒を引き起こした場合は、どのような症状が出て、どのような治療をするといいのでしょうか。今回は症状・治療法のほかにもカフェインが多く含まれている食品を紹介しているので、参考にしてみてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

カフェイン中毒の症状や背景

頭痛

カフェインを過剰摂取すると中毒になりますか?

カフェインは規定内の量であれば体に影響を与えませんが、過剰に摂取すると体調が悪くなったり、中毒症状を引き起こしたりする可能性があります。眠気を覚まそうとしたり、やる気を出そうとするときについ摂ってしまう方も多いですが、「テンションが高まるから」や「シャキッとできるから」といって過剰に摂取しないように気を付けましょう。
ただ食べ物や飲料によって含まれている量は異なり、チョコレートや緑茶などの含有量は少ないものの、エナジードリンクなどには多く含まれています。数回に分けて摂取していない場合でも、カフェインを含む量が多いと1回で大量に摂取することになるため気を付けましょう。

カフェイン中毒の症状を教えてください。

頭痛や嘔吐の症状が見られ、鉄や亜鉛などのミネラルを上手く吸収できなくなることで貧血を引き起こす場合があります。また興奮状態に陥り落ち着きがなくなることで、普段とは違った行動をしたり、寝つきが悪かったりする場合もあるでしょう。
カフェイン中毒になる前でも、多く摂りすぎてしまうと頭痛・胃の痛み・めまいなどの症状が現れ、普段とは違った異変を感じます。摂りすぎないように気を付けることはもちろんですが、もしもカフェインを摂取したことで異変を感じたのであれば、一旦摂取を控え、医師に相談してみましょう。

カフェイン中毒が若者に多いのはなぜですか?

カフェインといえばコーヒー・チョコレートなどをイメージする方も多いのではないでしょうか。しかしカフェインは眠気覚ましや気力を高めるときに用いられるエナジードリンクにも含まれています。
特にエナジードリンクはコーヒーやチョコレートよりも含有量が多く、1本飲むだけでコーヒーの2倍以上にもあたる量を摂り入れることになる場合もあるでしょう。中でも若者は勉強時の眠気覚ましとしてエナジードリンクを飲んだり、ゲーム中にやる気をアップするためにエナジードリンクを飲んだりします。その結果カフェインの摂取量が多くなるため、中毒者の中には若者が多いといえるのです。

どれくらいの量を摂取すると中毒になるのですか?

カナダ保健省(HC)では過量服用量の中央値は7.2g =7,200mgと報告されています。これはかなり多い量で、飲料によるものとしてはほぼ不可能な量です。多くは錠剤による中毒と報告されているため、カフェイン錠剤の摂取には十分に気を付けてください。また、中毒を起こす服用量には個人差もあるため、一概に「この量を超えたら中毒になる」とはいいきれません。
特に妊婦や体調が優れない方はカフェインの摂取を控えたり、最小限の量にしたりする工夫が必要になります。

カフェイン中毒の治療方法

ドクター

カフェイン中毒かどうか調べる方法は?

症状でみられる頭痛・吐き気・胃痛や異常な落ち着きのなさを感じるとカフェインを摂りすぎている可能性が考えられ、カフェイン中毒を引き起こしている場合もあります。
ただこのような症状がみられても、別の症状が現れてしまう可能性もあるので、すべてカフェイン中毒とは判断できません。体に異変を感じた場合は医師に相談してみることをおすすめします。

カフェイン中毒の治療方法を教えてください。

カフェインの摂取によって体調が悪くなった場合は、まず体内のカフェインを薄めることが重要です。血中カフェインの濃度が自然に低くなるのを待ってみるのも有効ですが、重い症状が現れているのであれば、胃の中の洗浄など適切な治療を施される場合もあるでしょう。
またカフェイン中毒の影響で頭痛を感じる方もいますが、鎮痛薬にもカフェインが含まれているものもあります。この場合は鎮痛薬を処方されないか、ノンカフェインの鎮痛薬を処方される場合もあるでしょう。

カフェイン中毒の予防や注意する食材

ブラックコーヒー

カフェイン中毒を予防する方法はありますか?

発症を防ぐには、まずカフェインを摂りすぎないことが大切です。摂取の基準を設けられていますが、全ての方がこの基準に当てはまるわけではありません。実際にカフェインを摂ってみて、どのくらい飲むと不調になるのかを把握しておく必要があるでしょう。
またコーヒーやお茶を高い頻度で飲んでいる方であれば、ノンカフェインのタイプを選んでみることも有効です。カフェインは眠気覚ましややる気アップの期待ができる頼もしい成分なので、摂取量を考えて上手く飲むようにしましょう。

カフェインを多く含む食品を教えてください。

カフェインはエナジードリンク・コーヒーに多く含まれています。商品によって多少の誤差はありますが、ウーロン茶・ココアなどに比べると含有量が多いです。そのためエナジードリンクとコーヒーを一緒に飲むと一気に摂取量が増えてしまうので気を付けましょう。
ほかにも眠気覚ましドリンク・玉露なども多く含まれているので、含有量を確認してから飲むことをおすすめします。また食品以外にも各薬でカフェインが含まれているものもあるので、ほかにカフェインを多く含む食品を食べたときは、内容を確認してから飲むようにしましょう。

急にカフェインの摂取をやめるとどうなりますか?

カフェインは量を誤ると体調不良になったり、普段とは違った異変を感じたりする可能性もあるため「カフェインは摂らないようにしよう」と感じる方も中にはいるのではないでしょうか。
しかし急にカフェイン断ちをすると離脱症状が現れるため、それはそれで頭痛・眠気であったり疲労感が伴う場合もあるので、急に摂取をやめることはおすすめしません。また体の調子が悪くなるほかにも、イライラしやすくなったり憂鬱な気分になったりと精神的にもダメージを与える場合もあります。症状が重くなると日常生活や仕事に影響を与える可能性もあるため注意しましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

日々のルーティンとしてコーヒーやエナジードリンクを飲む方が多いですが、1歩間違えると中毒を引き起こしてしまう可能性もあるため、カフェインの含有量に気を付けながら飲む必要があります。特にエナジードリンクは気分を高めたり、気持ちをシャキッとさせたりするときによく飲まれていますが、カフェインが多く含まれている商品もあるため、注意したいところです。万が一、体に異常を感じた場合は摂取を控えるほか、医師に相談してみることをおすすめします。
またカフェインの摂りすぎに気を付けるためにカフェイン断ちを試みる方もいますが、急にやめるのも良くありません。急なカフェイン断ちによって肉体的・精神的にも影響を与える可能性があるため、徐々に量を減らして体を慣らしていきましょう。

編集部まとめ

爽やかな朝
カフェインが含まれる食べ物や飲み物は、朝のルーティンだったり目をスッキリさせるアイテムとして多くの方に親しまれています。

しかし摂取量に気を付けないと体のコンディションが悪くなったり、変に気持ちが高ぶってしまい集中できなくなったりといった好ましくない影響を与える可能性もあるので、気を付けましょう。

またカフェインの影響には個人差もあるため、妊婦・子供・体調不良の方は気分を悪くしやすいのでカフェインを控える必要もあります。

カフェインという物質は普段から親しみのあるものですが、気軽に眠気覚ましなどの用途で錠剤等を使いすぎてしまうとカフェイン中毒を起こす可能性があるため注意が必要です。

過度に摂取せず、安全な量を守ってカフェインと上手く付き合っていきましょう。

この記事の監修医師