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家族にがんが多いなら知っておきたい「遺伝カウンセリング」と遺伝学的検査の実際【医師解説】

 公開日:2026/02/03
遺伝カウンセリングと遺伝学的検査の実際

遺伝カウンセリングや遺伝学的検査は、正しい情報提供と心理的サポートのもとで行われます。家族歴や病歴の詳細な聞き取りから始まり、遺伝性腫瘍の可能性を評価し、必要に応じて遺伝学的検査が提案されます。検査を受けるかどうかは本人の自由意思で決められ、結果が陽性であった場合にはリスクに応じた予防策や定期的な検査が計画されます。検査には限界もあるため、結果を過度に恐れず、適切な予防策や検診を続けることが大切です。

小坂 真琴

監修医師
小坂 真琴(医師)

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2022年、東京大学医学部卒業
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当

遺伝カウンセリングと遺伝学的検査の実際

遺伝カウンセリングや遺伝学的検査は、正しい情報提供と心理的サポートのもとで行われます。自分や家族の健康を守るための選択肢として、適切に活用することが重要です。

遺伝カウンセリングの流れ

遺伝カウンセリングは、まず家族歴や病歴の詳細な聞き取りから始まります。カウンセラーは家系図を作成し、がんの発症年齢や種類、親族の範囲などを整理します。その情報をもとに、遺伝性腫瘍の可能性を評価し、遺伝学的検査が有用かどうかを判断します。
検査を受けるかどうかは本人の自由意思で決められます。検査のメリットやデメリット、結果が陽性または陰性だった場合にどのような対応があるか、家族への影響なども含めて、十分な説明が行われます。検査を受けないという選択も尊重され、その場合は家族歴に基づいた予防策や検診の計画が提案されます。
検査結果が出た後も、継続的なフォローアップが行われます。陽性の場合は、リスクに応じたサーベイランスや予防的介入が計画され、必要に応じて専門医への紹介が行われます。陰性の場合でも、家族歴が気になる方には定期的な検診が推奨されることがあります。遺伝カウンセリングは、単に検査を受けるためだけでなく、自分の健康について考える機会としても意味があります。

遺伝学的検査の意義と限界

遺伝学的検査は、特定の遺伝子変異の有無を調べる検査であり、がんの発症リスクを評価する手段です。しかし、検査で陰性であったとしても、がんを発症しないという保証にはなりません。遺伝性腫瘍に関与する遺伝子は複数あり、すべてを網羅的に調べることは難しい場合もあります。
また、遺伝子変異が見つかったとしても、必ずしもがんを発症するわけではありません。発症リスクは高まりますが、生涯で発症しない方もいます。そのため、検査結果を過度に恐れず、適切な予防策や検診を続けることが大切です。
遺伝学的検査は保険適用される場合と自由診療となる場合があります。特定の条件を満たす場合、たとえばすでに乳がんや卵巣がんを発症している方や、家族歴が明確な場合には、保険適用で検査を受けられることがあります。費用や検査内容については、遺伝カウンセリングの際に詳しく説明されます。検査を受けるかどうかは、これらの情報を踏まえて慎重に判断することが求められます。

まとめ

がんは誰にでも起こり得る病気ですが、正しい知識を持ち、日々の生活習慣を整え、定期的な検診を受けることで、リスクを下げ、早期発見につなげられる可能性があります。食べ物や運動、遺伝、症状について理解を深めることは、自分自身と大切な方の健康を守る第一歩です。少しでも気になる症状があれば、躊躇せず医療機関に相談し、専門医の診察を受けましょう。早期発見と適切な治療により、多くのがんは克服できる時代です。今日から実践できることを一つずつ始め、健やかな毎日を築いていきましょう。

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