γ-GTPが高いのはお酒のせい? “メタボリックシンドローム”や“糖尿病”との関係を医師が解説

γ-GTPの上昇はメタボリックシンドロームと強く関連しています。内臓脂肪の蓄積を基盤として、高血圧や脂質異常症、高血糖といった危険因子が重なると、心血管疾患のリスクも高まります。動脈硬化の進行や糖尿病との相互作用についても理解を深め、総合的な健康管理を心がけることが大切です。

監修医師:
藤原 大輔(医師)
1999年香川大学卒業
1999年4月香川大学放射線科勤務
2000年4月岡山大学第二内科勤務
2000年6月十全総合病院勤務
2001年6月岡山赤十字病院勤務
2011年5月クリニック開業
2022年8月以降体調不良により離職中
【免許・資格】
総合内科専門医
消化器内視鏡学会専門医
消化器病学会専門医
目次 -INDEX-
メタボリックシンドロームとの関連
近年の研究では、γ-GTPの上昇がメタボリックシンドロームと強く関連していることが明らかになっています。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積を基盤として、高血圧、脂質異常症、高血糖といった複数の危険因子が重なった状態を指します。
γ-GTPが高い方は、こうしたメタボリックシンドロームの構成要素を併せ持つことが多く、心血管疾患のリスクも高まることが報告されています。特に、肥満や糖尿病がある方では、肝臓に脂肪が蓄積しやすく、MASLD/NAFLDを発症するリスクが高まります。
動脈硬化との関係
γ-GTPが高い人ほど、動脈硬化が進みやすいことが研究で示されています。つまり、γ-GTP高値は動脈硬化の進行と相関する可能性がある指標として注目されています。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な心血管疾患のリスクが高まります。
実際、γ-GTPが高い方では、心血管疾患による死亡率が1.2〜2倍程度上昇するという疫学研究の結果も報告されています。このため、γ-GTPの管理は肝臓の健康だけでなく、全身の血管の健康を守るうえでも重要な意味を持ちます。
糖尿病との相互作用
γ-GTPと糖尿病は、相互に影響を及ぼし合う関係にあります。肝臓に脂肪が蓄積すると、インスリンの働きが悪くなり、血糖値が上昇しやすくなります。一方で、糖尿病があるとMASLD/NAFLDを合併しやすく、その結果としてγ-GTPが上昇する場合があります。
糖尿病がある方では、定期的にγ-GTPを含む肝機能検査を受けることが推奨されます。血糖コントロールと肝機能の管理を同時に行うことで、合併症のリスクを減らし、生活の質を維持することができます。
まとめ
γ-GTPは肝臓や胆道の健康状態を示す重要な指標であり、数値の上昇は肝細胞の障害や胆汁うっ滞を反映しています。主な原因としてアルコールの過剰摂取が知られていますが、肥満や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病、薬剤の影響、胆道系疾患なども関与します。高い状態を放置すると肝硬変や肝がんへと進行するリスクがあるため、早期の対処が不可欠です。改善には食事の見直し、運動習慣の確立、禁酒や節酒が有効であり、必要に応じて医療機関での治療を受けることが大切です。定期的な検査で数値の推移を確認し、専門医の指導のもと適切な管理を続けることで、肝臓の健康を守り、全身の健康維持につなげることができます。
参考文献