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「透析」と言われたらどうすればいい?透析を検討すべき時期と導入のサイン【医師解説】

 公開日:2026/02/01
慢性腎臓病の進行と透析療法

慢性腎臓病が進行し、保存的治療では症状のコントロールが難しくなった場合、透析療法や腎移植といった腎代替療法が検討されます。透析導入は人生の大きな転換点となるため、十分な準備と理解が必要です。適切な時期に治療を開始することで、より良い状態を維持できます。

井筒 琢磨

監修医師
井筒 琢磨(医師)

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

慢性腎臓病の進行と透析療法

慢性腎臓病が進行し、腎機能が一定レベル以下になると、透析療法や腎移植といった腎代替療法が必要になることがあります。適切な時期に治療を開始することが、生活の質を保つ上で重要です。

透析導入のタイミング

透析導入のタイミングは、腎機能の数値だけでなく、症状や生活への影響も考慮して決定されます。一般的には、eGFRが15未満になると透析の検討が始まります。ただし、強い尿毒症の症状がある場合や、心不全、高カリウム血症など生命に関わる状態がある場合は、より早い段階で導入されることもあります。

透析導入のサインとしては、倦怠感、食欲不振、吐き気、息切れ、浮腫の悪化などがあります。これらの症状が日常生活に大きな支障をきたす場合、透析の開始が考慮されます。導入時期については、医師と十分に話し合い、納得した上で決定することが大切です。

透析を始める前には、準備が必要です。血液透析を行う場合は、あらかじめ血管にシャント(血液の出入り口)を作る手術を受けます。腹膜透析を行う場合は、お腹にカテーテルを留置する手術が必要です。これらの準備は、透析開始の数ヶ月前から計画的に行われます。

透析療法の種類

透析療法には、血液透析と腹膜透析の2種類があります。血液透析は、機械を使って血液中の老廃物や余分な水分を除去する方法です。通常、週に3回、1回4時間程度、医療機関で治療を受けます。シャントから血液を取り出し、透析器で浄化した後、身体に戻します。

血液透析のメリットは、医療機関で専門スタッフのもと治療を受けられることです。透析の間は安静にしている必要がありますが、その間に読書をしたり、音楽を聴いたりすることもできます。デメリットは、週に3回の通院が必要なことや、食事や水分の制限が厳しいことです。

腹膜透析は、お腹の中の腹膜を利用して老廃物を除去する方法です。透析液をお腹に入れ、一定時間置いた後に排出します。この操作を1日に数回、自宅で行います。または、夜間に機械を使って自動的に行う方法もあります。

腹膜透析のメリットは、通院回数が少なく、自分のペースで生活できることです。食事や水分の制限も、血液透析に比べて緩やかです。デメリットは、自己管理が必要なことや、感染のリスクがあることです。どちらの方法を選ぶかは、生活スタイルや身体の状態、本人の希望などを考慮して決定されます。

まとめ

慢性腎臓病は、早期発見と適切な管理により、進行を遅らせることが可能な病気です。健康診断でクレアチニン値の異常を指摘された場合は、速やかに医療機関を受診し、精密検査を受けることが重要です。

食事療法、薬物療法、生活習慣の改善を組み合わせた総合的なアプローチにより、腎臓の機能を守ることができます。定期的な検査で状態を把握し、医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った治療を続けていきましょう。

病気の進行には個人差があり、治療の効果も異なります。不安や疑問があれば、遠慮せず医療スタッフに相談することをおすすめします。適切なサポートを受けながら、前向きに病気と向き合うことが大切です。

この記事の監修医師