健康診断で「腎臓」の異常が出たら?腎臓を守る受診のタイミングと検査内容【医師解説】

健康診断で腎機能の異常が見つかった場合、そこで終わりではありません。より詳しい検査を受けることで、腎臓の状態を正確に把握し、適切な治療方針を立てることができます。検査結果によっては経過観察で済む場合もあれば、積極的な治療介入が必要な場合もあります。

監修医師:
井筒 琢磨(医師)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会
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健康診断後の精密検査と受診の流れ
健康診断で腎機能の異常を指摘された場合、速やかに医療機関を受診し、精密検査を受けることが推奨されます。早期の段階で適切な対応を始めることが、腎臓を守ることにつながります。
受診すべきタイミングと診療科
健康診断の結果で「要精密検査」や「要医療」と判定された場合は、できるだけ早く受診しましょう。特にクレアチニン値が基準値を超えている場合や、タンパク尿が2+以上検出された場合は注意が必要です。また、血尿が持続している場合も、早めの受診が望まれます。
受診する診療科は、内科または腎臓内科が適切です。腎臓内科は腎臓病を専門とする診療科で、より詳しい検査や専門的な治療を受けられます。かかりつけ医がいる場合は、まずそこで相談し、必要に応じて腎臓内科への紹介を受けることもできます。
受診時には、健康診断の結果票を持参しましょう。過去の検査結果があれば、それも持参すると経過を把握しやすくなります。また、現在服用している薬や既往歴、家族歴なども医師に伝えることが重要です。これらの情報は、正確な診断と適切な治療方針の決定に役立ちます。
精密検査の内容
医療機関では、さらに詳しい検査が行われます。血液検査では、クレアチニンだけでなく、尿素窒素、電解質、貧血の有無なども調べます。慢性腎臓病が進行すると、貧血やカリウム値の異常が見られることがあるためです。
尿検査では、タンパク尿の量を正確に測定します。24時間蓄尿検査や、随時尿でのタンパク・クレアチニン比の測定などが行われます。また尿中の赤血球や白血球、円柱などの成分を顕微鏡で観察し、腎臓の障害の種類を推定します。
画像検査も重要です。超音波検査(エコー)では、腎臓の大きさや形、結石の有無などを確認できます。腎臓が小さくなっている場合は、慢性的な障害が進行している可能性があります。必要に応じて、CT検査やMRI検査が行われることもあります。これらの検査結果を総合的に評価し、診断と治療方針が決定されます。
まとめ
慢性腎臓病は、早期発見と適切な管理により、進行を遅らせることが可能な病気です。健康診断でクレアチニン値の異常を指摘された場合は、速やかに医療機関を受診し、精密検査を受けることが重要です。
食事療法、薬物療法、生活習慣の改善を組み合わせた総合的なアプローチにより、腎臓の機能を守ることができます。定期的な検査で状態を把握し、医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った治療を続けていきましょう。
病気の進行には個人差があり、治療の効果も異なります。不安や疑問があれば、遠慮せず医療スタッフに相談することをおすすめします。適切なサポートを受けながら、前向きに病気と向き合うことが大切です。




