目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 急に大きくなるほくろは要注意!病的な変化のサインと良性との違いを解説

急に大きくなるほくろは要注意!病的な変化のサインと良性との違いを解説

 公開日:2025/12/16
ほくろが大きくなる理由

ほくろが大きくなる背景には、生理的な成長と病的な変化の両方が存在します。小児期から思春期にかけては身体の成長に伴ってほくろも拡大することがあり、これは正常な発達過程の一部です。成人以降も緩やかに大きくなることはありますが、急速な拡大や形状の変化は注意を要します。妊娠中や経口避妊薬の使用時には女性ホルモンの影響で変化することもあり、こうした変化の見極めが大切です。

高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

プロフィールをもっと見る
防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

ほくろが大きくなる理由

ほくろが大きくなる背景には、生理的な成長と病的な変化の両方が存在します。小児期から思春期にかけては身体の成長に伴ってほくろも拡大することがあり、これは正常な発達過程の一部です。成人以降も緩やかに大きくなることはありますが、急速な拡大や形状の変化は注意を要します。

ほくろの増大には、メラノサイトや母斑細胞の増殖、周囲組織の変化、ホルモンの影響などが関与します。妊娠中や経口避妊薬の使用時には、女性ホルモンの影響でほくろが濃くなったり大きくなったりすることが知られています。これらの変化は多くの場合良性ですが、急激な変化や不規則な形状への移行が見られる場合は、メラノーマとの鑑別が必要です。

良性ほくろの成長パターン

良性のほくろは通常、数年から数十年かけて徐々に大きくなります。平坦だったほくろが隆起してくることもあり、これは母斑細胞が真皮内で増殖するためです。色調は均一なまま維持されるか、加齢とともにやや薄くなることもあります。大きさは5から6mm程度で成長が止まることが多く、それ以上に拡大し続けることは稀です。

隆起性のほくろは表面が滑らかで、時に毛が生えていることもあります。毛が生えているほくろは良性である可能性が高いとされますが、絶対的な指標ではありません。加齢とともにほくろの数が増える方もいれば、既存のほくろが薄くなって目立たなくなる方もいます。個人差が大きく、一概に正常・異常を判断することは困難です。

病的な増大を疑うべきサイン

短期間で明らかに大きくなるほくろは、メラノーマの可能性を考慮すべきです。特に成人以降に新たに出現したほくろが急速に拡大する場合は、早期受診が推奨されます。大きさだけでなく、形の非対称性、辺縁の不整、色調の不均一、表面の潰瘍化といった変化が伴う場合は、より強く悪性を疑います。

ほくろの周囲に赤みや腫れが生じる、触ると硬い、出血しやすいといった症状も警戒すべきサインです。既存のほくろが痒くなったり痛みを伴ったりする場合も、変化の兆候として注意が必要です。これらの症状は必ずしもメラノーマを意味するわけではありませんが、専門医による評価を受けることで安心が得られます。

まとめ

ほくろは日常的に目にする皮膚病変ですが、時に悪性黒色腫であることがあります。形状の非対称性、辺縁の不整、色調の不均一、直径の増大、経時的変化といった特徴を持つ場合は、早期に皮膚科を受診することが重要です。

メラノーマは早期発見により治療の選択肢が広がり、予後の改善が期待できます。日常的な皮膚の観察を習慣化し、異常があれば自己判断せずに専門医の診察を受けることが大切です。

この記事の監修医師