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メラノーマと診断されたら?転移を確認するCTやPET検査、センチネルリンパ節生検

 公開日:2025/12/13
メラノーマの検査

メラノーマと診断された際には、病期を正確に把握するための全身検査が行われます。CT・MRI・PET-CTといった画像検査でリンパ節転移や遠隔転移の有無を調べ、センチネルリンパ節生検では最初にリンパ液が流れ込む節を確認します。血液検査では腫瘍マーカーや全身状態を評価し、治療方針の決定や経過観察に活用されます。これらの検査結果を総合的に判断することで、適切な治療法を選択できます。

高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

メラノーマの検査

病期診断のための画像検査

メラノーマと診断された場合、病期を正確に把握するために全身の画像検査が行われます。CT検査やMRI検査は、リンパ節転移や遠隔転移の有無を評価するために実施されます。PET-CT検査は全身の代謝活動を画像化し、小さな転移巣も検出できる利点があります。特にステージIII以降の進行例では、治療方針の決定に重要な情報を提供します。

センチネルリンパ節生検は、腫瘍から最初にリンパ液が流れ込むリンパ節を同定し、そこに転移がないか調べる検査です。センチネルリンパ節に転移がなければ、それ以降のリンパ節にも転移がない可能性が高く、不要なリンパ節郭清を避けることができます。この手法により、術後の合併症リスクを低減しつつ、正確な病期診断が可能となります。

血液検査と腫瘍マーカー

メラノーマに特異的な腫瘍マーカーとして、LDH、S100蛋白、5-S-システイニルドーパなどが測定されます。これらのマーカーは進行例で上昇することがあり、病勢の評価や治療効果の判定に用いられます。しかし早期メラノーマでは正常範囲内であることが多く、スクリーニングには適しません。

血液検査では一般的な項目も評価し、全身状態の把握や治療の適応を判断します。免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬を使用する際には、副作用のモニタリングとして定期的な血液検査が必要です。甲状腺機能や血糖値、電解質なども観察し、異常があれば速やかに対処します。

まとめ

メラノーマの正確な病期診断は治療方針を決定するうえで極めて重要です。診断には、リンパ節や遠隔転移の有無を評価するためのCTやMRI、PET-CTなどの全身画像検査が用いられます。特にセンチネルリンパ節生検は、不要なリンパ節郭清を避けるために重要な手法です。また、LDHやS100蛋白などの腫瘍マーカーは病勢や治療効果の評価に役立ちます。全身状態の把握や治療中の副作用モニタリングのためにも、定期的な血液検査が不可欠です。

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