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緑内障の失明を防ぐには?治療を続ける重要性と、視野が欠けた時に生活の質を守る工夫

 公開日:2025/12/10
緑内障による失明を防ぐために

失明を防ぐためには、早期発見と適切な治療の継続が不可欠です。治療を継続する意義を理解し、主体的に取り組む姿勢が求められます。ここでは、治療継続の重要性と、視野欠損が進行した場合でも生活の質を保つための工夫について解説します。

柿崎 寛子

監修医師
柿崎 寛子(医師)

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三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

緑内障による失明を防ぐために

失明を防ぐためには、早期発見と適切な治療の継続が不可欠です。患者さん自身が疾患を理解し、主体的に治療に取り組む姿勢が求められます。

治療継続の重要性

緑内障治療の基本は眼圧を下げることです。点眼薬による治療が第一選択となり、複数の薬剤を組み合わせることもあります。点眼薬は毎日決まった時間に正しく使用することが効果を引き出すポイントです。

点眼を忘れたり、自己判断で中止したりすると、眼圧が再び上昇し、視野欠損が進行する危険性があります。点眼薬の副作用が気になる場合や、使用方法に不安がある場合は、中止する前に必ず眼科医に相談してください。薬剤の変更や使用方法の工夫によって改善できることも多くあります。

定期的な通院も欠かせません。通常、3〜6ヶ月ごとに視野検査や眼底検査を行い、病状の進行がないか確認します。治療効果が不十分な場合は、薬剤の追加や変更、レーザー治療、手術などを検討します。

生活の質を守るための工夫

緑内障による視野欠損が進行した場合でも、生活の質を保つための工夫は可能です。視野が狭くなっても、中心部の視力が保たれていれば、読書や細かい作業は継続できます。ただし、周辺視野の欠損により、移動時の注意が必要になることがあります。

歩行時は足元や周囲に注意を払い、障害物を避けるようにしましょう。夜間や暗い場所では視認性がさらに低下するため、十分な照明を確保することが大切です。車の運転については、視野の状態によっては制限が必要になる場合もあります。眼科医と相談し、判断してください。

拡大鏡や照明器具、音声案内機器などの補助具を活用することで、日常生活の不便さを軽減できます。視覚障害者手帳の取得によって、さまざまな支援やサービスを受けられる場合もあるため、必要に応じて相談してください。

まとめ

緑内障は初期症状に乏しく、進行すると視野が失われる疾患ですが、早期発見と適切な治療により、生涯にわたって良好な視機能を維持することは十分に可能です。40歳を過ぎたら定期的な眼科検診を受け、リスク要因がある方は特に注意深く経過を観察してください。治療の継続が進行を抑える鍵であり、点眼薬や手術によって眼圧をコントロールすることで失明を防ぐことができます。緑内障は「治らない」疾患ですが、「進行を止められる」疾患です。不安や疑問があれば、眼科専門医に相談し、納得のいく治療を選択してください。

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